ハイスクールD×D×R~禁断の使徒が頑張るRe:ライフ~   作:ブラッキオ

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何か中途半端な気がしたので連投です。




第56話 見てくれ団長!

 

挨拶を終えたら、セラフォルーさんの言う通り会場の皆様とお話することになった。若い女の子からおじさま方まで、色々いた。握手は勿論のこと、写真撮影だったり。早速眷属への推薦をする人もいた。そういう時はユノハ様に頼んで情報を貰って、その上で玉虫色の返しをした。何より、俺の駒が反応しない時点で、結果は決まっていたのかもしれん。

なんなら冗談交じりに縁談とかを持ってくる人もいた。そう言うのがあると、幽さんが調整してくれたので、非常にありがたい。可愛くて有能とか俺、最高の眷属を持ったな。

 

そんな眷属である幽さんと黒歌にも話しかける人がいた。セクハラじみたことを言う奴らもいたので、『俺の女に何か用で?』なんてちょっと脅したらすぐに居なくなったし、その光景を見た他の悪魔の皆様は『おぉ……』とか『かっこいい……』なんて言う始末だ。俺、この世界が分からないよ。

 

それとだが、やっぱりと言うべきだろう。俺の中の禁断の力が悪意に反応した。ほんの数名。思いっきり笑顔で話しかけてきたが、俺は騙されない。しっかりと感じた。敵、いるんだなって思ったよ。でも、下手に刺激したくないから玉虫色の回答だけはしておいた。

 

さて、そんなこんなあって俺は少し解放された時間が出来たのでご飯にありついている。うん、美味しい。けど、味がしない。俺からすればこのパスタがどれだけ手の込んだものでも業務スーパーのキロ売りの奴となんら変わらん。やっぱ、環境は大きい。

 

――『しっかりしなさい。あなたの寿命は膨大。あなたの両親と遥輝は確実に先に旅立つことになるわ。今からそんな調子では先が思いやられるわよ?』

 

……そうか。そうだよな。いつかあの人達とも別れることになるんだよな。受け入れなきゃいけないけど、それでもやだな。

 

そっとグラスの中のシャンパン風白ブドウジュースを飲む。高い味がする。隣の黒歌はすごい量のご飯を皿に盛りつけている。平常運転で何よりだ。

 

「あ、あの……レッドゾーン様……!」

 

そんな時に声をかけられた。誰だ、と思いながら振り向くとそこには金髪ドリルの女の子がいた。

 

「おやおや、これはレイヴェル嬢」

 

幽さんがそう言う。

 

レイヴェル……どっかで聞いたことが……あ!フェニックス家のか!思い出したぞ!この子がフェニックスの奴のお父さんが言ってた女の子か!

 

「君のことは君のお父様から聞いている」

 

「そうなのですか!?」

 

「なんでも、俺のファンだそうじゃないか。あんなことした手前、余り仲良くしたくないだろうとは思うのだが……君のお父様は随分ウキウキしていたな……」

 

こんなこと言うのもあれだが、俺、この子蹴り飛ばしてるんだよな。それなのにあの様子。妙だな……

 

「仲良くしたくないなんてそんな……!わ、私としましてはかの大英雄と相対せたことだけでも十分な栄誉なのです!」

 

「そうか」

 

フェニックスさんはフェニックスさんで満足しているようなのでこれ以上の掘り下げはやめることにした。てか、フェニックスさんがいるってことはあいつもいるのか?

 

「フェニックスさん、君がいるということは君のお兄様もいるのか?風の噂では引きこもったそうだが?」

 

そう言うと、呆れるようにフェニックスさんは口を開いた。

 

「今日は来ていませんわ。レッドゾーン様が来ると聞いて余計に引きこもってしまいましたの……」

 

「……すまん。俺がやりすぎたばかりに」

 

「いいのです。才能にかまけていた所にいい薬をレッドゾーン様から貰ったのですから。お父様もお母様も、上のお兄様たちも満足していましたのでこれ以上言うことはありませんわ」

 

随分ひでぇことおっしゃられる。いや、不死身ならあれくらいじゃないと『いい薬』になれないのか。難儀な体を持ったな、フェニックス。だとしてもだ、言いたいことはある。

 

「そんなに言っていいのか?仮にも君の『王』だろ?」

 

そう訊くとフェニックスさんが解説し出した。なんでも、トレードなるものをして、今は兄ではなく母親の『僧侶』になっているのだとか。で、そのお母様もこの子が『この人の『僧侶』になりたい』ってなったらトレードしてくれるんだとか。

 

トレード。確かリアスから聞いたな。

 

「そ、それでですね、レッドゾーン様……折り入ってお願いがありまして……」

 

オッケー、この子も眷属の推薦ね。流石にここまで何人も推薦されてきたから何を言いたいかくらいは分かる。

 

「わ、私、レッドゾーン様の『僧侶』に立候補させていただきたいのですが……どうでしょうか?」

 

周りも周りで様子が変わり出す。『フェニックス家もか』なんて声も聞こえてくる。うん、フェニックス家の能力の厄介さはリアス達からよく聞いている。だからこんな感じの反応をされるのも分かる。

 

俺の駒が反応を見せる。ただ、黒歌や幽さん達とは違って弱すぎる反応。ユノハ様、この子の情報プリーズ。

 

――『策士タイプ。『全のために個を切り捨てる』ってことが可能な娘よ。寧ろそれを主に立ち回るタイプ。正直、今のあなたに足りないものを補うにはピッタリよ。でも、不安もある』

 

不安?

 

――『この子、全てにおいて経験が無さすぎるの。それに貴族故にそれを諌める人にも機会にも恵まれなかった。だからか、一度挫折した時に立ち上がれるか分からないし、肝心な時に役に立たない逆橘朔也になりかねない』

 

総評は?

 

――『眷属にするには十分すぎる素質。乳もデカいし女としてもいいんじゃない?でも、それを打ち消すほどの不安要素もある。何より、『切り捨て』を容易く認める時点であなたとは相いれない。ああ、そうだったわ。この子、あなたがいない世界だと、兵藤の眷属になるわよ。それに合わせろとは言わないけど、この子のことを考えたら間違いなく兵藤に投げた方がいいわ』

 

兵藤の奴、随分出世するんだな。だったら、断るかな?

 

「覇道」

 

「へ?」

 

「君からはその感覚がする。それが俺の道と交われるかどうかは分からない。幽さん」

 

「はい」

 

「ここでフェニックス家を味方につける行為、すなわちフェニックスさんを眷属にしたとしよう。その場合、敵が増える可能性は?」

 

「100%。確実に増えますでしょうな」

 

幽さんがそう返してくれる。

 

「バアル家やベリアル家ほどではないとは言え、冥界でもトップの血筋であるあの『フェニックス家』。ルヴァル氏のようなゲーム最上位に位置する存在を輩出しているほどの実力者集団です。ですから、今この状況で下手な下級悪魔や特長のない家を味方につけるよりは皆様の溜飲も下がるというもの。大地様の冥界での地位も確固たるものになるでしょう」

 

ほう、そんなにもか。

 

「ただし、ライザー氏への仕打ちを考慮すると、『無惨に敗北したフェニックス家に、自身への報いとしてレイヴェル嬢を政略結婚の道具として利用させた』、なんて捉えられてもおかしくないでしょうな。少なくともそれがしはそう思いますよ、大地様?」

 

『そうでなくともリアスお嬢様をそう見る悪魔も少なくない』『レイヴェル殿もそのような風評をねじ伏せるだけの実力があると聞いたことがございません』、と幽さんは続ける。思った以上に根深い問題っぽいな。こりゃ簡単に『眷属になってっちょ』なんて言えないな。

 

彼女も彼女で表情が暗くなる。

 

「それではリアスの二の舞だな…………問題の火が収まるまで、とは言わん。今言った、『覇道』。俺とは相いれないだろう。まずは、互いに世界を知るべきだ」

 

そう言うと、ひょっこりと黒歌が顔を出した。

 

「それにあんたは『恋心』ってもんをはき違えてるし、その感情にも少し邪なものが混じっている。ご主人様の言う通り、もう少し色々知ってからにした方が互いのためね」

 

「知ること……」

 

俺と黒歌の言葉を反芻するフェニックスさん。納得いただけただろうか?

 

「先に言うが、俺の駒は『既存の駒』を追い出すことも出来る。面白いだろ?」

 

「え、そんなことが……?」

 

「『僧侶』の席が埋まった所で、まだ枠はその時次第だが、多分あるだろう。そこでもいいと思えるようになる、かつ様々なことを知ってから。それでいいかな?」

 

そう言うと、フェニックスさんは意を決した顔をした。

 

「分かりましたわ。不肖レイヴェル・フェニックス、今回は身を引こうと思います。一旦は世を知ろうと思います。その末に心に変化がなかったその時は、再びこうしてレッドゾーン様の前に立たせていただきますわ」

 

どうやら納得いった様子。

 

「そうか。その時もまた、厳しく面接させてもらおう」

 

「ええ、受けて立ちますわ」

 

夜は続く。パーティーも盛り上がっている。うまくやれたか不安になるが、及第点でもあげて心の平穏を保つことにしよう。

 

「あ、そうだ。俺には『岸波大地』って名前がある。レッドゾーンじゃなくてそっちで呼んでもらえるとありがたい」

 

「え!?そ、そんな!いいのでしょうか!?」

 

「うん、いいよ」

 

「そ、それでは……岸波様。私も『レイヴェル』で充分ですわ」

 

 

Side out

 

 

アザゼルside

 

 

魔王領にある会談ルームにて、俺はシェムハザとサーゼクスと一緒にのんびり茶をしばいていた。途中合流したセラフォルーだが、随分嬉しそうだった。何でも、岸波の奴が二天龍の戦いの時に立ち上がれたことを誇りに思っているとか。それでうれしくなったんだと。恋に恋する乙女か、お前は……

 

まぁ、いい。そこで俺はヴァーリのチームについての新たな情報について考えていた。

 

「聖剣コールブランド、ですか」

 

シェムハザがそう言う。聖剣コールブランド。端的に言えば『所説はあれども聖剣エクスカリバーの前身と呼ばれる代物』。いわばプロトタイプみたいなもんだ。その力の強大さはかつてのエクスカリバーが証明している。そんなもんがヴァーリのチーム、つまり『禍の団』(カオス・ブリゲード)の手に渡っている。正直言おう。めんどくせぇ……

 

いや、な。破壊せねばーってなるとミカエルがうるさいのは確実だし、ガブリエルも……いや、それにかこつけて人間界に喜んで来たりしかねんな……。同情するぜ、ミカエル……

 

だからと言って放置するわけにもいかん。そもそも破壊するとなれば、間違いなく岸波の出番になる。それは余り良くない。あいつの力は規格外だ。この世界に何をもたらすか分かったもんじゃない。バクバク食われてあいつに吸収でもされた暁にはどうしたらいいんだよ。

 

一応『紅轟教団』(レッドゾーン・ブリゲード)の連中から『同じ『ブリゲード』を名乗られるのは誠に遺憾』という言葉と共に聖剣の情報も貰っている。それらで対処も可能だろう。

 

……あいつらのバックにヘファイストスやその弟子もいるらしく、何でも奴らは『暇つぶし』『若輩共が面白いことになってる』と言って協力的なんだとか。そんな奴らがいるせいかそっち方面の武器についての情報は多分この世界であいつらが一番あるだろう。

 

ただ、聖書に根深く関するものばかりは俺達の『神』じゃないといけないのでそこばかりは情報が少ない。だが、それでも天界や俺達に比べたら研究が進んでいる。

 

それにしても、緊張感がないな。やれ『ゲーム上位陣が変わりそう』だとか『俺は赤龍帝のいるリアス・グレモリーを応援しよう』だとか。

 

……平和でいいじゃねぇか。

 

そんな時、扉が開かれた。

 

「なんじゃ、若造共が。年寄りの出迎えもできんのか」

 

隻眼の老人がそこには立っていた。いかにも『我、魔法に詳しいぞ』って恰好で。

 

「オーディン」

 

北欧の主神、そのものだ。隣には鎧姿のヴァルキリーも丁寧に連れている。

 

「北の田舎じじい。どうした?今茶を楽しんでたんだ、若者の邪魔を楽しむほど耄碌して害悪になったわけでもあるめぇよ」

 

「久しいの、悪ガキ堕天使。随分長く敵対していた奴らと仲良くしているそうじゃが……何かこざかしいことでも企んどるのか?」

 

「あいにく、俺達は頭の固い田舎神族とは違って種の存続にちゃんと舵を切れるんだ」

 

「負け犬らしい精神じゃの。所詮拠り所を失った敗残兵であろうに」

 

かー、口数の減らないじじいだこと。

 

あとは簡単な話だった。暇だったのでひたすらヴァルキリーをいじった。やれ『年齢=彼氏いない歴』だとか『いつかレッドゾーン様が迎えに来てくれる』とか、いじっている途中で自滅しだしたもんだからオーディンのじじいも段々憐れみだした。

 

『もうよい……サーゼクス、早めにこいつにレッドゾーンを紹介してやってくれ……』

 

流石にじじいに同情した。つーか、レッドゾーンは白馬の王子じゃねぇんだぞ……

 

それから何でこいつが来たのか話を聞いた。何でもレーティングゲームを観に来たんだとよ。相変わらずの勇者収集癖なことだ。ま、各勢力の要人を招待したんだ、黙っているのがオーディンだけだとは思えないがな。特に武闘派で戦い大好きな帝釈天や仮想敵にその帝釈天を据えているだろうシヴァ神、脳みそが入っているのか入ってないのかよく分からないゼウス神はどうなるだろうな……

 

そんなわけで皆思い思いに話をする。俺は堅苦しくてやってられなくなってきたので、外に出て、長椅子に座っていた。

 

ふと空を見上げる。見慣れた冥界の空だ。

 

……お前らの言っていた通り、人間は強いもんだ。ティラエル、ラプトエル。お前らが『紅轟教団』で元気にしているならそれで十分だ。

 

『こんな朝っぱらからパンツ一丁でね 弾劾を受けてる時点でこらぁアザゼルくん反省でしょ』

 

ティラエル。

 

『おい、パイ食わねぇか?』

 

ラプトエル。

 

千年以上も前の話だってのに今でも鮮明に思い出す、あいつらとの思い出。ちょっと懐かしい思い出に浸っちまったな。

 

「アザゼル、ゲームが始まる前に一つ訊きたいことがある」

 

どうやら抜け出してきたらしいサーゼクスが俺の目の前に現れてそう訊く。

 

「なんだ?」

 

「お前がリアスの対戦相手なら、グレモリー眷属内でまず誰を落とす?」

 

「イッセーだ」

 

俺は即答した。

 

「分かってんだろ?聞けば今までのリアスの戦いにおいて、あいつが中心から外れたことがない。こんなこと言ったらドライグの奴が死にかねんが……あいつは『もう一人の岸波大地』と言っても過言じゃない。いや、あいつとは違ってもっと気軽に頼れるからこそ、相当デカい感情をリアス達は持っているだろうな。それだけ『リアス・グレモリーとその眷属達』って奴のテンションに大きく関わっている」

 

ことゲームにおいてなら『岸波大地>今は超えられない壁>兵藤一誠』って感じで影響を及ぼしていると言えるだろうな。

 

こんなことを言うのもあれだが、奴らはイッセーに依存しているだろう。確かに岸波には依存するなとは言った。だが、他に依存するのは、それはそれで不安が残る。それも仕方ないか。あいつらはまだ18にも満たないガキ共だ、修羅場が青春だった俺達とはわけが違う。

 

何より、ドラゴンというのはいつだって他者を惹きつける。イッセー自身もドライグに惹きつけられているだろうよ。思えば、岸波もドラゴンの血が入っているんだっけか?

 

「ソーナは確実に狙うだろうね」

 

「当たり前だ。問題は取られた後。あいつらは『赤龍帝』としてのイッセーを目の前で失ったことがない。コカビエルの時になりかけたらしいが、岸波のおかげで助かったそうだしな。それがどう響くか……ある意味見ものだな」

 

 

アザゼルside out

 

 

 

 





次回でこの章も終わる予定です。

諸事情によりこの作品の全データが吹っ飛んで継続投稿のやる気も吹っ飛んだうp主です。HSD×Dから逃げるのも癪なせいか、リブートも本格的に視野に入って来た次第です。心機一転のリブートをするか、それともこの作品を意地でも続けるかアンケートと取りたいです。因みに、リブート後だと主人公の眷属は完全ハーレムでない方がやりやすそうなので、完全ハーレムでなくなります。とりあえず12章は意地でも書ききります。

  • 無理スンナ。リブートしたらしたで読むで
  • 逃げるな卑怯者(炭治郎並感)
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