ハイスクールD×D×R~禁断の使徒が頑張るRe:ライフ~   作:ブラッキオ

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そう言えば春なんてものがありましたね......




第52話 レコーディング

 

細川幽さんを眷属にしました(即落ち2コマ)

結論から言って何が悪い。

 

一応話すと、彼女はサーゼクスさんの『騎士』である沖田総司の娘かつ、母方がかつて室町幕府に仕えた細川藤孝の子孫だそう。相当腕の立つ剣士でありながら政務もこなせるタイプ。ありとあらゆる場面で活躍が可能で、魔王の眷属の娘という良家の娘。嫁に取るには持ってこいだろう、とサーゼクスさんに推された。嫁ってあんたねぇ……。

家族関係で少し問題があるそうだが、そこは追々解決するとして、結局俺はサーゼクスさんの圧に負けて眷属になってくれないか打診しまくって、折れてもらいました。

因みに、沖田総司ってのは本物の沖田総司です。病気で死にかけていた所を大量の妖怪を体内に封じ込めまくって延命した結果人外になっていたそう。そこをサーゼクスさんが拾ったんだとか。歴史の裏を知ってしまった……。

 

眷属化の時に黒歌と同じように念のため釘をさしたら思いっきり笑われました。『お前は甘い(スペクター並感)』だそうです。

 

駒の追い出しに着いてもサーゼクスさんに訊かれたのでそれっぽく答えておいた。それを聞いた時の慌てようと言ったら。……どうやらヤバいことの様子。

 

あ、そうだ(唐突) 細川さんだと味気ないとのことで下の名前で呼ばせていただくことにしました。

 

という訳だ。俺はたった一日で上級職を二つも使ってしまった。もっと計画的に行くべきか、それともサクッとフルパーティーにすべきか、そこが問題だ。

 

俺はそんな将来に悩みつつ、あの後サーゼクスに連れられてルシファードのとある施設にいた。それはレコーディング施設だ。

 

そう、サーゼクスさんとセラフォルーさんに頼まれた楽曲のパクリをついにお披露目することになるのだ。その前に俺がチョイスした楽曲をカバーすることになるのだがな。明日は写真撮影も入った。何でも、写真集にして売り出すそうだ。超売れっ子モデルになったみたいだぜ、テンション上がるな~。

 

ただ、テンションが上がりきらない部分もある。遥輝や寿水さんたちといることがつい最近まで当たり前だったせいで、ちょっと家族欠乏症になりかけている。ほんまごめん、オブラート無しで言うと『帰りたい』。そもそも、このレコーディングだって、魔王様方の期待がすごく重いわけだし、正直気が進まない。お布団にくるまっていたい。

 

ってなわけで、俺は仕事場へとやってきたわけだ。そこで出迎えてくれたのはセラフォルーさんと数人。

 

「こんにちは、大地君。今日はよろしくね」

 

「こんにちは、セラフォルーさん。こちらこそ、今日はよろしくお願いします。そちらの方々は?」

 

俺がそう言うとセラフォルーさんが紹介してくれた。収録現場の関係者だそう。なんでも、ここはセラフォルーさんもよく使っている場所なんだとか。何で使っているかというと、彼女自身が主役を務める『魔法少女マジカル☆レヴィアたん』と彼女がプロデュースする特撮『轟赫絶影レッドゾーン』という俺がモチーフの番組の歌の収録で利用するんだとか。この両者は冥界でかなりの人権を得ているらしく、特にレッドゾーンの方は『大人も楽しめる教育番組』というのがかなり特徴だとか。

 

あと、彼女の草の根活動とその特撮もあって、この冥界での俺の知名度は凄まじいらしい。特に、紅轟教団とかでない貴族の中にも俺に救われた悪魔がいるらしく、そんな彼らからの思いもあり、俺の名は残っているんだとか。

 

なんて言うか、ちょっと恥ずかしいけれど、うれしくもある。そうやって肯定的にあの時の俺の思いを受け取ってくれているってのが、決して無駄ではなかったって思わせてくれる。

 

ただ、『悪魔は決して泣かない』ってのが人間界のどっかのゲームの名台詞とちょっとだけバッティングした結果、色々揉めたんだとか。ごめん、前世と全く同じものがあるなんて思わなかった。何より、あれっていい言葉じゃん。ほら『悪魔は泣かないさ』『悪魔みたいな人間もいれば人間みたいな悪魔もいる』って、まさしくアーシアを取り巻く環境のそれだし。受け継ぐべき言葉だよ。

 

挨拶を済ませた後、俺は部屋へと案内された。荷物を置いて、俺は準備に取り掛かる。とりあえず、まずは俺の歌のカバーから入る。

 

「それじゃあ、行ってきます……の前に、サーゼクスさん。これ、頼まれていたものです」

 

「ああ、ありがとう」

 

そう言って手渡すのは『創聖のアクエリオン』と『君の神話~アクエリオン第2章~』のデータが入ったUSB。俺への依頼は『君の過去を鮮明に描くような曲が欲しいな』というのと『ラブレターみたいなものだといいな』という物。なので、勝手に居もしない嫁へのラブレターとして前々から作ってあったこの2曲を選んだ。場合によっては俺が作曲したまんまで売り出すそうだ。頭が痛くなるぜ。

 

「それでは今度こそ行ってきます。サーゼクスさん、セラフォルーさん」

 

「ああ、思う存分頑張りなさい」

 

「いってらっしゃい、大地君!」

 

俺は係の人にレコーディングルームへと案内された。皆緊張している様子。大丈夫、俺もだ。ぶっちゃけ吐きそう。

 

吐き気を耐えながら、俺は予定を確認する。そして収録の時を迎え、ヘッドホンを装着する。

 

「それでは行きます。3……2……」

 

たとえ仕事だろうと、こんな俺の歌声で救えるものがあるならいくらでも歌ってやる。そう思いながら、俺は歌った。

 

 

―――

 

 

俺は休憩のために一旦サーゼクスさんたちのいる部屋に戻ることになった。きっと俺の作った(作ってない)あの2曲を聞こえた所だろうし、その評価も聞いてみよう。扉を開けて中に入ると、そこには複雑そうな表情のセラフォルーさんと喪失感のある表情をしているサーゼクスさん。何、この空気感。

 

「あ、おかえり。大地君」

 

「どうもです。それで、この空気は一体……」

 

「えーっとそれはね……」

 

セラフォルーさんがくぐもった反応をするとサーゼクスさんがこちらを見つめて言う。

 

「岸波君。君は……君は本当に僕の心を動かすのが得意なんだね」

 

「え?」

 

いや、確かにあの2曲は名曲だと思いますよ?でも、それほど心を動かすような要素を感じられないし、何よりサーゼクスさん達悪魔なのに天使・堕天使の歌だし。いや、天翅か。その表情もあって申し訳ない気持ちでいっぱいなんですけど。

 

「質問なんだが、この『12000年』という数字にはどういう意味があるのかな?」

 

パクっただけです。……なんて言えないよな、この空気。それっぽいこと言わないと。一応、何個かパターンを組んであったから、これには答えられるけど……心が痛い。

 

「父上がそれくらいの年齢だったんです。だから俺もそれくらい生きられると思っていたし、それだけ生きていてもずっと昔から君への想いは変わらないってことです」

 

そう言うと、サーゼクスさんは納得してくれたようで、それ以上追及はされなかった。

 

「……こんな情けない姿をグレイフィアに見られなくて良かったよ」

 

少しの静寂の後に、サーゼクスさんがそう言った。

 

「サーゼクスちゃん……」

 

「いいんだ、セラフォルー。岸波君。僕はこの歌たちが気に入った。特に『創聖のアクエリオン』と言う方。歌詞の一つ一つが僕とグレイフィアの過去に刺さって仕方ない」

 

サーゼクスの目はどこか悲し気だった。

 

「『この気持ち知るため生まれてきた』『君を知ったその日から僕の地獄に音楽は絶えない』。旧魔王派閥との戦いの日々の中でグレイフィアに出会った時のことを、痛いくらいに鮮明に思い出したよ。あの頃は本当に地獄というべき日々だった。もしも彼女と出会っていなかったら、きっと僕はこの力を中心に動く『兵器』として、まともな感情を忘れて生きていただろう。いや、そうに違いない。そう考えてしまった。だからこそ、君の言う『人間』であり続けさせてくれた彼女に、年甲斐もなくまた恋してしまった」

 

わお、急な惚気だ。これは想定外だぞ。

 

「長々と語ってしまったね。要するに僕はまた君に救われたんだよ、岸波君。ありがとう」

 

「え、あ、はい」

 

「本当に君はすごいね。セラフォルーが入れ込むのも分かる」

 

「サーゼクスちゃん?女の子の気持ちを暴くのは、いくら魔王でも御法度だぞ☆」

 

「ああ、すまない。少し口が滑ってしまった」

 

「よろしい☆」

 

空気が軽くなる。良かった。俺の好きな曲で誰かを傷つけたってなったら、俺はどう責任を取ればいいか分かんなかったからな。

 

その後も俺はサーゼクスさんに色々質問された。『ここはどういうことだ?』とか『この言葉の真意は?』なんてね。当然嘘八百で乗り切った。全く、死んだら地獄行きは確定だな。

 

 

―――

 

 

その後、セラフォルーさんに案内されてたどり着いたホテルにて夕食も食べ、風呂も入り、今は部屋で仕事と言う名の詐欺行為こと俺の過去(笑)を書く作業をしている

 

そんなこんなで俺はカタカタというかガガガとかの表現が正しい勢いでパソコンを打ち込んでいるんだが、ちょっと思うことがある。それは食事中にユノハ様に言われたこと。

 

――『調べてみたけど紅轟教団の連中、それに現魔王と彼らに心から賛同する者とベリアル家は間違いなくあなたの味方よ。でも、バアル家や古い悪魔はそうとは限らない。気を付けて。特に今言ったバアルとその息のかかった者は十中八九敵と考えてもいいわ。尤も、サイラオーグってのは別でしょうけど』

 

敵。俺の敵。聞けば俺は一部の連中からは『魔王が政治で使うために生み出した架空の存在』だなんて言われている始末。まぁ、実際こうして存在しているわけだが、そう言っている奴らは往々にして魔王が気にいらない。更には俺という存在が気に入らないわけだ。つまり、俺を消しにくる、ないし周りに害を成すことを厭わない連中がいるってわけだ。

 

悲しいかな、人間なんてそんなもんだ。そうでなきゃ今頃世界は統一され、平和となっている。だが、世界中は混乱と差別に満ちている。悲しみや怒り、憎しみで強くなるような怪物がいるならそれこそ無限に強くなる。そんな世の中だ。

 

それでも、俺は人間というものを信じている。そういった悲しい感情に負けない強さを持っているって信じている。だからこそ、邪悪からそういった人達を助けたい。昔の非力な時でも出来る限りそうしてきた。今ならその悲しみを世界が良しとした時に世界を変えることだってできる。それだけの力を得た。

 

だが、結局力を持った所で俺はただの人間だ。神じゃない。全人類を裁く権利なんてない。それこそ『選定』なんてやってみろ、ユノハ様に殺してもらうぞ?

 

話を戻そう。そんなわけで俺は今、敵……いわゆる『政敵』って奴かな?そう言った連中に囲まれることになった。そこでだ、俺はとある問題に直撃する。

 

そう言う人、どうやって見分ければいい?

 

いやね、前世からそう言った人付き合いとかはあったよ?でもさ、貴族っていうどう見ても蠱毒な世界であって、俺はそう言った世界に急に放り込まれたってわけだ。

 

まぁさ、俺の機嫌を損ねたら世界が終わるから下手なことはしないだろうっていうのと禁断センサーで人の悪意とかは分かるようになっているけど、それにどう対応すればいいかってことよ。

 

と言うことでユノハ様!

 

――『はいはい。で、どうすればいいかってこと?』

 

ええ、そうです。俺今後どうしていけばいいんでしょうか?

 

――『知らん。それっぽい笑顔でそれっぽい返答でもしておけ。玉虫色最強』

 

えぇ?そんなんでいいの?

 

――『あなた、まじめすぎるのよ。相手は明日敵になるかもしれない存在。遥輝を殺すかもしれない相手よ。そんな奴ら、宣戦布告の隙を与えないように程よく接しなさい。そうじゃない相手は懇意にしなさい』

 

遥輝を、殺す。そうか、俺の行動次第で父さんや母さん、遥輝が死ぬかも知らないのか……。なぁ、ユノハ様、その辺り、未来視とか何か反則技を使って事前に知るとか出来ませんか?

 

――『それをあなたの本心が望むことじゃない以上、私はしないわ』

 

だよなぁ。昔言ってた介入云々の話になってくるもんな。あー、ちょっとイライラしてきた。

 

――『でもあなたの家族に危機が迫った時、守ってあげるくらいは出来る。そしてあなたに知らせて、その敵を抹殺させることも、ね。それこそあなたの言った……なんだっけ、『アクエリオン』って女の子の祈りとして、ね』

 

や め ろ

 

神様にまでそのネタをいじられ出したら俺死んじゃうよ?

 

――『それにそう言う奴らがいても、あなたの心は変わらない。『手の届く範囲で全力で守り抜く』、でしょ?』

 

……あー、いやだな。全く、世界とはままならん。だからこそ面白いとも言えるが、それでも大切な人の悲しむ顔は見たくないよ。

 

俺は窓の外を眺める。お空にお月様が浮かんでいる。幻想的だな。

 

 

 

諸事情によりこの作品の全データが吹っ飛んで継続投稿のやる気も吹っ飛んだうp主です。HSD×Dから逃げるのも癪なせいか、リブートも本格的に視野に入って来た次第です。心機一転のリブートをするか、それともこの作品を意地でも続けるかアンケートと取りたいです。因みに、リブート後だと主人公の眷属は完全ハーレムでない方がやりやすそうなので、完全ハーレムでなくなります。とりあえず12章は意地でも書ききります。

  • 無理スンナ。リブートしたらしたで読むで
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