ハイスクールD×D×R~禁断の使徒が頑張るRe:ライフ~ 作:ブラッキオ
連投。察していると思われますが、書き溜めしてあります。
野鳥が鳴いている。
1羽でチュン。2羽でチュンチュン。3羽揃えば牙を剥く。
山の風景は最高。木々の生い茂りもまた風情ある。ただ、この道はかなり体力をそぐ。現に後ろの兵藤は汗を滝のように流している。
「ヒー!」
「ほら、イッセー。叫んでいないで早くしなさい」
「頑張ってください、イッセーさん!」
「ありがとう……アーシア……」
グレモリーさんの鬼のような発言を耳にしながら、俺は歩みを進める。
さて、説明せねばならない。俺が何故こんな山にいるのかということを。
始まりはグレモリーさんの突撃インタビューならぬ突撃マイルームの後のことだ。何でも、彼女には婚約者がいるとか。そいつがかなりの曲者で、婚約時期を早めてきたんだとか。それに抗議したグレモリーさんはなんと『レーティングゲームで勝負して勝ったら婚約話自体を無しにする』とのこと。そのレーティングゲームは何者だっていうと、何でも悪魔で流行っている対戦で、ルール内なら何でもありのデスマッチだそう。それで決着をつける、となると力が欲しい。で、グレモリー眷属たるオカ研メンバーは修行に出ることになった。
じゃあ、なんでレーティングゲームに関係ない俺と隣にアーシアがいるかって話になる。
まず俺だが、堕天使事件での活躍を見込まれて指導員として呼ばれた。まぁ、確かにチートな俺が戦いを指導すれば付け焼き刃でもそれなりに強くはなるだろうな。
で、アーシアはというと『神器を使って修行後の回復を担当してほしい』とのこと。彼女の自分の神器への造詣も深くなるだろうというグレモリーさんなりの気遣いだ。
何か裏で取引されていそうだけど気にしない方向で行く。
てなわけで、俺達グレモリーさんとゆかいな仲間達は山の中を歩いていくのであった。
―――
山の中を歩いていくと木造の建築物が見えてきた。グレモリーさん曰く、彼女の家の別荘だそうだ。金持ちやな。普段は魔力で隠れているんだとか。便利で草。
てなわけで俺達は別荘へとお邪魔させてもらった。中はシンプルな木造。リビングに荷物を置いて、一休みした。
「ぷはーっ!水がうまい!!」
重荷から解放された兵藤の奴が実に清々しい顔をしながら倒れている。女性陣はというと動きやすい服装に着替えるために二階へと上がっていった。
「僕も着替えてくるね」
木場君が荷物を持ってそう言う。
「覗かないでね」
「「覗かねぇよ」」
兵藤と俺の声が一致した。俺にそんな趣味はないからな!
さて、俺も着替えるとしますか。
「……別にいいよな?」
「どうしたんすか、先輩……って先輩?何上着を脱ぎだして……」
「面倒だから、ここで着替える」
「先輩?!」
いいだろ、別に減るもんじゃないし。大体全裸になる訳じゃないんだし。
俺はてきぱきと服を脱ぎ、ジャージに着替えた。何か、妙に兵藤が静かだ。
「な?別に着替えてもいいだろ?」
「あのー、先輩?後ろ……」
「ん?」
振り向くとそこには姫島さんとアーシアがいた。
「あららー、岸波君って大胆なのね」
「だ、ダイチさんの……!」
何か頬を染めている。ん?どうしたんだ?
「先輩」
「なんだ?」
「俺、もっと自分に自信をつけます。自信をつけて、先輩みたいになりたいっす」
「お、おう?」
何か、兵藤が決意表明をしてきた。まぁ、悪いような気はしないからいいか。
―――
その後、皆揃ったので外に出て、それぞれの特訓へと向かった。
俺はというと、今は木場君のティーチングをしている。
「ふっ!」
「……」
木場君の得意なものはズバリ『剣』だ。実際彼の神器は『魔剣創造』というちょっとした無限の剣製であり、その太刀筋も悪くない。才能も感じられる。が……
「よし、休憩」
「はい!」
一旦休憩に入る。彼が若干お熱になっていたからだ。
「太刀筋はいい。君の戦闘スタイル的には速度と小手先を鍛えるのがいいだろう。眠っている才能も目覚めさえすれば君の力を大きく飛躍させるだろうな」
「ありがとうございます」
「ただ、君は感情的になりやすい。誘いに簡単に乗ってしまう。自分の攻撃が通らないことが続いた時の挑発に簡単に乗ってしまう」
「……」
「普段のクールな感じからは想像できんがな。お前、過去に何かあったな?」
「……!?」
そう、余りにも彼は怒りやすい。例えるなら『中々見つからない代わりにクッソ短くて油を大量に含んだ導火線』って感じ。余りにも着火しやすいもんだから何かしらトラウマでも抱えているのかと思ってしまう。
「何があったなんて知りたくもねぇが、とりあえず言うなら、その炎は確かに自分を鼓舞するものだろう。が、一歩誤れば自分の身を焼きつくして何も残さないぞ」
「……そう、ですね」
「……」
木場君の顔が暗い。よし、やめだやめ。剣振るうぞ。
俺は木刀を持って、一人で本気の剣舞をする。
「しっ……!」
「……」
パキっ
「あ、折れた。やっぱ柄にもないことやるもんじゃないな」
「岸波先輩」
「ん、なんだ?」
何か真剣なまなざしでこちらを見てくる木場君。
「その力は、どこで手に入れたのですか?」
どこでって言われても、ユノハ様からもらったものだ。……って言っても信じてもらえないよなぁ。
「……さぁな。生まれ落ちた時から持っていたものを死に物狂いの努力でなんとかした代物だよ」
「努力……」
「言っておくが、俺の境地に来ようとするな。『死ぬぞ』」
「!?」
死ぬぞっていうか、マジで死にます。死んだ後の後付けです。こんな所に来ちゃダメよ、木場君。
「さて、続きを始めるぞ」
「はい!」
その後は実戦形式でせっせと剣を振った。彼、なんだか仄暗い感じなんだよなぁ。
―――
木場君との鍛錬を終え、俺は次に塔城さんの鍛錬に入った。女の子なので余り殴る蹴るはしたくないが、ユノハ様に『お前は甘い(MKT兄ちゃん)』『そんなことも言っていられないのがこの世界だぞ』と叱られたので仕方なく鬼になることにした。
結論から言うと、彼女はテンプレパワータイプで今のまま成長すれば強くなれるだろう。ただ、どこかで打ち止めが来るタイプの成長だ。
彼女、木場君同様にかなりの訳アリっぽいのか、何か自分で抑えつけている感じが見られた。彼のように『燃え上がらせて何も残さない』って感じではなく、『自分が燃え上がることを心底恐れている』と言った所か。
てか、兵藤の奴も堕天使に神器を狙われて殺されたらしいし、グレモリー眷属って訳アリ多くない?このままだと姫島さんも訳アリなんじゃないかと疑っちまうよ。そういう人の地雷ぶち抜かないようにするの結構大変だと分かってほしい。
そんな感じで本日の修行は終わった。ぬわぁあああん疲れたなんて言っていられない。俺にはまだやるべきことが残っている。
そう、この岸波大地様のお料理の時間だ。皆頑張っているし、こういう時に俺がやらなくてどうする。
てな感じで、本日のメニューはこちら
豚こまの生姜焼き
ワカメと豆腐の味噌汁
木場君が採ってきたゼンマイのナムル
白飯
我ながらご機嫌な夕食だ。さて、取り掛かっていこう。
まず、米をなんとかしよう。グレモリーさんの申告によると塔城さんがかなり食べるそうだ。兵藤も育ちざかりの男子高校生だし、多めに炊いておくか。
俺はまず、ゼンマイのあく抜きのための湯を沸かし、それと同時に米を研いで炊飯器にぶち込んだ。
さて、玉ねぎとキャベツを切るか。
俺は淡々と玉ねぎをくし切りにしていく。さて、キャベツでも切るか。
「ダイチさん」
「ん?アーシアか。どうした?」
「何かお手伝いできますか?」
「そうだな……」
味付関係は彼女に任せるのは流石にどうかという感じだし。そもそも、彼女教会にいた頃は包丁すらまともに握ってこなかったらしいから最近になってようやく我が家で学び出したって感じだしなぁ。
せや!
「キャベツの千切り、お願い出来るか?」
「はい!」
さて、キャベツは任せたから、俺は味付け用のたれでも作るか。
「♪」
アーシアが上機嫌だ。学んだことをアウトプット出来る喜びをかみしめているのだろう。世の中『学んだことはアウトプットしないと意味がない』とかいうが俺に言わせれば『そもそもアウトプット出来る環境を作れバカ』って感じだ。自習ならともかく、社会においてこれが出来んのは少なくとも会社に非があると思わんかね?
それはさておき、俺はたれを作り始める。大昔の一人の時代の時のように。
あの時は寂しかったし辛いことも色々あったが、今は違う。
「ふぅ」
一息つく音が聞こえる。隣には誰かがいる。寂しくない。辛いこともない。
「悪くないな」
そんな風に呟く。さぁ、気合入れ直して作っていくぞ。
個人的に生姜焼きは一枚肉でも小間肉でもどっちも好きなのですが、味が濃くなりやすくてご飯に合うと思っている小間肉の方が好きです。
追記
デュエマとバイク要素ですが、もう少しお待ち下さい。
諸事情によりこの作品の全データが吹っ飛んで継続投稿のやる気も吹っ飛んだうp主です。HSD×Dから逃げるのも癪なせいか、リブートも本格的に視野に入って来た次第です。心機一転のリブートをするか、それともこの作品を意地でも続けるかアンケートと取りたいです。因みに、リブート後だと主人公の眷属は完全ハーレムでない方がやりやすそうなので、完全ハーレムでなくなります。とりあえず12章は意地でも書ききります。
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無理スンナ。リブートしたらしたで読むで
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逃げるな卑怯者(炭治郎並感)