ハイスクールD×D×R~禁断の使徒が頑張るRe:ライフ~ 作:ブラッキオ
どうも皆さま、レッドゾーンになった大地です。今何ですけど、わたくし、お空を落下しています。
「……」
空を切る音が良く耳に入る。こんな経験は初めてだ。
「俺、死ぬの?」
まさかとは思うが、こんな出オチ転生があるというのか。だとしたら俺の知見の狭さに驚くばかりだ。
――『そんなわけないでしょうが』
脳内に響く声。間違いない、ユノハ様だ。
――『何考えているかは知らないけれど、あなたお空飛べるのよ?』
「はい?」
――『禁断の力は、傲慢な神々も自ら従う摂理を捻じ曲げる。ほら、念じてみなさい』
えー、ほんとでござるか?
疑念を抱えつつも俺は言われるがままに念じる。すると急ブレーキがかかったかのように空中落下が止まった。
いやー、怖いね。と思いつつも、少しこの状況を楽しんでいる自分がいる。というのも、何だかウルトラマンになったかのような気分だからだ。
子供の頃に憧れたヒーローみたいになれるなんてテンション上がるぜ。まぁ、レッドゾーンは悪役もいいところなんだけどな。
で、浮いたはいいんだけどどうしようか。下の方を見るとなんかドンパチにぎやかしている。あんまり行きたくないなぁ。戸締りしとこ。
――『ならやることがあるわよ』
「うわびっくりした」
――『それでやることなのだけれどね』
急に話が進むなぁ。で、何なんだろうか。そのやることというのは。
――『まぁ、端的に言えば『原作ぶっ壊してあなたの存在を固着させる』ってことね』
固着?
――『そう、あなたってまだ不安定な存在だから世界から追い出されないようにするために色々しないといけないの。それでなんだけど、真下見てもらえる?』
はい、真下ですね。相変わらずドンパチにぎやかだ。よく見ればドラゴンと思わしきシルエットが二つある。それを多くの人が叩いているという図だ。
――『あれね、世界を滅ぼすほどの争いをしている『にてんりゅう』とかいうのを人外の天使,堕天使,悪魔が連合を組んで戦っているの。元々互いに互いを滅ぼす三つ巴の戦争をしていたんだけど、そんなことを言っていられなくなったって所ね』
へー、ハイスクールD×Dってのは人外もいるのか。たまげたなぁ。
――『原作だと尋常じゃないほどの犠牲が出たそうよ。って待ちなさい』
何すか?
――『確かにあんたが行けば犠牲は確実に減るわ』
じゃあ、行かせろ。俺は目の前で消えゆく命ってのが余り好きじゃないんでな。
――『待ちなさい。話を聞いて』
だからなんだ!
下を見れば白色のシルエットの奴の頭付近が赤く光出す。きっと炎でも吹き出すのだろう。見ればその先には人間らしき影がある。
――『いいわ。でも一つだけ答えて。彼らは人間じゃないわ。どこまでも傲慢で脆弱な存在よ。それでもあなたは助けるの?』
「当然だ!!」
俺はレッドゾーンに変身すると全速力で飛行し、人影に突撃した。
「生きることを諦めるな!!!」
Side out
ガブリエルSide
いつからだっただろう。このような戦争になったのは。
「ぐぁああああ!!!」
いつからだっただろう。誰もが手を取り合うことを忘れてしまったのは。
「魔王に栄光あれ!!」
いつからだっただろう。こんな形でしか互いを分かり合うことが出来なくなってしまったのは。
「ええい、羽虫共が!!」
目の前で荒ぶるのは二天龍が片割れの『白龍皇』アルビオン。彼ともう一体の二天龍『赤龍帝』ドライグの争いが世界の存亡を巻き込んだものになり、我々は手を取り合った。
『このままだとマジで世界が滅びるぞ!!戦争なんてやっていられる場合じゃねえんだよ!!』
いや、こういう時だけはよく働くアザゼルの言葉が無ければ、あのグレモリーの者達もミカエルもきっと動くことはなかったでしょう。
かくいう私も、何をすべきかを見失っていました。ひどいものですね。人間を善良へと導く我々がその善良すらも見失っていたのですから。
「っ!危ない!!」
アルビオンの火球がシトリーの娘に当たろうとしていたのでとっさに割り込んで防ぎました。ちょっと前の私ではとてもじゃないですが考えられない行動ですね。
「ありがとう!!」
「お礼はいいの!ぼさっとしないで!」
「おのれぇ!!」
アルビオンの雄たけびが聞こえ、振り向けばそこには口を開けて光線を吐こうとしている姿が見えました。
ああ、終わったな。ミカエル、ウリエル、ラファエル。先に行きます……。
諦めたその時だった。声が聞こえました。それは……
「生きることを諦めるな!!!」
それはとても力強く、希望に満ち溢れた声でした。
「捕まえた!!」
一瞬でした。目の前が光に包まれ、気が付けば私は地面に座っていました。隣を見ればシトリーの娘もいます。
「え、どういうこと?」
「主、ではないですよね……?」
二人そろって困惑に包まれました。光に包まれたその人物は、見たことも聞いたこともありません。
光が収束していくと、そこには赤い鋼をその身にまとった一人の人物がいました。こちらを振り向くと、膝をつき、手を取ってこう言いました。
「大丈夫か?」
たった一言。その男の人の声に、私は心を溶かされ、奪われました。自然と涙も出てきました。シトリーの娘も少し嗚咽しています。
「あ、えーっと、泣かないでくれ。君達にそんな悲しみの涙は似合わない」
そう言って私達の涙を拭い、大きな手で頭を撫でてくれる。ああ、ダメだ。『堕ちる』。
「さて、と」
「誰だ、貴様は」
「いいか、白トカゲもどき。その耳かっぽじってよぉおおおおおおおく聞け!」
その声はどこまでも勇ましいものでした。この絶望にも屈しない、どこまでも強く、澄んだ声。
「男にはやってはいけないことが二つある。食べ物を粗末にすることと……」
そう言って、彼は足を踏み込みました。
「女の子を泣かせることだ!!!」
その言葉に、ふと心が温かくなって、締め付けられるような感覚がしました。この感覚は一体なんなのでしょうか?
そんなことを考えた一瞬。そんな言葉も生ぬるいほどの刹那。アルビオンの巨体が宙に浮きました。
彼はドライグも霞むほどの赤い閃光となり、その一撃は世界を滅ぼす龍さえも穿ったのです。
「嘘っ……!」
「そんな!」
アルビオンは地に落ちました。立ち上がるものの、その目は困惑と恐怖にまみれていました。
「な、何者だ貴様!」
そう問うアルビオン。それに彼は毅然として答えました。
「知るか!!ただの人間だ!!」
「貴様みたいな人間がいてたまるか!!」
それを聞いた時、私もそう思いました。あの二天龍を一瞬で追い詰めたのが人間?そんなはずがない。いや、もしかしたら私達の知らない所にそういう存在がいるのかもしれない。宙に浮かぶ皆から困惑が伝わってきました。
そんな私達を余所にその人は答えました。
「ここにいる皆と同じだ!どれだけ助けようとしても手の届く距離が余りにも短い、弱っちくて、そのくせして諦めの悪い、人間って奴だ!」
そう叫び、彼はアルビオンの尾を掴んでくるくると回転し、投げ飛ばしました。
ああ、そうだ。私達も結局のところ人間と変わりなかったのです。こうして世界が滅びの間際になるまで意地を張って、その結果手遅れになりかけて。何が大天使ですか。散々弱いと、導かねばと思っていた人間と同じです。
「これで終わりだ」
そう言うと彼の両足が輝きを放ちだしました。その光は太陽に似ていて、それでも優しさだけじゃない、干害としての側面のような恐ろしさを秘めていて……。
彼は飛び上がるとそのまま左足を突き出しながら回転し、アルビオンの翼を断ち切ってしまいました。ちょうど空へと逃げていた不運。そのまま落ちていくアルビオン。
「ぐぉおおお!!」
気が付けばアルビオンよりも先に落下地点にいた彼。そのまま右足を構え、アルビオンを蹴りとばしました。
「ぎにゃっ!!」
声にならない声を出し、アルビオンの体が貫かれました。地に落ちた白龍皇の上に彼は立っていました。
「さぁ、地獄を楽しみな」
そう言い放つ彼の姿はどこまでも輝いていました。
「アルビオンが……」
私の言葉を皮切りに周囲がドンドンざわついていきます。あれだけ苦しめられた二天龍の片割れであるアルビオン。それが一瞬で敗北を喫しました。多くの同胞を失った戦いがこんなにもあっけなく終焉を迎えようとしている。
今、世界が変わろうとしています。
ガブリエルside out
諸事情によりこの作品の全データが吹っ飛んで継続投稿のやる気も吹っ飛んだうp主です。HSD×Dから逃げるのも癪なせいか、リブートも本格的に視野に入って来た次第です。心機一転のリブートをするか、それともこの作品を意地でも続けるかアンケートと取りたいです。因みに、リブート後だと主人公の眷属は完全ハーレムでない方がやりやすそうなので、完全ハーレムでなくなります。とりあえず12章は意地でも書ききります。
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無理スンナ。リブートしたらしたで読むで
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逃げるな卑怯者(炭治郎並感)