ハイスクールD×D×R~禁断の使徒が頑張るRe:ライフ~ 作:ブラッキオ
まぁ、主人公を強引にでも引きずり出すにはこうするしかないよなぁ......と思いながらの連投です。
『世界の英雄レッドゾーンVS若き悪魔ディオドラ・アスタロト 世紀の一戦、決定!!』
雑誌にはこんなことが書かれていた。え、え?
「謝って済むなんて思っていない。だが、許してくれ。岸波君」
サーゼクスさんがそう言う。待って、どういうことか説明求める。アザゼル先生の方に視線を向けると、彼が説明してくれた。
「そうだな、理解が追い付いていなさそうだから説明する。まずだが……お前はレーティングゲームをすることになった。それも1週間もない」
「え、ちょっと待ってください。色々言いたいんですけど……」
「悪い、黙って聞いてくれ……そして今回のゲームだが、何故か知らないが勝手にアーシアの居場所とかいう胸糞悪いもんをかけられている」
は?居場所?
「このゲームにお前が勝てば今のまま。だが、万が一お前が負けたら、アーシアはディオドラの下に行くことになっている。それも、まるでアーシアがお前の下にいることを不満に思っているっつークソみてーな記事のおまけつきだ。しかもその情報を鵜吞みにしたメディア各所がこぞってこのことを取り上げている。この新聞たちもその一端だ」
「この雑誌の発行元、元々余りいい噂を聞かないの。無理矢理すぎる取材ばかりしてて、上級悪魔の会見とか上位層のレーティングゲームを記事にする権利も完全にはく奪してあるほどに。それでも、声だけは大きい。そんなせいで、今じゃ冥界ではもうゲームをすることが決まった前提で動いているの」
セラフォルーさんがそう補足を加える。
「で、ですが俺はまだ眷属が二人しかいない!そんな状態でゲームをするなんて……!」
「だからだよ」
アザゼル先生がきっぱりと言う。その顔は怒りに震えていた。
「ディオドラの奴、お前に勝てないからとにかくお前に不利な条件を大量に押し付けやがった。その中にもお前に眷属が二人しかいないのを含めてやがる。しかも、民意のおまけつき。それに対してお前が言い返せないことをいいことにな」
「それはどういうことです……いや、これはどういうことだ、サーゼクスさん」
俺も混乱が収まり、少しずつ怒りが込み上げてきた。サーゼクスさんにそう訊ねると苦々しい顔で答えた。
「今の悪魔たちは娯楽に飢えている。そこに垂らされた蜜、それが君とディオドラのゲームだ。これがなくなれば暴動も起こるだろうし、間違いなく僕ら上層部の信頼が失われる。退くに退けない状況に君は今置かれている」
「それにだ、よく読めなかっただろうから分からんだろうが、お前は勝手にハンデを背負わされた。
『1つ。岸波大地はレッドゾーンには一切変身しない。した瞬間に敗北が決定される』
『2つ。開始30分、岸波大地は戦闘をしてはならない』
『3つ。この戦いの結末に魔王は一切干渉しない』、とな」
んだよ、それ。雑誌の販売元云々よりも先にそれって……
「一体誰がこんなことを……!」
「ディオドラね」
俺がそう言うと、リアスがそう言った。その言葉にはどこまでも強い怒りが込められていた。
「あいつ、アーシアが自分に靡かないからってこんな強硬手段を……!ゲームを馬鹿にして……」
「リアス、やめるんだ。まだ憶測の域を出ていないことを、簡単に口にしてはいけない」
サーゼクスさんがそう諫める。そうか、そうかそうか。確かにあのゲロ以下野郎しか得しないもんな、この状況。
「あのゲロ以下野郎……!!」
「大地君……?」
「なぁ、サーゼクスさん」
「なんだい?」
「グラシャラボラス家の次期当主は……『不慮の事故』で死んだんだよな?」
「ッ!!ダメだ、岸波君!それだけはやめてくれ!」
サーゼクスさんがいつも見てきた優しい感じとは似つかわしくない大声を出す。その顔は戦々恐々としている。
「そんなことをしたら、君は間違いなく冥界の敵となってしまう!それだけは……それだけはやめてくれ!」
「……ちっ!」
「岸波の気持ちも分かる。こんなクソ不味い酒の肴があるもんか。おい、サーゼクスさんよ。今回の件だが、アジュカはどうした?あいつがゲームの基礎を作った以上、この冒涜行為はアスタロト家のお家騒動になる。それなりに賢い連中なら奴の権威も落としかねんぞ」
「あ、ああ。彼はアスタロト家に抗議に行ったよ。何せ、自分が作り上げたものの全て冒涜したのだからね。例え身内だろうと彼は容赦しないよ。今頃、アスタロト家は崩壊をしているだろう。既に聞いた情報でも、ディオドラ筆頭のアスタロト家側に着くかアジュカ側に着くかで揉めているようだ。もう二度と他家のような団結は出来ないだろうさ」
サーゼクスさんが離れる。クソ、頭に血が上って仕方ない。
「特例は作るんだろうな?でなきゃ、俺達は二度と岸波の援護は受けられなくなる。そんなことになったら、俺達グリゴリは戦争覚悟でなきゃ介入できないし、何なら岸波を敵に回したことを大義名分に同盟の脱退を望む声が上がるだろう。天界の連中だってガブリエルを筆頭に内部分裂を起こしかねんぞ?」
「当然だ。それを伝えにここに来た」
サーゼクスさんはこちらを向く。
「君には特例を与える。
『岸波大地の眷属は駒を渡しただけで眷属扱いとなる。トレードも同様の扱いとなる』
『岸波大地の眷属は無償で君に協力をする。仮に賞与を求めた場合、責任は全て現四大魔王が負う』
『岸波大地の戦力がどれだけ強大にして不公平に感じる圧倒的なものでもディオドラ・アスタロトは一切文句を言わず、魔王も文句は一切受け付けない』」
なるほど、特例もいい所だな。二つ目に関しては思う存分眷属を集めてこいって言われている。三つ目はそれを黙らせるものだな。世間が許すかどうかは別として。
「大変だったよ。いかんせん不利な後だしじゃんけんだったからね。何なら、これを通すということは君とディオドラのゲームを決めた『誰か』の手の上相違ない。そもそもアーシア君を景品にするような行為、非道だと思う。グレイフィアも怒り心頭で『この程度の特例か』って言って殴ってきたよ。それでも、時間が無さすぎて妥協するしかなかった。僕らの思いはこんなもんじゃ足りないくらいだ」
そう言うと、サーゼクスさんは頭を再び下げた。
「今回の騒動、完全に我々の失態だ。その尻ぬぐいを君にさせてしまい、申し訳ない。……君に平和を思う心があるのなら……今回のゲーム、受けてほしい」
「……頭を上げてください、サーゼクスさん。あなたは悪くない」
「……ありがとう」
……はぁ。しょうがない。やるしかない。アザゼル先生が言った内部分裂が真実になりかねないってのなら、やるしかない。今すぐにでも決めなきゃいけないことだってのも理解した。ただ、一つだけ聞いておきたいことがある。
「なぁ、アーシア」
「はい!」
「相手はゲロ以下野郎。はっきり言って君にはあれの所に行ってほしくない。それでも、奴は腐っても貴族だ。なんの不自由もない生活は送れる。君はどうしたい?俺達といたいか?」
彼女が望むなら、俺は笑顔であのゲロ以下野郎の所へ送ろう。そうしたらその晩は思い切り泣いてやる。
そう聞くと、アーシアが覚悟を決めた顔をする。
「皆さんといたいです。確かにディオドラさんには色々複雑な感情があります。それに、彼といれば貧しくない生活も送れると思います。それでも、私は皆といたいです。だって、ようやく見つけられた『居場所』と『友達』なんですもの!」
「アーシア……」
兵藤が涙を流し出す。皆も感極まっている。
「それに私、皆さんと出会って欲深くなっちゃったんです。シスター失格な程に、本当の『魔女』になってしまう程に欲深くなっちゃったんです。理由なんてない。『皆さんといたい』って心が叫んでいるんです。だから、ダイチさん……!」
アーシア、君がそれほどに言うなんてな。よし、いいだろう。
「……なぁ、サーゼクスさん」
「なんだい?」
「俺、大切な女を守る時ってめちゃくちゃに強くなるし、なんなら手段だって選ばないんだ……この世で一番怒らせたらいけない奴を怒らせたこと、後悔させてもいいよな?」
「……ああ、勿論だ」
よし、言質は取った。二度とシャバを歩けないようにしてやる、ゲロ以下野郎。
「おし、決まったな。んじゃ、まずは眷属探し……と行きたいが、サーゼクスにセラフォルー。お前らにとあることを聞きたいことがあるのと、そのことに関して岸波の意見を共有させておきたい。二人とも時間はあるか?」
アザゼル先生がそう締めると、魔王二人はうなずいた。
「よし。折角だ、リアス達も見ておけ。後悔はしない」
「何かしら?」
リアスがそう返すと、アザゼル先生が驚きの発言をした。
「若手悪魔達の試合だ」
―――
その後はアザゼル先生の試合解説が始まった。まずはサイラオーグさんとグラシャラボラス家の戦い。結果、サイラオーグさんの無双で終わった。兵藤が『天才』とほめていたが、どうやらサイラオーグさんは天才ではなく、むしろ無能。バアルの固有能力の滅びの力を受け継げなかった。そのくせして同じくバアルの娘であるリアスは滅びの力を受け継いだ。その過去は察せられるものだった。血反吐を吐きながら努力し続けた先に、彼は次期当主の座を射止めたのだ。彼への称賛はまた今度にしよう。
てか、サーゼクスさんとリアスのお母さんってバアルなのか。
で、続くシークヴァイラさんとゲロ以下野郎の試合。アザゼル先生から聞いたが、シークヴァイラさんはどうやらリアス達の後にあのゲロ以下野郎とゲームをしたんだとか。それについて俺らは映像を見ることになった。
なったのだが、余りに問題のある映像だった。
「なんだよ、これ……」
兵藤の声である。朱乃によればシークヴァイラさんの実力は若手でも2位のもの。1位はサイラオーグさんだそうだ。で、そんなシークヴァイラさんだが、負けた。あのゲロ以下野郎に負けた。しかも何がおかしいって小細工無しでだ。
「サーゼクス、何も言うなよ。お前とてこれには疑問を持っているだろうが、お前は『魔王』だ。肩入れはまずいからな」
「分かっているさ。ジャイアントキリングなんて珍しくないだろう?」
そう言うサーゼクスさんだが、どうも表情は芳しくない。彼も彼で疑問には思っているのだろう。
「アザゼル先生」
「岸波、どうした?」
「あのゲロ以下野郎、本当にこんなに強いんですか?」
俺がそう言うと困惑したような表情をしながら頭をかくアザゼル先生。
「ディオドラ呼びもついにしないか、お前……結果が全て語っちまってるから何も言えんから、俺個人の感想を言う。んなわけあるか、ばーか。火事場の馬鹿力にしてもやりすぎだ。こんな実力を隠せるなんてそれこそ魔王レベルの情報統制がいる。なんならその魔王にアスタロト家の天才・アジュカがいるんだ、誤魔化すのは容易じゃないなんてもんじゃねぇ」
アザゼル先生がそう言う。そうか、アザゼル先生をしてそう言わしめるか。
「……アザゼル先生」
「なんだ?」
「『ドーピング』」
俺がそう言うとオカ研部室が凍り付いた。
「ダイチ、いくらなんでもそれはないわ。そんなことをしたら、永久追放なんてものじゃ済まないわよ」
「だが、そうとしか説明がつかない」
リアスの言葉に俺は反対の意見を突き付ける。
「大地君、いくらなんでもそれは……」
「いや、セラフォルー。その線は大いにある」
アザゼル先生がセラフォルーさんの言葉を否定する。
「ヴァーリの奴からもらった『蛇』。いわばオーフィスの力の一端。それなんだが、どうやらそれを使った奴の命を食らってありえないほどの力を授けるものっぽくてな。カテレア・レヴィアタンの死体からも、同じものが検出された。あいつがあんなにも自信満々だったのはそのおかげだったんだろう。今のディオドラの自信から考えて『蛇』を使っているとして、それを手に入れる手段となると……」
「頼む、アザゼル。憶測はやめたまえ。それ以上総督から言われると、余計な混乱を招いてでも魔王の権力行使をしなければならなくなる」
「悪いな、サーゼクス。俺とて自分の立場は分かっている。だが、これを聞いてきた相手がレッドゾーンだ。分が悪かったと思ってくれ」
アザゼル先生がサーゼクスさんを黙らせる。
「俺とて信じたくない。だが、もしそうなら……アジュカは魔王を辞任しないとまずいレベルだろう。いや、辞任だけで済めばいい。お前ら他の魔王の権威も道連れになりかねん。はっきり言おう。このゲーム。結果がどうであれ、魔王には大きな影響を与えかねんぞ」
「アザゼルちゃん。その『蛇』ってもののことは他には誰かに言った?」
「ここにいる奴ら以外ならシェムハザくらいのグリゴリ幹部しか知らない。不明瞭な点はともかくとして危険な要素が多くてな、それだけトップシークレットだ。だが、いずれ奴らの力の源への憶測が広がって、真実に到達するだろうよ」
「そうか……」
サーゼクスさんが暗い顔になる。くそ、マジでやったのかあのゲロ以下野郎!
「岸波の言ったことはあくまでも『憶測』。今から完全に検査することなんて無理だろうな。俺の言ったこともその『憶測』に『憶測』を重ねた『妄言』。だが、もし一つでも現実となった場合、それは確固たる『現実』になる。備えておかねばなるめぇよ。おいリアス達。このことは絶対に外に漏らすな。最悪お前らが消されることになる」
「分かったわ」
そうかそうか。だとすれば全て筋が通る。
アーシアを何としても手に入れたい。だが、俺に真っ向から挑んでも勝てない。だからまず民意を使って俺の手足を捥ぐ。ただそれだけでは息の根は止められない。だから、『禍の団』連中の力を使って勝ちに行く。
ゲロ以下野郎。覚悟しろ。アーシアだけじゃなく、サーゼクスさんとセラフォルーさんも悲しませたこと、シークヴァイラさんの名誉を貶めたこと、死をもって償わせてやる。
――『手伝うわよ』
ユノハ様。
――『アーシアはあなたにとってもおう必要不可欠な存在。それを欠けさせるわけにはいかないもの』
ありがとう、ユノハ様。出来る限り頼りすぎないように、あなたにも頼ろうと思います。
諸事情によりこの作品の全データが吹っ飛んで継続投稿のやる気も吹っ飛んだうp主です。HSD×Dから逃げるのも癪なせいか、リブートも本格的に視野に入って来た次第です。心機一転のリブートをするか、それともこの作品を意地でも続けるかアンケートと取りたいです。因みに、リブート後だと主人公の眷属は完全ハーレムでない方がやりやすそうなので、完全ハーレムでなくなります。とりあえず12章は意地でも書ききります。
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無理スンナ。リブートしたらしたで読むで
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逃げるな卑怯者(炭治郎並感)