ハイスクールD×D×R~禁断の使徒が頑張るRe:ライフ~   作:ブラッキオ

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第48話 風呂と猥談

 

「ほぅ、そんでもってそんなことがあったとはな」

 

グレモリー邸へとき帰還した我々を待っていたのはアザゼル先生とアーシアだった。

 

「シトリー家とのゲームは元々予定に組み込んでいたし、ちょうどいい。人間界の時間で現在7月28日。対戦日まで約20日と言ったところか」

 

「ようやく修行ですか?」

 

「ようやくって、そんなに楽しみにしてたかイッセー」

 

アザゼル先生が訊くと兵藤は答える。

 

「当たり前じゃないですか。俺には俺の夢がある。でも、それを叶える云々の前に俺って弱いですから、それを何とかしないと」

 

心配になることを言うが、以前のような性根の真面目さ故に背負っているってわけじゃなさそうだしいいか。しかしまぁ、変わったなお前。去年までのお前が見たら舌をかみ切る可能性があるぞ?

 

「いいじゃねぇか。各自トレーニングメニューは決めてある。明日から修行開始だ。言っておくが、『俺達ばかりずるくないか』なんて思ってるんじゃないだろうな?」

 

「うぐっ」

 

「顔に出すぎだお前ら。特にイッセー。いいか、そもそも俺は悪魔側に色々データを渡した。天使側もバックアップするそうだ。あとは若手のプライド次第。種の存続を本気で考えているなら、脇目も振らずそのデータを獲りにくるさ。うちのシェムハザだって各家にアドバイスに行くほどだ。俺よりあいつの方がうまくやるかもな!」

 

幸先が悪いというか不安になるようなことを言うアザゼル先生。これには皆も苦笑い。

 

「それに、お前らには特にリアス・グレモリーとその眷属には俺達三大勢力の『岸波への償い』に付き合ってもらうからな。意地でもお前らを強くするさ。安心しろ、地獄の底だろうが天国だろうがどこに逃げようとも追って捕まえて修行させてやる」

 

「逃げるつもりなんて毛頭ないわ。寧ろあなたがそっちに逃げたくなるくらいの気概を見せてあげる」

 

「いいぜ、乗った。そんなわけだ、明日の朝に庭に集合。アーシアと岸波もだ。そこで各自の修行方法を教える。岸波は今後の予定についての話し合いもしたい。覚悟しておけよ」

 

『はい!』

 

「よろしい…………にしても岸波」

 

「はい、なんでしょう」

 

アザゼル先生がこっちに話を振る。しかもにやけ面をしながら。

 

「お前、アガレス家と婚約するとはな。随分やるじゃねぇか」

 

「ほでゅあああああああああああ!!!」

 

俺は苦悶の余り頭を抱えながらまな板の上の鯉みたいにビタンビタンを体を震わす。

 

「いやぁ、アガレス家の次期当主はかなり控えめで大人しいと聞いていたんだが、そんなにアグレッシブだったとはな。知っていたか、リアス?」

 

「知らないわよ。私だって彼女がライバルになるなんて思いもしなかったわ……」

 

「ははっ、前途多難だな、お前らの恋路ってのは。……聞けばアガレス家の娘は既にそれ相応の実力を身に着けているらしいじゃねぇか。シェムハザのアドバイスも受けるだろうな。そうなったら天才集団のお前らとて油断は出来ないからな」

 

「……ええ、そうね。彼女がどれほどの才覚を持ち、努力をしているかはよく知っているから」

 

「よろしい。ある程度性格も読めるってのは、戦略に繋がる。『あいつならこうする』ってのを考えて策を張り巡らせるのは割と王道な手段だからな。……で、そこでいつまで転がってんだ岸波」

 

「だってぇ……」

 

俺の情けない声にアザゼル先生が目を細めながらため息をつく。

 

「なぁ、リアス。俺らってこんな奴に救われたのか?女一人まともに相手出来ない奴に救われたのか?流石にドライグとアルビオンに同情するぞ?」

 

「悲しいけれど、それが事実ね」

 

「……ったく。おい岸波、立て」

 

「うぅ……」

 

俺は涙を流しながら立ち上がる。

 

「お前さ、アクエリオンってのを引きずるのは分かる。うちの身内にもそういう奴らがいるからな。そいつらが何百年と苦しんでいるのは見ていて痛々しく思える。だけどよ、アクエリオンに囚われるってのが、そいつの望んだことなのか一回よく考えろ」

 

「……」

 

アザゼル先生からド正論パンチを受ける。ごめんなさい、本当にごめんなさい。でも、俺なんかと関わると絶対に不幸になるし……。

 

「それに、だ。今この時代を生きていてお前を愛している女の思いを、お前は足蹴にするってか?」

 

「んなわけあるかぁ!それこそあの女神様に殺されるわ!神罰執行だわ!」

 

そんな失礼なことしたらユノハ様に何を言われるかたまったもんじゃない。

 

「女神様って、惚気ろとは言ってねぇっつーの。だが、分かってんならいい。お前とて今後貴族連中との付き合いは増える。必然的にそう言った話も出る。それの良し悪しもしっかり見極める目を養っておけ。この世界の女はお前の元居た世界の奴らとは違う。お前を利用することだけを考える奴らだって多い。リアス達みたいに純粋に慕う女が全部だと思うなよ」

 

「うっす」

 

「それに、お前だってアガレス家の娘のプロポーズを一旦保留して友人関係からスタートするって言ったんだろ?」

 

「え、ええ」

 

あの後だが、流石に『はい喜んでお受けします』なんて言えたもんじゃないので、とりあえずシークヴァイラさんとは友達からスタートすることにしました。え、なんで彼女を名前呼びしてるかって?あっちが要求してきたからだよ。しかも先方のお家にお邪魔する予定も組むことになった。

 

「なら、お前も前の嫁から少しづつ立ち直って来られてはいるのか?まぁ、どっちにしろお前にも努力が必要だな。良かったなお前ら。頑張ればこいつを落とせる目はあるぞ」

 

「「「っ!」」」

 

アザゼル先生に怒られながら、俺は業を背負うことへの修行をしないといけないんだなと思った。ところでリアスと朱乃とアーシアはどうしてそんな反応を?

 

そんな時にグレイフィアさんがやって来た。

 

「皆様、温泉のご用意が出来ました」

 

温泉?

 

 

 

―――

 

 

 

本当に温泉だ。グレモリー邸の庭の一角。そこにあった和室の向こうには和風の温泉があった。俺たちはそんな温泉に浸かっている。皆翼を広げている。俺も広げようかと思ったが、邪魔だと思ってやめた。そんな俺は隅っこの方で足を延ばして肩まで沈んでいる。

 

「旅行けば~」

 

アザゼル先生がのんびりと歌う。随分ご機嫌だ。

 

「やっぱ冥界、地獄と言えば温泉だよな。しかも冥界屈指の名家グレモリーの私有温泉となれば名泉も名泉だろう」

 

へぇ、冥界って温泉が有名なのか。あれか、地獄って言ってたし、そこの地熱とかが由来なのかな?

 

てか、兵藤どこ行った?

 

「木場、兵藤の奴はどうした?」

 

「そこにいますよ」

 

木場が扉の方を指さす。そこには何か揉めている兵藤がいた。相手は……ヴラディ君だ。

 

「ほら、折角の温泉なんだから入るぞ」

 

どうやら怖気づいてしまっているヴラディ君を引っ張ろうとしている様子。お前、随分世話焼きだな。そう言う所を推せばモテるんじゃねぇの?

 

「キャッ」

 

ヴラディ君が声を出す。……やめろ、彼は男だ。腐るぞ。

 

「あ、あの、こっち見ないで……」

 

「お前……!男なら胸までバスタオル上げるなよ!普段の恰好が恰好だからこっちも戸惑うんだよ!」

 

「そんな、イッセー先輩は僕のことをそんな目で……」

 

「うっさい!はよ入るぞ!」

 

兵藤はヴラディ君を抱きかかえ、ドボンと湯舟に投げ込んだ。こらこら危ないぞ。

 

「やぁああん!イッセー先輩のエッチぃいいいい!!」

 

「冤罪だ!!」

 

『イッセー、ギャスパーにセクハラしちゃだめよ?』

 

「部長まで!?」

 

兵藤が湯舟に入る。全く、こいつの周りは騒がしくていかんな。悪いとは思わん。

 

それからアザゼル先生と兵藤による猥談が始まった。めっちゃ低レベルだった。なんだよ『乳首を押せば、『いやーん』って言う』って。馬鹿か。

 

「ところで岸波」

 

アザゼル先生が俺に訊ねてくる。その目は随分やらしそう。何か嫌な予感がする。

 

「お前の家、随分女所帯になってるが一人くらい抱いたか?」

 

「何言ってんだこの人」

 

思わずツッコんでしまった。いや、ほんとに何言ってんのこの人。そのセクハラ発言、下手したら壁一枚でしか遮られてない女湯に聞こえてるぞ?

 

「だから抱いたことあんのかって?」

 

「ないですよ。弟もいますし、そもそも彼女たちとはそう言う男女の仲じゃないんですから。ただ……」

 

「ただ?」

 

「彼女達が下着姿で俺の部屋に突撃してくるのはかなり精神衛生上良くない」

 

俺は空を見上げる。月のようなものが浮かんでいる。曰く、『魔力を使ったそれっぽいもの』だそう。俺はそんなものに憧れを抱きながら遠くを見つめる。

 

「なーるほどな。一応お前にも性欲はあるのか」

 

「失礼ですね。俺にだってそれくらいありますよ」

 

「でもリアス達には手を出してないんだろ?」

 

「当たり前でしょう。親御さんたちから預かっている彼女たちに手を出したなんてことになったら、大変なことになりますよ?」

 

そんな風に言うとアザゼル先生が馬鹿を見るような目でこっちを見てきた。兵藤もだ。しばくぞ。

 

「お前……枯れてるわけじゃないし、前の嫁にしか反応しないってわけでもないんならいいんだが」

 

「何がいいんですか?」

 

「いいや、こっちの話。おいイッセー。お前は岸波についてなんか知ってるか?」

 

「なんかって言われても、『先輩はとんでもないムッツリスケベ』ってことしか知りませんよ?」

 

「ほう?それは気になるな」

 

アザゼル先生、新しいおもちゃを見つけた模様。

 

「まず冥界に来る前に先輩の部屋に集まっていた時に先輩のフィギュアコレクションを見たでしょうが、先輩って大きなおっぱいがすっっっごい大好きなんですよ」

 

「そうだな。確かに、あいつの前の嫁もそうだったしな」

 

とんでもねぇことを暴露される俺。まぁ、実害はないだろうし見逃してやろう。

 

「それにこの前話したんですけど、『ウィクロス』っていう女の子だらけのカードゲームでも大きなおっぱいの女の子に釣られて始めたって言ってましたし、かなり筋金入りですよ」

 

「マジか。随分人間臭いな、英雄様は」

 

「いいでしょ、別に。それに、どれだけおっぱい大きくてもその人がとんでもねぇ性格とかなら好みの範疇から外れますよ。あと、ウィクロスはゲーム性が面白いという理由もあります」

 

呆れるように俺は言う。全く、こいつら男子中学生かよ。

 

「なるほどな。いいじゃないか、お前も立派なこっち側の男だってのは。セラフォルーやガブリエルの奴も大喜びだろうな」

 

「少なくとも俺は猥談で盛り上がるほどアルコールを入れた覚えはないですよ」

 

そんな男子大学生の性癖暴露会じゃあるめぇし。

 

「つまりお前に酒を入れればもっと面白いことになると。これはいいことを聞いた」

 

「言っておきますが、一応校則で飲酒は禁じられてますからね。いくらこの体が許そうとも、親族の付き合いぐらい親密で閉鎖的なコミュニティじゃないと飲みませんよ?」

 

「お堅いねぇ。イッセーの言う通り、『ムッツリドスケベ』だな」

 

「ですなぁ!」

 

アザゼル先生の言葉に水を得た魚のようにいい笑顔で乗る兵藤。こいつら……!

 

「そう言えば、先輩」

 

兵藤が俺に訊いてくる。なんだよ、しばくぞ。

 

「会談の時に言ってましたけど、先輩のお知り合いが先生の知り合いと同じってどういうことっすか?あの時、先生も随分変な反応してましたし、ヴァーリもヴァーリで様子がおかしかったし」

 

どういうって、ラヴィニアのことだろ?別に彼女が気になっていたのは確かだが、幸せそうならそれでいいし、こっちからコンタクトを取るつもりも一切ないぞ。てか、俺だってアザゼル先生と知り合いだっただなんて驚いたんだし。

 

「昔の縁だ。それにしても彼女がまさかアザゼル先生がラヴィニアと知り合いだったなんて」

 

「先生、そのラヴィニアって女性ってどんな人なんすか?ちょっと気になるっす」

 

そう言うとアザゼル先生が再びいい笑顔になる。

 

「いいだろう、教えてやろう。一言で言うと『この世界最強の魔法使いにして勝ち確定ヒロイン』だ」

 

「なんすか、それ?」

 

兵藤が頭の上に?を浮かべる。俺とてそうだよ。

 

「まず実力だが……最上級悪魔と互角だ。場合によっては圧勝もしかねん。単純な力比べなら、人間の身でありながらセラフォルーに追随するだろうな。ぶっちゃけ、俺でも無傷で勝てる気がしない。腕一本は確実に持っていかれる」

 

「マジっすか!?」

 

「大マジだ。ヴァーリの奴だって真正面からじゃ勝てない。搦め手を使いに使ってようやく勝てるかどうかのライン。そんだけ強い女だ」

 

へ、へぇ……。ラヴィニア、そんな修羅の道を進んだのか……。彼女の人生が幸せならいいと言ったものの、平穏でないのは少し気がかりだ。

 

「(くぅー!面白れぇ!こいつ今までにないほど話が気になってやんの!)そして女としての魅力だが……あいつの胸はデカい」

 

「!?」

 

何故か兵藤が驚いている。

 

「俺の見立てじゃ、リアスよりデカい。しかも金髪だ。その上滅茶苦茶美人と来た……ここまで言えば俺が『勝ち組』っつった理由が分かるな?」

 

「強くて……金髪ボイン……もしかしなくても先輩の奥さんですか?」

 

「あながち間違ってない。しかもあいつ仏教信徒でもないのに『私は前世からの縁がある』なんて言ってた時期もあったしな。なんつーか、かなりヤバい女でもある。その上かなり圧が強い。出会えば入籍するまで時間も短いだろうよ。何なら即日入籍だってあり得る」

 

堕天使総督を困らせるって一体何があったんだラヴィニア……俺、余計に気になっちゃうよ……。

 

「だが、それが岸波の寵愛を受けられなくなることとは言ってない。こいつはあくまでも『金髪巨乳で強い女』ってのがドストライクすぎるだけ……というより、その要素が後ろ髪を引いているだけだ。他の奴らとてしっかり女を磨けば、同じ愛されるだろうよ。何せ、こいつの本質は『ドスケベ女好き』だからな!ただ、それにはちょっとやそっとの努力じゃ無理だろうが……。そう言うことだぞ、お前ら!」

 

アザゼル先生が突然壁の向こう側の女湯に向かって叫ぶ。あっち側でお湯が大きく跳ねる音が聞こえる。聞いていたのか、こんな猥談……。

 

「せ、先生をしてそんなに言わしめるラヴィニアさんって一体……」

 

「ヴァーリにも届かないお前は見るべきじゃない世界さ。ああ、言っておくが岸波。あいつは元気にしている。周りの人間にも恵まれて、今は何だかんだうまく生きているさ」

 

「そうっすか……」

 

ラヴィニア。俺は君に会いたいと思ってはならないと考えている。だって、俺に会えばきっと不幸になるだろう。だから、こうして遠くから君の幸せを願うことしか許されないと思う。せめて、それだけは許してくれ。

 

俺は彼女の幸せを心から願い、空を見上げる。彼女を助けたことへの後悔はない。でも、俺なんか関わんない方が良かったのかもしれないな……

 

「ところで、岸波」

 

「はい」

 

「お前、ラヴィニアにとんでもない歌を教え込んだよな」

 

「ま、まさか……」

 

「なんつったっけ?「あーあー!!何も聞こえないー!!」

 

 

 

 





書きためもかなり減ったので今後はゆっくりと投稿しようと思います。


あっ、そうだ(唐突)
ここのドライグは『腹を括れば過去のトラウマにも向き合うことは出来るけど、基本向き合わない』っていう感じだゾ


諸事情によりこの作品の全データが吹っ飛んで継続投稿のやる気も吹っ飛んだうp主です。HSD×Dから逃げるのも癪なせいか、リブートも本格的に視野に入って来た次第です。心機一転のリブートをするか、それともこの作品を意地でも続けるかアンケートと取りたいです。因みに、リブート後だと主人公の眷属は完全ハーレムでない方がやりやすそうなので、完全ハーレムでなくなります。とりあえず12章は意地でも書ききります。

  • 無理スンナ。リブートしたらしたで読むで
  • 逃げるな卑怯者(炭治郎並感)
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