ハイスクールD×D×R~禁断の使徒が頑張るRe:ライフ~   作:ブラッキオ

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夢の『エボリューション・エッグの再録』はどこ行ったん?





第50話 決め技

 

修行決行から数日後の現在、グレモリー家のキッチンに俺は立っている。

 

「出来たぞぉ……バキバキの炭酸水だ……」

 

――『何言ってんだこいつ』

 

ふざけた名前はさておき、俺が作ったのは弁当だ。それも8つ。うち一つは三段のお重だ。

 

これはアザゼル先生の『あいつらを応援するために弁当を作ってやれ』という提案に乗って、俺はお弁当を作らせてもらったのだ。

 

内容は統一されているのが少し心残りだが、下手に奇をてらうよりはいいだろう。だが、全力は尽くす。こういった形でしか応援の気持ちが伝えられないからな、やってやるさ。因みに三段重は兵藤の分だ。

 

これらだが、メイドさんたちが各々の下に運んでくれることになっている。が、兵藤は別。俺が直々に運ぶ。と言うのも、少し奴に用事があるためだ。

 

「岸波ー、準備はいいかー?」

 

「アザゼル先生。こっちはOKです」

 

「それじゃあ行くぞ」

 

キッチンに来たアザゼル先生に連れられて、俺は兵藤のいる山へと向かった。

 

 

 

―――

 

 

 

「うまい!うますぎる!!」

 

俺が来たことに面食らっていた兵藤に弁当を渡した。今はこうして奴が弁当を口に運ぶ。味は今の反応で大体察しが付くだろう。お前の舌に合うようで何よりだ。

 

「このチリトマト味のチキンも、甘酢のかかった唐揚げも!このキノコの炒め物もうまい!全部がうまい!」

 

勢いよく白飯をかきこむ兵藤。見ていてこっちが気持ちよくなる食いっぷりだ。

 

「しかし、いい面になったな」

 

「ゴクン……ふざけんな!死ぬわ!俺、死ぬわ!このドラゴンのおっさん強すぎんだよ!俺じゃそもそも話にもならんわ!」

 

アザゼル先生の言葉にぶちぎれる兵藤。お前、それほど修羅場を見たのか。大変だな。

 

「まぁ、今はそうさ。それに禁手に目覚めりゃ嫌でも体に負荷がかかる。そうなった場合、体がついてこれないと全ておじゃんだからな」

 

アザゼル先生がそう言うと、兵藤が質問をする。

 

「先生、そういやあの会談での戦いの後にドライグから『覇龍』(ジャガーノート・ドライブ)ってのがあるってのを聞いたんすよ。それって禁手以上に強いってドライブは言うんですけど、やっぱりヴァーリも使えるんすか?ってか、禁手より上があるなんて俺知らなかったんすけど」

 

え、そんなものがあるの?いつぞやにユノハ様が『インフレやばい』って言ってたけど、本当にやばいじゃん。

 

「まぁ、ヴァーリも使えるだろうな。『使いこなす』という面には至れていないだろうが。そもそも、禁手より上は存在しない。神器の究極は禁手だからな。ただ、魔物やドラゴンの類を封印した神器ってのはそれらに独自の制御システムが施されている。お前のブーステッド・ギアもそうだな。それらは強い力で制御されていて、その状態から力を宿主に与えている。赤龍帝と白龍皇の神器に関してはそれらを強制的に一時解除し、封じられているパワーを解放する。それが『覇龍』だ。それこそ神の如き力を得られる……が、代償はそれ相応だ。んでもって何よりも理性を失う」

 

「『暴走』、ですか?」

 

俺がそう言うとアザゼル先生が頷いた。

 

「そうだ、岸波の言う通り。それも想像を絶するものだ。周囲を滅ぼし、己を滅ぼしかけてようやく止まる。その力の制御は事実上不可能なんだが、ヴァーリの奴はそれを膨大な魔力に物を言わせて黙らせている。ただ、どんなに奴が優秀な血統であろうとも、魔力には限界がある。保って数分がいい所だ。それも相当な危険を伴ってな。そもそも『覇龍』なんてもん、『力の亡者』じゃなけりゃまず使わん。明日を捨てる使い方なんざ、それこそ『神が許すかな?』ってところだしな」

 

ハザードは止まらないってか。やはり強大な力はろくなもんじゃない。兵藤、頼むからそんな力を求めたり溺れるようなことにはなるなよ。

 

「それにしても現白龍皇はもう『覇龍』を使えるのか。なら急がねばな。今までの赤と白の対決は先にそれに目覚めた奴が勝っていたからな」

 

「ああ、そうだな。今のままだとボロカスに負けるな」

 

「そ、そんなぁ!」

 

タンニーンさんとアザゼル先生の言葉に悲しみの声を上げる兵藤。それで心を折らせないためにも、俺はここに来た。

 

「そんな兵藤にいいことを伝えに来た。岸波」

 

「分かりました。兵藤、端的に言う。お前に必殺技を授ける」

 

「ひ、必殺技!?マジっすか!」

 

テンションが露骨に上がる兵藤。ちょっとほほえましい。

 

「一応だが、これはあくまでも『自信をつけるもの』だ。またフェニックスとの戦い前みたいになられても困るからな。あと、必殺技の伝授はお前だけだ。内容は俺が『基本戦術』として使っているものを応用し、命名したもの。性能も原理もアザゼル先生も認めている。あとはお前が使いたいかなんだg「勿論です!俺に!必殺技!かぁー!俺だけ!いいっすねぇ!」

 

兵藤がいい笑顔になる。それならいい。早速だが、手本を見せよう。

 

俺は岩の壁の前に立つ。俺の後ろに3名が続く。

 

「まず名前だが……そうだな、俺は『暴龍の鉄槌』(クロス・クライシス)と名付けた」

 

――『ボルシャック?』

 

ええ、そうですよ。どうせ俺にはネーミングセンスなんてないですからね。

 

「まずだが、両腕に力をこめる。お前の場合は『両腕に別々に倍加をかける』となる」

 

「別々に、ですか?」

 

力を込めると俺の拳が炎を纏い、燃え上がる。

 

「順番はどっちでもいいが、俺は左から行く。まず、左手を打ち込む」

 

俺は壁に向かって左拳を打ち込む。拳を中心にクレーターが出来、ひびが入る。

 

「んでもって、間髪入れずにもう片方を打ち込む!」

 

もう片方を打ち込む。内部から炎が吹き出し、業炎の柱が立ち上がる。炎が止むと、そこには壁なんてものはなかった。

 

「噛み砕いて言おう。『バスターウルフ』だ」

 

「いやいやいや、無理ですって!」

 

兵藤がすぐに否定する。ちょっとへこむなぁ。

 

「何もこの威力を今すぐ出せとは言わん。それに、これには利点があるんだ」

 

俺はこれについての解説をした。

一つ目は『装甲を剥げる』ということ。兵藤もいつかはくっそ堅い奴と相対することになるだろうが、そいつらに対して丁寧に倍加して一発殴ってまた倍加してはいくら何でも生産性が悪すぎる。それにこいつの能力は時間が長引くほど不利になる。相手は確実にそこを狙ってくる。となれば、堅さが売りの連中をこいつにぶつけるのは自明の理。だが、堅い連中ってのは往々にして『中身は滅茶苦茶柔らかい』ってのが定石。だったらそれを砕いてもう一発を弱点に打ち込むのがいい。確実な短期決着の意味も込めて『弐撃決殺』を狙う方がいいしな。

二つ目は『倍加の維持が可能』ということ。一つ目を否定するようであれだが、『一発あれば十分だ』って奴には文字通り一発だけ入れて撃ち逃げすれば、もう片手の倍加は維持したまま別の相手に向かうことも出来る。何より、一発目が必ず当たるとは限らない。そう言った時の保険としてももう片方の拳の倍加は維持しておいた方がいい。そう言う意味でも両腕に分けるメリットは大きい。

三つ目は『狂気の隠し腕』。どういうことかと言うと、こいつにはアスカロンがある。それは聖剣でもある以上、悪魔とかの邪悪には強力な特攻を持つ。その力を俺が今やったようにどっちかの拳に仕込んでおけば相手は判断が鈍るし、何よりヴァーリのような『悪魔でドラゴン』ってのには激痛を伴わせながら一発目で鎧を剥がし、二発目の本命を生身の奴に打ち込むことだって可能だ。そもそもこいつの神器は『ドラゴン』だ。ドラゴンのパワーをドライグさんから借りて破壊力にすることだってできるはずだ。倍加対策ばかりした連中に一泡吹かせられることだって夢じゃない。

四つ目だが、『派手』。やっぱり必殺技。見栄えがいい方がテンションあがる。何よりこいつの参加するのは『ゲーム』だ。観客が目で見て楽しめるエンターテインメント性は欲しい。モツ抜きケツ掘りの超合理的必殺技で喜ぶのは不死人や狩人だけだ。

 

「先輩、俺の為にそんなに考えて……」

 

「堕天使総督から言わせてもらうが、世界を救った英雄にここまでさせるのはお前だけだからな。うちの連中が聞いたら嫉妬で狂うかもな」

 

「先生をしてそこまで言わしめるんすね。やっぱ、俺の先輩はすげぇや」

 

褒めても何も出ないぞ。とにかくだ、俺が教えられるのはこれくらい。あとは兵藤次第だ。

 

「お前、確かスマブラは持っていたよな?だったらバスターウルフは分かるだろ」

 

「え、ええ。まぁ、そうですけど……」

 

「イメージしろ。そうすりゃ神器は応えてくれるんだろ?ならそうしろ。ああ、それと。必殺技に囚われるな。基礎のなってないお前が一発芸ばかり鍛えた所で待つのは『一発芸すら滑った売れない芸人』っていう姿だからな」

 

「は、はい!」

 

それからは少し兵藤の修行を見た。マジで死ぬんじゃないかと不安にもなったが、奴の場合サイヤ人のそれで『死を経験するほど強くなる』って奴なんだろうな。頑張れよ。

 

 

 

―――

 

 

 

「なぁ、岸波。お前、朱乃のことをどう思う?」

 

兵藤と一緒の休憩中のことだった。のんびりしていると、アザゼル先生からそんな風に聞かれた。

 

「どう思うも何も、『美人の友達』って感じですね」

 

「そうじゃない、女としてだ」

 

女ってあんた……でも、アザゼル先生の口調からしてガチで聞いてきている。あの温泉でのやり取りとは全然違うな。

 

「……彼女の女のとしての魅力は、強く感じます。ああいう女の子と何の憂いもなく男女の仲になれたら、さぞ幸せだろうと思いますよ」

 

「そうか……俺はな、ダチの代わりにあいつを見守らないといけない部分があるんだ」

 

アザゼル先生の様子が変になる。とんでもないドシリアスモードだ。

 

「あいつの父、バラキエルは表向きでは配下ってことになっている。が、実際は副総督のシェムハザ共々昔からバカやってたダチって感じでな。そんなこともあって、朱乃のことが気になるんだ。バラキエルや朱乃にしたら余計なお世話だろうがな。……お前なら朱乃を任せられる」

 

「俺に?」

 

一体何を言って?

 

「お前の強さと優しさなら、朱乃を守ってやれるし、包んでやることも出来る。だが、それにはあいつは余りに何も知らないし、弱すぎる。あいつの望む所じゃなさすぎる。だからよ、少しだけ待ってやってくれないか?」

 

何を言っているかさっぱりだが、要は『アザゼルおいたんは朱乃が心配なのだ』ってことなのね。俺でいいなら見守りますよ。

 

「待ちますよ。それが彼女のためならね」

 

「ありがとよ……そうなると問題は小猫か」

 

「小猫ちゃんがどうかしたんすか?」

 

アザゼル先生の突然の名前の呼び出しに首をかしげる兵藤。

 

「俺の与えたトレーニングを過剰にやりすぎて、今朝倒れた」

 

「た、倒れたぁああああ!?」

 

兵藤が驚きの余り声を荒げる。お前、そういう所いいと思う。

 

「……なるほど、あいつはこいつを見ているってわけに合点がいった。よし、なら余計に都合がいい。タンニーン。イッセーを一度連れ戻せと言われててな、少し返してもらう。明日の朝には戻す」

 

「いいだろう。ならば俺は一旦領土に戻ることにする。……おい、レッドゾーン」

 

何か解散する雰囲気だったところ、タンニーンさんに声をかけられる。

 

「何でしょう、タンニーンさん」

 

「サーゼクスから聞いたが……お前、『悪魔の駒』(イーヴィル・ピース)を受け取ったそうだな」

 

「ええ、そうですね。ちょっと種族的な問題が発生したせいで改造もさせてもらいましたが、使えば悪魔と同じ寿命と魔力を得るのは変わりないですね」

 

「……そうか。眷属選びは慎重にしろよ。『王』を利用するためだけに眷属になる奴もいるのだからな」

 

「……?分かりました」

 

タンニーンさん心配の言葉を受けつつ、俺達はグレモリー邸へと戻ったのであった。

 

 

 

 





ボルシャックが王道らしいので、名前は彼らに任せました。

諸事情によりこの作品の全データが吹っ飛んで継続投稿のやる気も吹っ飛んだうp主です。HSD×Dから逃げるのも癪なせいか、リブートも本格的に視野に入って来た次第です。心機一転のリブートをするか、それともこの作品を意地でも続けるかアンケートと取りたいです。因みに、リブート後だと主人公の眷属は完全ハーレムでない方がやりやすそうなので、完全ハーレムでなくなります。とりあえず12章は意地でも書ききります。

  • 無理スンナ。リブートしたらしたで読むで
  • 逃げるな卑怯者(炭治郎並感)
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