ハイスクールD×D×R~禁断の使徒が頑張るRe:ライフ~   作:ブラッキオ

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寒いのか暖かいのか分かんないせいで体がバグりそうやで




第35話 会談、スタート

 

さて、神社での出来事から数日。俺達オカ研メンバーは部室に集まっていた。

 

「さて、行くわよ」

 

リアスの声が響く。今日は三大勢力のトップ会談当日。これに俺とアーシアの人間組も参加する。ヴラディ君はまだ神器の操作がおぼつかないこともあり、天使と堕天使側にあらぬ疑いをかけられないようにするためにもお留守番とのこと。

 

そんな彼に兵藤はゲーム機を貸していた。いい先輩してんじゃねぇか。俺はうれしいよ。

 

今日は休日。時刻は深夜。正直言って眠い所もあるが、まぁ我慢だ。何せガブリエルさんと久しぶりに会えるのだからな。しかし、アザゼルさんやミカエルさんが妙に含みのあるような言い方をガブリエルさん関連になるとしていたのが気にかかる。それも確かめに行こう。

 

会場はここ駒王学園新校舎職員会議室。すでにトップの皆さまは休憩室で待機中とのこと。会場全体に決壊が張ってあり、会談が終わるまで解除されないとのこと。木場によると外にはそれぞれの勢力の軍団がぐるりと囲んでおり、一触即発な奴らや俺の存在が気になる奴らでいっぱいだとか。

 

何つーか、思いやられる。何がってさ、ぜってー俺の過去とか色々聞かれるよな?そのための嘘もすでに粗探しくらいのレベルまで仕上げたんだけどさ、これがまぁ信じてもらえるか不安なのよな。騙すってのも心苦しいけど、それがユノハ様の望んだことである以上従うしかない。大変ね、中間管理ってのは。

 

そうして会談の時間になり、俺達は会議室前まで来た。リアスが扉をノックする。

 

「失礼します」

 

彼女に続いて入っていく。そこにはやたら豪華なテーブルにそれを囲むように知っている、というか知りすぎた人達が座っていた。空気は張り裂けるような緊張さを持っている、皆真剣な面持ちだ。こんな所で『おい岸波、一発ギャグやれ』だなんて言われたら舌をかみ切る自信しかない。

 

アーシアも不安になったのか、俺の服の端を掴む。そうだよな、彼女にとっては信仰の対象であるミカエルさんとガブリエルさんが目の前にいるんだもんな。

 

悪魔側を見る。サーゼクスさんにセラフォルーさん、そして炎4倍メイド……っていじるのはもうやめてしまおう。グレイフィアさん。

 

天使側を見る。ミカエルさんとガブリエルさん。心なしか、ガブリエルさんは何か大きな感情を内側に押しとどめ、ミカエルさんは『頼むから我慢してくれ』と祈っているようにも思える。そうですよね、ごめんなさい。俺、余計なことをしないように頑張ります。それにしてもガブリエルさん、デカいな。

 

堕天使側を見る。アザゼルさんにヴァーリ君。そして朝倉さんだ。お久しぶりです、朝倉さん。元気にしてましたか。……って言いたいけどそんな空気じゃねぇし、そんな場でもないから我慢するしかない。

 

三勢力代表全員が正装と言った感じの装飾の入ったローブ姿だ。

 

「私の妹とその眷属達だ。そして彼がレッドゾーンである岸波大地君と、その家族の子だ」

 

サーゼクスさんの紹介が入る。リアスに合わせて会釈する。

 

「おいおい、レッドゾーンは会釈するなよ。これじゃあまるで俺達が二天龍討伐の手柄を横取りして、人間界の隅に追いやったみてぇじゃねぇか?」

 

「体裁というものもありますので、ご了承ください」

 

「ほう……武一辺倒ってわけでもないのか」

 

「アザゼル様?」

 

「分かったよ、和泉。すまなかったな」

 

アザゼルさんが朝倉さんに諫められる。

 

「先日のコカビエル襲撃で彼女達が活躍してくれた」

 

「報告は受けています。この度の活躍、改めてお礼を申し上げます」

 

サーゼクスさんが俺達を紹介し、ミカエルさんがお礼を述べる。

 

「悪かったな、俺の所のコカビエルの奴が。迷惑かけたな。特にレッドゾーンにはまた助けられた」

 

アザゼルさんは何だか悪びれない様子。何つーか、ちょっとだけこの人が堕天使なことに納得してしまった。

 

「そこの席に座りなさい」

 

サーゼクスさんの指示を受け、先にいた支取さんの座っている隣の席に次々と座る。

 

そこからは会談が厳かに始まった。最初に神の不在について述べ、それ以降は俺の知らなくていいような三大勢力の政治面のことについての話し合いについてされていた。時々だがアザゼルさんが余計な茶々を入れて場が凍り付くこともあったが、まぁ、それでもうまく進んでいったからいいんじゃないかな?

 

「さて、リアス・グレモリー。先日の襲撃事件について話してもらおうかな」

 

「はい、ルシファー様」

 

サーゼクスさんの言葉に応えてリアスと朱乃は前に出る。その手は少し震えていた。それもそうだ。いくら彼女がノブレス・オブリージュを地で行く存在でも花の女子高生だ。緊張にはまだ耐性が無くても仕方ない。それでもやり通そうと彼女なりにあがいている姿はとても美しい。

 

そんな彼女の報告を受けたトップの皆さまは色々な反応だった。ため息をつく人に顔をしかめる人。思い切りにやけているアザゼルさん。

 

「以上が私、リアス・グレモリーとその眷属悪魔が関与した事件の報告です」

 

「ありがとう。それでは、アザゼル。この報告を受けて堕天使総督の意見を聞きたい」

 

サーゼクスさんがそう言うとアザゼルさんが答える。

 

「先日の事件は我が堕天使中枢組織『神の子を見張る者』(グリゴリ)の幹部・コカビエルが他幹部及び総督である俺に黙って単独で起こしたものだ。奴の処理は『白龍皇』が行ったことにしてあるが……レッドゾーンと赤龍帝のおかげではっきり言っていらねぇくらいにボロボロだったんだがな。その後、組織の軍法会議にてコカビエルの刑は執行された。『地獄の最下層』(コキュートス)での永久冷凍刑だ。もう出るどころか出た所で奴に戦う力は残ってねーよ。その辺りはこの前転送した資料に全て書いてあっただろう?それが全てだよ」

 

ふーん、永久冷凍刑か……なんか足りねぇよなぁ……?

 

「なんだ、レッドゾーン。不満そうな顔して。コカビエルが下手に殺せない立場である以上俺達の取れる最上級の刑罰だぞ?」

 

アザゼルさんが俺にそう言ってくる。あ、顔に出てた?ごめんなさい。ただ、気になったんだ。

 

「あ、いや。ただ、『冷凍するだけ』ってのが気がかりで」

 

「それだけじゃ不満だったか?」

 

「圧縮しないんでしょうか?」

 

その言葉にトップの皆様は首を傾げる。

 

「どうせなら神器の力とか応用して無理矢理体を圧縮することで小人サイズまで縮めればコンパクトで場所を取らずに済みますし、尊厳の破壊にもなります。それで場所が空いているならコカビエルの意志を継ごうとした者へ『お前の席も空いているぞ』や『お前の尊厳を破壊することなど容易い』という示しにもなります。そうなれば、この上ない抑止となるでしょう。ただこれに関しては技術的に無理と言えば、私のただの妄想にすぎません」

 

圧縮冷凍刑。前世で見ていた特撮の極刑の一つ。正直見ていた当時はどうとも思わなかったが、今思えばちょっとドン引きである。

 

そう言うとアザゼルさんが大笑いし出した。

 

「アザゼルさん?」

 

「あー、面白れぇ。その観点はなかったわ。確かに、コカビエルの意志を継ぐ奴も現れかねない。そうなってくるとお前の言うことは正しい。まぁ、その辺りは追々言うが、安心しろ。それにお前が思うほど『地獄の最下層』は狭くない」

 

「それはそうでしたか。私の杞憂で会談を妨げてしまい、申し訳ございません」

 

俺は席を立って頭を下げる。席に座って横を覗くと皆苦笑いしている。

 

「それでは会談の続きを。アザゼルの説明はいささかひどいものでしたが、あなた個人が我々と大きな事を起こしたくないというのは知っています。それに関しては本当のことなのでしょうか?」

 

「当たり前だ。俺は戦争には興味はない。コカビエルの奴もそんな俺をこき下ろしていたって、そちらの報告でもあったじゃねぇか」

 

なるほど。少し疑っていて申し訳なかったが、今確信に変わった。この人達は『本気で前に進もうとしている』。過去に大きな戦争をしていし、今でもその禍根は大きいが、『それでも』と言い続けて前に進もうとしている。

 

なら、俺が『共通の敵』となって君臨し、頃合いを見て消えることも必要なさそうだ。

 

そんなことを考えているとサーゼクスさんがアザゼルさんに訊ねた。

 

「アザゼル、一つ訊きたい。どうしてここ数十年の間神器の所有者を君達はかき集めている?最初は人間たちの力を集めて戦力の補充と増強を図っていると思っていた。天界や我々にもう一度戦争を仕掛けるつもりかと思っていたのだが?」

 

「そうです。ですが、あなたはいつまでも戦争を仕掛けなかった。『白い龍』(バニシング・ドラゴン)を手に入れたと聞いた時は、強い警戒心を抱いたものですよ?」

 

サーゼクスさんとミカエルさんの意見にアザゼルさんが苦笑する。

 

「随分信頼がねぇもんだ。神器研究のためだ。なんなら、一部研究資料をお前達にも送ろうか?仮に研究していたとしても、それで戦争なんざしかけるか。戦事に今更興味を持つ奴なんてそれこそ時代遅れの戦神くらいだろうな。俺はそんな神になったつもりもない。今の世界に十分満足しているのさ。これでも部下に『人間界の政治にまで手を出すな』って言っているんだぜ?宗教にも介入する気なし、悪魔の業界にも影響を及ぼせるつもりもない」

 

呑気に耳をかっぽじっているアザゼルさん。こんくらいとは言わんが、これに近い胆力が欲しいものだ。

 

「全く、神や先代ルシファーとは違ってマシかと思ったが、お前らも大概面倒な奴らだな。いいぜ。そもそもの話、こそこそ研究するのも性に合わねぇしな。……なら和平を結ぼうぜ。元からそのつもりだったんだろ?天使も、悪魔もよ?」

 

アザゼルさんの一言に皆驚きを隠せていない様子。マジでこの人信頼なさすぎないか?

 

彼の一言に驚いていたミカエルさんが微笑みを取り戻す。

 

「ええ、私も悪魔側とグリゴリに和平を持ちかける予定でした。このまま三すくみの関係を続けていても、今の世界、そして人間たちの害となる。天使の長である私が言うのもあれですが……戦争の原因となった神と魔王はもういませんから」

 

 

「ハッ!あの堅物に定評のあったミカエル様が言うようになったな」

 

「失ったものは大きいです。けれどいないものをいつまでも求めていたら前に進めない。それこそ『怠惰』の罪と変わりない。二天龍との戦いで学んだことですから」

 

ミカエルさんがこちらを見てくる。うん、イケメンフェイス。それはそれとして、彼の言葉はとても素晴らしいと思う。どっかのジンベエザメの魚人の叔父貴も言っていたが、過去ばかり見ていてはだめだからな。

 

「人間を導くのが我らの使命。神の子らをこれからも見守り、先導していくことが一番大切だと、セラフのメンバーの意見も一致しています」

 

「おい、ミカエル。今の言葉、『堕ちる』ぜ?……っつてもあれか。『システム』はお前が受け継いだんだったな。随分いい世界になったもんだ。俺らの時代とはまるで違う」

 

二人の会話に、サーゼクスさんも同意見を口にする。

 

「我らも同じだ。魔王がいなくとも悪魔と言う種の存続のため、先に進まねばならない。戦争は我らも望まないところだ。次に戦争をすれば、確実に悪魔は滅ぶ」

 

「そう。そういうこった。三すくみが共倒れで済めばいいが、世の中そんなうまくいかねぇ。人間界に影響を及ぼし、そして世界は破滅する。そしてそうなる前に、今の環境を守るためにレッドゾーンは俺達の共通の敵として君臨することとなる。その時に俺達が生きていられれば幸運とも言えるだろうな」

 

げっ……俺の思惑バレてる。

 

「つーか、レッドゾーン。お前、随分悪魔側に肩入れしてるが、俺達堕天使や天使は敵とか思っちゃいないだろうな?」

 

アザゼルさんがそう問いかける。俺はそれに真摯に答えねばなるまい。

 

「偶然ですよ。偶然、大切な友達や後輩が悪魔だっただけで、堕天使でも天使でも変わりないです。まぁ、家族に危害を加えるようであれば、種がギリギリ存続できる程度までの損害であれば幸運って思わせるくらいには私も残虐な面がありますので」

 

最後にちょっとだけ冗談を入れた。が、この冗談の受けが良くないようで、ミカエルさんやサーゼクスさんの顔が青ざめた。アザゼルさんは変わらずにやけている。

 

「とりあえず、レッドゾーンの家族は俺達にとって最重要人物になったのは確かだな。お前の意志は分かった。これからは俺達ともしっかり仲良くしてもらうからな」

 

「ええ。それに、私は神になったつもりはないです。神のように万能なら、この場にいませんから。あと、皆様に伝えたいのですが、今の私は『岸波大地』です。レッドゾーンではありますが、公的な場でもそちらで呼んでいただけるとありがたいです」

 

「……それもそうか岸波大地。それにしても神はいない。それでも衰退しないどころか発展した。なんだかんだあったが、こうして俺達は元気にやってる。レッドゾ、岸波大地が愛するこの世界はうまくやっている…………神がいなくても世界は回るってことだ」

 

アザゼルさんがそう締める。そうだな。神はいなくても世界は回っている。だから俺達は出会えた。こうして再開出来た。奇跡と表現できても、これを神の定めた運命と言えるか。

 

「と言ったところだろうか?」

 

サーゼクスさんの一言でアザゼルさんを除いたトップの皆様が大きく息を吐く。これでひと段落終わったのかな?

 

しかし、和平か。戦後の条約とかでしか聞かない用語が出てくると、俺がこの場に不相応な気がしてくる。

 

 

 

 

 

「うふふ……大地さん……」

 

さて、休憩時間と相成ったが、俺は今ガブリエルさんの抱き枕にされている。おっぱいが心地よい。

 

「スンスン……うふふ……」

 

何か匂いまで嗅がれている。何か、怖い。リアス達の表情も笑顔だけど恐怖を感じる。アーシアも涙目だし。兵藤と木場は苦笑いだ。

 

「ずっと、ずっとこうしたかった……」

 

なんていうか、なまじ依存とか支配とかそう言った感じがないせいでちょっと不気味にも思える。

 

「おいお前ら集合」

 

アザゼルさんがミカエルさんとサーゼクスさんを呼んでスクラムを組む。

 

「おい、ミカエル。あれ本当にガブリエルか?あんな恍惚とした表情のあいつ見たことないぞ?ってかあんな顔してたら普通『堕ちる』だろ?そう言う奴何人も見てきた俺が言うんだ間違いないぞ」

 

「僕もそう思う。記憶にある限りだと、彼女ってもっと男嫌いな感じの天使だった気がするんだが……?」

 

「私だって知りたいですよ。もうかれこれ1000年もあの調子なんですよ?なのに『堕ちる』こともなければ、業務も順調。健康診断も問題ないんです。今日だって岸波君の家に勝手に訪問したり、会談前にも押しかけないように注意していたのですからね?」

 

「それでなお俺でも分かるあの圧だったのか……」

 

「お三方、いくら会談が一区切りついたとはいえ、まだ続いているのですからお気を付けください」

 

「ああ、ごめんよグレイフィア」

 

三人はスクラムを解いて席に戻った。

 

「コホン……さて、話し合いもいい方向へ向かいましたし、そろそろ赤龍帝殿のお話を聞いてもよろしいかな?」

 

「あ、いいんですか?」

 

え、兵藤何か裏で話つけていたの?

 

「勿論です。約束ですから」

 

「それじゃあ……っとその前にアーシア。アーシアのこと、ミカエルさんに訊いてもいいかな?」

 

「は、はい!」

 

どうやらアーシアもグルだった模様。なになに?おじさん気になっちゃう。

 

「どうしてアーシアを追放したのですか?」

 

やっべ、笑えないもの投下してきやがった。

 

これには事情を知る様子のサーゼクスさんとアザゼルさんも不思議そうにしている。

 

「あの、これ岸波先輩の受け売りなんですけど、神器って神が作ったものじゃないですか。なら、その能力も神が決めたものに違いないですよね?だったら、悪魔を治療できるのも、それは神が決めたことで……そうなってくるとそんなアーシアを追い出したのは教会側が神を否定してないかって思うんです」

 

そう言うとトップの皆さんの表情が硬くなった。そうだな、それに関しても俺が言いたかったが手間が省けた。ありがとう、兵藤。

 

「そうだな。今の今まで散々研究してきたが、その発想はなかったな。やっぱりこの和平は正解のようだな」

 

アザゼルさんは顎に手を当てていい笑顔でそう語る。

 

「そ、それに関しては申し訳ないとしか言えません……ですが、『システム』がかつてと違って完全に扱えきれない以上、信徒たちを守るにはそれしか……」

 

何だかやばそうな表情をし出すミカエルさん。……これ、俺が言っていたら『命の恩人が『お前ら、身勝手な矛盾で人殺ししようとしたんだぞ』って言っている』って状況になっていたな。そうなると、この死にそうなミカエルさんの表情がもっと大変なことになっていたかもしれない。兵藤、今度サイゼでイタリアンプリンとジェラートを奢ってやろう。

 

「あ、あのミカエル様?」

 

「アーシア……」

 

アーシアが口を開く。

 

「私は気にしてませんから。ミカエル様達の前で言うのもなんですが、実は『魔女』として追い出されて、今では少しうれしいんです」

 

そう優しく微笑むアーシア。

 

「色々辛いこともありましたが、追い出されたからダイチさんのような大切な人達と出会えた。そして、『魔女』だからこそ、かつて禁制だったことも出来る。自由になれたからこそ、視点が広がる。ハルキちゃん……ダイチさんの弟さんなのですが、彼と一緒に観ている番組のヒーローが、私の神器とそっくりの力を持っているんです。でも、そんな彼はただ癒すだけではなくて、邪悪とも戦う力強さと勇気も持っています。本当に他者を救うためには、ただ傷を癒しているだけではダメ。教会にいた頃の『ただ他者を癒すだけ』であった私では気づけなったことを、追放された後に出会った皆は教えてくれたんです。だから、そんな苦しそうな顔をしないでください」

 

アーシアの顔はどこまでも凛としていた。強い。そして眩しい。タロウを見るトレギアってこんな感じだったのかな?いや、あいつはあいつでもっと面倒な感情を持っていたか。

 

「……まさか自分の信徒に『慈悲』を授けられる日が来るとはな、ミカエル。セラフが形無しだぜ?」

 

「本当にそうですね。情けない限りです。アーシア。そしてゼノヴィア。あなた達を異端として追放したこと、本当に申し訳ございませんでした」

 

そう言って頭を下げるミカエルさん。すごい、この世界のトップってこんなに柔軟に考えられるんだ。おい、人間共。特に管理職とかそれなりに偉い地位の連中。見ているか?

 

「いいんですよ、ミカエル様。今申した通り、私は追放されて、かけがえのないものを得られましたから」

 

「アーシアの言う通りです。今まで色々封じていたものを解放する生活もいいと思っています。恋心など色々知らなかったものを知ろうと思えた。こんなことを他の信徒に聞かれでもしたら、怒られますね。それほど、私は今の生活に満足しているのです」

 

「あなた達の寛大な心に感謝します」

 

どうやら丸く収まった様子。

 

「おい、兵藤」

 

「何すか先輩?」

 

「ありがとうな」

 

「え?あ、どういたしまして、っす?」

 

俺は兵藤に感謝を伝える。何か、ガブリエルさんのおっぱい味わっていたら教会の連中とかどうでもよくなっちゃった。しょうがない、ガブリエルさんに免じて、許すまではいかないけど妥協した態度はとってやろう。

 

グレイフィアさんがトップたちの前に紅茶を置いていく。そんな中でアザゼルさんがこちらを見つめていた。

 

「んじゃ、俺から岸波大地に質問だ……単刀直入に聞く。お前、何者だ?」

 

静かになった会議室の空気を破ったアザゼルさん。そうだよなぁ、いつか来ると思っていたし、出来るなら来ないでくれと思っていたけど来るよなぁ。

 

「俺はな、あの戦いの後に色々調べたんだ。あの時代に人間、ひいては半神がいたか。それも神器のような全身を覆う兵器を持った奴がいるかってな。ギリシャ神話やインド神話、北欧神話の奴らにも聞いたよ。神は答えてくれないが、その周りにいるドラゴンとかは知っているだろうからな、聞いて回ったさ。だが、どこも答えはNoだ。どいつもこいつも口をそろえて『あいつらに傷一つ負わないで勝てる人間がいたらこっちが知りたい』『そんなの、うちの神話体系の神ですら無理だ』って言う始末だった」

 

「ドライグ、お前すげぇ奴なんだな」

 

――「随分失礼な主だな。これでも元々は無敗のドラゴンだったんだぞ。それを……それをあいつが……!」

 

「僕も気になる所だ。リアスの報告では、君は異世界の存在と聞いているが?」

 

おぉう……そこまで知られている。

 

「俺は薄々思っていたさ。『レッドゾーンはこの世界の存在じゃない』ってな。そうすれば全てつじつまが合いそうだったからな。だが、確証はなかった。それをコカビエルの奴との戦いでしゃべったそうじゃねぇか」

 

くっ……この時が来てしまったか。隣を見ればアーシアどころか皆俺の方を見ている。気が付けばガブリエルさんも離れている。

 

腹、括るしかないな……

 

「……いいでしょう。ここまで来て『しゃべりたくない。嫌だ』なんて言って信頼を失うのはいけませんからね」

 

俺は立ち上がり、トップ三人の席の奥に手から光の玉を放った。すると会議室の壁に鮮明なホログラムが浮き上がる。そう、最近作った技『ウソノキオクミセール』だ。え、知らん?名前のまんまだよ。俺の作った嘘をここで映像にするんだよ。

 

やるぞ……やってやる!俺の一世一代の大嘘だ。とくと見やがれ!

 

「これは、私の記憶の一部です」

 

漢・岸波大地。いざ、歌舞伎舞う!

 

 

 

 

諸事情によりこの作品の全データが吹っ飛んで継続投稿のやる気も吹っ飛んだうp主です。HSD×Dから逃げるのも癪なせいか、リブートも本格的に視野に入って来た次第です。心機一転のリブートをするか、それともこの作品を意地でも続けるかアンケートと取りたいです。因みに、リブート後だと主人公の眷属は完全ハーレムでない方がやりやすそうなので、完全ハーレムでなくなります。とりあえず12章は意地でも書ききります。

  • 無理スンナ。リブートしたらしたで読むで
  • 逃げるな卑怯者(炭治郎並感)
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