ハイスクールD×D×R~禁断の使徒が頑張るRe:ライフ~   作:ブラッキオ

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ここがあの女のハウスね





第34話 女の子の家という聖域

 

あれから次の休日になった。俺は兵藤ととある場所に向かっている。

 

ちょっと話がずれるが聞いてほしい。あのヴラディ君がちょっとお外に出るようになりました。

 

何でも半ば無理矢理ではあったが兵藤君と一緒に外に営業周りに出られたんだとか。その営業は結局だめだったぽいがそれでも進めたことには変わりない。よくやった、ヴラディ君。

 

その時から兵藤も気に入られたそうだ。何でも『岸波先輩に似てる』とのこと。失礼だな、あいつとの共通点なんてDKPI好きくらいだゾ。

 

木場とも猥談で盛り上がったりして、少しだけだが、それでも大きな自信をつけられたそうだ。勿論、俺も神器の訓練に付き合っている。その時の笑顔を見て思ったよ。『俺はこの子を助けられた』ってな。我ながら下らんヒーロー気取りだとは思うよ。でも、その下らんもので誰かを救えるなら御の字ではないか?

 

ま、そんな感じだ。で、今の俺だが兵藤と共にある場所に向かっている。

 

「この辺っすね」

 

「この辺の神社っつったら……あれか?」

 

指さす方向には石段。その下には巫女服姿の姫島さんがいた。

 

そう、とある場所とは女の子の家。聖域にお邪魔するのである。

 

「いらっしゃい、岸波君、イッセー君」

 

「よっ」

 

「う、うっす!」

 

早速、石段を3人で上がっていく。先を行く姫島さんが色々と話してくれる。

 

「ごめんなさいね、二人とも。今日は休みだというのに急に呼び出してしまって」

 

「構わないさ。それに美人の呼び出しなら兵藤も本望だろ?」

 

「あったり前じゃないっすか!むしろ話がうますぎて何か裏がないか勘ぐっちゃいましたよ?」

 

「フフフ、仲がいいのですね。少し妬けてしまいます」

 

それにしても巫女服が様になる。何かリアス達から色々聞いた時に彼女が『雷の巫女』とか呼ばれていたような気がする。それもこの似合いっぷりからか?

 

「そう言えばリアスの方はいいのか?」

 

そう、リアスは今会談の件でサーゼクスさんと最終的な打ち合わせをしている。なのだが、そんな重要な時に姫島さんこと『女王』は傍にいてあげなくていいのだろうか。

 

「あちらは大丈夫ですわ。ある程度ならグレイフィア様がフォローしてくださりますし、何よりこの程度でへこたれる『王』ではありませんから」

 

すごいねリアス。やっぱり彼女は信頼されているよ。それはそれとして普段の感じは年相応のJKって感じだけど。

 

「それに、私はこの上でお待ちしておられる方をお迎えしなければならかったものですから」

 

「「お待ち?」」

 

何かここ最近兵藤と反応が被ってばかりで業腹だ。

 

その後、本殿が見えてきたので鳥居をくぐった。どうやらここ、色々訳があって悪魔でも入れると姫島さんが言う。

 

実際兵藤がくぐっても特に何もなかった。良かったな、煩悩の塊。

 

目の前には立派な本殿が建っている。特に壊れているわけでもなさそうだ。アーシアの時が例外にも程があったのだろうな。

 

そしてここが姫島さんのハウスね。

 

呑気に見ていると声が聞こえた。俺でも兵藤でもない男性の声だ。

 

「彼が赤龍帝ですか?」

 

振り向くとそこには青年が立っている。やけに豪華な白いローブを身に包んでいるが、それ以上に気になるのは頭の上の輪っかさん。この人、もしかしなくても死んでるの?

 

「初めまして赤龍帝、兵藤一誠君。そして、レッドゾーン」

 

そう言うと彼は金色の翼を生やした。

 

「私はミカエル。天使の長をしております。なるほど、このオーラの質、赤龍帝のものに違いないですね。懐かしい……本当に……」

 

ミカエル、つまりこの人が天使のドンってことか。

 

 

 

―――

 

 

 

で、俺達は姫島さんに連れられて神社の本殿へと上がらせてもらった。

 

頭の上の輪っかで思い出したが、リアスが以前天使の特徴でそんなことを言っていた気がする。

 

「実は、これを赤龍帝のあなたに授けようと思いましてね」

 

ミカエルさんの指さす方に目を向けると宙に剣が浮いていた。何というか、エクスカリバーに似た雰囲気を感じる。

 

「こ、これは?」

 

「これはゲオルギウス……聖ジョージと言えば伝わりますかね?彼の持っていた龍殺し(ドラゴン・スレイヤー)の聖剣『アスカロン』です」

 

聞いたことがあるな。ただどんな逸話持ちかは覚えてないけど。ただ、俺でも聞いたことがあるくらいなのだからそれなりに有名なのだろう。

 

――「有名な龍殺し(ドラゴン・スレイヤー)だ。少しは勉強しろ。レッドゾーン以外とな。乳のデカいお前の主とかでいいんじゃないか?」

 

「ドライグ、お前……」

 

「今代は随分仲が良いのですね。……それは特殊儀礼を施してあります。悪魔のあなたでもドラゴンの力があれば扱えるはずです。あなた自身が所有者となる、と言うよりは神器と同化させると言った感じでしょう」

 

「え、そんなことが可能なんすか?」

 

――「神器は想いに応える。お前が望めば出来るだろうな」

 

へぇー、そんな便利なものなんだ神器って。確かにそれならアーシアとかも恐れられるのも分からなくない。そんな何が起こるか分からないパンドラの箱みたいな代物を持っていたら、そりゃ人間は恐れるだろう。

 

「でも、どうしてこれを俺に?」

 

兵藤が不思議そうに訊く。まぁ、確かに一応は敵対している相手に自分ん家の宝物をあげるんだからな、それもそうか。

 

「私は此度の会談、三大勢力が手を取り合うのに大きな良い機会と考えているのです。すでに知っているようですから話させてもらいますが、我らは創造主、神を先の大戦で亡くしました。敵であった旧魔王たちも戦死し、堕天使の幹部たちも沈黙。アザゼルも建前上では戦争を起こしたくないと言っています。これは無駄な戦いを無くすためのチャンスと考えているのです。例え小規模でも戦いが続いていけば、いつしか三大勢力は滅ぶ。そうでなくても、他勢力からの横やりで滅ぶかもしれません。ですから手を取り合う必要があるのです。その聖剣は私から悪魔側へのプレゼントです。もちろん堕天使側にも贈り物をさせてもらいました。悪魔側からも噂の聖魔剣を数本いただきましたし、こちらとしてもありがたい限りなのです」

 

……あ、ごめん。途中から聞いてなかった。要するに『無駄な争いクソくらえ。ってなわけで今回を機に仲良くしよーぜ?』ってことか。いいじゃん。俺も平和が一番だと思うしな。

 

 

 

―――

 

 

 

『私もあなたと色々お話したいですが、今日は時間が無くて。申し訳ないです。それに、私が先に談笑したと聞いたらガブリエルが何をするか分かりませんし……』

 

その後は何かガチャガチャして兵藤の神器にアスカロンが合体した。というか吸収された。やることも終えたのかそのままミカエルさんは帰ってしまった。アーシアのことでの『俺の決めたこと』を伝えたかったし、ガブリエルさんの様子も聞きたかったのだが、まぁ、今度の会談の時でいいか。

 

そうして結局俺が呼ばれた意味も分からないまま集まりも終わり、兵藤は先に帰った。俺はというと姫島さんに引き留められてお茶をいただいている。

 

「「……」」

 

二人でずっと黙っている。俺としてはこの空気に耐えられない所があるので話を切り出したいが、どうも姫島さんの表情が硬い所を見る辺り、そういうことはしない方がいいらしい。

 

何とも言えない雰囲気が続く中、この膠着を打ち破ったのは姫島さん。

 

「決めたのよ、前に進むって」

 

「ん?」

 

前?どうした?疑問に思っていると何やら覚悟を決めた表情をする姫島さん。これは、俺もシリアスモードになった方がいいな。

 

「岸波君」

 

「ああ、なんだ?」

 

「あなたは堕天使に対してどういう感情を抱いていますか?」

 

どういう、って言われてもなぁ。アザゼルさんにも会ったけど、総督っていうすごく偉い立場でありながら頭を下げられる柔軟さも持っているすごい人って感じだった。だから彼には対して敵対心とかそう言ったものはないけど……まぁ、彼女の言っているのはアーシアの一件の時の連中やコカビエルのことだよなぁ。こればかりはマジで『個人差がある』としか言えんのよな。

 

「人間と同じさ。悪い奴もいればいい奴もいる。っつーか堕天使なんて所詮黒い羽を生やした人間だろ?そこに俺が差をつけることなんてない」

 

お茶をすする。うん、美味しい。姫島さんの淹れるお茶は……最高やな!

 

「そ、それでは……もしあなたのことを騙していたりとかしたら?」

 

「騙す?」

 

なんか様子が変やな。何かに怯えるようにも見えるし、焦っているようにも見える。

 

「実害が出ているわけじゃないし、出るわけでもないなら別にいいかな。それこそ、天使だろうが神だろうが、害をなすなら調子に乗らないようにお仕置きするだけだけど。俺の家族周りや友人周りでそんな害をなすような人いたか?」

 

そんな奴がいるだろうか、いやいない。マジで記憶にない。ユノハ様、そんな奴いる?

 

――『いないわよ』

 

ですよね。

 

「姫島さん。一体こんな質問をしてどうしたっていうんだ?」

 

気になって聞いてみるが、特に答えてもらえなかった。悲しい。

 

「もしも、です。もしも、あなたの友人があなたを騙していたら?それも自分の勝手で自分の正体を隠していたら?」

 

姫島さんの表情が無になる。が、その目は今にも涙を流しそうな悲しい目をしている。これは、相当難しいマインスイーパーが来たな。だが、やるしかない。

 

「それは、兵藤とかリアス、それに君みたいな悪魔だったということか?なら別に問題ない。隠す必要がある訳だし。何より、さっきも言ったが俺はどうでもいい。俺の周囲に害をなしていないなら特にああだこうだ言うことでもないだろう」

 

待てよ?なんで堕天使の質問から今の質問に変わった?何か関係あったか?

 

「それに、何か黙っていても俺は俺の友達を信じるさ。生憎、そういう甘っちょろい男なもんでな」

 

そう言い、姫島さんの方を向く。とりあえずこれで正解だった模様。

 

「……本当に」

 

ん?

 

「……本当にあなたの言う通り、何て体たらくなのでしょうね」

 

ど、どうした?何か様子がおかしいぞ?

 

「ありがとうございました。……質問に答えてくれたお礼です。私の正体についてお話します」

 

正体に?何を言っているんだ?

 

そう思った時だった。姫島さんの背中に翼が生えた。それも悪魔のものではない、烏のような翼。

 

「私は、堕天使の幹部バラキエルと人間の間に生まれた者です」

 

待って?なんでそんな深刻そうな顔を?俺としてはただ『実は私、堕天使のハーフでござる』って言われているだけなんだけど?何が……

 

「母は、この国の神社の娘でした。ある日、傷つき倒れていたバラキエルを助け、その縁で私を身ごもったと聞きます」

 

いや、待て。さっきの質問たちから考えろ。彼女、やたら堕天使に対してネガティブな感じのものを聞き出そうとしていたよな?仮にそうでなかったとしても、まるで自分が堕天使であることを悪とするような聞き方をしていたな。

 

姫島さんは憎々し気に堕天使の黒い翼を持つ。

 

「こんな汚れた翼が嫌で仕方なくて、リアスと出会った時は幸運だと思ったの。悪魔に転生すればきっとこの翼も無くなるんじゃないかって。でも、生まれたのは堕天使と悪魔の翼を持ったおぞましい者。そんな癖に何も知らないあなたに擦り寄った。こんな存在……」

 

ああ、分かった。この人、何があったか知らんが『自分を許せない』ってタイプなんだ。だから堕天使を悪とするしか自分のアイデンティティを識別できないんだ。で、それを何だかんだいいながら俺に色々と乗っけて悪と罵ってほしいわけだ。

 

「悲しいな」

 

「え?」

 

「俺、悲しいよ」

 

思わずそんな言葉が漏れる。

 

「いや、君がその血で苦しんでいたのは分かる。だからこそ、君の血への向き合い方は君が決めるしかない。だからここで『そんなことはない』なんて傲慢なことは余り言いたくない。けどさ、俺ってそんな簡単に『自分を罵ってくれる便利な人』に思われていたの?」

 

「そ、そんな!私は岸波君をそんな風になんて……!」

 

「だったらさ、俺にそんな期待しないでくれよ。だってさ、そんなにきれいな翼と心を持った人が涙を流して苦しんでいるってのに、何で追い打ちをかけなきゃいけないんだ?俺にそんな趣味はないよ」

 

姫島さんの目からは涙があふれていた。辛かったろうに、苦しかったろうに。それらを吐き出すことも、彼女の真面目さが許さなかったんだろうな。察することも俺にはおこがましく思える。

 

「『悪魔は決して泣かない』」

 

俺はそう言って彼女に近づき、涙を拭った。

 

「『誰かの為に涙を流せるのは、人間の特権だ』。かつてそれを堕天使やら悪魔やら天使やらが入り混じる場所で言ったことがあってな」

 

「そ、それって……」

 

「君のその涙は、自分のための涙じゃなくて、きっと誰かを思いやった果ての涙だと思う。そんな涙を流す人が、悪い奴なわけないだろ?」

 

まぁ、直観にすぎないのだけどね。

 

――『(こいつ、本当に原作を知らない奴なのか?)』

 

「言っておくが、俺は相当しぶといぞ。この3年間で仲良くしていたのに今更嫌いにさせようだなんて無理だと思えよ」

 

そう言うと、姫島さんが抱き着いてきた。ああ、この子も苦労したんだな。ただ勢いが良かったもんだからちょっと驚いた。

 

「姫島さん?」

 

「朱乃」

 

「え?」

 

「朱乃って呼んで。それとも、リアスは良くて私はダメなの?」

 

今まで見たことがない、子供っぽい姫島さん。いや朱乃だ。

 

「分かったよ、朱乃」

 

「ッ!」

 

そう名前を呼ぶとより一層強く抱きしめられた。彼女の壁、なんとかして壊してやれればいいんだが、こればかりは勝手に突っ込むのもなぁ。

 

そう思いつつも、女の子特有の匂いと柔らかさにドギマギしながら、彼女を抱きしめるのであった。何というか、ここ数か月で女性関連に色々ありすぎじゃないか我?

 

余談だが、この後リアスがやって来て怒ったと思ったらそんな彼女に朱乃は宣戦布告しました。なしてぇ?

 

 

 

 





書くことがないので最近の話題

・最近FF(7ではない)をやっているんですけど、やればやるほど思うのが『特撮オタのセフィロス評、大体『千翼』説』を唱えたくなってきます。

・この作品がコンセプト通り、『原作主人公のうすしお味化』がうまくいっているか不安です。

諸事情によりこの作品の全データが吹っ飛んで継続投稿のやる気も吹っ飛んだうp主です。HSD×Dから逃げるのも癪なせいか、リブートも本格的に視野に入って来た次第です。心機一転のリブートをするか、それともこの作品を意地でも続けるかアンケートと取りたいです。因みに、リブート後だと主人公の眷属は完全ハーレムでない方がやりやすそうなので、完全ハーレムでなくなります。とりあえず12章は意地でも書ききります。

  • 無理スンナ。リブートしたらしたで読むで
  • 逃げるな卑怯者(炭治郎並感)
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