ハイスクールD×D×R~禁断の使徒が頑張るRe:ライフ~ 作:ブラッキオ
気が付いたらすごい数のお気に入り数で感謝です。
イッセーSide
俺達リアス・グレモリー眷属は部長に連れられてパーティー会場であいさつ回りをしていた。ギャスパーの奴がずっと俺の後ろで服を掴んで隠れているせいで歩きにくいったらありゃしねぇ。今は終わって、パーティー会場の隅でアーシア含めて皆と一緒にひっそりと休んでいる。
ただ、そこで分かったよ。部長のお母様が言っていた『部長の『兵士』らしい振る舞い』ってのが。
いやぁ、マジで助かった。やっててよかったマナー講座。この会場に入る前のエレベーターでも部長に『しっかりしてね』って釘を刺されたけど、知識が無かったら部長の品位を下げていた可能性がある。いや、下げていた。今でも心の内では岸波先輩に助けを求めているくらいだし。
そういや、その先輩だがここに来る途中で眷属の二人と一緒にどこかへ行ってしまった。まぁ、あの人は『英雄』だ。きっと部長のお父様世代とのお話合いがあるんだろう。
それにしても、ここ最近つくづく感じたことなのだが、ドライグってすごい奴だったんだな。
いやさ、こんなこと言うのもあれだけど、あいつ『赤龍帝』って呼ばれる割にはすっげー情けない姿しか見せねえんだもん。本当に強かったのか疑いたくもなるよ。
でも、タンニーンのおっさんも『かつての赤龍帝と白龍皇は誰よりもドラゴンらしく暴れていた』と言ってたくらいだし、アザゼル先生も『今じゃこんなんだが、昔は神が出しゃばるレベルで危険な存在だった』って言ってた。ドライグの実力ってのは本当なんだってよく分かったよ。
俺は左手に視線を落とす。そんな奴が俺の中に眠ってる……ちょっと怖くなってきた。だってよ、俺って半年くらい前まではただの一般人だったんだぜ?悪魔だって中二病の要素としか感じなかったのにさ。そんな小市民にこんな大きな力なんて不釣り合いにもほどがある。悔しいけど、レイナーレの奴が言っていたことも今なら少し分かる気がする。こんな危険な力、放置出来るかっての。……いやまぁ、あいつの場合アザゼル先生の気を引きたかったってのはあるけどよ。
でも、そんなドライグを正面から相手にして、絶望から多くの悪魔を救った先輩は、もっと怖かったんだろうなって思う。
だって、俺だけじゃなくてアザゼル先生たちも恐れた存在を倒したんだぜ?そんな大きな力を持つって責任もそれ相応に大きくなるわけだし……俺だったら発狂しかねないな。
それでも、先輩は力に溺れなかった。責任っていうものを果たしている。過去に失った痛みを知っているから、立ち向かったんだって俺でも分かる。俺、馬鹿だからなんて言えばいいか分かんないけどよ、あの人は本当にすげぇよ。
「イッセー君?どうしたんだい?」
俺が考え込んでいるのが余程珍しいのか木場の奴が声をかけてきた。随分心配そうにしている。こいつ、エクスカリバーの時は俺が散々心配してたってのに今じゃ立場が逆転だ。なんかムカつくな。
「いやさ、俺ってつい最近まで一般市民だったからこういう場の空気が慣れなくてな」
「そっか。水持ってくるかい?」
「んいや、大丈夫だ」
あいにくだが、今水を飲める気がしねぇ。そんな風に思っているとゼノヴィアが料理を持ってきてくれた。美味い。けど、味がしない。どっかの美食屋漫画でも言ってたけど、食事って環境も大切なんだな。このパスタがどれだけ高級だろうと、俺には業務スーパーの大袋のパスタとレトルトのパスタソースと大差ないように思えるよ。
わずかな時間を見つけて英気をなんとか回復していると、こちらに寄って来た悪魔が一人。こいつは……
「お久しぶりですわね、赤龍帝」
「赤龍帝じゃない、『兵藤一誠』だ。イッセーでいい、焼き鳥野郎の妹。どうした?」
「レイヴェル・フェニックスです!全く、これだから下級悪魔は……!」
そうそう、そんな感じの名前だった。この特徴的な髪型だけは覚えてる。しかし、随分お怒りのご様子だ。俺の金的攻撃がそんなに気に入らなかったか?悪いな、あれに関しては俺が勝つために全力を尽くした結果だ。反省するようなことをした覚えはない。
「で、兄貴はいるのか?風の噂じゃ先輩に負けて引きこもったらしいじゃねぇか」
そう聞くと随分げんなりした様子でため息を一つ。
「ええ、そうですわ。そもそもあなたみたいな下級悪魔に追い詰められたこともなかったお兄様は、婚約パーティーの前の時点であなたがパーティーに来ることを心底嫌がってたくらいでしたもの。その上であなたを鍛えたレッドゾーン様に叩き伏せられたのですから。ま、才能にかまけて調子に乗っていた所もありましたし、いい薬になったと思いますわ」
思ったより手厳しいことをおっしゃる。てっきり『てめぇらのせいで兄貴が狂ったんだぞ!』的なことを言われるかと思った。
「随分容赦ないね。一応兄貴だろう?それにお前、あいつの眷属だろ?」
「今はトレードを済ませてお母様の眷属ということになっていますわ」
トレード。聞いたことがある。確か、同じ種類の駒を文字通り交換して戦力を交換するとか。今の上級悪魔はそうした方法で力をつけた奴らもいる。って部長が言ってたな。
「お母様が眷属になりたい方を見つけたらトレードしてくれるっておっしゃってくださいましたから、事実上フリーの『僧侶』ですわね。お母様はゲームには参加しませんし」
「悪魔業界も複雑怪奇ねぇ」
「あなたもその悪魔業界の一員でしょうが……」
レイヴェルに呆れられた。いいだろ、今くらいは他人事でいさせてくれよ。
「所で、兵藤一誠さん」
「イッセーでいいよ」
「それはイッセーさん。その……レッドゾーン様は何処に?」
モジモジとするレイヴェル。あ、なーるほど!こいつも先輩のファンか!でも、残念ながら俺もあの人の所在は知らないんだ。
「先輩?俺も知らない。さっきまで一緒だったんだけど、どっか行っちゃった」
「あら、そうですの?」
そんな時だった。会場が一気に暗くなった。厳密に言うと、会場の前の所だけ明るい。そこにはレヴィアタン様が立っていた。
「はいはーい!皆は今日のパーティー楽しんでる?」
いいえ、心がきついです。社交界ってのがこんなに大変だとは思わなんだよ。
「そろそろ皆もお話しきった所だろうし、ここで魔王レヴィアタンからのプレゼントタイムだよ☆」
プレゼントタイム?俺達が疑問に思っているとレヴィアタン様を驚きの言葉を言った。
「それじゃあ、今からするのはレッドゾーンである岸波大地君のお披露目会!私が長々と話していてもあれだから早速出てきてもらおうかな!それじゃあ、岸波君、お願いね☆」
ま、マジで?先輩、ここで出てくるのか。いや、このために先輩たちは別行動だったのか。
周囲が一気にざわつきだす。それもそうか。これ、予定には書かれてないもんな。見ればうちの会長なんかはすごい狼狽え様だ。
ライトが入口の方を照らす。それに合わせて皆の視線が動く。気が付けばテレビの機材もあるし。
扉が開かれると、そこにはおめかしをした先輩が立っていた。雰囲気もあってか、さっき見たのとは違う。何て言うんだろう、『力強い美しさ』っていうのかな?そう言うのがある。
先輩が一礼をして会場に入る。一歩一歩歩みを進める姿はまさしく『英雄』だった。
見とれていると、気が付いたら先輩がセラフォルーさんの隣に立っていた。マイクの角度を調節し、先輩は口を開く。
「初めまして、岸波大地です。まずは、このような若輩者に挨拶の機会を下さったこと、誠にありがとうございます。心より光栄に思います」
スラっと言葉を並べる先輩。そういや、先輩って王子様だったな。だからこう言った場にも慣れてるのかな?
『んなわけあるかバーカ。俺は小市民だよ』
……うん、先輩ならそう言う。あの人、『王子様』って言うより『戦士』って言った方が正しい気がするし。
「折角のパーティーですので、手短に。かつての戦いから、皆様は私のことを『英雄』と呼ばれます。うれしい限りです。ですが、私にはそのような肩書は似合いません。私は、ただあの時絶望に屈しそうになった顔が気に入らなかった。だから奮い立たせた。そのために敵を撃滅した。それだけ、たったそれだけなのです」
先輩が謙遜する。そうだよな。俺達の先輩ならそう言うと思ってた。優しい先輩だからこその言葉だ。
「誰しもがその心に持っている炎。それを絶やさせなかっただけ。なので『英雄』なんてもてはやさないでください。私は、その言葉が似合うような高潔な存在ではないのですから」
先輩が高潔じゃなかったらどうすればいいんすかねぇ……。そう思っていると、先輩が一息溜めた。
「さて、折角ですしこれについてお話させていただきます。……『悪魔は決して泣かない』。この悪魔というのは種族的なものではないです。避けられない残虐な行為や犠牲がこの世には存在します。それを良しとする者が、私にとっての『悪魔』というもの。それらは決して他人を思いやることはなく、そのくせして自分に危機が迫れば他人のせいにする。どこまでも愚かな存在です。そんな奴らの涙など、こちらを騙すためのものに相違ないです」
先輩は粛々とそう語る。
「私がこの世界で見てきた種族的な悪魔は、そのようなことは決してなかった。絶望に屈しかけたことはあれども、再び立ち上がり、未来をつかみ取った。誰かの為に戦った。私は、その輝きを間近で見られたことを今でも誇りに思います」
それって、もしかしなくてもドライグたちと戦った時のことかな?見ればレヴィアタン様も気恥ずかしそうにしている。
「長々と語りすぎましたね。何が言いたいかというと、あなた方が私に救われたと思うように、私もあなた方に救われた所があるということです。ですので、無理に崇めることもしないでください。私、今はこれでも一般家庭のただの学生ですから。『英雄』という称号、そのような男に背負いきれるような肩書ではないのです」
アザゼル先生がオカ研に来た時に先輩は『甘い』と評したのも分かる。こんな俺でも分かるくらいに優しすぎる。でも、そんな先輩に俺達は救われてきた。
「先輩はひどいな」
「イッセー君?」
「そんなこと言ったら、俺達が追い付けないじゃないか」
高い。余りにも高い理想。それが先輩だ。でも、俺はそこを目指さなきゃいけない。これは義務とかじゃない。それこそ、先輩が言った『神の決めた運命』って奴でもない。俺が、俺自身が決めたことだ。
「でも、だからこそ目指す甲斐がある」
「……そうだね」
木場とそう言葉を交わす。
「さて、堅苦しいお話はこれでお終いです。色々話すのはこの後でも出来ますし。では、最後に一つ。二人とも」
先輩がそう言うと、いつの間にか先輩の眷属のお二人が前に出た。
「紹介します。私の眷属です。『騎士』の細川幽さんと『僧侶』の黒歌さんです」
二人が一礼すると、周りが一気にざわつきだす。うん、先輩バカか?もうちょっと言い方あるだろ。ド直球すぎて草も生えない。俺の感動返して。
……でも、ちょっと抜けてるのも人間らしくていいな。先輩が完璧超人の英雄じゃないって実感できる。大きなおっぱいが大好きな所も俺達は知っているし、ギャップ萌えって奴?先輩って本当にモテる要素しかないな。
「実は先日魔王様方から『悪魔の駒』をいただきました。眷属集めに困っていた所、うれしいことに名乗りを上げていただきまして。ああ、そうだ……」
先輩が赤い翼を生やす。いつ見ても見事な赤色だ。赤一辺倒じゃなくて金色のグラデーションもあるのが余計に翼の美しさを引き立たせる。
「かつて私が生やしていた翼。それをこの度取り戻せました。この体、厳密には悪魔と呼べるものではないでしょう。それでも駒を使った以上、悪魔の皆様と共にレーティングゲームに参加する資格を得たというもの。まだ『騎士』と『僧侶』の二人しかいませんが、いずれフルメンバーで戦えることを夢見ています。もし、眷属になりたいという方がいましたら、しっかり見定めていくのでそれなりに覚悟してください。いつか皆様と矛を交えることが出来ること、楽しみにしています」
先輩がそう言うと一礼して、下がった。
「はいはーい!それじゃあ、この後は岸波君といっぱいお話してね!あ、でも順番はしっかり守ろうね!」
レヴィアタン様がそう締める。さぁ、先輩はここから大変だぞ。俺は他人事として先輩を眺めて、ゼノヴィアが持ってきてくれた食事にありつく。心なしかさっきより味がする。
イッセーside out
一応原作未読の方への説明ですが、この時点での原作イッセー君はこんなにも力を持った意味に悩むような奴じゃないです。何なら、この時期のイッセー君はラノベ界隈でもトップレベルでヤバい奴です。
諸事情によりこの作品の全データが吹っ飛んで継続投稿のやる気も吹っ飛んだうp主です。HSD×Dから逃げるのも癪なせいか、リブートも本格的に視野に入って来た次第です。心機一転のリブートをするか、それともこの作品を意地でも続けるかアンケートと取りたいです。因みに、リブート後だと主人公の眷属は完全ハーレムでない方がやりやすそうなので、完全ハーレムでなくなります。とりあえず12章は意地でも書ききります。
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無理スンナ。リブートしたらしたで読むで
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逃げるな卑怯者(炭治郎並感)