ハイスクールD×D×R~禁断の使徒が頑張るRe:ライフ~   作:ブラッキオ

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うp主は少し錯乱しながらの新章突入です。

最近思ったこと。
個人的に『この作品はレッドゾーンでやるべきか』と疑問に思ってしまうことがあります。だって昔はここよりもっとひどいような『この作品は○○○(キャラクター名)でやるべきなのか』なんてものも多かったですし。そんな作品群を追って書いたのがこれです。言ってしまえば『平安時代の歌に憧れた現代人が平安時代の歌っぽいものを書いている』ってことです。
それでも、『これ、もっと良い方法はあったんじゃないか?』なんて思うことは少なくないです。
まぁ、とりあえず元気にやっていきましょう。私としては今の読者に『昔の好評価作品はこんな感じのが多くいた』とか知ってもらえれば充分ですし。




第12章 補習授業のヒーローズ
第135話 失った世界で


 

 

人は皆、猿の紛い物

 

神は皆、人の紛い物

 

ならば、人でも神でもない、龍世界の大王ですら倒せない、全てを超越した禁断の存在は何だろうか?

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

―――

 

 

木場side

 

中級悪魔昇格試験から二日ほど過ぎた。僕、木場祐斗はグレモリー城のフロアの一角にいた。ソファに座って、待機している。

 

今、グレモリー城は慌ただしくなっている。使用人だけじゃない、私兵も動いていることから、尋常でないことが分かる。

 

その理由。それは冥界の危機。

 

旧魔王派の筆頭であるシャルバ・ベルゼブブが『魔獣創造』(アナイアレイション・メーカー)によって生み出した巨大な魔獣の群れ。それらは冥界に出現後、各重要拠点及び都市部への進撃を開始した。

 

フロアに備え付けられている大型テレビにはそのことがトップニュースとして進撃中の魔獣を映し出していた。

 

魔力で駆動する飛行船やヘリコプターからレポーターがその様子を戦々恐々としながら伝えている。現れた魔獣は全てで14体。うち200mとも思える超大型が2体。どれも100mを超えるもの。

 

今やどこのチャンネルでも魔獣の進撃が……いや、一か所だけアニメや特撮が放送されている。そこは元々『ゴーイングマイウェイな放送』というのに定評のある放送局で、ネットでも『安定の~』なんて言われているほど。

 

でも、今はそのマイペースさがありがたい。こんな暗い情報番組ばかりでは、皆の心も荒んでしまうからね。

 

魔獣たちは疑似空間では黒色で人型の塊のようなものだったが、冥界に来る際に姿を変えたらしい。

 

それも二足歩行の人型ではあるが、頭部が水生生物のようだったり、目がいくつもあったり、まるでキメラのようだ。ボディも色んな動物で構築されているせいで余計にキメラのように思える。

 

奴らの歩みは遅い。それでも圧倒的防御力で攻撃を意に介していない。そのせいで、早い個体に関しては今日中に重要拠点にたどり着くと言われている。遅い個体でも、明日にはたどり着くとされている。

 

厄介なことが三つある。

 

一つ目は、この大型魔獣が個々で小型の魔獣も独自に生み出していること。これの量がひたすらに多い。

被害は最小限に抑えられている。だが、町や村はことごとく蹂躙されている。奴らの通った道には、文字通り何も残っていない。

 

二つ目は、それらの行先。それは冥界の首都リリス。シャルバは冥界を完全に壊しに来ていることが分かる。200mはあろう2体の超巨大魔獣を『超獣鬼』(ジャバウォック)、残りの12体を『豪獣鬼』(バンダースナッチ)と名付けられた。これはアザゼル先生の命名だ。

 

テレビの向こう側では『豪獣鬼』相手に冥界の戦士たちが立ち向かっている。その戦士たちは、レーティングゲームでも上位に位置する方々だ。

 

そんな実力者の攻撃が放たれる。普通なら倒れてもおかしくない攻撃。魔獣には、効果はなかった。性格に言えば、表面には傷を負わせられる。だが、どれも致命傷には至っていない。そもそも奴らの生み出す小型魔獣の対処に追われているというのもある。

 

各地の魔獣に、堕天使や『御使い』、ヴァルキリー部隊やギリシャの戦士たちが立ち向かってくれているお陰で何とか最悪の状況は避けられている。だが、いつその『最悪』になるか分からないのが現状だ。

 

それらに更なる追い打ちが加わる。ディハウザー・ベリアル率いる眷属チームが『超獣鬼』の対応に当たっている、のだが一時しか歩みを止めさせられていないのだ。

 

このことは、岸波先輩の不在も相まって民衆の不安を煽るのに十分すぎる内容だった。

 

三つめは、シャルバの宣言。昨日、シャルバが現れ、冥界中に宣言をした。内容は、レッドゾーンである岸波先輩とイッセー君が自分に敗北したという内容。そんなことは嘘だと僕達は知っている。そもそも、岸波先輩に関してはシャルバの手柄でもないし、誰にも負けていない。だけど、この状況で現れないヒーロー二人の様子から、皆は理解してしまった。『自分達の英雄は負けた』と。

 

この不安定な状況に乗じて、各地に潜んでいた旧魔王派がクーデターを頻発させている。どうやら、シャルバの行動は計画内だったようだ。

 

更に、無理矢理眷属にさせられた神器を保有する眷属悪魔が主に反旗を翻すという報告も聞いている。

 

英雄派による簡単な禁手化(バランス・ブレイカー)の方法も知られている以上、さもありなんと言うことか。

 

それらの対応にも冥界の戦士は割かれている。もうどうしようもないと諦めても仕方ないだろう。

 

まさに、今の冥界は混乱の渦中にある。そして、その混乱に乗じた侵略だってあり得る。非常に危険な状態だ。

 

曹操率いるテロリストだけじゃない、ハーデスも何をしてくるか分からない。思うように動けないのは、非常に心苦しい。

 

サーゼクス様はハーデスへの抗議に言っている。それと、民衆の安全確保にも。主の保全を第一に考えるあのお方だ、そのことについて後手に回ることはないだろう。

 

だけど、それだってジリ貧だ。

 

……僕の心も折れそうだ。せめて気丈に振舞えるように、別のことを考えよう。

 

例えば、そうだな……

 

―「つらいことがあったらなら、夕飯のことでも考えろ。少しは楽になって、冷静になれる」

 

……ッ!

 

ふと岸波先輩の声が僕の脳裏によぎる。『人は失って大切なものに気付く』。知っていたつもりだったけれど、よりにもよってこんな状況になってもまだあの人に助けてもらうなんて……

 

「『超獣鬼』に『豪獣鬼』。その迎撃に、遂に魔王様方の眷属も出陣されるようだな」

 

ふと聞こえる声。顔を上げるとそこにはライザー・フェニックスがいた。

 

「兄貴の付き添いで来た。ついでに元婚約者の顔を見にもな。あのぶっ壊れなレッドゾーンが負けるなんてことはないこと、俺が保証する。何なら、うちの領民なんて『少なくともライザーを完膚無きまでに倒してから言え』なんて嬉しくもない信頼をしてるからな」

 

「それは……」

 

「……今のは笑うところだ。お前達、相当参っているみたいだからな。……兵藤も逝ったか。察するぜ、木場祐斗」

 

深刻そうな表情をするライザー・フェニックス。

 

龍門を開いた時、イッセー君ではなく、彼の駒が出てきた。その際にサマエルのオーラもだ。このことから『ハーデスはシャルバに組した』ということが分かった。アザゼル先生はそのことをサーゼクス様に伝え、そのことも抗議に行った。

 

神器所有者の死亡。それは天界のデータベースに記録される。故に、イッセー君の死は天界に伝わっている。だが、現世の神滅具所有者の特定がはるかに困難になっているせいで、観測が出来なかった。それが天界側からの報告だ。

 

オーフィスも行方不明だ。ハーデスの所に行ったとは考えられない。となると、次元の狭間か。

 

……感情と言うのは波に近いものがある。事実を飲み込んで冷静になれたと思っても、本当は冷静になり切れていない。

 

僕の拳に力がこもる。岸波先輩……イッセー君……!

 

「……落ち着け、なんて言わない。とりあえず、俺の独り言にでも付き合え」

 

そう言って、隣に座るライザー・フェニックス。

 

「リアスに会った。あいつ、レイヴェルの言ってたことには随分ふさぎ込んでいたらしいが……全然そうには見えなかったな。『己の為すことを為す』。そう言わんばかりに情報を収集している。その上、痛々しい程に気丈に振舞ってやがる。あれが愛する男と子分を失った女の姿には思えないな」

 

ライザーの言う通りだ。僕達の部長はイッセー君を失ったその日の夜こそ部屋に籠っていた。だが、翌日には何事もなかったように部屋から出てきた。そして、グレモリー城内で出来ることをした。一番大きいのはアザゼル先生から培った堕天使側とのコネの利用、そして兄であるサーゼクス・ルシファー様との密な連絡だろう。今では、あの人無しで堕天使側の良質な援軍は無かったとも思える。

 

コトッ、とテーブルにティーカップが置かれる。

 

「お茶、どうぞ……」

 

小猫ちゃんだ。いつも通りの無表情。でも、その奥には悲しみを感じる。彼女もフロアの隅にある椅子に座る。

 

「レイヴェル。元気を出せ、とは言わんよ。それでも、お前の不安が民衆に伝わることだけはないようにするんだ」

 

フロアに更に二人、姿を現す。一人はレイヴェルさん。もう一人はフェニックス家の長兄にして次期当主のルヴァル氏だ。ライザーのような不良という感じは真逆で、清楚な雰囲気だ。

 

「リアスさんの『騎士』か。彼女も彼女で忙しいだろうし、君でも大丈夫だろう」

 

ルヴァル氏はそう言うと懐から小瓶を数個出す。それは、フェニックスの涙だ。

 

「これのお遣いがてらリアスさんと妹の様子を見に、ね。こんな非常時だ、各部隊に涙が出回っているせいで、これしか用意できなかった」

 

「そ、そんな……!」

 

「いい。普段以上に不安定な君達にこれくらいしか出来なくて申し訳ない。さて、私は愚弟を連れて魔獣迎撃に行く」

 

ルヴァル氏も出るのか。確かにフェニックスの力は心のよりどころとして大きいだろう。

 

「ったく、いつもいつも愚弟って……」

 

「そうだろうよ、全く。最近は、どこかの誰かたちに影響を受けたようで、それも脱しそうだがな」

 

「……ふん」

 

ライザーは若干拗ねる。ルヴァル氏は僕に微笑んだ。

 

「仲間の死。心に響かぬ者など外道だろう。特に君達のような慈愛に満ちた者たちなら、それが分からないはずがない。愚弟から聞けば、リアスさんはもう立ち上がったそうじゃないか。彼女は確かに強いから立ち上がれたのだろう。レッドゾーンから『王道』というのを見て、それを模倣したからだろう。……それでも、私に言わせればあの子はまだ未熟だ。レッドゾーンから『意地を張る』ということを教わって、それを実行しているのだろう。だが虚飾なものである以上、限界もある。素で冷静でいられる君は、間違いなく見事だよ」

 

「……ありがとうございます。でも、僕だって泣き叫びたいくらいですよ」

 

部長は今、あちこちを走り回っている。必死になって走っている。だけど、その目はどこか虚ろだ。気丈に振舞うのも、自分を誤魔化しているように思える。僕達を気にしないでそうしている辺り、本当に余裕もないと思われる。

 

朱乃さんだって、先輩がいなくなって必死に耐えていた心の均衡が、イッセー君を失ったことで壊れてしまった。そのせいか、ゲストルームのソファで虚ろになって座っている。僕が話しかけても反応が無かった。

 

ゼノヴィアとイリナさんはまだ天界だ。イッセー君を失ったことを知っているかは、分からない。だけど、シャルバがあんなに堂々と宣言したんだ、きっと伝わっている。

 

そんな中でも折れない人がいる。アーシアさんだ。

 

愛する人で自分の『K』の先輩を失い、すぐに大切な友達のイッセー君を失った。それでも、彼女はめげなかった。折れなかった。今はベリアル家で先輩の眷属・御使い一同と行動をしているとか。

 

先輩の言う『真の強さ』が分かったかもしれない。『単純な力』ではない、もっと強いものが。あの人が何度も言うほどに好きな『人間の眩しさ』と言うのが。

 

ギャスパー君とロスヴァイセさんは連絡がない。この二人はまだ先輩とイッセー君のことを知らないだろう。

 

面白いくらいにバラバラだ。今までの『最高のチーム』とは何だったのか。これじゃあ、先輩やイッセー君に笑われてしまう。でも、ここから脱却も出来ないのも事実だ。

 

岸波先輩、どうかあなたの意地を下さい。イッセー君、どうか君の勇気をくれないか?

 

届かぬ祈りをする中で、ルヴァル氏は言った。

 

「我が家としてもレイヴェルには赤龍帝君の眷属に、いやそれ以上になってほしかった。それに、あの子の楽しみという意味でも、弟と妹を良い方向に変えてくれたという意味でも、レッドゾーンにはこんな状況になってほしくなかった」

 

「……はい、存じております」

 

イッセー君も先輩もそんな程度のことも気づかない朴念仁だけどね。

 

「最近は友達が出来たようだし。小猫さんにギャスパー君だったかな?連絡でもよく二人のことを聞かされたものだ。…………今はあの子をここに置かせてもらえないか?」

 

「はい、レイヴェルさんは僕たちがお預かりいたします」

 

「ありがとう。ライザー、行くぞ。これ以上、嬉しくもない信頼をされたくもないだろう?」

 

「分かってますって、兄上。それじゃあな、木場祐斗。妹とリアスのこと、頼むぜ」

 

二人はそう言い残して去っていった。

 

静まるフロア。レイヴェルさんは小猫ちゃんの隣に座る。

 

目元に涙を浮かべ、顔を覆うレイヴェルさん。

 

「……私、初めてだったのですの。あんなにも私の未来を考えて道を示してくれたヒーローと、心から敬愛出来る殿方に近付けたのは……なのに……なのにこんなのあんまりですわ……」

 

レイヴェルさんが岸波先輩を尊敬し、イッセー君を深愛していたのは知っている。気づかないのは、こんな状況でも戦わないヒーローくらいの馬鹿だろうね。

 

きっと、彼女だって先輩からもっと色んなことを学びたかっただろうし、イッセー君の眷属にもなりたかっただろう。

 

小猫ちゃんが言う。

 

「……何となく分かっていたの。私達、いつも命がけの戦いばかりだったからさ……いつも矢面に立つイッセー先輩や祐斗先輩が限界になっちゃうって。………………まだ『好き』ってことも伝えられてないのに……ッ!なんで……なんで……ッ!」

 

嗚咽を漏らして、目元を隠す小猫ちゃん。君も、ずっと悲しみをこらえていたんだね。

 

「小猫さん……小猫さん……!」

 

「レイヴェル……!」

 

二人は慰め合うように、そっと抱きしめ合う。

 

僕だって泣きたい。でも、僕は『男の子』だ。そうだろう、イッセー君?僕は『戦士』だ。そうでしょう、岸波先輩?

 

「木場祐斗君、だったかな?」

 

第三者の声が聞こえる。振り向くとそこには堕天使幹部のバラキエルさんがいた。

 

 

木場side out

 

 

 





ハイスクールD×Dの何がクソって、本当にゲロカスクソラノベなら『買うな』『もはやエアプでも叩いていい』『むしろ事前に調べて購入を踏みとどまったお前が正解』って言えるんですけど、そこまでではないので『読んでみろ。そして叩け』『スラッシュ・ドッグを念頭に置くと、作者の苦悩すら感じる』としか言えないところ。しかもその上サイラオーグ戦のような割とマシにも思えるような場面も無きにしも非ずなので、『全部クソ』とは言えないのが本当に卑怯。原作12巻とて『おっぱいドラゴンの歌』さえなければまだマシと思えますし。

一応真っ当な批判をするなら、『巻数が多いから追うのが面倒だし追う価値を見出せない』、『屑な原作イッセー君の評価ポイントが大体マジモンの屑が出てきた時、と言うせいで相対的な評価しか出来ない』って所ですかね?
前者に関しては禁書とかのような『巻数の多さ故の新規の少なさ』ってのは否定できないですし。まぁ、D×Dに関しては内容が内容なんで『こんなのに金を出したくない』ってのはあるでしょうけど。
後者に関しては余りに根深く感じ、かなり深刻な問題だと考えています。



はい、発作でした。語り出したら長くなるのでここまでで。

諸事情によりこの作品の全データが吹っ飛んで継続投稿のやる気も吹っ飛んだうp主です。HSD×Dから逃げるのも癪なせいか、リブートも本格的に視野に入って来た次第です。心機一転のリブートをするか、それともこの作品を意地でも続けるかアンケートと取りたいです。因みに、リブート後だと主人公の眷属は完全ハーレムでない方がやりやすそうなので、完全ハーレムでなくなります。とりあえず12章は意地でも書ききります。

  • 無理スンナ。リブートしたらしたで読むで
  • 逃げるな卑怯者(炭治郎並感)
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