ハイスクールD×D×R~禁断の使徒が頑張るRe:ライフ~   作:ブラッキオ

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という訳で連投です。



第4章 停止教室のヴァンパイア
第28話 夏の始まりのオレンジジュース


 

俺は随分考えていることがある。それは『嘘』というものだ。

 

嘘。それは他人を騙すための行為。喜怒哀楽に感情を変換するもの。

 

なんでそんなことを言っているかというと、『俺ちゃん異世界の人間っていうお話』についてだ。なんというか、正直に話せばいいんだが、ユノハ様曰く『出来るなら話さないでくれ』と言われる始末。

理由は、『今以上にあなたに依存するどころか、あなたを通じて私の奇跡を利用し続け、進化をやめる』とのこと。それもそうか。本神が言うには『自分はこの世界のインドラとかゼウスをゴミのように扱えるだけの尋常じゃない力を持つ。あなたも同様に』とのことだし、そもそも、俺というチートを生み出せる時点でその力はお察しだ。

 

てなわけで、この世界のために俺はリアス達を騙さねばならない。その嘘を考えているんだが……なんというか、筋書は俺の中二病設定集的な奴から引っ張って来ているから凡そは出来てるんだけど、『これ信じてもらえるぅ?』って心配がある。

 

まぁ、意地でも貫くしかない以上、心配なんかしてられない。おーし、やるぞ。

 

「冗談じゃないわ」

 

てなわけで、ボンちゃんみたいなリアスの一言から今日の俺のオカ研放課後生活は始まった。アーシアは本日、クラスメイトに誘われて遊びに行くとのこと。良かったな、アーシア。友達が出来て……

 

で、そんな幸せいっぱいだろうアーシアとは真逆の表情、明らかにご立腹のお嬢様。それにはそこで涙目で缶のオレンジジュースを啜っている兵藤の奴が原因だ。

 

何でも、彼、先日仕事で行った先でアザゼルと出くわしたらしい。というか、仕事相手がアザゼル本人だったそう。そのせいで今日一日何も手が付かなかったそうだ。このことについてだが、リアスからすれば『いつでもお前の眷属くらい殺せるぞー』みたいな挑発に捉えることが出来る案件だそうで、愛情の深い彼女にとっては侮辱行為以外何でもないよう。あと、勝手に自分のテリトリーに入ったのも許せないらしい。

 

「確かにもうすぐ三すくみのトップ会談がこの町で執り行われるとは言え、突然堕天使総督が私の縄張りに侵入し、あまつさえ営業妨害した上に可愛い眷属にまで手を出そうとしていたなんて……!」

 

俺には分からんが、今回のそれはお茶目で済ませるにはちょっときついっぽい。何というか、大変ねぇ。俺も眷属とか持てば話が分かるんだろうけど、そんなことはあり得ないし。遠い世界の話として聞いてよ。

 

「もしかしなくても、俺の神器狙いなんすかねぇ……」

 

「確かにアザゼルは神器に造詣が深いと聞くね。そして有能な神器所有者を集めている。きっとそうかもしれないね」

 

「あぁ……堕天使め、どこまで俺に付きまとうんだ……」

 

今にも泣きそうな兵藤に木場はいい笑顔で語り掛ける。

 

「大丈夫、僕が君を守るから」

 

……あかん、腐った匂いがする。

 

「勿論、岸波先輩もですよ」

 

ヒェ……!

 

「よ、よせよ。俺はまだお前に守られるほど腕を鈍らせた覚えはないぞ、木場」

 

「ハハハ、そうですね。……そう言えば先輩、僕のこと君付けで呼ばなくなりましたね」

 

「いいだろ、別に。理由が欲しいか?」

 

「気になるところではありますね」

 

「なら答える。……お前、兵藤とそっくりなんだよ」

 

「え、こいつと俺がぁ?」

 

兵藤が俺の言い分に驚きを隠せてない。しょうがねぇじゃねぇか。俺にはお前らが似ていて仕方ないんだよ。

 

「どっちも手のかかる馬鹿一直線の後輩だってことだ。だったら君付けもいらんだろ」

 

「イッセー君と、僕が……そっか……うれしいな。でも不思議だ。胸の辺りが熱くなってくる」

 

「先輩、このままだと俺、女子たちの食い物にされそうになるんで助けてください」

 

「悪いな、関わりたくないからこっちくんな」

 

「……」

 

「どうしたの小猫ちゃん?」

 

「いえ、イッセー先輩と祐斗先輩の関係が岸波先輩のお墨付きをもらったって情報、クラスメイトにいくらで売れるかと思って」

 

「小猫ちゃん、もしかして人の心ない?」

 

「私、悪魔なので」

 

「そうだったね!」

 

いやぁ、平和だ()

 

「しかし、どうしたものかしらね……あちらの狙いや動きが把握できない以上こちらも下手に動けない。探ろうにも相手は堕天使総督、簡単に探らせてはくれないだろうし……会談も迫っている以上下手に接触することもままならないわね」

 

考え込むリアス。何というか、お疲れ様です。

 

俺は喉を潤すために買って来たオレンジジュースのプルタブを開ける。

 

「アザゼルは昔からあんな感じで活動的な男だよ、リアス」

 

知っているけど知らない声が聞こえた。振り返るとそこには紅髪の男性がにこやかにしながら立っていた。

 

ああ、なんだ。サーゼクスさんか。お久しぶりです。

 

……ん?サーゼクスさん?なんでサーゼクスさんがここに?後ろには炎4倍メイドことグレイフィアさんもいる。確か、彼女ってこの人の『女王』なんだっけ?

 

周りを見れば兵藤以外が跪いている。奴も何かを察したのか缶を机に置いて跪いた。俺だけ立っている構図だ。

 

「あー、俺も跪いた方がいい?」

 

「君に跪かれると、君に救われた僕の立つ瀬がなくなってしまうからね。やめてほしい」

 

苦笑しながら俺の疑問に答えてくれるサーゼクスさん。とりあえず、オレンジジュースを机の上に置く。

 

「お、お、お兄様?!何でここに?!」

 

「今日はプライベートで来たんだよ。だから、ここにいるのはただの『サーゼクス』と『グレイフィア』の夫婦ってこと。アザゼルのことだけど、彼はコカビエルとは違う。今回みたいな悪戯をすれども、大局を見誤った蛮行はしないよ。それにしても総督殿は予定よりもお早い到着だな。ああ、そうだ。くつろいでくれたまえ。先ほど言った通り、今日はプライベートで来ているからね」

 

サーゼクスさんが手を上げると、皆それに従って立ち上がった。魔王ってすごいんだなぁ(小並感)

 

てか、マジで夫婦なんだこの人たち。そう言えば『王』と『女王』の関係だったねあなた達。やっぱ『女王』ってそれくらい親密で信頼できないとやってられないってことか。

 

「やぁ、我が愛しの妹よ。しかし、この部屋は実に殺風景だね。いくら君達が勤勉とは言え、年頃の女の子たちが集まるのに魔方陣だらけの部屋というのは僕でもちょっとどうかと思うよ」

 

感覚がマヒしているし、そんな中でお茶をしばいているから忘れていたけど、この部屋って相当奇妙だよな。

 

そんな風にのんきに思っていると、サーゼクスさんはこちらを向いた。

 

「久しぶりだね、レッドゾーン」

 

うーん、レッドゾーン呼びか。コカビエルの時からあった違和感だが、俺、その呼び方に慣れてないんだよなぁ。というかちょっとやめてほしいまである。

 

「その呼び方はやめてくれ。あの頃ならともかく、今の俺はただの人間の『岸波大地』だ」

 

「そうか、なら改めよう。岸波大地君。君とは色々話したいところだが、そんな抜け駆けをすればミカエルやアザゼルに恨まれることになりそうだし、またの機会にするよ」

 

あら、やっぱ魔王ってなだけあってお忙しいのね。

 

「お、お兄様?今日はどうしてここに?」

 

笑顔を引きつらせながらリアスはサーゼクスさんに聞く。すると彼は一枚のプリントを取り出した。

 

「何を言っているんだい、リアス。もうすぐ授業参観なのだろう?私もそれに参加したくてね。ぜひとも勉学に励む妹の姿を見てみたい以上、仕事なんかよりも休暇を入れるのが当然というものだろう?あ、そうだ。父上も来るから承知しておいてくれ」

 

……もしかして、この人相当妹大好き?

 

にしても授業参観か。今回はうちの両親も来たいと言っていたな。心配があるとすれば、遥輝も『一緒に行きたい』って駄々をこねないかってことだな。去年と一昨年の駄々のこね方はすごかったし……後日サイゼに一緒にいくので手を打ったけど、それでもごまかせるかなぁ?

 

「そ、そんな!魔王のあなたが一悪魔を特別視なんてすれば何を言われるか分からないんですよ?それに仕事を放棄するなんて……!」

 

「安心しなさい、リアス。これは仕事でもあってね。まだ言っていなかったからここで言うけど、実は三すくみの会談の会場はここになったんだ」

 

「ここ?」

 

「そう、ここ。駒王学園だ。その下見も兼ねているんだよ」

 

「こ、ここぉおおお?!!」

 

リアスのキャパが限界を迎えたらしい。いつもなら絶対に見せないだろうリアクションを取っている。他人事だから言うけど、面白いな。

 

「どうやら、この学園とは面白い縁というか、強い力で結ばれているようだ。僕という魔王の妹であるお前、同じく魔王のセラフォルー・レヴィアタンの妹、かつて世界を滅ぼしかけた赤龍帝、イレギュラーの権化たる聖魔剣使い、現存する希少な聖剣のデュランダルに選ばれた者が所属し、コカビエルと白龍皇が襲来してきた。そしてそのコカビエルを圧倒的な力で叩き、かつて二天龍をいともたやすく討ち果たした英雄・レッドゾーンもこの学園に所属している。これを偶然と片付けるには余りにも厳しいものがある。対立する力でさえも捩じって交わり、様々な力と共に一つとなってうねりとなる。それも、ここ1000年では見られなかったほどの加速度でだ」

 

なんだか難しいお話をしている。俺には分からん。

 

「これも、リアスの報告にあった『異世界の力』という奴かい?岸波君」

 

うっ!!それを言わんでください!事実だけど俺の心臓が痛むんです!

 

「……分からんさ。それに、例え俺が加速度を増している要因だとしても、走ることを選んだのはリアスやあなた達だ」

 

「ふふっ、相変わらず自分の絶対的な力でなく、他者の力を信じるのだね」

 

「でなかったら、あなたやセラフォルーさんは生きていないと思いますが?」

 

「それもそうか。僕達もその中の一員だったんだね。全く、魔王なんて役職をやっていると疎外感がすごいから、無茶ばかりしていたあの頃ような感覚を忘れてしまいがちになるよ……魔王である僕とこうして話していられるというのは本当に不思議だ。君の過去を知りたくて仕方ない」

 

過去……か。俺、記憶が一部欠損しとるんよ。だから全部は思い出せないというか……ああ、でも絶対納得してくれないよね?もう嘘つくしかなくなっちゃったよ(龍が如く)

 

「それについては……会談の時にしましょう。それこそ、『『英雄』ともてはやされているレッドゾーンを独占した!これは戦争の準備に違いない!』なんていちゃもんをどこからつけられるか分かったもんじゃないですよ?」

 

「……君は僕らのことまで気遣ってくれるんだね。そうだね、今は聞かないでおこう。でも、これだけは言わせてほしい。答えなくてもいいから聞いてくれ。本当に君は一体何者なんだい?」

 

何者、ねぇ……その答えは当の昔に出したはずだよ、サーゼクスさん。

 

「なぁに、皆の言う『ただの人間』です。それ以上でもそれ以下でもない」

 

「……そうか。なら会談を楽しみにしているよ。ああ、そうだ。会談までの期間、僕達はこの町にいるつもりだ。その間だが、暇……下見に付き合ってほしいんだ、岸波君。そして兵藤一誠君」

 

おい、今暇つぶしって言いかけたよな?絶対暇つぶしって言おうとしたよな!

 

「え、俺?!」

 

「そうさ。赤龍帝というのもあるが、君は岸波君とは違う魅力を感じてね」

 

「そ、そんな……俺が先輩や魔王様とだなんて」

 

「兵藤、こういう時は『はい、喜んで』と言え。別に俺も迷惑じゃないし、そもそもサーゼクスさんの誘いだ。事情もないのに下手に謙遜して断れば、逆に相手のメンツをつぶすことになるぞ」

 

「は、はい!」

 

そんなこんなでサーゼクスさんと交流した。彼の帰り際にちょろっとゼノヴィアさんが自己紹介した。やっぱり彼女にもそれなりに困惑みたいなものがあるらしいが、未練はないようだった。

 

因みにだが、俺達は翌日サーゼクスさんとハンバーガーチェーン店のハンバーガーを食べに行った。魔王だからもっとお高いものしか認めないかと思っていたが、冥界への出店をしたいと言ったりする辺り、かなりフットワークの軽いお方なのだろう。

 

 

 

 

諸事情によりこの作品の全データが吹っ飛んで継続投稿のやる気も吹っ飛んだうp主です。HSD×Dから逃げるのも癪なせいか、リブートも本格的に視野に入って来た次第です。心機一転のリブートをするか、それともこの作品を意地でも続けるかアンケートと取りたいです。因みに、リブート後だと主人公の眷属は完全ハーレムでない方がやりやすそうなので、完全ハーレムでなくなります。とりあえず12章は意地でも書ききります。

  • 無理スンナ。リブートしたらしたで読むで
  • 逃げるな卑怯者(炭治郎並感)
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