ハイスクールD×D×R~禁断の使徒が頑張るRe:ライフ~   作:ブラッキオ

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GWパワーでたくさんお気に入りしてもらえたのとストックが結構溜まっているので気合の連投です。




第68話 奪還と帰還

 

駒から伝わってくる。皆が戦っている。

 

「そんな寝ぼけた魔法が通じると思っているの!!」

 

セリスさんが魔法をカウンターし、

 

「同情しますが、ここで死んでもらいます」

 

幽さんが斬り、

 

「にゃっはー!汚物は消毒だー!」

 

黒歌が叩き潰す。

 

「アーシアちゃぁあああああああん!!」

 

寿水さんは一振りで神の如き怒りの鉄槌を敵に下す。

 

「私が先に行きます!」

 

「なら後方は私が!」

 

レナさんは二刀流で敵を切り刻み、ティファニアさんが槍で敵を刺し穿つ。

 

「降り注げ!」

 

「やぁああああ!!」

 

「行くわよ!」

 

和泉さんは光の槍を降り注がせ、ルイーザさんが敵を次々とミンチに変えていき、天音さんがバイクを振るう。

 

え、バイク?

 

ま、まぁいいよ。その光景を、俺はうれしく思った。皆、俺の為に戦ってくれている。こんなうれしいことがあるか。

 

走った。ひたすらに走った。喜びと怒りに身を任せて走った。目の前に立ちふさがる敵を潰しながら走った。

 

走った先にあったのは神殿。道中の敵をなぎ倒して走ったその先、最奥部には巨大な装置があった。

 

真ん中にアーシアは磔にされていた。

 

「やっと来「まさか、またこんな状況で君を助けることになるなんてな、アーシア」

 

「ダイチ、さん……」

 

その目元は赤く腫れている。随分泣かされたようだが……外傷はなさそうだ。と、なると……自分の過去の真実を聞かされたか?

 

「アーシアに事の顛末を話したさ。素晴らしかったよ。君にも見せたかったな、あの時のアーシアの表……ッ!!」

 

俺はペラペラしゃべっているゲロ以下野郎の頭を掴み、ブロリー映画の岩盤を決める。決めた後、バックステップで下がる。とにかくアーシアを下ろそう。こんなのに丁寧に構っていられるはずがない。

 

「ははっ、おかしいな?なんで僕が圧倒されているんだ?」

 

俺は追撃の顔面パンチを行い、徒歩で距離を取る。

 

「くっ、くそ!おかしい!僕は上級悪魔だぞ!現ベルゼブブの血筋で、お前みたいな下劣な化石に……!」

 

ピチュンピチュンと音が鳴る。うるさいな。何の音だ?

 

「僕の魔力は当たっているのに!オーフィスの力でその力は絶大なまでに引き上げられているんだぞ?!この光景だってお前の惨めな姿を見せるために観客席にも映しているってのに!!」

 

あー、いかん。ちょっとイライラしてきたな。しょうがない、俺が出来る一番の方法で苦しめるか。

 

俺は右手に力をためる。人差し指の先が龍の爪のように鋭く、そして太いものとなった。

 

「なぁ、塵芥君。君達のようなわがままなガキが一番屈辱的なことって何か分かるか?」

 

「くそっ!くそぉおおおおおお!」

 

「それはね、『自分が何よりも下等生物だって自分が見下していた奴に思い知らされた時』だよ!!」

 

俺はゲロ以下野郎との距離を一気に詰めて、指を奴の心臓に刺した。

 

「ひっ?!!」

 

驚くだろうよ。何せ血が出ていないんだからな。

 

その指を引き抜く。何もないことを知った奴は高笑いを上げた。

 

「ハハハ!なんだよ、こけおどしか!化石らし……っ?!」

 

直後、その顔が苦悶に変わる。

 

「俺は今、貴様に『侵略者ウイルス』を注入させてもらった。こいつは面白いもんでな、濃度をミスするととんでもない苦しみを与える代物なんだ」

 

俺が注入したのは最近知った、というか自覚した『侵略者ウイルス』。俺の体内にめぐる力の一端。ユノハ様に聞けば、どれだけ希釈しようとこいつを注入されたら俺の眷属・御使い,俺の気に入った存在以外は悲惨な最期を迎える、とのこと。

 

「あがが……!!」

 

「言っておくが、適合出来ない奴は死ぬ。適合出来れば、話は別だ。ただ、どんな長命な種でも短命になるし、定期的にウイルスを注入しなければそこで死ぬ。生きとし生ける者全てがだ。神とて例外じゃない。ま、つまりだ……」

 

俺は奴の頭を掴み、よく聞こえるようにはっきりと言う。

 

「俺の奴隷になるか、死か。どちらか選べるものなら選んでみせろ」

 

「ぁあああああああ!!!!あぁあああああああ!!」

 

顔色が変わり、叫び出したそれを投げ捨てる。

 

「たすけてぇええええ!!くるしいぃいいいいいい!!!いたいぃいいいいいい!!」

 

「だ、ダイチさん……」

 

「無駄だ、アーシア。こうなった以上、こいつは死ぬか俺の奴隷になるかの二択だ。君ではどう頑張っても救えない」

 

俺はそう答えると、黙ってアーシアの所に近づく。さて、どうやらこんな下らん装置壊すに限る。

 

――『この装置。アーシアの能力を反転させるものよ。その範囲はこの結界内のバトルフィールドと観客席。下手にちぎるのは難しいわ』

 

ならこうしよう。おい『10』、内部からこの装置のエネルギーをオーバーフローさせてバグらせろ。

 

『(コクリ)』

 

アーシアに渡したカードが輝きだす。すると、どうだろうか。装置が一気に悲鳴を上げだした。

 

俺は喉の槍を抜き取る。少し痛い。けど、アーシアの受けた痛みはこんなもんじゃない。だったら、この程度、なんともない。

 

その光景がおぞましく思えたのか、アーシアの悲鳴が上がる。

 

「ごめんよ、アーシア。こんな化け物で」

 

俺は装置に槍を突き刺した。装置は光を失い、やがて砕け散った。手足が解放されたアーシアを、俺は受け止めた。

 

「ダイチさん!」

 

「アーシア……」

 

「信じてました……ダイチさんは来てくれるって……あの時みたいに来てくれるって……」

 

アーシアの目から涙がこぼれる。辛かったろうに、悲しかったろうに。それでも俺を思いやってくれるか。

 

「アーシア、よく聞いてくれ……俺はもう人間じゃない。種族的なことじゃなく、『心』が、だ。これから君を皆の所に送り届ける。そうしたら……」

 

『もう二度と、俺と関わらない方がいい』。そう言おうとした時だった。アーシアに頬を叩かれた。俺は全く痛くないが、どうやら彼女の叩いた手は痛い模様。

 

「うぅ……痛いです……」

 

「あ、アーシア?」

 

突如の行動に、俺は驚きを隠せない。

 

「ダイチさん。いいですか?私はあなたをモンスターだなんて思っていません。皆さんもです。立派な人間です。伸ばした手もそんなに長くない、ただの人間です」

 

かつて彼女に言った言葉を、今度は俺が受けている。

 

「だから、『さよなら』なんて言わないでください。皆、あなたのことを愛しているんです。いなくなったら悲しいし、寂しいんです。一人で背負うことだけはしないでください」

 

俺の瞳から、涙が流れる。ああ、そうだ。だから俺は『人間』が好きなんだ。慈悲と勇気を持ったその心が、俺は大好きなんだ。

 

「さ、喉元の傷を治して皆さんの所に帰りましょう、ダイチさん!」

 

俺は涙を拭い、彼女の言葉にうなずいた。彼女の光を喉に受け、その後手を取り、この神殿を出ようとしたその時だった。後ろに人の気配。振り向くとそこには何かよく分からん男が一人。

 

「転送魔法が起動しないだと?一体どういう……」

 

誰だ?

 

「まぁ、いい。お初にお目にかかる、忌々しき化石『レッドゾーン』」

 

今はブラックゾーンなんですけど。

 

「私の名はシャルバ・ベルゼブブ。偉大なる真の魔王ベルゼブブの血を引く者。正当なる後継者だ」

 

アジュカさん以外のベルゼブブ。ほう、つまり敵か。

 

「偽の魔王たちが担ぎ上げる貴殿を潰せば、奴らの士気も下がる。全ての偽りの魔王の血を根絶やしにするため、お前には消えてもらう」

 

おし、じゃあお前には消えてもらう。

 

「今回の作戦はこれで終了だ。私達の負……」

 

俺はぴーちくぱーちく喋ってる馬鹿の脇腹を貫手で貫き、蹴り飛ばす。こんな奴、痛めつける必要もない。

 

「ごはっ!?」

 

「さて、お前には遊びに付き合ってもらう」

 

最近思ったんだ。この世界がジャンプ並のインフレをするならこっちもジャンプの技を使ってやろうってね。

 

「手加減するが……せいぜい消えてくれるなよ」

 

「な、なにを……!」

 

俺は手首を合わせて腰の右横辺りまで下げる。そう『かめはめ波』だ。ただし、原理としては俺の中の『太陽の力』なるものを極限まで希釈したものを圧縮している。

 

「確か、悪魔にとっては太陽の力は猛毒なんだっけか?なら地下籠りの糞山の王にふさわしいな!」

 

「ま、待て!やめろ!うぁあああああ!!」

 

「くたばりやがれ!!はぁあああああああ!!!」

 

俺は両手を突き出し、光線を放つ。どうやらまだ制御がうまくいっていない模様で、少し射線がずれてしまい、奴の体の直撃コースからは外れてしまった。

 

光の奔流が止むと、そこにはぶっ倒れた旧魔王の奴がいた。生きているなら、サーゼクスさんとかアジュカさんが拷問なりなんなりで情報を吐かせるだろうし、問題はないだろう。

 

俺はアーシアの手を取り、この神殿を後にした。

 

彼女を抱えて走ったが、その時に彼女の表情は悲しみや絶望でなく、心からの笑顔だったこと。俺はうれしく思う。

 

そんなわけで、残党狩りをしていた皆さんと順次合流していった。

 

「アーシアちゃんんんんん!!大丈夫ぅ?!!」

 

「ヨシミさん!大丈夫です!この通り、元気です!」

 

「良かったぁあああ!!」

 

寿水さんの可愛がりが始まった。まぁ、いつものことだ。気にしても仕方ない。

 

そんなことを思っていると幽さんがこちらに近づいてきた。

 

「大地様、少しよろしいでしょうか?」

 

「ああ、なんだ?」

 

幽さんの表情が暗い。そう言えばさっき、ゲロ以下野郎の様子を見に行くって言ってたな。それから帰って来たんだろうけど、なんかあったか?

 

「大地様の言う通り、ディオドラ・アスタロトは死亡していました。それも、余りに醜い肉塊となって。ただ、問題はこちらではありません」

 

「というと?」

 

「大地様のいう旧魔王派のシャルバ・ベルゼブブ。その死体が見つからなかったのです」

 

……なるほど、まだ動けるエネルギーを使って全力でここから逃走したか。

 

「このことはルシファー様方に報告させていただきますが……それがしが思うに、完全に仕留めておいた方がよかったと思うのですが?」

 

「悪い。サーゼクスさん達があれを使うかって思って、仕留めてなかった。完全に俺の落ち度だ」

 

全く、こうなるなら完全に息の根を止めるべきだった。奴の生存が今後最悪につながらなければいいんだが……

 

「話はそんな所です。今は、勝利を祝いましょう」

 

「だな」

 

俺は皆の無事な姿を見る。誰も怪我をしていない辺り、本当に上澄みな実力者だと分かる。俺はそんな人たちに仮眷属になってもらったんだな。とことん恵まれている。

 

「……ヴァーリか」

 

俺は後ろを向く。そこには憎き白色の野郎がいた。後ろには孫悟空と背広のイケメンもいる。どこから現れたかは知らんが、この際そんなのはどうでもいい。

 

「さぁ、首を出せ。楽に沈めてやる」

 

「待て、死にに来たわけじゃない。ただの見学さ。それと……」

 

そう言うと彼は頭を下げた。

 

「会談の時の発言、撤回しよう。申し訳なかった」

 

「……チッ!」

 

随分偉そうだ。だが、もういい。ユノハ様にも殺すなと釘を刺された以上怒りも湧かない。今更相手にしていられるか。

 

「赤龍帝も聖女様の受けた仕打ちを聞いて『覇龍』(ジャガーノート・ドライブ)に目覚めかけたようだ。幸いドライグが止めたようだが……本当に面白いな、君達は」

 

「何の用だ。腐ってもお前らはテロリスト。ここで殺しても問題は無かろうよ」

 

「それは困った……そろそろだな」

 

「あ?」

 

馬鹿垂れの言葉に合わせて、俺達は空を見上げる。空間に巨大な穴が開いていく。

 

「敵か?」

 

なら殺す。

 

「よく見ておけ。あれが俺の見たかったものだ」

 

空中を巨大なドラゴンが泳ぐ。何だろう、すっげームカつく。こう、ドラゴ大王を思い出すせいで。

 

「『赤い龍』というのは二ついる。一つは兵藤一誠に宿るウェールズの古の龍、ドライグ。俺のアルビオンと同じ出自だ。だがもう一体、『赤い龍』がいる。それは黙示録に記された者、真なる赤龍神帝(アポカリュプス・ドラゴン)グレートレッド。『真龍』とも呼ばれる偉大なる存在だ。生きる者とは相いれない次元の狭間に住み、永遠に飛び続けている。今回俺達が来たのはあれの確認のためだ。オーフィスもあれを見に来ている。シャルバの計画など俺にとってはどうでもいい」

 

「そうかよ……ん?オーフィス?」

 

テロリストの親玉がいるのか?なら殺すか。

 

俺は頭の配管から炎を吹き出す。さて、体の調子はすこぶるいい。どんとこい、オーフィス。

 

「まぁまぁ落ち着け。あれは俺の目標だ。赤だけが最上位がいるっていうのは気に入らないしな」

 

「お前の感想など知ったことではない」

 

さぁ、ラグナロクでもなんでも始めてやろうじゃねぇか。

 

「グレートレッド、久しい」

 

そんな時にふと現れたのは黒髪の女の子。誰?ヴァーリの知り合いか?

 

「誰だ?」

 

「オーフィス。『禍の団』(カオス・ブリゲード)のボスだ」

 

そう言って降りてきたのはアザゼル先生。後ろにはタンニーンさんもいる。

 

え、この女の子がオーフィス?ちょっと殺すのが難しくなってくるんですけど……?

 

「レッドゾーン」

 

「あ、はい」

 

「我、人間になりたい」

 

そんな急に妖怪人間みたいなこと言われましても……

 

「どうすれば人間になれる?」

 

「ヘルプです、アザゼル先生」

 

「だろうな。それじゃあいくら何でも説明不足がすぎる」

 

それから先生からの説明を受けた。何でもオーフィスちゃんは強烈なホームシックで、次元の狭間で静かに暮らしたいとのこと。ただ、それにはグレートレッドが邪魔。自分一人でどうにかなるわけでもない。となれば、答えは一つ。外部から力を借りる。それで『禍の団』連中とつるんでいるんだとか。

ただ、俺が『人間』であれば力を貸すことを知り、どうすればその『人間』になれるか困っている様子。

 

「そうか、なるほどな」

 

「で、英雄様はどう答えを出す?」

 

アザゼル先生が期待してくる。やめてくれ。てか、話を聞けば、この子は『静寂』しか知らないんだろ?だったら『喧騒』も悪くないってことでいいんじゃないか?

 

「オーフィスちゃん、『静寂』をやたら求めたがるが、君は『喧騒』に身を置いたことはあるのか?」

 

「?」

 

「要するに『誰かと一緒にいる』『誰かと一緒に生活をする』ってことをしたことがあるのかってこと」

 

そう言うと彼女は答える。

 

「ない」

 

「なら、そう言うのを知ってからでも『静寂』を求めるのは遅くないだろ。それに、その生活の中で暮らしていけば、おのずと『人間』ってのも分かる」

 

「『人間』……」

 

「はぁん、天下の龍神様を口で黙らせるか。本当に面白れぇな、岸波はよ」

 

アザゼル先生、少しお黙りください。

 

「我、帰る」

 

そう言うと、踵を返すオーフィスちゃん。

 

「また話を聞きに来る、レッドゾーン」

 

「ドラゴンのことはドラゴンに、それこそ兵藤一誠とかいう赤龍帝に聞いた方がいいだろ」

 

「イッセー……覚えた」

 

そう言うと、一瞬で姿をどこかに消してしまったオーフィスちゃん。よく分からん子だった。

 

「さて、俺達も帰るか」

 

そう言うヴァーリは既にどこかへとつながっている空間の穴に入ろうとしていた。

 

「また会おう、レッドゾーン」

 

そう言って消えていった。

 

「じゃあな、レッドゾーン」

 

孫悟空も帰っていく。

 

そんな中、一人前に出てくる。

 

「私はアーサー。アーサー・ペンドラゴンの末裔にして、聖王剣の所持者です。お見知り置きを」

 

アーサーさんとやらも挨拶を済ませて穴へと消えていった。

 

さて、やることも終わった。帰ろう。帰るとしよう。いつもの、何でもない日常に帰ろう。俺達の居場所に!

 

「帰ろうか、皆」

 

 

 





この主人公、マジで敵と認識したら基本的に容赦しないタイプなので、騎士道や武士道を謳ったりせずに息の根を止めに行きます。あれです、『街中に出た人食い熊を撃つ猟師』って奴です。そもそもアザゼル先生に『やれ』って言われているので歯止めなんてないもんです。
そのくせして油断はします。

諸事情によりこの作品の全データが吹っ飛んで継続投稿のやる気も吹っ飛んだうp主です。HSD×Dから逃げるのも癪なせいか、リブートも本格的に視野に入って来た次第です。心機一転のリブートをするか、それともこの作品を意地でも続けるかアンケートと取りたいです。因みに、リブート後だと主人公の眷属は完全ハーレムでない方がやりやすそうなので、完全ハーレムでなくなります。とりあえず12章は意地でも書ききります。

  • 無理スンナ。リブートしたらしたで読むで
  • 逃げるな卑怯者(炭治郎並感)
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