ハイスクールD×D×R~禁断の使徒が頑張るRe:ライフ~   作:ブラッキオ

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第144話 怒りと憎しみと

 

木場side

 

サイラオーグさんがヘラクレスを倒し、朱乃さんたちがジャンヌと戦っている。残るはゲオルクだけだ。

 

僕は警戒を緩めない。何せ、『諸悪の根源』が見えてないからね。

 

倒れたヘラクレスを見ても何も思わないのか、そのまま一瞥してこちらに目を向けるゲオルク。

 

「やはり強い。これが若手悪魔の力。本気を出さずとも俺達など倒せるというわけか。バアルのサイラオーグ、グレモリーのリアスとその眷属達。先日会った時とは大違いだ」

 

そうして妙な笑みを浮かべながらゲオルクは続ける。

 

「この様子なら、今は亡き赤龍帝とレッドゾーンも報われるだろうな」

 

こいつ、今岸波先輩を殺したね。あの人がタダでお前達にやられるわけがないというのに。後で痛いしっぺ返しを受けても、僕らは止めないよ。

 

最早呆れの領域に入っていると、ギャスパー君がきょとんとした様子で声を漏らす。

 

「え?岸波先輩とイッセー先輩は他の場所にいる魔獣の相手をしているんじゃ……」

 

「そうか、君は知らないのか。赤龍帝は俺達『禍の団』(カオス・ブリゲード)と戦い、死んだ。龍殺しの頂点であるサマエルの毒を受けてな。レッドゾーンは俺達の策によって異世界にお帰り願った。二度と戻ってくることはないさ。帰ってこられるなら、俺達はこうしてここにはいないのだからな」

 

ゲオルクが堂々と言う。英雄派はまだイッセー君が魂だけの状態でいるだけであって、無事であることを知らない。岸波先輩についても、『だろう』という自分にとって都合のいい予想でしか動いていないことを自覚していない。

 

ゲオルクの言葉を聞いて、ギャスパー君の表情が死んでいく。

 

「何、悔やむことはない。あの龍神オーフィスと白龍皇のヴァーリですら敵わなかったんだ。いかに運のいい赤龍帝とて無事では済まないさ」

 

「イッセー先輩が……岸波先輩が……」

 

ギャスパー君は絶望し、顔を伏した。泣くこともなく、沈黙したまま。

 

余りの光景にこちらが耐えきれなくなり、小猫ちゃんが近づく。すると、ギャスパー君が顔をあげ……

 

ぞくりとする何かが背筋を抜けた。

 

―「死ね」

 

ギャスパー君はこの世全ての憎悪を込めたかのような声で一言呟く。瞬間、この区域の全てが暗黒に包まれた。目に入る領域全てが暗闇に飲まれる。その暗闇は、ギャスパー君からあふれ出したものだった。

 

「な、なんだこれは!?」

 

突然のことにゲオルクも驚きを隠せないでいる。

 

「神器の……いや違う……!これはヴァンパイアの……だとしても……!」

 

この光景には魔法に秀でたロスヴァイセさんも驚いたまま。僕もこんなものを見るのは初めてだ。禁手(バランス・ブレイカー)とは違うものだと予想は簡単に出来る。

 

暗黒の領域と化した周囲。その中央でより深い闇に包まれた人型が異様な動きをしながらゲオルクとの距離を詰める。その双眸は赤く、鈍く、不気味に光らせていた。

 

―「殺シテヤル……!オ前ラダケハ殺シテヤル……!」

 

ギャスパー君の声じゃない!?誰なんだ、あれは!?

 

サイラオーグさんが眉間にしわを寄せながら言う。

 

「まさか、こんな化け物の類を飼っていたとはな。リアス、お前はどこまで知っていた?」

 

「何も、ね。ギャスパーがヴラディ家で疎まれた理由も、神器じゃないっていうことがここでハッキリしたくらいだもの」

 

部長もどこか怯えた様子で答えた。

 

ゲオルクが抵抗しようと魔方陣を展開するが、ギャスパー君らしきものの闇によってその魔方陣は食われた。

 

突如、ゲオルクの周囲の闇が蠢く。そしてそこから異形の獣たちが生まれていく。キメラと言うのも烏滸がましいレベルで冒涜的なものが闇から誕生していく。

 

「これが、ギャー君の……」

 

小猫ちゃんも恐る恐る言葉にする。それもそうだろう。何せ、友達で同僚の人物がこんなことになっているのだから。

 

「クソッ!霧もダメだ!何も分からない!」

 

ゲオルクとてそれなりに高名な魔法使いのはずだ。その知識には今まで散々苦しめられてきた。そんな奴でさえ、理解に及べない領域が目の前で広がる。

 

「……徹底するしかない!」

 

ゲオルクの体が転移の魔方陣に包まれる。そんな時、彼の体から黒い炎が現れる。あれは、ヴリトラの炎!

 

匙君の方を見る。意識がはっきりしてきたのか、膝立ちになりながらも神器を使っている彼がそこにいる。

 

「てめぇ……ただで帰れると思うなよ……!」

 

ヴリトラの炎に組み付かれるゲオルク。その炎は、命を吸い取るものだ。ゲオルクが懐から小瓶を出すが、それさえも燃やし尽くす。どうやら、この土壇場でフェニックスの涙を使おうとしたらしい。

 

動きが止まるゲオルク。それを見逃すほど、今のギャスパー君は甘くないし、怯えてもいない。

 

上位神滅具を持った魔法使いは、異形の獣たちに襲われ、闇へと飲まれていった。

 

周囲の闇が晴れ、元のリリスに戻っていく。ギャスパー君は、道に横たわっていた。

 

ギャスパー君の様子を見に行く。すやすやと寝息を立てているのを見るに、どうやら気絶しただけのようだ。

 

近くが大きな音が響き、土煙が立つ。そこにいるのは、ジャンヌだった。奴は力なくグッタリと倒れている。

 

ジャンヌと戦っていた朱乃さんとゼノヴィアの方に目を向ける。どうやら、決着がついたようだ。

 

これにて一件落着、とまではいかないがそれでもひと段落はついた。あとは、イッセー君の帰還を待ちながら曹操を警戒するだけ。

 

そんな時だった。空から快音が響く。

 

その場にいる皆が一斉に音の発生源に目を向けた。そこには次元の穴と一匹の巨大なドラゴン。そしてその頭に乗っている一つの人型の影。

 

……全く、呆れたよ。本当にあの歌通り、『空を裂いてやってくる』なんてね。

 

 

木場side out

 

 

アザゼルside

 

 

「すまない、アザゼル……」

 

「今はいい!とにかく生きて逃げるぞ!」

 

俺は今、ボロボロのサーゼクスに肩を貸しながら逃げている。

 

別にハーデス神から逃げているわけじゃない。やれるなら、この命と引き換えにでもあの耄碌骸骨じじいを止める覚悟だってあった。

 

だが話が変わった。意地汚くても生きねばならなくなったんだ。

 

周りに目を配せる。何もない冥府だ。だが、ここの空間自体が悲鳴を上げている。絶望の声を発している。後方からは冥府の神殿が崩壊の声を上げている。ハーデス神や死神達、そしてサマエルの苦悶と恐怖、絶望の満ちた悲鳴が響く。

 

俺がさっきまで見ていたのは、神殿では不死身のはずの死神たちが虐殺される光景。『ありえない』が『ありえる』になった瞬間だった。

 

それを為したのは、他でもない岸波だった。

 

そうだ、あいつが帰って来た。俺はうれしかったよ。恩人で、俺の生徒が帰って来たことがどれだけうれしかったか。

 

だがな、こんな状況になってしまったらそんなことは言えない。

 

鳶雄は逃がした。デュリオも天界に逃げて、このことをミカエルに伝えているはずだ。

 

今の俺達に出来るのは、とにかくここから逃げきること。

 

『あんなこと』になっちまった岸波から逃げきることだ。

 

外へ出ると同時に、神殿が崩れ去る。瓦礫の山にそびえ立ち、冥府の空へと咆哮を上げるのは、岸波大地だ。その姿は、恐怖以外何も感じなかった。

 

 

アザゼルside out

 

 

 

諸事情によりこの作品の全データが吹っ飛んで継続投稿のやる気も吹っ飛んだうp主です。HSD×Dから逃げるのも癪なせいか、リブートも本格的に視野に入って来た次第です。心機一転のリブートをするか、それともこの作品を意地でも続けるかアンケートと取りたいです。因みに、リブート後だと主人公の眷属は完全ハーレムでない方がやりやすそうなので、完全ハーレムでなくなります。とりあえず12章は意地でも書ききります。

  • 無理スンナ。リブートしたらしたで読むで
  • 逃げるな卑怯者(炭治郎並感)
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