ハイスクールD×D×R~禁断の使徒が頑張るRe:ライフ~   作:ブラッキオ

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なんというか、難しいねんな......




第49話 トレーニングスタート

 

翌日の朝、我々はグレモリー家の大きなお庭の一角に集合していた。内容は勿論修行内容の発表だ。

 

服装は全員ジャージ。やる気満々である。俺以外。まぁ、俺は特例ってことで許してくれ。

 

で、俺達は庭に置いてあったテーブルと椅子に座っている。アザゼル先生は手に資料を持っている。

 

「先に言っておくが、今から俺が言うものは将来的なものを見据えたトレーニングメニューだ。すぐに結果が出る奴もいればそうじゃないのも当然いる。ただ、お前達は若い。それなりの結果は出るだろう。それに、決して悪い方向にはいかないだろうしな。まずはリアス」

 

アザゼル先生がリアスの名を呼ぶ。

 

「お前は天才だ。最初から才能、身体能力、魔力の全てが高スペックの悪魔だ。このまま何もしないくてもそれらは高まり、大人になれば最上級悪魔の候補となっているだろうよ。だが、将来的なものよりも『今』をなんとかしたい。そうだろ?」

 

「ええ、ライザーとの戦いのようにもう二度と惨めな敗北はしたくない。それに、未来永劫に英雄様の隣にいたいもの。それは『現在』も含まれる。なら、強くなるしかないわ。私は、ダイチに相応しい女になりたいの」

 

リアスはそう強く言う。しかし、俺か。別に俺じゃなくてサーゼクスさんとかでいいんじゃないかな?そんな言い方だと俺のことが好きみたいに思われちゃうぞ?

 

「その意気や良し。この紙に記してあるトレーニングをその通りに、決戦日までこなせ」

 

「これって……」

 

「ああ、そうだ。『基礎』だ。お前はそれでいい。全てが高水準にまとまっているお前は基礎トレーニングで充分能力を高められる。問題は『王』としての資質と能力。魔力がへっぽこでも格上をかみ殺す狼共を、お前は知っているはずだ。お前には武だけじゃなく知の方も鍛えてもらう。とにかく期限までにレーティングゲームという物を知れ。記録映像、データ。それら全てを頭に叩き込め。『王』に必要なのはどんな状況下でもそれを打破することが出来る思考と機転、判断力の3つだ。眷属全員が最大限に能力を発揮できるようにするのがお前の役割だ。ただし、記録に囚われるな。イッセーのようなイレギュラーを平気で起こす奴が現れた時、記録ばかり頼りにすれば全てが瓦解するからな」

 

アザゼル先生が昨晩のふざけた面をする人とは思えない程に真面目に語る。

 

「次に朱乃だが……お前は自分の中に流れる血を受け入れろ」

 

「っ!」

 

「フェニックス家との戦いの映像を見させてもらった。何だあの体たらくは?お前のスペックを全て出し切れば、相手の『女王』程度敵ではなかったはずだぞ。雷だけでは限界が来る。堕天使の持つ光の力を雷に乗せ、『雷光』にしろ」

 

「……あんな力に頼らなくても」

 

「否定はやめろ。自分を認めてやれ。その否定がお前を弱くしているんだ。どれだけ辛くとも苦しくとも、それを飲み込め。お前の弱さはお前自身だ。決戦日までには乗り越えろ。……でなければ、お前は今後、リアスの『女王』としてだけでなく岸波の隣にも後ろにも立つことを許されない。戦いの場でも邪魔の筆頭格になる。それだけは覚えておけ」

 

朱乃、思い悩んでいる様子。あれか、父親のことか。しかし、今回ばかりは俺とてどうしようもない。彼女自身の問題である以上、手出しすればそれこそ依存って奴になるからな。

 

「次、木場。お前はとにかく禁手(バランス・ブレイカー)を維持することだ。最初は禁手を解放した状態で1日保たせる。その後は実戦形式の中で1日保たせる。それを続けて、1日でも長く禁じ手状態を維持することだ。あとは基礎トレーニングで何とかなる。剣系神器の扱いはあとでマンツーマン指導する。剣術の方は……お前の師匠にもう一度指導してもらうんだってな?」

 

「はい、一から叩き直してもらいます」

 

いやぁ、木場の奴、あのコカビエルの一件からだいぶ変わったな。これが本来の奴なんだろうな。

 

「次、ゼノヴィア。お前はデュランダルを今以上に扱えるようにすることと、もう一本の聖剣に慣れてもらう」

 

「もう一本?」

 

「あとで説明する。ちょっと特別製だから楽しみにしておけ。次はギャスパー」

 

「はぃいいいい!」

 

「そうビビるなよ。お前の壁はその恐怖心だ。何に対しても恐怖するその心を叩き直す。お前はスペック自体ならそこらの上級悪魔の比じゃないからな。『僧侶』の特性とか諸々もそれを底上げしている。専用のプログラムも組んだ。まずそれで真っ当な心構えをつけてこい。全部が無理でも、人前で動けないことや動きが鈍ることだけは無くせ」

 

「はぃいいいい!砕ける覚悟でやって見せますぅううう!」

 

ゼノヴィアさんはともかくとしてヴラディ君が心配だ。

 

「次、アーシア」

 

「はい!」

 

アーシアの番が回ってきた。彼女も彼女で『強くなりたい』って言っていたし、どんなものが示されるのだろうか。

 

「お前も基礎的なトレーニングで身体能力と魔力の向上を図る。そしてメインだが、神器の強化にある」

 

「神器の強化って、アーシアの神器はこれ以上強化しなくても十分では?」

 

兵藤が俺の疑問を言ってくれた。それはそう。彼女の神器は欠損のような大きすぎる怪我でなければ簡単に、そしてすぐに治せる。アザゼル先生の左腕の時の応急処置がまさにそうだった。

 

「その『触れる』ってのが問題だ。味方が戦闘中にケガしてるってのに、そうでなくても戦闘能力のないアーシアが突っ込んでいって落とされたら話にならん」

 

ああ、そういうことね。それなら納得だわ。

 

「回復範囲を広げるってわけですね」

 

「その通りだ、岸波。はっきり言って裏技の領域だが、『聖母の微笑』(トワイライト・ヒーリング)の真骨頂はその効果範囲の拡大にある。俺達の組織が出した理論上だが、神器のオーラを全身から出して味方をまとめて回復なんて荒業も実現が可能だ」

 

え、何それずるい。俺もそれが出来るようにしたい。よし、俺も特訓だ。

 

「問題は、敵味方の判別が出来ずにまとめて回復させてしまいそうってのがある。アーシアの生来の『優しさ』が不安だ。目の前で傷つく奴がいたら手を伸ばす。いいことだが、伸ばした相手をしっかり見極めることも大事だ。でなきゃ、こっちが食い殺されかねん。だとしても、範囲拡大は覚える必要がある。難しいが、俺はこれに対してある着地点をつけた」

 

「着地点ですか?」

 

アーシアがそう訊くとアザゼル先生が答えた。

 

「オーラを飛ばすのさ。オーラで回復するのが範囲全体なら、こっちは飛び道具ってイメージだ。無論、直接触れるよりはパワーが落ちるだろうが、それでも出来るだけで世界は変わる」

 

「なるほどな。例えば兵藤のようなインファイターが延々と回復しながら突撃してくれば、それだけで相手の作戦は壊滅すると言っても過言じゃない」

 

「岸波の言う通りだ。アーシア、お前はグレモリー眷属じゃない。ゲームに出ることもないだろうし、仮に出ることになってもこいつらのようにゲームで直接殴り合うってことはないだろう。だが、物理的に奴の隣にいれない時、一緒に戦うのは凡そイッセーや木場になるだろうな。そうなった場合、この不死身の馬鹿に合わせたやり方でもイッセーたちは何とかなると思ってたら誰かを失うことになる。何よりお前は岸波の隣にいると決めた。その辺りも学べ」

 

「は、はい!……これで私も『彼』のように……」

 

不死身の馬鹿ってひどい言われようだ。ただちょっとだけチートなだけだよ、俺は。あと、アーシアが呟いた『彼』ってのはコスモスのことかな?確かにルナモードはアーシアの神器の到達点みたいなところがあるしな。間違ってもコズミューム光線に行かないでね?

 

「次は小猫」

 

「はい……」

 

「はっきり言う。お前は『戦車』としてのオフェンスやディフェンスなどの要素はかなりの素質を持つ。だが、リアスの眷属にはお前以上のオフェンスを持った奴が多い」

 

「……分かってます」

 

「今ん所、木場とゼノヴィアがツートップだ。そこに予定のイッセーの禁手が加わる。……小猫。お前も他の連中同様に基礎を鍛えてもらう。そしてお前が自ら封じていたものをさらけ出せ。黒歌のことはサーゼクスの奴から聞いた。近日中に指名手配の解除も行うそうだ。何ならあいつのバックに岸波の奴がいることも仄めかす噂を流すそうだ。もう終わったことだとは言わん。だが、『黒歌』という存在を言い訳にはもう出来ないことは覚えておけ。あいつはコカビエルと互角以上にやり合えたそうじゃねぇか。だったらお前にそれと同じことが出来ない道理はない」

 

塔城さんの表情が暗い。まぁ、そうだよな。すぐに黒歌のことを飲み込めってのは無理もあるさ。彼女的にはもう10年以上も恨んできた相手なんだし。兵藤も彼女を心配そうに見る。悪いが兵藤、俺には塔城さんの問題に寄り添うことが出来ない。お前に丸投げするようで申し訳ない。彼女を助けてやってくれ。

 

「さて、最後はイッセーだが。もうちょっとか?」

 

アザゼル先生が空を見上げる。……待て、何かこっちに来る!

 

「おーい岸波。安心しろ。今から来るのは敵じゃない。寧ろありがたい味方だ」

 

「味方?にしては……」

 

それにしては随分デカい影ではないか?そう言いかけた時だった。地響きと共にそれはここに降り立った。

 

それはまさしく……

 

「ドラゴン!」

 

「なんて、ことだ……」

 

「そうだイッセー。こいつはドラゴンだ。あと岸波。こいつは味方のドラゴンだ。お前の過去にいたような連中とは違う」

 

「っ!……さいですか」

 

別に憎んでいるわけちゃうけどな……

 

「アザゼルよ。よくもまぁ悪魔の領土にぬけぬけと入ったものだな」

 

「はっ、ちゃんと魔王様の許可は貰っているっつーの。それも直々のだ。これでも文句あっか、タンニーン?」

 

どうやらこのドラゴンはタンニーンというそうだ。で、その彼とアザゼル先生は旧知の仲らしい。

 

「ふん、まぁいい。サーゼクスの頼みだから特別に来てやったのだ。その辺を忘れるなよ」

 

「へいへい。……っつーわけだ。こいつがお前の先生だ、イッセー」

 

「え?……えぇええええええええ?!!」

 

兵藤の声が空に響く。そうか、兵藤の神器はドラゴンのものだから強くするにはドラゴンに頼るのが一番手っ取り早いてわけね。

 

「それにしても久しいな、ドライグ」

 

――「懐かしい面だな、タンニーン」

 

「え、知り合いなの?」

 

兵藤が突然現れた神器と喋るドライグの兄貴に驚く。

 

――「こいつは元龍王の一角だ。今じゃ『五大龍王』だが、その昔は『六大龍王』でな。聖書に記された龍・タンニーンはこいつを指す」

 

な、なんて中二病が喜びそうな設定なんだ。

 

『魔龍聖』(ブレイズ・ミーティア・ドラゴン)タンニーン。今は悪魔に転生して、最上級悪魔をやってる。その火の息は隕石の衝突にも匹敵すると言われる。いまだ現役の数少ない伝説のドラゴンさ」

 

――「あ、そーだ!おい、タンニーン!お前も神器にならないか?!どうせならそこのレッドゾーン様に殺されてみろ!最高の気分だぞ!」

 

「……悪いな、タンニーン。こんなザマの赤龍帝を宿すガキの修行に付き合ってくれ。目指すは『禁手』の安定的な発動だ。あとついでにカウンセリングも出来れば頼む」

 

「死なない程度に苛め抜いてやるさ。あと、ドラゴンのカウンセリングは専門外だ。そうでなくても自分のガキと満足な会話も出来ない状況だというのにそんなことをしている余裕などない」

 

タンニーンさんの悲哀を感じつつ、その後は各自トレーニングに向かい、俺はアザゼル先生と共に夏休み中の予定の確認をした。兵藤はかわいそうなことにタンニーンに掴まれて叫び声を上げながらそのまま山の方へと飛んでいった。

 

「助けてぇえええええ!!」

 

……南無。

 

 

 

 

諸事情によりこの作品の全データが吹っ飛んで継続投稿のやる気も吹っ飛んだうp主です。HSD×Dから逃げるのも癪なせいか、リブートも本格的に視野に入って来た次第です。心機一転のリブートをするか、それともこの作品を意地でも続けるかアンケートと取りたいです。因みに、リブート後だと主人公の眷属は完全ハーレムでない方がやりやすそうなので、完全ハーレムでなくなります。とりあえず12章は意地でも書ききります。

  • 無理スンナ。リブートしたらしたで読むで
  • 逃げるな卑怯者(炭治郎並感)
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