ハイスクールD×D×R~禁断の使徒が頑張るRe:ライフ~   作:ブラッキオ

25 / 152

原作大改変ポイントです。こんなこと言うのもあれですが、原作って型破りを行き過ぎて、当時の感性でも色々アウトな気がするんすけどどうなんすかね......?





第24話 真実に舞い降りる真紅

 

木場side

 

――勝った。

 

肩から横腹まで傷を負ったフリードが血を滴らせながら倒れる。

 

天を仰ぎ、聖魔剣(イレギュラー)を強く握りしめる。この感情は、感無量、という訳ではないだろう。どちらかと言えば目標を失ったことへの虚無感だろう。イッセー君なら賢者タイムとか言うに違いない。

 

『生きていていい』。そんな理由の一つがなくなっていく。

 

それにしても先輩の言う通りだった。僕は『熱くなる』ことの調整が下手だった。今までは聖剣のことを聞いて、すぐに我を忘れていた。だが、今回は違った。あの人の言いたかったであろう、『程よく燃え上がる』ということが出来た。だから、勝てたのだろう。

 

流石は先輩(英雄)だ。

 

「ば、馬鹿な!ありえない!反発し合う力である聖と魔が交わるだと?!」

 

バルパーが表情をこわばらせる。ああ、そうだ。こいつだ。こいつを倒さなければ、僕は終われない。

 

「覚悟しろ、バルパー」

 

皆、あと一息だ。力を僕に……!

 

「そうか、分かったぞ!聖と魔の均衡が、バランスが崩れているなら説明がつく!つまり先の大戦で魔王だけでなく、神も……!」

 

バルパーが何かに至った時だった。奴の胸部を光の槍が貫いた。奴が倒れた場所に広がる血だまりを見れば、生死は確認するまでもなかった。

 

「バルパー、お前は優秀だったよ。実に優秀だった。そこに至れたのもその優秀さ故だろうな。だが、俺はお前がいなくても別にいいんだよ。最初から俺一人でやれたんだよ」

 

コカビエルが嘲笑う。

 

「ククッ……ククク……カァーハッハッハッハハハハハ!!!」

 

コカビエルが高笑いを上げながら地面に降り立つ。

 

――重圧。

 

圧倒的プレッシャーが僕らにのしかかる。これが……これが聖書に記された堕天使の重み……!

 

堕天使の幹部は自信とオーラをその身から発し、僕らの前に立った。

 

「おい雑魚共。レッドゾーンを出せ」

 

こいつの目的は先輩か!

 

「言っておくが、お前らが束になった所で俺には勝てん。俺とて無駄な手間(殺し)はいらないと思っているんだ。だから大人しくレッドゾーンを出せ」

 

「私達じゃ役不足だって言いたいの?!ふざけないで!」

 

「ふざけないで?ふざけているのはお前らだろうが」

 

こちらを射抜く眼光は、どこまでも鋭い。恐怖が全身を支配していく。これが……これが聖書の堕天使!

 

「しかし、こんな所で油を売っているとはな。お前の姿を見たらバラキエルの奴が泣くぞ、リアス・グレモリーの女王」

 

「あの男の名前を口に出さないでっ!」

 

バラキエル。コカビエルと同じく聖書に記される堕天使。そして朱乃さんの……

 

「はっ。己の力も認められないか。朝倉の奴と同じ半端物を女王にするとは、随分ゲテモノ好きだな、リアス・グレモリー。兄とそっくりでいいじゃないか?」

 

「我らが魔王の、お兄様への侮辱は許さない!何より私の眷属へのその言葉、万死に値するわ!!」

 

「ほざけ、ガキ共が」

 

そう呆れるようにつぶやくコカビエルを余所に、僕の隣を走っていった者がいた。ゼノヴィアだ。その手に握られているのはエクスカリバーではない。

 

「デュランダルか。所詮砕け散った襤褸切れのエクスカリバーとは輝きが違うな。だが……」

 

コカビエルは手から波動を放ち、ゼノヴィアを持ち上げるとそのまま彼女の腹部にケリを入れた。

 

「ぐぅ!」

 

「所詮は使い手次第だ。娘!お前程度が俺に傷をつけられると思うな!先代はもっと常軌を逸したものだったぞ!」

 

彼女が吹き飛ばされる。僕も聖魔剣を握り、コカビエルに斬りかかる。が、届かない。奴の翼に阻まれ、砕け散る。

 

「聖魔剣か。実に面白いものだ。だが、使い手がこの程度ではガキのお遊戯会の小道具にすぎないな」

 

僕は奴の力で吹き飛ばされる。

 

「実につまらないな。この程度か。やはり俺を楽しませるのはレッドゾーンだけか」

 

全員が絶望する。本当は最初から分かっていたのかもしれない。こいつには勝てない、と。

 

そんな時だった、後ろからその声が聞こえたのは。

 

『Welsh Dragon over booster !!!!』

 

「先輩に、これ以上おんぶにだっこのままじゃいられないんだよぉ!!」

 

イッセー君が全身に鎧を纏い、コカビエルに突撃する。その拳はコカビエルの顔を打ち抜いた。奴の口元に血が垂れた。だけど、それだけだった。彼の攻撃ですらこの程度だった。

 

「流石は『赤い龍』(ウェルシュ・ドラゴン)の飼い主と言ったところか?だが、未熟だ」

 

「ごわっ!!」

 

「イッセー君!」

 

「先輩!」

 

成すすべなくイッセー君は蹴り飛ばされる。

 

「イッセーさん!今、治療します!」

 

「ああ、ありがとう、アーシア……くそぉ……」

 

アーシアさんの神器で治療されるイッセー君。その目は、もう諦めかけている。僕達と一緒だ。

 

その光景を見てコカビエルは苦笑する。そして、次の瞬間とんでもないことを言った。

 

「しかし、お前達神の信徒と悪魔はよくもまぁ戦うものだ。主など当の昔に死んでいるというのにな」

 

……なんだって?

 

「それはどういうことよ……?」

 

部長の問いに大笑いをし、答えるコカビエル。

 

「ああそうだったな。お前達下々にはそう言う情報はいかないのだったな。なら、冥途の土産という奴だ、教えてやるよ。先の大戦で四大魔王だけでなく、神も死んだんだよ」

 

「な、何を言って……?」

 

アーシアさんの困惑を聞くと笑顔になったコカビエル。そして奴は語り出した。

 

「知らなくても当然だ。神が死んだなどと誰が言える?神がいなければまともに統制も取れない弱者共が人間というものだぞ?我ら堕天使にも、お前ら悪魔にも、そんなことが言えると思うか?誰がどのようにしてその情報を漏らすか分からないからな。このことについて知っているのは三大勢力のトップと一部の連中だけだ。尤も、バルパーは先ほど気づいたようだがな」

 

そんな……それじゃああの施設で過ごしてきた僕達は……

 

「戦後に残されたのは、神を失った天使、魔王全員と上級悪魔の大半を失った悪魔、幹部以外の多くを失った堕天使。疲弊という言葉すら生ぬるい状態だった。どこの勢力も人間如きに頼らねば種の存続すらもできないほどにまで落ちぶれた。天使と堕天使なんかは人間と交わらねば種を残せない。堕天使は天使が堕ちれば何とか数は増えていくが、純血の天使は神を失った現在では増えることなど到底出来ない。悪魔とて純血種が希少ともてはやされるだろう?」

 

「そんな……ウソだ……」

 

ゼノヴィアがうなだれる。僕だってこんなにも悲痛に感じているのに、神を信じて人を殺めてきただろう彼女の心は、一体どれだけ苦痛に咽び泣いているだろうか。

 

「はっきり言おう。種の誇りをかけた大きな戦争は故意にでも起こさねば、再び起こることはない。それだけ先の戦争でどこの勢力も痛い目を見た。お互い争う理由となった神と魔王が死んだ以上、これ以上の戦いは無意味だとどいつもこいつも判断しやがった。アザゼルの野郎も部下を亡くしたせいで『二度目の戦争はない』なんてほざく始末だ。耐えがたい!実に耐えがたい!一度振り上げた拳を黙って収めろだと!?ふざけるのも大概にしろ!あのまま戦争を続けていれば俺達が勝てたかもしれないというのに!それを奴はっ!人間の神器所有者を招き入れなければ生きていけない堕天使に何の価値がある!?」

 

憤怒の形相でコカビエルはそう語る。その真実は、僕らに大きな衝撃を与えた。

 

アーシアさんは目を開いて、全身を震わせている。僕達悪魔に深く関わることになっても、その信仰心を捨てていなかった。いや、信仰していたからこそ、彼女は僕達と深い関係になった。だというのに……

 

「主がいない……?死んでいる……?では、私達に与えられる愛は……?」

 

「そんな物なくて当然だ。神はすでにいないのだからな。ミカエルの奴はよくやっているよ。神の仕事を代行し、天使と人間をまとめる。言ってしまえば神を騙っているに相違ない。まぁ、神の使っていた『システム』さえ機能していれば、神への祈りも祝福も、悪魔祓いもある程度は作用するが……神がいた頃に比べれば切られる信徒の数は格段に増えただろうがな。そこの小僧が聖魔剣を生み出せたのも、神と魔王のバランスが崩れているからだ。本来なら交わらぬ聖魔、そのパワーバランスを司る者がいなくなればこうしたイレギュラーな幻想も起こる」

 

「アーシア!しっかりしろ!」

 

倒れこむアーシアさんをイッセー君が抱える。

 

彼女の人生は全て神に捧げてきたも同然。確かに存在すると信じて己の身を犠牲にしてきた。心中察するに余りある。僕とて神に背いたけど、この人生を神に捧げてきた。そして僕の同志たちも……。

 

「俺はこれを機会に戦争を始める。お前たちの頸を手土産にな。俺だけでもあの続きをしてやる。我らが堕天使こそ最強だと、サーゼクスにもミカエルにも、そしてレッドゾーンの奴にも見せつけてやる!」

 

奴め、自分の実力を示すために岸波先輩を利用するつもりなのか!そんなことはさせない!させてたまるか!

 

……でも悔しいな、体が動かない。剣を握るこの手に、力が入らない。どうして……こんな時に……

 

『先輩に、これ以上おんぶにだっこのままじゃいられないんだよぉ!!』

 

先ほどのイッセー君の言葉を思い出す。フェニックス家との戦いの時だってそうだ。結局僕らは岸波先輩に迷惑をかけてきた。僕達が弱かったばかりに。

 

「ふぅん……ここにいる奴を殺せば、レッドゾーンの奴は出てくるか?物は試しだ。そこの白猫、死ね」

 

「小猫ちゃん!」

 

コカビエルが小猫ちゃんに狙いを定め、光の槍をその手に構える。

 

「さぁ、来い!レッドゾーン!」

 

そう言い放ち、光の槍を投げた。ダメだ、体が動かない。小猫ちゃんも、僕も、皆恐怖で縛られている!

 

「させるかぁ!!」

 

「イッセー君?!」

 

イッセー君が走り出し、小猫ちゃんを突き飛ばした。槍の射線上にはイッセー君が立ったまま。ダメだ、ダメだダメだダメだ!やめてくれ!折角出来た友達を、目の前で奪わないでくれ!

 

「先輩!いやぁ!」

 

「うぉおおおお!」

 

小猫ちゃんの悲痛な叫びが聞こえる。イッセー君は回避を取ろうとするも、あれでは絶対に間に合わない。槍はそのままイッセー君の下へと進む。そして、大きな爆音と土煙を立て、イッセー君の姿を隠した。

 

「いやぁ!イッセー!!」

 

「くそぉおお!!!」

 

「イッセー先輩!いやだ!!」

 

「イッセー君!」

 

皆の悲痛な声が聞こえる。ああ、これが抗うことを諦めた僕達への罰なのか……結局僕は、何も守れないのか……

 

そんな時だった。そのイッセー君の方から声がしたのは。

 

「ったく。随分やってくれたな、カラスもどきが……」

 

その声を知っている。僕達はその声に救われてきた。

 

土煙が止むとそこには無傷のイッセー君がいた。そして槍を掴んで立っている真紅がそこにはいた。

 

「おい、お前がコカビエルとかいうのか?」

 

「ようやく出てきたか、「返すぞ」

 

「ぐぉ!?」

 

そう言い、その存在はコカビエルとは比にならない速度で槍を奴の方に投げ返した。コカビエルは避ける暇もなく、その脇腹を貫かれていた。

 

僕達は、またあなたに頼ってしまうのですね……

 

「せ、先輩?」

 

「そうだ、お前らの岸波大地先輩だ……待たせたな」

 

岸波先輩……

 

 

 

木場side out

 

 

 

 

諸事情によりこの作品の全データが吹っ飛んで継続投稿のやる気も吹っ飛んだうp主です。HSD×Dから逃げるのも癪なせいか、リブートも本格的に視野に入って来た次第です。心機一転のリブートをするか、それともこの作品を意地でも続けるかアンケートと取りたいです。因みに、リブート後だと主人公の眷属は完全ハーレムでない方がやりやすそうなので、完全ハーレムでなくなります。とりあえず12章は意地でも書ききります。

  • 無理スンナ。リブートしたらしたで読むで
  • 逃げるな卑怯者(炭治郎並感)
  1. 目次
  2. 小説情報
  3. 縦書き
  4. しおりを挟む
  5. お気に入り登録
  6. 評価
  7. 感想
  8. ここすき
  9. 誤字
  10. よみあげ
  11. 閲覧設定

▲ページの一番上に飛ぶ
X(Twitter)で読了報告
感想を書く ※感想一覧
内容
0文字 10~5000文字
感想を書き込む前に 感想を投稿する際のガイドライン に違反していないか確認して下さい。
※展開予想はネタ潰しになるだけですので、感想欄ではご遠慮ください。