ハイスクールD×D×R~禁断の使徒が頑張るRe:ライフ~ 作:ブラッキオ
これで第4章も終わりですね。原作へのアンチ行為ってだけでよく続いたなと思います。
「一つ、か。正直たくさん求められると思っていたから構えていたが、君は謙虚だね。それで、願いというのは?」
サーゼクスさんの問いに俺は答える。何者でもない大切な
「黒歌、というはぐれ悪魔をご存じですか?」
「黒歌?ああ、知っているとも。それがどうかしたかい?……いや、そう言えばリアスの報告にあったね。『黒歌が突然乱入してコカビエルと戦った』と。それと関係しているのかな?」
「ダイチ……」
リアスの悲しそうな声が聞こえるが、俺は止まれない。止まる気もない。まさにオルガ・イツカ。やるぞ、俺。
「彼女の起こした事件。その真実についてです」
俺はその後、黒歌のことについて話をした。彼女が塔城さんと共に無理矢理実験道具にされていたことや、妹を守るために主殺しをしたことを。それを話せば話すほど、塔城さんが『嘘だ』と言う。余りにも切ないその声に、俺は何も言えなかった。
「そうか……彼女の行動の裏にはそんなことが……」
「そういうわけで、俺の願いはただ一つ。『黒歌の罪の帳消し』です」
俺がそう言うとサーゼクスさんは顎に手を当て考え込みだした。
「岸波君が言ったことが確かなら、あの時の杜撰だった報告書にも納得がいく。あの家は裏でも散々それっぽい証拠はあったしな……」
サーゼクスさんはしばらく考え込み、そして俺に言う。
「いいだろう。他ならない君の願いだ。彼女の……黒歌の罪を帳消しにしよう」
マジか!やったぜ、狂い咲き!!
「ありがとうございます!!」
俺は土下座をする。こんなにもうれしいことがあるか!
「やめてくれ岸波君。君の言ったこと、黒歌の真実は僕達冥界側にも知られていなかったんだ。後に黒歌にも聴取するが、それが本当ならそれこそ『調査不足』『こちらの不備』というものだ。こんなことは願いの一つにも入らないと言ってもいいよ。寧ろ真実を明らかにしてくれたからまたお礼をしなければならなくなってしまったくらいだ」
「うっす」
俺は立ち上がる。
「サーゼクスちゃん」
「分かっているよ、セラフォルー。命の弄びは今の冥界では御法度のそれだ。だが、相手も大きな家。表立って取り潰せはしない。それでも、罪を消すこととそれへの反対を黙らせるくらいなら出来る。それが、僕達『妹を持った者』の使命だろ?」
「っ!……そうだね!」
セラフォルーさんも賛同してくれる。よし、魔王二人の言質はとった。これで何とかなる!
「よぉし!」
やっべ、ラヴィニアのことと言い、この会談マジで得しかしてねぇ。最高だな、おい!
「小猫ちゃん」
「イッセー先輩……」
「無責任なこと言うけどさ、大丈夫だよ」
「っ!」
「俺なんかじゃどうしようもなかっただろうけど、あの先輩が土下座してまで喜んでるほどなんだぜ?悪いことにはならないさ」
「……はい」
「そうだな……これでは君の願いがどうしても引き出せない……」
サーゼクスさんがそう言う。んー、だったらこうしよう。
「でしたらこうしましょう。『冥界の皆が俺の力に依存せず、己の意志と力で前に進もうとする。その思いを絶やさないようにしてほしい』というのは?」
そう言うと、サーゼクス達はちょっと驚いた顔をした後、セラフォルーさんとグレイフィアさんと顔を合わせてほほ笑み、こちらを向いた。
「君は相変わらずだね」
「そうですね、俺は『人間』を愛してやみませんから。そんな人間が苦難に抗う姿は、どこまでも美しいです」
「いいだろう。と言っても、こればかりは簡単に冥界の悪魔全てに『はいそうですね』とするわけにはいかないからね。時間がかかるが……いいかな?」
「勿論です。その時まで、俺は待ちますよ」
「ありがとう。でも、僕達個人としては納得いかないところもあるから、いずれまた願いを聞くことにしよう」
かくして、俺達の会談は終わった。これで世界の平和に一歩近づいた。当然これを良しとしない奴もいるだろう。けど、これが『世界』なんだ。その潮流に乗れない奴は、弾かれるだけなんだ。身を任せるだけ、流されるだけでもいい。頼むからその潮流に乗ってくれ。俺はそう祈るだけだ。
○○○
「てなわけでだ、今日からこのオカルト研究部顧問になることになった。アザゼル先生と呼べ。もしくは総督でもいいんだぜ?」
スーツ姿のアザゼルさん、いやアザゼル先生がオカ研部室にいた。
「……どうしてあなたがここにいるのかしら?」
リアス部長、困惑!
「セラフォルーの妹に頼んだらこの役職だ。まぁ、俺は超知的でキレた判断力を持ったイケメンだからな、女生徒でも食いまくってやるよ」
「何言ってるのよ!って、何故ソーナがそんなことを」
「お堅いなリアス・グレモリー。なに、サーゼクスに頼んだらセラフォルーの妹にたらい流しされて、ここまで来た。だから頼んだ」
全貌がよく分からないけど、とりあえず事務仕事のテンプレートの末だったのは分かった。
「って、アザゼル……先生、その腕は?なくなったんじゃ?」
兵藤がアザゼル先生の左腕を指す。そこにはなくなったはずの左腕が存在していた。
「これか?神器研究ついでに作ったモノホンそっくりの義手だ。光力式レーザービームやら小型ミサイルやら搭載できる優れものだ。一度こういうのを装備してみたくってな、折角片腕なくしたんだし装着して見たってわけだ」
逞しいな、おい。てか、後遺症とか大丈夫なのかよ。
「幻肢痛とか大丈夫なのですか?」
「心配すんな、岸波。その辺りもこの神器が和らげるし、何よりそんなものが起きるほど俺はやわじゃない」
左腕を生身のそれじゃ出来ない動きをさせるアザゼル先生。おお、本物の義手だ。某鋼のっていうよりは隠者の浮気じいさんと言ったところか。
「さて、本題だが……俺がこの学園に滞在できる条件はグレモリー眷属の悪魔が持つ未成熟な神器を正しく成長させること。ようはそれ相応の知識を持った俺が役立つってわけだ。お前らも知っての通り、
「ヴァーリの奴はまたここに攻めてくるんすか?」
兵藤がそう言うとアザゼル先生が首を横に振り、俺の方を向く。
「もう攻めてはこないだろうよ。一応のチャンスだった三大勢力トップの暗殺も失敗した。奴らの狙いは当面天界と冥界。冥界は俺達堕天使と悪魔が共闘することになったし、天界は天界でミカエル達が黙ってない。何よりあっちには強力な魔獣、聖獣っていう居候もいる。何よりも、だ。あんなボッコボコにしてきた岸波相手にまた無策でつっこむほどヴァーリの奴は馬鹿じゃない。他の連中とて自分達諸共世界を滅ぼそうなんて破滅願望快楽衝動の極みみたいなことはしないだろうよ」
「そ、そうっすよね。あんなやられてまだ挑むんだったら、俺アルビオンに同情しますよ」
――「だーはっはっ!歴代最強の白龍皇だっていうのが歴代最弱の赤龍帝に同情されてやんの!」
兵藤の声に随分やけくそ気味でご機嫌なドライグさん。
「……今度ドラゴン専用のセラピーを探しておく、イッセー」
「それだけであんたが来た意味があるよ」
アザゼル先生が仕切り直す。
「ここまで派手に動かれた、と言ってもまだ戦争じゃなくて小競り合い程度だ。奴らも俺らも準備期間と言える。安心しろ、お前らがこの学園の高等部どころか大学部を卒業するまで戦なんて起きやしない。仮にそうなりかけたらそこの英雄様が絶対介入してくる。だろ?」
「無論。俺に出来ることならどんな悪逆非道だろうとやってやるさ」
「何もそこまで言えとは言ってない」
そこからアザゼル先生による兵藤一誠への質問と指導が始まった。何でもあの時彼の鎧が右腕だけ白かったのは相当無茶したからだそう。それに加えて俺に一発加えて気をそらせたのも偶然にすぎないとのこと。とりあえず、基礎が直結する神器なので体づくりから始めるそうだ。
あと、レーティングゲームは悪魔以外にもファンが大勢いるそうだ。
その後、グレモリー眷属の皆にも同じようなことをした。ただ、朱乃の時だけ毛色が違った。何というか、彼女の親子関係を心配する親戚のおじさんというか。まぁ、彼女のお父さんって堕天使だし、アザゼル先生と知り合いなのも必然だろうな。
それから話になったのは兵藤の夢。それは『ハーレム王になること』。うん、馬鹿じゃねぇの?あんなクソ嘘映像見せた俺が言うのもあれだが、馬鹿じゃねぇの?
ただ、以前のような性欲まっしぐらって感じではない。その馬鹿みたいな夢を語る時ですらも、どこか己の無力さを感じているように見える。
「それにしても今代の赤龍帝は『一応』一夫多妻を目指しているのか。ドラゴンらしくていいじゃないか。……ま、ここは三すくみ同盟の代表地となる」
アザゼル先生がそう言うと、一気に空気が張り詰めた。
「堕天使総督、魔王の妹、天使側のバックアップ。そして伝説のドラゴンと歴代最強の英雄。仲良くしようや。当面の目標は赤龍帝の完全な
ちょっとそれは言いすぎではないか?と思いながら見るアザゼル先生の目はどこまでも力強いものだった。それで分かった。この人、伊達に何年も総督っていう偉い立場やってないってね。
「いいか、お前ら。この世には『罪人』って言葉がある。詳細は省くが、要するにやらかした連中だ。フリードのような奴らだったり、コカビエルのような奴ら。アーシアとて一応その括りに分類されるだろう。お前らは、いや、俺達も含めてそれなんだよ」
『『……』』
オカ研の皆の顔が暗い。
「最近までひきこもっていたギャスパーはともかくとしてだ、お前らは岸波大地の望んだ平穏を、家族との時間をお前らの弱さと身勝手さで奪ったんだ。あいつがどこまでも求めた安息を奪ったんだ」
え、そんな。親からは『やっと息子が年相応になってくれた』って言ってるんですけど。まぁ、あの人たちとの時間が減ったのは少し心残りだけども。
「今後岸波の過去が知られていくことになったとしても、こいつの過去を『一番初めに知った』というポジションはお前らが背負っていけなきゃならない。そして、その上でお前らはこいつの過去をもっと詳しく、鮮明に知った。凄惨だったろ?ありきたりかもしれないが、あれが『戦争』だ。そしてあんな光景の量産を望むのが、『禍の団』とかだ。お前らはそれと対峙しなければならない。あっちにはコカビエル以上に強い奴もいる。そんな奴らにお前らは挑んで死にかけて、怠惰してまたこいつの足を引っ張るのか?こいつが『誰かを失う』っていうのを嫌う原因を知ってなお、お前らはこいつのトラウマを抉るのか?ヴァーリじゃないが、『弱いのは罪』っていうのはそういうことにもなる」
アザゼル先生、もうやめてあげてください。リアスとか悔しそうな顔が限界突破しかけてるんですけど。涙ぐんでいるんだけど?
「……これは俺の勝手な予想だ。ただ、それなりに根拠はある。岸波は何も言わなくていい。いいか?こいつは多分あの過去を乗り越えられていない」
うっ……胸が苦しい……。深呼吸だ。
「愛する人を目の前で失うのはお前らの中にも知る奴はいるだろう。だが、こいつの場合は家族だけじゃない。故郷も、そこに生きる民も殺されたんだ。文字通り『全て』を目の前で奪われたんだ。その上で、あのギュウジン丸ってのやドルマゲドンXってのに尊厳を踏みにじられた。並じゃなくても心が壊れてたっておかしくない。だが、こうして立ってくれている。……こいつは真面目だ。未だにその全てが己の弱さが原因と自分を呪っているだろうな。人の心が分からないってよく言われる俺ですら、言葉の節々からそう感じ取れる。そんな病んで壊れつくした人間を前に押し出すような奴らに、何があるってんだ?」
あ、アザゼル先生……
「別に身勝手になるなとは言わん。それが悪魔や俺達堕天使の逃げられない性だしな。ただ、それには責任が伴う。『強さ』っていうな。……この世界を物語とするなら、岸波大地ってのは本当は出てきちゃいけなかった
おーい、兵藤?らしくないぞー?塔城さーん、泣かないでー?
「俺達だってそうだ。こんな神の如き役職にいたって、やったことは『終末時計の針を遊びと怠惰で進めた』ってことだからな。サーゼクスに聞けばこいつあの戦いの後に寝てたそうじゃねぇか。その目覚めが早かったら、いや、そもそもこいつの寿命が知れない以上、もしかしたらお前達の背負うものは俺達が背負うことになってたかもしれない。そのツケを払う一心で、サーゼクスたちは動いている。この世界で偉くなるってのは、そう言うことだ。『誇りで飯は食えない』とはよく言ったもんだ」
そう自嘲するアザゼル先生。
何だか空気が悪い。……いや、俺とてこの内容が理解できない程愚かじゃない。俺のせいだよな。せめて何とか励まさないと。
「『お前達の戦いは、必ず勝たねばならない戦いなんだ』」
「ダイチ?」
「とあるウルトラマンのセリフでな。彼は弱さ故に何度も負けた。その結果多くのものを失った。故郷や大切な人たちの命も、な。それでも彼は立ち上がって、最後には勝った。こんな俺が言うのもなんだが、別に『一回も負けてはならない』なんてきついことをアザゼル先生は言っていない。世の中には『初見殺し』って言葉もあるくらいだしな。だからこそ、最後に勝った奴が正義なんだ。だったら立ち上がって勝つしかなかろうよ。そのためにも、力はいるしな」
俺がそう言うとアザゼル先生がふっと息を吐く。
「ま、そう言うことだ。幸いなことに、強くたって損はない」
そうアザゼル先生が続ける。
「さ、まだまだ言い足りないことは山のようにあるが一旦説教は終わりだ。日をまたぐなんてもんじゃなくなるからな。話によれば近日中に若手悪魔どもの会合があるんだろ?デビューの近い有望な若い悪魔がリアス・グレモリー含めて数名いるってのは知っていたがな」
「え、ええ。名門、旧家、その手の若手悪魔何名かでの顔合わせね。習わしみたいなものよ」
へぇ、そんなことが。俺には関係ないな。
「『テロがあったのにそんなに呑気してていいのか』って思ってるだろ、イッセー」
「え?!あ、いや、まぁ確かにそう思いはしますけど」
「俺はむしろ推奨する。戦闘経験のない若手にはそう言ったゲームは経験を積むのに便利だ。現在の悪魔は人間だけじゃなくて堕天使や魔獣みてぇな様々な前歴の転生悪魔がひしめき合ってる。相手は困らない。バトルフィールドの豊富さも自慢だし、戦い方も千差万別だ。こんな好条件、詐欺を疑いたくもなる」
戦いの場には困ってないのね。あんだけきついこと言われてるのに特訓も満足に出来ないだなんて悲しすぎるから、よかった。
「なーに、天界の連中より神器に詳しい俺が直接力の使い方と神器の使い方を教えるんだ、安心しろ。それと、合宿中に試合もセッティングする予定だ。レーティングゲーム形式で一つやるぞ。このことについてはもうサーゼクスに打診してある」
何というか、根っこは『自分の娯楽のため』ってのがあるんだろうけど、それはそうとして人が良すぎるな、アザゼル先生。
こうして新生オカルト研究部がここに相成った。俺も、強くならねばならないな。
○○○
「大地君!」
朱乃がいきなり抱き着いてきた。
終業式が終わった夏休み前日の日のことである。鹿島さんとかに一時の別れを告げてお家に帰った時のことだった。
朱乃が俺んちに大荷物を持って訪れていた。
「姫島朱乃。ただいまあなたの下に到着しました!」
え、これは一体……?
「お、お兄様の提案でね、朱乃もこの家に同居することになったの。神社の方も随分建付けが悪くなって、改修工事を行わないといけなくなったのよ」
リアスがそう説明してくれる。てか、随分笑顔が引きつってるな。あれか、『うちの『女王』、親御さんの前で何しとんねん』って奴か。アーシアもアーシアで痛い視線を送ってくる。
「大地君、私、今夜は一緒に寝ようと思いますの。うふふ、一度ベッドの中であなたと一夜を過ごしたかったのよね」
「お、お母様。それでは『例の話』ですが」
「私達としてはありがたいのだけど、本当に大丈夫?」
「も、もちろんです。こちらこそお世話になりっぱなしですから」
「そ、そう?」
「これは、腕がなるね」
「兄さん……」
リアスがマイファミリーと話し合う。てか『例の話』ってなんだ?
「大地君」
「ん?なんだ朱乃?」
「朱乃ぉ?!」
俺の朱乃への呼び方に驚くリアス。な、なんかまずかった?
「私は弱いです。あなたがいなければ何も出来ないのに、あなたを私のいる卑しい場所まで堕落させようとしてしまうような悪魔です。それでも隣にいさせてください」
そう言うと私の頬にキスをした。うーん、唇の感触。
でもダイジョーブ!こういうのは普段からリアスにやられているし、酔った黒歌にはそのまま唇をぶちゅーっと行かれそうになって、口の端に先っちょだけ触れたことがあったからな!
「あーけーのー!」
「あらあら、怖い『王』ですわ」
怒るリアスに煽る朱乃。随分この家も騒がしくなったもんだ。
「大地の女たらし」
「ごめんね、大地。流石に擁護出来ない」
「兄さん、ウルトラマンゼロみたい」
家族の助け船はないそうです。
次回、第5章(予定)
諸事情によりこの作品の全データが吹っ飛んで継続投稿のやる気も吹っ飛んだうp主です。HSD×Dから逃げるのも癪なせいか、リブートも本格的に視野に入って来た次第です。心機一転のリブートをするか、それともこの作品を意地でも続けるかアンケートと取りたいです。因みに、リブート後だと主人公の眷属は完全ハーレムでない方がやりやすそうなので、完全ハーレムでなくなります。とりあえず12章は意地でも書ききります。
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無理スンナ。リブートしたらしたで読むで
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逃げるな卑怯者(炭治郎並感)