ハイスクールD×D×R~禁断の使徒が頑張るRe:ライフ~ 作:ブラッキオ
気が付いたらたくさんのブクマとUA。本当に感謝しかないです。
「雨だな」
外ではザーっと音が立っている。そう、雨だ。しかも結構しっかりと降っている。今日は球技大会だったが、幸いなことに終わってから降り出した。運がいいのか悪いのか。
さて、帰宅しましょう。と言いたいが、今日の部室で余りよろしくないことが起きた。何でも木場君がグレたそうだ。
ドッジボールでのこと、彼がボケっとして手を抜いているように見えたのが何にでも全力なリアスの怒りに触れ、説教をすると若干反抗的な態度。しかも普段の彼から想像できないほどの面倒くささを発しながら。聖剣・エクスカリバーについて自分の意思表明をし、結局彼は一人でどっかに行った。
と、兵藤は言った。エクスカリバーってあれだよな?勝利を約束してゲロビ出したりヴァカめの奴だよな?
「木場……」
思わず、どこぞの乾みたいな言い方をしてしまう。聞いた情報だけなら今の彼の状況はまさしくどっかのホースオルフェノクのそれだ。このままでは闇落ちはするだろう。
「いかんな……」
「ダイチさん?」
深い思考に身を任せていると声をかけられた。
「アーシア……」
―――
俺はアーシアと帰ることにした。学校を出る直前に父さんにジャガイモを買って来てほしいと言われたのでいつも通り商店街の八百屋に行って買うことにした。ちな、今晩はカレーだそうだ。
リアス達は木場君のことで色々作戦会議をするそうだ。何だか俺達だけハブられたみたいでちょっと不満だが、こればっかりは『眷属』としての関係があるのだろう。俺の勝手な解釈だが、リアス然りあのフェニックスですら眷属を家族のように扱っているように感じる。きっと彼女たちが上澄みなだけし、中には黒歌が出会ってしまったクソッタレもいるのは分かる。けど、俺もリアスの思いには賛同する。だからこそ、言おう。こればかりは、『家族の問題』は家族が中心になって解決しなければならない。
「私たちは無力ですね」
無言で歩いているとアーシアがそう言う。確かにそうだろうな。俺達は何も出来やしない。リアス達の力になることも、木場君を助けることも。
「俺達は人間だ。手が届く範囲でしか誰かを助けちゃいけない。それ以上伸ばすのは傲慢他ならない」
「ダイチさん……」
「だが、手を伸ばせば届くのに触れることも許されないのは、心が痛いな」
「……そう、ですね」
「俺は何のためにこの力を……いや、やめよう。とりあえず、リアス達からの情報が無い限りは部外者の俺達が関わるのは良くない。混乱を招くだけだ」
「はい……」
「さ、行こう」
俺達はジャガイモを買って、帰り道を急いだ。
そんな中だった。件の男がいたのは。
「お礼は殺して返してあげるよ、悪魔の坊や!」
「その聖剣、本当に僕を苛立たせる……!」
木場君だ。何か剣を持った男もいる。
「木場君?」
「なっ?!先輩、どうしてここに?!」
「おやおや~?よそ見していて……ってあらあらー、アーシアたんにお前はあの時の……覚えてるぅ?俺は忘れねぇよ!てめぇのそのすかしたむかつく顔をよぉ!!」
「木場君、注意させてもらうが、こんな雨天でチャンバラは今時特撮でも貴重だぞ。事情がない限りはな」
「てんめぇ、無視かよ……!ぶっ殺す!!」
「先輩!」
何か剣を持ってこちらに向かってくる。なんだあいつ?ヤバそうな奴だなぁ。狂気に染まっているし、刃物?鈍器?何か光ってる物も持っているし。一回懲らしめるか。
「アーシア、持ってろ」
「え、あ、はい」
俺はジャガイモの入った袋と傘をアーシアに預けた。これで両手が空いた。
「おるぁあああ!!」
が、呑気にやっていたせいか随分距離を詰められている。あー、しょうがない。受け止めるか。
俺は仁王立ちの姿勢を取り、額で光るが鳴らないDX謎の剣っぽい何かを受け止めた。
「なっ?!」
「ダイチさん!?」
「先輩!?」
ミシッ
ん?何か嫌な音が聞こえたぞ?
その音が出ると何かを悟ったのか、それとも恐れたのかは知らないが後ろへと飛び、下がった。
「何でだよ何でだよ何でだよ!!?いいか、これはエクスカリバーなんだぞ!てめぇ如き頭かち割られて当然なんだぞ!何で生きてんだよ!!」
俺はポリポリと頭をかく。
「誰だか知らんがお前のそれ、俺からすれば傘にもならない鈍とか玩具とかの類だが?」
「~~~~~ッ!!!チッ!!興ざめですよ、興ざめ!!こんな奴に構ってられるか!!!」
そう言うと明後日の方向へ走り出した。
「待てっ!」
「待つかよ馬鹿が!!」
そうして不審者はどこかへと去っていった。残ったのは俺とアーシア、そして木場君。
「先輩には聖剣すらも届かないというのですね……」
「聖剣か何かは知らんが、随分ひどい様だな、木場君」
その顔は憔悴している。ぶっちゃけ、これを『物憂い』というのは流石に何も物を知らな過ぎる。
「兵藤の奴が言った通りだな。お前、聖剣に関して何かあったな?」
兵藤の言っていたことが、聖剣を見てから様子がおかしくなったのが確かなら、それを破壊することで彼を救えるかもしれない。だが、それは結局『かもしれない』の範疇を越えない。
「チッ……イッセー君、余計な事を喋って……」
普段の彼なら『あはは、イッセー君も口が軽いなぁ』程度でニコニコしながら流すだろうことも今ではこんな悪態をつくザマだ。何たる無様よ、と言いたいくらいに俺はかなり心配している。
「おい、木場。あのリアスがキレたくらいなんだろ?俺より長い付き合いだろうお前が彼女の心の広さを知らない訳ないだろうが、それでも言うなら、あいつを怒らせておいてただで済むと思っているのか?」
もう一度言う。リアスは眷属のことを家族のように扱っている。故に、こいつの問題は家族の問題。家族で解決せなばならない。俺のような部外者が入る余地など最初からないはずなのだ。
だが、こいつの様子を見て話しが変わった。なんだ?兵藤とは別ベクトルでこいつも馬鹿か?
「勿論ですよ。それだけ僕にはやらねばならないことがある」
その目の奥には炎が、どす黒い憎悪の炎が燃え滾っている。
「木場……お前……」
「……失礼します、先輩」
そう言って去ってしまった木場君。うーん、どうしたものか。
こればかりは本人か彼の主であるリアスの口から語ってもらうしかないよなぁ。
「木場さん……」
「アーシア」
「はい、何でしょう?」
「帰ろう。一旦帰って、それからリアスに話を聞こう」
「そうですね。私も、あんな木場さんを放っておくのは……」
アーシアの言葉が詰まる。さ、帰ろう。この辛気臭い感じもきっと雨のせいだ。
―――
「聖剣計画だぁ?」
「何そのとんちきな名前」
俺達は帰宅すると俺の部屋にリアスと黒歌、アーシアが集まり、木場君の説明を受けていた。
俺と黒歌はその広告がうざい中華製のクソスマホゲーみたいな名前の計画にちょっとした驚きを覚えていた。
「数年前まで教会にあったのよ。本来才能を持った者しか聖剣が扱えないのをなんとかしようとして人為的に聖剣使いを生み出そうとした計画がね」
「初めて聞きました……」
長年教会にいたはずのアーシアですらも知らない事実。確かに彼女は外界の情報をシャットアウトされていた可能性も無きにしも非ずだが、だとしても噂くらいは聞いただろうにそれすらないのだから、余程極秘なのだろう。
「聖剣は悪魔にとって天敵。斬られればすぐに消滅してしまう。そんな兵器が条件関係なしに扱えるとなれば、教会にとっては願ったり叶ったりだわ」
「聖剣。エクスカリバーとかそのあたりか?」
「ええ、そうね。今ダイチが言ったエクスカリバーは特に有名ね」
「……」
「ダイチさん?」
ちょっと突っかかる所があったもんだから考え事をしてしまった。
「なぁ、リアス?聖剣が『条件に合った人しか扱えない』というのなら、木場君の神器のような廉価版を創り出すことや、そんな神器はないのか?」
「一応ある。例えばだけど神器の中でも突出して危険とも言える強さを持つ『神滅具』。その代名詞である『黄昏の聖槍』が存在するわ。他にも祐斗の神器の聖剣版とも言える存在も。けど、人為的に作った物は本物の聖剣であるデュランダルや天叢雲剣の足元にも及ばない。だから天然で本物の聖剣を扱える存在っていうのは希少性が高いの」
「私もはぐれ時代にそういう輩と出会ったけれど、大して怖くなかったってのが感想にゃ」
「そういうこと」
なるほどな。養殖だとお粗末すぎて話にならんってことか。
「(いや、まぁ、うちの組織で作ってる試作の聖剣の質はそいつらに比べたら化け物じみてるし、何ならそこらの本物に比べたら……)」
黒歌が何とも言えない顔をしている。怖くないとは言え、効果はそれなりにあったのだろう。
「……祐斗はね、聖剣の……特にエクスカリバーと適応するために人為的な養成を受けた子なの」
ほう、つまりあの子は強化人間の類、と。……待ってリアス。どうしたその悲しそうな目は?マジで強化人間みたいな末路だったわけじゃないよね?もしそうなら、アーシアのことも込々で教会を滅ぼすぞ?
「ということは、リアスの騎士は聖剣使いなのかにゃ?」
「いいえ、違うわ。それどころかあの子と同時期に施設にいた子たちは皆適合できなかったそうよ」
「そうなのですね……」
次の瞬間、リアスはとんでもないことを口にした。
「……適合出来なかったと知った教会は祐斗たち被験者を『不良品』として処分したそうよ」
「えっ……」
「……」
アーシアは声が漏れた。黒歌は落ち着いているようだが、その目は大きく開いている。
「『聖剣に適合しなかった』。ただそれだけで祐斗たちの仲間の多くは殺された」
「……胸糞悪いわね」
「そんな……主に仕える我々がそんなことをしていいはずが……」
黒歌は自分がそう言った実験の被検体だったからこそ、何か思うことがあるのだろう。アーシアもアーシアで自分の信じた正義がまた否定されたようだ。
「『暴走した正義は全てを正当化する』。そんな風にはよく言ったものだな」
「……本当にね。これじゃあ、人間の方が余程悪魔じゃない」
リアスが憂いた目をする。優しい彼女だ、木場君のことを知った時の人間への失望は半端ないものだったろうに。
「祐斗を転生させた時も、あの子の目には復讐の炎が燃えていた。その剣の才能を聖剣なんかじゃない方に生かして、いつか聖剣のことを忘れて生きて欲しかった。けれど、運命っていうのは残酷ね」
「そうだな。別に兵藤が悪いってわけじゃないのに。だからあいつ抱え込んでいるのか?」
「そうなのかもしれないわね。特に今日この話を聞いた時、イッセーはとても苦しそうにしていたわ」
あの馬鹿、一人で余計なもん背負おうとしてやがるな?
「とにかく、今はあの子を見守るしかない。それしか出来ないわ」
そんな時だった。黒歌が手を挙げた。
「グレモリー、一ついい?最近、この町が良くない連中が集まっている噂を聞いたにゃ。何でも『聖剣が邪悪に奪われた』だとか。聖剣を奪えるってなると多分そのバックには巨大な組織、それこそ
「何ですって?」
「まー、これはあくまで噂にゃ。せいぜい『火のない所に煙は立たぬ』くらいでいてほしいな。で、ここからが本題。もし、その噂が本当なら白音にも確実に危害が出る。そうなった場合、私は少し出しゃばるけどいいかしら?」
「……そうね。あの子の心には悪いけど、あの子の命を優先するなら文字通り『猫の手も借りたい』わ。でも黒歌。もしあなたが出ることになったら、間違いなくここにいられなくなるわ」
「分かってる。それでも守りたいの」
黒歌、お前……。よし、その心意気買った。
「だったらその時は俺の名声を盾にすればいい。所詮1000年も前の名誉だが、それでもお前を守る傘くらいにはなるはずだ」
「ご主人……」
「そうだ、最悪悪魔も天使も殲滅しちゃおう。お前のことや教会の件で怒りも溜まっているしな」
「やめてダイチ……あなたのそれは現実になっちゃうから……」
げんなりするリアス。ごめんごめん、四分の一ジョークで言っただけだよ。
「……悪い、苛立ってた」
「いいわ。こんな話聞いて苛立たない方があなたの言う『人間』ではないから……」
夕食前に、とんだ暗い話を聞いてしまった。ため息すらも惜しい。木場君、いや木場。お前、絶対に命だけは捨てるなよ。その命は間違いなく神ではなくお前の仲間達の力で守られたに違いないんだからな……。
突然の表明ですが、私はリリカルなのはだと大人フェイトさんが好きです。
諸事情によりこの作品の全データが吹っ飛んで継続投稿のやる気も吹っ飛んだうp主です。HSD×Dから逃げるのも癪なせいか、リブートも本格的に視野に入って来た次第です。心機一転のリブートをするか、それともこの作品を意地でも続けるかアンケートと取りたいです。因みに、リブート後だと主人公の眷属は完全ハーレムでない方がやりやすそうなので、完全ハーレムでなくなります。とりあえず12章は意地でも書ききります。
-
無理スンナ。リブートしたらしたで読むで
-
逃げるな卑怯者(炭治郎並感)