ハイスクールD×D×R~禁断の使徒が頑張るRe:ライフ~ 作:ブラッキオ
ここから先の展開に頭を悩ませる日々。
イッセーside
『せきりゅーてー!がんばれー!』
声が聞こえる。
『みんなでせきりゅーてーをまってるねー!』
温かい声が聞こえる。
『せきりゅーてーがいるから、わたしたちみーんな、こわくないよ!』
誰よりも純粋で、勇気ある声が聞こえる。
『せきりゅーてーががんばるから、ぼくたちもがんばる!』
革命の狼煙が、そこに立ち上る。それをただ突っ立って見ているだけなんて出来るわけがない。だって俺は、ヒーローだから。
――「相棒。随分上機嫌だな」
ドライグの声にふと意識を現実に戻される。そっか、俺、夢のことを思い出していたのか。
――「そんなにいいことがあったか?」
「まぁな」
夢の中で、子供たちの声が聞こえた。俺を労わり、俺の帰りを待っている子供たちが、未来が待っている。俺の守りたいものが、必死に『今の自分に出来ること』を探して、それを為している。
所詮は夢だ。幻にすぎないよ。それでも、これだけの光景を見て、『ただの夢や』なんて言うような奴が『革命軍』の戦士か?
――「その通りだ、兵藤一誠。お前は立派な『革命軍』だ」
俺の中にいるドギラゴンがそう言う。ははっ、先輩が認めた『強敵』にそう言われると、何だかうれしくなってくる。
――「……全く、お前は本当に面倒なドラゴンとの縁があるな」
ドライグさんがそう呆れながら言う。サマエルなんて面倒な奴と出会うことになったのも『縁』と言えばその通りだ。それからタンニーンのおっさんだったり、ドギラゴンだったり、一癖も二癖もあるドラゴンと出会ってきた。
――「面倒な、か。それもそうだなドライグとやら」
ドギラゴンが認める。だが、その声は心なしか軽快なものだった。
――「だが、お前とて兵藤一誠との縁あった『面倒な』ドラゴンであろう?」
――「……ふん」
思えば、俺が悪魔になったきっかけはドライグさんだ。レイナーレに殺されたのも、俺の神器……すなわちドライグの力が原因なわけだったし。なんつーか、難儀な運命なもんだな、俺も。
ドライグは拗ねる素ぶりをするも、すぐに気持ちを入れ替える。
――「ところで相棒。新しい体の調子はどうだ?」
ああ、そうだった。俺の体ってもう前と完全に違うんだった。繭から出てきた俺の体に魂が入った時、変な感覚がしたが、それでもすぐに馴染んだ。新しく出来たってのに何の違和感もないこの体って、何だか不思議というか変だ。
「問題はないぜ、ドライグ。いつでも戦える」
――「それは僥倖だ。姿形は前と同じだ。普段通りな今までの生活は送れる。だが、その性質は違う。お前の今の体はオーフィスとグレートレッドから出来たものだ。故に龍殺しの効き方は以前と比にならんぞ。それに、悪魔の駒もない。プロモーションに頼ったことは、今は出来ん」
悪魔の駒共め、俺が死んだ途端にどっか行きやがって……。あの薄情者どもは後でお仕置きが必要だな。
――「元々カスのそれだった身体能力も真龍と龍神の力で大きく向上している。出会った頃の白いのとなら、五分以上の戦いが可能だろうな。元がカスだから大きな期待は出来んが」
カスカス言い過ぎだぞ、ドライグ。俺だって心は人間なんだ、泣くぞ。
――「真龍と龍神。二つの力が合わさり、これからどんな成長をするのか……。見ものだな」
……そうだな。俺も楽しみで仕方ないぜ。
しっかし、龍殺しが今まで以上にきつくなるのかー……。あれのヤバさはサマエルで嫌って程に知ったしな……。あれ以上とか想像したくない。マジで二度と御免だ。
で、ここからどうしましょう。周りにあった珍しいものなんてゴグマゴグくらいだし。どうやって皆の所に戻ったらいいのやら……
そんな風に思っていると歌が聞こえてきた。この歌は……
――「相棒、空を見ろ」
ドライグに言われて万華鏡みたいな空に目を向ける。そこには映像のようなものが映し出されていた。
その内容は……子供たちだった。子供たちがあの歌を歌っている。
『正義の名を今汚すのはだれだ!裂けた空からやってくる!』
『心をかきたてるダイノガッツ!熱い夢が牙を剝く!』
『アバレた数だけ強くなれる!アバレた数だけ優しさを知る!』
『アバレアバレ勝利するまで!』
――「どうやら、グレートレッドが冥界中の子供たちの思いを投影しているようだぞ?」
そっか……あの夢は、夢じゃなかったんだ……。子供たちは、必死になって俺を求めてくれているんだ……
俺は思わず強く拳を握る。
――「グレートレッドは夢幻を司る。誰かが抱き、思い描き、見た夢を、俺らに見せているってわけだ。もしかしたら、お前がサマエルの毒で死にかけた時も、お前の心にあった『帰りたい』という思いに応えた結果なのだろうな」
そうか。グレートレッドも、随分優しいもんだな。
俺の心が震える。勇気が燃える。心のマグマがほとばしる。
「そうだな、これはきっと夢かもしれない。でも、子供たちの思いは、決して夢じゃない!俺達ヒーローを求めるあの声は、幻なんかじゃない!」
俺は、俺の中で暴れる感情を抑えられない。
――「しかし、子供たちはこっちの方がいいのか。俺としてもこっちの方が好きだがな」
あら、ドライグさんが珍しく先輩関係のことに好意を抱いていらっしゃる。
――「ふざけるのも大概にしろ、相棒。あくまで、俺はあの歌に今までの変遷を感じていたんだ。『アバれた数だけ強くなれる』。随分俺達らしいな」
素直じゃないんだからー、全く。
――「あら、私達歴代は『Dino soul』の方が好きよ?」
――「うむ」
エルシャさんとベルザードさんが横槍を入れてくる。こらこら、こんな所で喧嘩しないでください。
「まぁ、どうであれ俺はあの子たちの所に帰らねばならなくなったってのは確かだと思うんだが」
――「そうだな。グレートレッド、この男をあの子たちのもとに帰してやりたい。頼めるか?」
ドライグがグレートレッドにそう言うと、グレートレッドは大きな咆哮を上げた。
すると、目の前に空間の裂け目が出来た。そこからは大都市が見える。あの町からは、懐かしくて、愛しいオーラを感じる。空の色から察するに、冥界だな。
ダチのオーラ、大事な仲間のオーラ、愛する人のオーラ。何て心地いいんだ。
俺の隣にいるオーフィスに俺は言う。
「オーフィス、俺は帰るべき場所に、あそこに帰るよ。ありがとうな」
「そうか」
そう言うオーフィスは俺の手を掴んだままだ。
「で、オーフィスはどうする?」
俺がそう訊くと、オーフィスは相変わらずの無表情で答える。
「我も行く。ドライグたちと友達だから」
――「そうか」
「それに、レッドゾーンならあっちに行く」
俺はその言葉に虚を突かれ、そして思わず笑ってしまった。ああ、そうだな。『岸波先輩ならそうする』。
そうして、俺達は次元の裂け目を超えていった。
次元の裂け目の先にいたのは、巨大な怪獣。人型で、キメラみたいな奴。俺はそれを知っている。シャルバの野郎が英雄派の神滅具で作ったアンチモンスターだ。後ろに目をやるとそこには巨大な都市がある。
オッケー、把握した。こいつはあそこに行こうとしているんだな。で、あそこには多くの民間人がいるってことだ。
じゃあ、ぶっ潰すしかねぇよな!
モンスターの周りには人影がそれなりの数ある。どれもすごいオーラを纏っている。目を凝らしてみると、そこにいたのはグレイフィアさんだった。ってことは、周りにいる木場みたいな剣技を使うお侍さんや麒麟はサーゼクス様の眷属ってことか。
……あ!黒歌さんもいる!周りには他の先輩の眷属はいないけど、あの人も戦っている!
――「見ろ相棒。おそらくだが、あれが現冥界における『最強』の集団だ」
ドライグがそう言うなんて、マジですごい人達なんだな……
ただ、様子を見る限りだと苦戦しているようだ。何せ、あのアンチモンスターに傷がつけられてないってのが証拠だ。シャルバの野郎、どんだけ面倒なことをしてくれたんだよ……
――「マジで言っているのか、グレートレッド?」
突然ドライグがよく分からないことを言い出した。どうしたんだ、ドライグ?気でも触れたか?
――「違う。グレートレッドが『あのモンスターにガンつけられた。気に入らんから手を貸す』と言っているんだ」
ほうほう、手を貸すのね。
え?手を貸すって、どういうこと?何をするの?
「ドライグたち」
「どうした、オーフィス?」
「ドライグたちとグレートレッド、合体する」
が、合体ぃいい?!
俺の理解が及んでいないこの状況で、グレートレッドが赤く光り出す。その赤い光は辺り一帯を包んで、そして……
気が付くと大地に足を付けている俺がそこにいた。え、どういうこと?てか、目の前のモンスターが少し小さいような気がするんだが?
――「それもそうだろうよ。周りのルシファー眷属とやらたちを見てみろ」
ま、周り?
俺はドライグに言われるがまま視線をグレイフィアさんたちに向ける。小さい。随分小さい。ミニチュアの人形みたいに小さい。遠近法とか関係の無い大きさだ。
……ドライグさん、これってもしかして。
――「賢くなったな、相棒。俺は鼻が高いぞ。そうだ、お前、今巨大化しているぞ?」
「んだよそれぇえええええ?!!」
俺の声が響き渡る。俺の体を確認する。確かに、巨大な
グレイフィアさんたちがこっちに視線を向ける。待って、敵じゃないです!
俺が混乱していると、モンスターが咆哮を上げて、こちらに突撃してきた。下の風景を簡単に飛ばしながら、こっちにやってくる。
――「ほら相棒、このままだと犬死だぞ?落ち着いて対処しろ。なに、いつも通り戦えばいいだけだ」
こいつ、他人事だからって……!
――「いや、俺は元々今のお前と同じくらいの体だったしな。寧ろ懐かしさまで覚えているくらいだ」
そうでしたね!あんた、元々はでっかいドラゴンだったね!
「ちきしょぉおおお!やってやらぁあああ!!」
俺は拳を振りかぶり、突っ込んできたモンスターの顔面に拳をクリーンヒットさせる。
モンスターがよろめく。今がチャンスだ!今度は俺がモンスターへと向かっていき、モンスターの頭にドロップキックを入れる。
大きな音を立てて、モンスターが吹っ飛ばされた。いいぞぉ!初の巨大化戦だけどうまくやってる!もしかして、俺って変な方向に才能ある?
――「まぁ、否定はせん」
――「だろうな」
――「でしょうね」
――「そうだな」
ドライグ、ドギラゴン、エルシャさん、ベルザードさんからの評価をいただきました。はい、そうです。私は変な方向にしか才能がありません。ちっきしょぉおお!
――「でだ、相棒。グレートレッドによればあのアンチモンスターを消し飛ばす方法があるそうだ」
ドライグがそう言う。マジで!?それはいい!ルシファー眷属でも手こずる相手を倒せるなら最高だ!
――「ただ、威力が不味いらしい。曰く『辺り一帯を吹っ飛ばすビーム』だとか。勿論、後ろの街まで被害が出るぞ」
ダメじゃん、それ!本末転倒だよ!
俺がデメリットのデカすぎる攻撃に頭を抱えていると、脳内に電流が走った。
なぁ、ドライグ?
――「なんだ?」
それってさ、空にぶっ飛ばしてそこで消し飛ばすって方法なら被害も抑えられて最高って感じかな?
――「ああ、そうだな。お前の言う通りだ。あのアンチモンスターを倒すには、上空にぶっ飛ばすしかないな」
ならそうするしかないな。でも俺にそんな実力は……
ふと、視界の端に人影が写りこむ。いや、いけるんじゃね?あの人たちならいけるんじゃね?!
俺はグレイフィアさんと黒歌さんに言葉を投げる。
「グレイフィアさん!黒歌さん!俺です!兵藤一誠です!」
そう言うと、グレイフィアさんは俺の近くまで飛んできてくれた。
「にゃ、マジで赤龍帝にゃ。安心……とかは今はいいか」
「一誠さん?その姿は……いえ、今はそれどころではないですね。何用でしょう?」
「ありがとうございます!グレイフィアさんと黒歌さん、早速なんですが、あのモンスターをぶっ倒す手段が俺にはあります。ただそれには準備がいるんです。その準備をお願いしたいんですが、いいですか?」
俺の言葉を聞いて、さっきまでの『グレモリー家のメイド』の顔から『ルシファー眷属の戦士』の顔に変わるグレイフィアさん。黒歌さんも『気ままな野良猫』って感じから『世界最強の勇者の仲間』の表情に変わる。
「聞きましょう。我々は何をすればいいのかを」
「赤龍帝、どうすればいい?」
「ありがとうございます!二人にはあいつを上空までぶっ飛ばしてほしいんです。魔法での転移でも、トランポリンみたいな跳躍でもなんでもいいです。あいつを空へと移動させてほしいんです!そうしたら、俺が特大の奴を叩き込みます!」
それが馬鹿で間抜けで真っすぐにしか走れない俺の、たった一つの冴えたやり方だ。
イッセーside out
諸事情によりこの作品の全データが吹っ飛んで継続投稿のやる気も吹っ飛んだうp主です。HSD×Dから逃げるのも癪なせいか、リブートも本格的に視野に入って来た次第です。心機一転のリブートをするか、それともこの作品を意地でも続けるかアンケートと取りたいです。因みに、リブート後だと主人公の眷属は完全ハーレムでない方がやりやすそうなので、完全ハーレムでなくなります。とりあえず12章は意地でも書ききります。
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無理スンナ。リブートしたらしたで読むで
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逃げるな卑怯者(炭治郎並感)