ハイスクールD×D×R~禁断の使徒が頑張るRe:ライフ~   作:ブラッキオ

31 / 152

連投



第30話 第2波だお

 

リアスと姫島さんがガチ喧嘩をし出したので逃げ出してきた。少なくとも原因は俺だとは分かる。何というか、おもちゃの取り合いなのだろう。女って怖い。

 

という訳で俺は用具室に逃げ込んできた。静かで蒸し暑い。ちょっとした拷問部屋みたいな場所だ。

 

「おや、岸波先輩。どうしたのかな?外が随分騒がしいけれど」

 

奥からゼノヴィアさんが出てきた。出る所はしっかり出ていて引っ込んでいる所は引っ込んでいるというか超引き締まっているボディ。手には剣のたこという彼女の努力の結晶がある。

 

こんな所にいたのか。というか、君こそこんな所で何をしていたんだ?いくら外のあの雰囲気が慣れないからってこんな場所にいなくともいいじゃないの。

 

「ちょっと君の『王』と『女王』が喧嘩をし始めてな。逃げてきた。で、君こそこんな所で籠ってなにをしてたんだ?」

 

「水着を着るのに難儀していてね。教会にいた頃がこういったものは良くないものだったからね。それに私自身もこういう物に興味を持ってこなかったものだから」

 

なるほどね。単純に慣れか。更衣室で着替えればよかったのに。それもあれか、『見られるのに慣れていなくて恥ずかしい』ってもんか。別にこの雰囲気を嫌っているわけでもなかったのなら良かった。クソッタレ共から解放されたんだし、人生エンジョイしなされ。悪魔だけど。

 

「けれども、こうして教会から離れたからには、折角だし女らしい娯楽というものも味わってみたいものだと思い始めてね」

 

流れ変わったな。

 

「岸波先輩、折り入ってお願いがある」

 

「はい」

 

何だろう、すごく嫌な予感がする。

 

「岸波先輩、私と子作りしないか?」

 

……はい?

 

「き、急にどうした?何があった?」

 

理解の追い付かない俺の質問に、真剣な顔で答えるゼノヴィアさん。

 

「自分は、キリスト教本部のあるローマで生まれ育って来た。運よく聖剣を使える因子があった故に幼少期から神のため、宗教のために修行と勉学を励んできた。そのせいか、子供のことから夢や目標が神や宗教絡みのものだったんだ。全ては主のためヴァチカンのため、とね。だから、悪魔となった今では私は目標も夢もないのと同然なんだ」

 

「お、おう……で、何で子供?」

 

思わずオットセイのような声が出た。

 

――『草』

 

おい、ユノハ様。覚えてろよ。

 

「神に仕えている頃は女としての喜びは捨てることにしていたんだ。我が身、我が心、我が信念。全て信仰の為に封印していた。けれど今はこの通り悪魔だ。何をすればいいか分からない、迷える子羊となった私は主であるリアス部長に訊ねたんだ。そうしたら彼女は言ったのさ、『悪魔は欲を持ち、叶え、与え、望む者。好きなように生きなさい』ってね」

 

なるほど、つまり諸悪の根源はリアス、と。リアス助けて!責任取ってよ!

 

「だから私は封印していたものを解放する。そしてそれを堪能しようと思う」

 

私は……私自身を解放する!(トレギア並感)

 

「そして、私の新たな目標、夢は『子供を産むこと』なんだ」

 

はー、なるほどね。待って、理解が追い付かない。

 

「こ、子供……」

 

――『(必死に笑いをこらえるユノハの図)』

 

「そう、子供。子供を産んでみたくなったんだ。その為に男を知る必要があるが、それも子作りと一緒に知ればいい」

 

「ちょっと待って。色々聞きたいことはあるけど……その、何で俺?」

 

俺が疑問を呈すると、とんでもないことをゼノヴィアさんは言い放った。

 

「私は子供を作る以上、その子には強い子になってほしいと願っている。だから、父親の遺伝子に強さや特殊な力を望む。イッセーもその辺りは適任だろうが、やはりレッドゾーンの遺伝子が欲しい」

 

――『お前は生まれるべきではなかった!(仮面ライダークロノス)ってわけじゃないわよ。けど、これはひどいわね』

 

……あ?(ゴッドマキシマムゲーマーレベルビリオン)

 

――『あー、ちょっとこれはダメですね』

 

「伝説の英雄の力。完全には受け継げなくとも、その大きな力の一端は受け継がれるかもしれないだろう?これは好機なん――」

 

俺は思わずゼノヴィアさんの頬を叩いてしまった。ごめん、我慢できない。

 

「何が遺伝子だ」

 

「岸波、先輩?」

 

「何が英雄の力だ。下らん。そんなことで子供を作るだと?いい加減にしろ」

 

ドッカンと怒りが噴火しているわけじゃない。でも、確実にその炎は燃え盛っている。

 

「俺には血のつながった家族がいない。今の両親は俺を拾ってくれた義理の家族だ」

 

「……」

 

「俺は、そんな彼らからこの世界のことを色々教えてもらった。本当の子供のように接してくれた。たくさんの愛と勇気をもらった。だからこそ、今の俺がある。今、お前達が『高潔だ』と呼ぶ俺が存在できる。そんな俺の前で『遺伝子が優秀だからまぐわえ』だと?『その子種を寄こせ』だと?なるほど。つまり俺の魂や築き上げたものはどうだっていいってことか。俺を俺たらしめてくれた人達はどうだっていいということか。ふざけるな!それこそ、俺が嫌う『弱者』だ!」

 

自分の力を求めて悪い奴らが寄ってくることくらい、ユノハ様から俺の力の大きさを聞いた時から想像できている。だからこそ、こういうことを言い出す輩が湧くのも時間の問題だと思っていた。だが、まさかこんな身近なところから……

 

「……怒鳴ってすまん。だが、君は何も知らなさすぎる。だからこうして俺の怒りを買った。世界を知れ。話はそれからだ」

 

「……すまない、岸波先輩」

 

「謝るな。言ったろ、『君は何も知らなさすぎる』とな。責めるなら君自身でなく、教会を責めろ」

 

プール入って頭冷やそう。うん、そうしよう。

 

俺は用具室の扉を開ける。そこには何とも言えない表情をしているリアスと姫島さん、アーシアがいた。

 

「どうした?」

 

「あ、いえ……何でもないわ」

 

「そうですわね」

 

「ダイチさん……あなたは……」

 

「?」

 

その後、俺はのんびりとプールの底に沈んだ。静かな世界だった。目を閉じれば、余計に。でも、どこか安寧や懐かしさも覚えた。

 

 

 

―――

 

 

 

ちょっと胸糞に終わった日だった。プールから出て俺は兵藤と一緒に校庭の方に歩いていた。怒鳴り声はどうやら兵藤にも聞こえていたらしく、詳細を聞かれたので簡略化して『子作りしろと言われたので困惑したら、その真意が俺を馬鹿にしたことだったのでキレた』と言った。兵藤もこれには苦笑い。

 

荷物を持って校門のところに行こうとすると先客がいた。かなりのイケメン。炎4倍メイドさんとは違う、ダークグレーな銀髪。歳は近いか?校舎を見つめるその姿は随分と様になっている。

 

「やぁ、いい学校だね」

 

「まぁ……そうだな。少なくとも悪くはない」

 

校舎から目が外れ、こちらに反応する。彼の言葉に兵藤が返す。

 

「俺はヴァーリ。白龍皇―『白い龍』(バニシング・ドラゴン)だ」

 

ヴァーリ。どこかで聞いたような……?

 

「ここで会うのは二度目だね、『赤い龍』(ウェルシュ・ドラゴン)……赤龍帝・兵藤一誠。そして、僕ら二天龍を下した大英雄レッドゾーン」

 

ああ、そうだヴァーリ君だ。あの夜に出会ったランスロット・アルビオンもどき。ちらっと横目を流すと兵藤が柄にもなくシリアス顔をしている。あれか、赤白のライバル同士、何か思うものでもあるのだろう。

 

彼が不敵な笑みを浮かべる。その瞬間、彼の喉元に剣が突き付けられていた。これは、聖魔剣?

 

横には木場君とゼノヴィアさん。あらら、びっくり。いつの間に君達来てたの?てか、目が怖いよ?何かあったの?いや、ゼノヴィアさんに関しては今日何かあったばっかりだけどさ。主に俺のせいで。

 

「僕の先輩と友達に何をする気だい?」

 

「堕天使側に組していると情報があったな。そんなお前がここに何の用だ?」

 

わー、随分どすが効いてる声だ。ほら、スマイルスマイル。こんな所でスプラッターは嫌よ?

 

「手が震えているじゃないか。やめておいた方がいいんじゃないか?」

 

言われてみれば二人の手は震えている。随分無茶してるようだ。

 

「何、恥じることはない。相手との実力差が分かるということは強さの証拠。俺と君達との差を分かっていることに違いない。あの夜、コカビエルに屈した君達ではね。尤も、レッドゾーンは違うけどね」

 

かーっ、ここでも俺は仲間外れか。俺だって弱いんだぞ、全く!お前らどいつもこいつも腕っぷしばっかりで決めやがって!

 

「色々話したいことはあるが、今代の赤龍帝はどうやら全世界でも精々4桁の順位の強さのようだね。これでは『悲願』は果たせなさそうだ」

 

「?何だよ、だったら自分は一番強いっていうのか?」

 

兵藤の問いにヴァーリ君は肩をすくめて答えた。

 

「いずれ分かるさ。ただ、一番は俺じゃない。ああ、そうだ。兵藤一誠、君は弱いとは言ったが伸びしろはある。それにこの時代の赤龍帝というだけでも貴重だ。十分に育てた方がいいぞ、リアス・グレモリー」

 

ヴァーリ君が後ろに視線を向ける。うん、確かに後ろに誰かいる。多分気配的にリアスだろう。他にも何名かの気配もある。皆ここに揃っているっぽいな。彼の言うことは間違いではない。少なくともはったりかまして俺の視線をずらそうってわけでもないらしい。

 

「白龍皇、私達に何の用かしら?あなたが堕天使とつながっている以上、必要でない接触は……」

 

「『二天龍』と称されたドラゴン。『赤い龍』(ウェルシュ・ドラゴン)『白い龍』(バニシング・ドラゴン)。過去にこの二頭に関わった者はろくな生き方をしてないらしいぞ。そんな奴らの片割れを『兵士』にしたあなたは、一体どうなるのだろうね?」

 

彼の言葉に誰もが言葉を詰まらせていた。あのー、いい加減帰りたいんですけど。もしかして、まだ話続きそうですか?

 

「安心しろ。今日は別に赤龍帝と白龍皇の因縁に決着をつけるわけでも、ましてや二天龍の願いを叶えに来たわけでもない。ちょっと先日立ち寄った学び舎を見てみたかっただけさ。俺はアザゼルの付き添いで来日していてね、退屈しのぎって奴だ。……俺にもやることは多いからね」

 

そう言い、ヴァーリ君は踵を返してこの場を去っていった。その空気はまだ重いまま。

 

折角の青春がなんだか湿っぽく終わってしまったなぁ。

 

 

 





『デュエマ要素が少ない』

分かりますよ(ナカゴ並感)
自分の無い腕でなんとかしようとしつつ、原作へのアンチ行為をしようとするとどうしても少なくなってしまうんです。申し訳ございません。

諸事情によりこの作品の全データが吹っ飛んで継続投稿のやる気も吹っ飛んだうp主です。HSD×Dから逃げるのも癪なせいか、リブートも本格的に視野に入って来た次第です。心機一転のリブートをするか、それともこの作品を意地でも続けるかアンケートと取りたいです。因みに、リブート後だと主人公の眷属は完全ハーレムでない方がやりやすそうなので、完全ハーレムでなくなります。とりあえず12章は意地でも書ききります。

  • 無理スンナ。リブートしたらしたで読むで
  • 逃げるな卑怯者(炭治郎並感)
  1. 目次
  2. 小説情報
  3. 縦書き
  4. しおりを挟む
  5. お気に入り登録
  6. 評価
  7. 感想
  8. ここすき
  9. 誤字
  10. よみあげ
  11. 閲覧設定

▲ページの一番上に飛ぶ
X(Twitter)で読了報告
感想を書く ※感想一覧
内容
0文字 10~5000文字
感想を書き込む前に 感想を投稿する際のガイドライン に違反していないか確認して下さい。
※展開予想はネタ潰しになるだけですので、感想欄ではご遠慮ください。