ハイスクールD×D×R~禁断の使徒が頑張るRe:ライフ~ 作:ブラッキオ
「さて、と」
イビルジョーの如く乱入して女性を助けて白いドラゴンも倒した。悪いな、
ムキになって乱入したはいいが、これって元々周りにいる人達が片付ける案件だったんだよな?ってことは、俺は勝手にそのお役目を奪った意味不明クソッタレ野郎になるわけで……
あかん、嫌な汗が出てきた。
「あ、あの……」
気が付けば目の前にいた金髪ボインのお嬢さんと黒髪ツインテールのお嬢さん。周りの人々も集まってきた。え、リンチ?
「あなたは一体?」
あら、リンチじゃない?それじゃあお答えしましょう。
「ただの人間だ」
そうですよ、ただの人間ですよ。神様じゃない。努力が報われなかったらぶちぎれるし、やさぐれもする、ただの人間ですよ。
「そうじゃなくて!名前!」
黒髪ツインテールの子がそう言う。うーん、困った。俺、苗字が思い出せないんだよな。ここは仕方ないから大地と……
いや、待て。こんなにあっさり名乗っていいのか?確かに俺は大地だが、白いドラゴンを倒したのは紛れもないレッドゾーンであって、俺じゃないような……
そもそも求められているのは大地じゃなくてレッドゾーンの方だよな?じゃあ、レッドゾーンだよな?
「レッドゾーン。ただの侵略者、とでも言っておくか」
「レッド、ゾーン……」
「君達は?」
「あ、わ、私はガブリエルと申します」
「せ、セラフォルー・シトリーだよ」
「ガブリエルさんにセラフォルーさんか」
古典的なものと個性的なものでいい名前だ。
俺はそんな目に毒な彼女たちを視界から外し、遠くで戦っている赤いドラゴンを見る。見れば見るほど嫌になる。何がVAN大王ナインだ。馬鹿じゃねぇの。最近はソレムニスとかクリスドとか手に入れて5Cドラゴン娘のフィニッシャーになったりキリコの当たり枠になっているらしいが、どれだけ逃げようとも俺はお前を許さんぞドラゴ大王。
あと、公式はもっと有能なデーモン・コマンド刷ってくれ。ダークマスターズ。あれ、何年前のカードだと思ってんだ。マジでバロムデッキを組もうにもまともな進化元がいないの欠陥すぎるだろ。バロムをプッシュするならまずそこを何とかしてよ……。アルカディアス系列はアルカ・キッドからのホーリー・スパークのためにスパークの種類増やしたりウェルキウスで進化元大量展開だったり強化入っているってのによ……。
「レッドゾーンさん?」
「どうされましたか?」
強い憎しみを向けながら、俺は彼女たちの問いに答える。
「終わらせるぞ、俺達でこの戦いを」
別に他力本願ってわけじゃないが、せめて自分達で立ち上がることぐらいしないと収まりが悪い。
って思っていたら、何だか周りがざわつきだした。その目はどことなく諦めムード。ガブリエルさんとセラフォルーさんもなんだかとっても、諦めてそう。
「どうした?」
「わ、私達は……その……」
口ごもるセラフォルーさん。もしかしなくても、諦めてる?
そう考えていたら、ガブリエルさんが声をあげた。
「……ない……」
……ん?
「私達なんかでは、勝てない!」
周りがその言葉に少しずつ賛同し出した。よくない。これはよくない。
俺はそんなことを言っているガブリエルさんとの距離を詰めて、その頭にチョップを入れていた。
「え?」
「何が『勝てない』、だ」
こんな若輩者かつ乱入者の言葉なんて聞きたくないだろうけど、ちょっとお説教しようかな。
「これはあんたらの始めた戦いなんだろ?散っていった仲間も少なくないんだろう?だったらその責任を果たせ。勝つ負けるの話じゃないんだ」
「そ、それは……」
ガブリエルさんがシオシオになっていく。周りにも一喝しよう。
「スゥー…………その顔はなんだ!!」
「ひっ!!?」
「その目は!!その涙はなんだ!!…………あんたらがやらないで誰がやるんだ?その涙で、あの赤い竜を倒せるのか?この世界を救えるのか?」
「…………」
周りの目が変わり出した。わずかに残っていた希望がもう一度燃え出している。中には完全に諦めきっている奴もいるがそんなのはもう知らん。今は、立ち上がろうとしている奴らをほめたたえるべきだ。
「そうだよ、私達はやらなきゃいけないんだ」
「やらなきゃ。立ち上がらなきゃ」
「私達が始めた物語なんだ。しっかり畳まなきゃいけない……!」
セラフォルーさん筆頭に周囲もそう言い始めた。気が付けばガブリエルさんの顔からも諦めは消えている。
「そうだ、立ち上がらなきゃ」
よし、最後のダメ押しだ!
「行くぞお前達!!散った者への手向けの歌を歌うために!!美味しい食事にありつくために!!明日を生きるために!!未来を求める者は我に続け!!!」
「「「「「おぉおおおおおお!!!!」」」」」
雄たけびを上げ、俺達は一丸となって赤いドラゴンへと突っ込んでいく。
風を切る音が数多聞こえる。数は多くないかもしれない。でも、過去じゃなくて未来を求めた者達が立ち上がっている。だから俺は彼らを救いたい。どうにもならなくて、手を伸ばした。その伸びた手を這い上がった。そんな人間の強さを俺は信じたい。
「だっしゃおらぁああ!!」
「何者へぶぅ!!!」
俺は赤いドラゴンの顔面に蹴りを入れた。首が変な方向に曲がった。ありゃ完全にむち打ちコースだ。
100以上はいるだろう翼の生えた人たちが合流し、赤いドラゴンへと攻撃していく。俺は攻撃に巻き込まれないように少し後ろに下がった。
「良い」
そんな言葉が出た。
「それでこそ人間だ。これほどにまで美しいから、俺は信じたいと思える」
前世は色々あった。だけど、『それでも』と言えたのは不条理に負けない人間賛歌を見てきたからだ。
そんな風に気をうかがっていると後ろから声をかけられた。そこには赤髪のイケメンとちょい悪風のダンディがいた。
「き、君は?それにこれは一体?」
「まぁ、一つずつ。俺はレッドゾーン。ただのしがない人間。そしてこの光景だが、まぁ、彼らが力強い『人間』だったってことだ」
「人間だぁ?お前、嘘もいい加減にしろよ。この場に人間が来られるわけがねぇだろ。そもそも俺達は人間じゃねぇ」
ぐぇ。ダンディに変に痛い所を付かれた。と言っても、こういうのにはとっておきのお返しがあるんだよ。
「くぅ!!」
ガブリエルさんがこちらに飛んできたので受け止めた。
「ありがとうございます!」
「どういたしまして。それでだが……」
俺は満を持してこの言葉を言う。
「『悪魔は決して泣かない』」
「?」
「何だと?」
「誰かの為に涙を流せるのは人間の特権だ。そこに翼が生えているかなんてのは、問題にすらならない。あんたらはきっと、立派な人間だ。目を見れば分かる」
「「……」」
唖然としている二人。ガブリエルさんもガブリエルさんでポカーンとしているし、聞いていたであろう周りの連中も間抜け面を晒している。いいさ、それでも。それが俺の信条でもあるんだからな。
「さて、行くぞ」
俺は赤いドラゴンの方を向き、奴の左腕に一直線に飛んでいき、腕を拳で弾き飛ばした。
「あぁあああ!!腕がぁあ!!!」
「てめぇら!まだ甘いぞ!その手を止めるな!!」
激励も忘れず。
―――
そんなこんなでわずかだが長く感じた時間を待った。赤いドラゴンもボロボロだ。流石に可哀そうに思えてきたので、介錯しよう。
「さて、どうしたものか……」
どうやって介錯しようかと、考えていたらある方法を思いついた。
そうだ、赤くてバイク関係なら、それらしく仮面ライダーのマイティキックをしよう。
俺は即座に右足に力を込めた。足とは言うがレッドゾーン故にそれは完全にタイヤだが。それでも集中していると、足が金色に包まれた。準備万端だ。
ただ、俺は一つだけ不安がある。マイティキック、というよりマイティキックでやられた怪人の爆破についてご存じだろうか。端的にいうと、すごい爆発が起こる。半径500mなんてもんじゃないくらいのだ。それに関しては怪人側が悪いんだが、俺の場合禁断パワーとか色々あるからどうなるか分からん。下手すれば核兵器もびっくりなことになるかもしれん。
というわけでユノハ様。
――『キックね。あなたの調節次第よ。イメージしなさい(PSYクオリア並感)』
あっはい。じゃあ物は試しだ。
「お前達!離れろ!!」
俺は警告をする。するとユノハ様が話しかけてきた。
『折角ライダーキックするのなら何か叫びなさいよ』
えー、そんなこと言われても……
――『ほら早く』
待って急かさないで!
――『3,2,1、GO』
「アクエリオォオオン!!」
何でこんな時にアクエリオンって叫んでいるんだ、俺?もういいや。そのまま赤いドラゴンへと駆けていく。
「チェストォ!!」
「ごぁ!!」
飛び上がって右足を突き出し、ドラゴンの頭に蹴りを入れた。
スタっと着地を決めたらすぐに退散。爆破に巻き込まれたくないからな!
「あ、あがぁ……!」
赤いドラゴンの最期の言葉はそれだった。その言葉の直後、大爆発を起こした。きれいな花火だ。なんて呑気に思っている暇はない。レッドナイフとかレッドフォールほどではなくともちゃんと確認はしないといけない。白いの?あれは心臓らしき所を貫いたし、さすがに致命傷でしょ?
煙が収まると、そこには倒れてぴくぴくとしている赤いドラゴンの姿があった。
どうみてもありゃ瀕死ですな。
「勝った、のか?」
「ああ、終わった」
周りの翼の生えた人達からそんな声が聞こえてくる。
瞬間、それは怒号とも言うべき歓声へと変わった。喜びに打ち震える者。涙を流す者。虚脱状態になる者。様々いた。
まぁ、一つ言えることがあるとするなら……
「俺は間違っていなかったのだな」
正直言って、こんな乱入は良くないと分かっている。それでも助けたかった。それだけ。その思いは決して無駄ではなかったことが分かった。それだけでも俺は満足だ。
「「レッドゾーンさん!」」
俺、というより俺のガワを呼ぶ声がする。振り向いたらそこにはガブリエルさんとセラフォルーさんがいた。
「ケガはない?」
「それはこちらのセリフだ。二人こそ大丈夫か?」
「ええ、私は何ともありません」
「私も」
そうかそうか、それは良かった。二人の安堵している顔を見て、こっちも少し気が緩む。
周囲を見渡せば翼の種類関係なく喜びあっている。ああ、そうだ。俺達は人間だ。この人達も戦争をしていたらしいが、こうして手をつなぎながら前へ進める。
この場に、俺という異物は不要だ。皆で勝ち取った未来を進むといい。
「レッドゾーンさん?」
「どちらへ?」
「二人のような美人さんといるのもいいが、どうも俺には似合わんらしい。さっさと退散させてもらうだけさ」
二人の顔がほんのりと赤く染まる。うーん、可愛い。
少しだけだが、俺の周りにも人が集まってきた。
「いいか。未来は変えることができる。良いようにも悪いようにも、だ。それを成すのは君たちだ」
「「「「「……」」」」」
何だかこの言葉をすごくかみしめている様子。所詮受け売りだが、悪い言葉じゃない。寧ろ受け継がれるべき言葉だと思う。
「それでも、だ……」
そんな中、声を上げたのは赤髪のイケメンの隣にいた烏のような翼を生やしたダンディ。
「血を流すことでしか解決できないことだらけな未来しかないのが現実だ」
「それはそうだ」
俺の即答にその人はきょとんとした。
「だからこそ、『それでも』と言い続けることだ。言い続けて、わずかな可能性を手にする。それが出来るのは、人間の強さだからな」
「……そうかよ」
俺の答えに満足げなご様子。さて、行くとしますか。あてのない旅へと。
「それじゃあ、ガブリエルさん、セラフォルーさん」
「はい」
「どうしたの?」
「また会おう」
「え?」
「ふぇ?」
俺は全速力でその場を後にした。俺を呼ぶ声が聞こえるが聞こえないふりをした。ああいう宴会状態の時に見知らぬ奴がいたら萎えるだろうしな。
こうして俺のデビュー戦は幕を下ろしたのであった。
諸事情によりこの作品の全データが吹っ飛んで継続投稿のやる気も吹っ飛んだうp主です。HSD×Dから逃げるのも癪なせいか、リブートも本格的に視野に入って来た次第です。心機一転のリブートをするか、それともこの作品を意地でも続けるかアンケートと取りたいです。因みに、リブート後だと主人公の眷属は完全ハーレムでない方がやりやすそうなので、完全ハーレムでなくなります。とりあえず12章は意地でも書ききります。
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無理スンナ。リブートしたらしたで読むで
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逃げるな卑怯者(炭治郎並感)