ハイスクールD×D×R~禁断の使徒が頑張るRe:ライフ~   作:ブラッキオ

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実はこの辺がこの二次SSを書こうと思う気になったきっかけだったりします。




第136話 愛する者よ、愛する友よ

 

木場side

 

「やはり、そうなったか……」

 

僕はバラキエルさんを案内している。その行先は朱乃さんのいるゲストルームだ。朱乃さんのお父様であるバラキエルさんは沈痛な面持ちだった。岸波先輩のこと、朱乃さんのこと。色々あるのが想像できる。

 

アザゼル先生から聞いたが、バラキエルさんも二天龍の戦いの時、レヴィアタン様と同様に岸波先輩の鼓舞を受けた身だとか。レッドゾーンの不在は、この人にとっても相当心に来るものがあっただろう。何より、シャルバによる先輩の侮辱は絶大な怒りに値しただろう。こうして世間話している中でもその言葉の中にそれを感じる。

 

今、こうして思うのは自分の無力さだ。

 

こういう絶望に瀕した状況で、岸波先輩やイッセー君のようにふるまうことが出来ない。『騎士』でありながら、何も守れない。あれだけ『イケメン』だとか『王子様』だとかちやほやされておきながら眷属の女性を一人も助けられない。

 

せめて、戦う時が来たら僕は誰よりも先頭に立って剣を振るおう。それが、僕に出来る唯一のことだ。

 

朱乃さんのいる部屋に到着した。ノックをするが返事はない。僕とバラキエルさんはドアを開けて部屋に入る。

 

中は暗い。明かりが一つも灯ってない。部屋に隅のソファにうつろな目で朱乃さんは座っている。

 

バラキエルさんは彼女に近付いて肩をゆする。すると、朱乃さんは反応した。

 

「……とう、さま?」

 

「朱乃、話は聞いているよ」

 

バラキエルさんはそっと朱乃さんを抱きしめる。彼女も、バラキエルさんの胸に顔を寄せる。

 

「父さま、私……私……」

 

「お前はグレモリー眷属の『女王』だ。若手悪魔の筆頭になりつつある。どれだけ苦しくても、すぐにその力を冥界に役立てねばならない。だけど、今は泣け。父はお前が泣きやむまでここにいる。思う存分、泣くんだ」

 

「うぅ……大地君……イッセー君……どうして皆私を置いていくの……」

 

嗚咽を漏らす朱乃さん。彼女のことはバラキエルさんに任せよう。

 

僕はそっと部屋を退出した。

 

 

――

 

 

フロアに戻ると廊下で見知った顔がいた。

 

「匙君」

 

匙君がいた。僕が声をかけるとあちらも手を挙げて反応を返してくれた。

 

「よっ」

 

「どうしてここに?」

 

僕が訊くと答えてくれた。

 

「うちの会長がさ、リアス先輩の様子を見に来たってところ。その付き添いだ。表でフェニックス家とすれ違った」

 

「そっか、ありがとう」

 

会長も部長の様子を見に来てくれたのか。ありがたい。今のあの人は、今にも割れそうな風船だからね。

 

「木場」

 

「なんだい?」

 

「俺達も今回の戦いに行く。都市部の一般市民を守る」

 

……っ。シトリー眷属も出るのか。実力者は皆出ている。勿論若手も。バアル家のサイラオーグさんとアガレス家のシークヴァイラさんには既に声もかかっているだろうな。なら、シトリー眷属がそこにいてもおかしくない。

 

「僕達も後で合流するさ」

 

そう言うと匙君は心配そうな表情をする。

 

「リアス先輩は……戦えるのか?」

 

「……そうだね。『表面上』なら戦える」

 

そう、『表面上』。今の部長は張り詰めている。そして異常なまでの無理をしている。そんな彼女がいつ爆発するか分からない。前線に出しても、迷惑をかけかねない。

 

「それでも、ノブリス・オブリージュって言葉があるように、僕達力のある悪魔は戦わねばならない」

 

「だよな」

 

そう言うと一転して、殺意と怒りに満ちた表情をする匙君。

 

「岸波先輩と兵藤を殺した下手人、分かるか?」

 

そう訊いてくる匙君。

 

「先輩の方は曹操。だまし討ちかつあの人の家族を人質にとって、異世界に飛ばした……下衆だよ。イッセー君の方は、シャルバだね。どうやって手に入れたかは分からないけど、サマエルの呪いで死んだよ」

 

そう言うと、悔しそうな表情をしながら涙を流し出す匙君。

 

「二人とも、尊敬してたんだ。誰よりも強いのに、誰よりも優しくて、呪ってた自分の方を呪いたくなる岸波先輩。下級悪魔で、昇格もするって聞いた『兵士』の兵藤。あの二人がいたから、俺はつらいトレーニングも頑張れたんだ!色んな戦いでも、体を張れたんだ!なのに、なのにこんなのって……!!」

 

ただの同級生とか先輩後輩の枠組みを超えた関係であった以上、匙君にとっても二人を失ったことは大きいのだろう。

 

「俺の目標を……先輩とダチを貶めた奴らは絶対に許さねぇ!全員まとめてヴリトラの炎で燃やしてやる!俺の炎は死んでも消えない呪いの黒炎だ!たとえ命を削っても……」

 

匙君が凄まじいオーラを出す。彼も必死に抑えているんだろう。

 

「死んでは困りますよ、サジ」

 

「会長」

 

振り返るとそこにはソーナ会長、そしてサイラオーグさんがいた。

 

「サジ、感情的になるのも分かります。私とて、椿姫をあんな状態にした輩を許すことは出来ません。ですが……どうせやるなら生きて相手を燃やし尽くしなさい」

 

そう言えば、副会長も岸波先輩のことが好きなんだっけ?だとしたら、今回のことはさぞかし響いただろう。

 

「俺も、まだヴリトラを宿す者と拳を交えたいという願いを叶えていないからな。それまで死ぬなよ」

 

サイラオーグさんは変わらない武人としての一本筋を通した言葉をくれる。

 

そんな会長とサイラオーグさんの言葉に涙を拭って大きく頷く匙君。二人の視線がこちらに向く。

 

「私達はこれで失礼します。魔王領のリリスにて防衛と都民の避難の協力をするようにセラフォルー・レヴィアタン様から仰せつかっていますので」

 

「俺も似たようなものだ。レグルスも出る。あくまで想定としか考えてなった冥界の危機だが、出さないわけにはいかない」

 

なるほど、そういうことだったのか。

 

行ってしまわれるのであれば一つ訊きたいことだある。

 

「会長、それにサイラオーグさん。部長の様子は?」

 

「今は部屋に籠って精神統一させています」

 

「そこに至るまでに随分手を焼いたがな」

 

 

 

 

―「泣け!今は声を上げて泣くんだ、リアス!ここで泣かないのであれば、殴り殺すぞ!」

 

―「リアス、ここからは誰も声は聞こえません。だから思い切り泣きなさい!」

 

―「あ……ああ……!!ダイチ……ッ!イッセー……ッ!あぁああああ!!ごめんなさい!私のせいで……ッ!私のせいでッ!!」

 

 

 

 

二人は顔を合わせるとフッと笑う。どうやら、部長の方は良さそうかもしれない。

 

フロアのテレビには首都の様子が映し出されている。避難の様子の中継が続く中、子供たちの映像が映る。

 

『ぼく、怖くない?』

 

レポーターが子供にそう訊く。すると、子供は笑顔で答えた。

 

『うん、大丈夫!だって、あんなモンスター、グレートドラゴンが倒すもん!』

 

満面の笑みで答える子供。その手にはグレートドラゴンを模した人形が握られている。

 

僕は不意に涙が流れそうになった。

 

『ちがうよ!レッドゾーンが倒すんだ!』

 

カメラに割り込んできた子供の手にはレッドゾーンを模した人形が。

 

『どっちもだよ!どっちも来てくれる!』

 

『どっちもヒーローなんだ!来てくれるよ!』

 

『僕達が諦めなければ、きっと来る!』

 

『僕達が出来ることをするんだ!そうすれば二人は来てくれる!』

 

不安な顔を一切見せず、希望を持ち続ける子供たち。僕は口を押さえ、込み上げるものを必死に耐えた。

 

「あの『王』があってこの『騎士』、か」

 

「本当に、似た者同士ですね」

 

……イッセー君、岸波先輩。あなた達の紡いだ希望は、まだ潰えていません。

 

二人を待ち望む子供たちの声が、未来の声が響いています。

 

だから……だから早く来てくれ!どうしてここにいないんだ!ダメじゃないか、ここにいなきゃ!ヒーローなら、応えなきゃ!

 

「俺への声がないのは少し癪にも思えるが、まぁ今はいい。この名を轟かせるいい機会だと思おう」

 

「確かにその通りですね。サジ、あなたもグッズ化を目指して頑張りますよ」

 

「はいっ!」

 

そんな風に落ち着くと後ろから足音が。そこにいたのは……

 

「部長……」

 

「客人の見送りも出来ないのは、流石に恥だわ」

 

僕らのリアス・グレモリーだった。その顔は、前までの張り詰めたものじゃなかった。少し余裕が生まれたのか、安心感がある。

 

「ごめんなさい、祐斗。あなたに迷惑をかけたわ」

 

「いいんですよ、部長。僕らは何であれ、あなたに着いて行くだけですから」

 

そう言うとクスっと笑う会長とハハハと声を上げて笑うサイラオーグさん。

 

「全く、とんでもない忠義者ですね」

 

「あのまま腐っていたのなら、俺が貰う所だったぞ、リアス」

 

そんな風に部長をからかう会長とサイラオーグさん。それにげんなりした様子の部長。

 

「そのことは謝るわよ……私も私で首を絞めすぎていたわ」

 

どうやら、部長は完全とまではいかないが復活出来たようだ。

 

たったそれだけのことかもしれない。それでも、『王』が立っただけでこうも力が湧いてくる。

 

先輩が意地っ張りなのも少し分かったかもしれない。やっぱり、あの人は偉大だ。

 

木場side out

 

 

 





原作でのここのリアス、情けなさすぎるというか何と言うか、ちょっとアレなせいで個人的に気に入らなかったので変えました。
てか、ここの辺りから『俺、ちょっとスケベなっだけでまともです』面をし出す原作イッセーも気に入らないです。ガチで気に入らない要素がボディブローの如く効いてくるタイミングだと思ってます。

諸事情によりこの作品の全データが吹っ飛んで継続投稿のやる気も吹っ飛んだうp主です。HSD×Dから逃げるのも癪なせいか、リブートも本格的に視野に入って来た次第です。心機一転のリブートをするか、それともこの作品を意地でも続けるかアンケートと取りたいです。因みに、リブート後だと主人公の眷属は完全ハーレムでない方がやりやすそうなので、完全ハーレムでなくなります。とりあえず12章は意地でも書ききります。

  • 無理スンナ。リブートしたらしたで読むで
  • 逃げるな卑怯者(炭治郎並感)
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