ハイスクールD×D×R~禁断の使徒が頑張るRe:ライフ~ 作:ブラッキオ
イッセーside
さて、俺達は無事に二日目の朝を迎えた。今はと言うと……
「いくぞ、野郎ども!」
「「「おぉー!!」」」
桐生の先導で清水寺に行くところだ。
今回だが、朝の鍛錬中にゼノヴィアが木場から短剣型聖剣を貰っているというのもあって、先日よりも戦力が整っている。
バスの一日乗車券を買って、京都駅前から清水寺までかっ飛ばす。
清水寺まで着けば、皆ハイテンション。教会3人組も『異教万歳』となっている。
桐生に促されてゼノヴィアと恋愛御籤もやってみた。大吉だった。何つーか、所詮くじ引きと言えど、嬉しいもんだな。隣にいたゼノヴィアも嬉しそうだったし、嫌われてないようでよかった。アーシアの生暖かい目がちょっとかゆかった。
清水寺を見終えたら次は銀閣だ。慈照寺って奴だな。
京都の秋の風景は実に美しいもんだ。こんなきれいな風景を生で見られるなんて修学旅行様様だな。
お次は金閣。銀閣が銀じゃないことにショックを受けていたゼノヴィアは今度こそ金に染まっているそれを見てテンションが爆アガリだった。俺もテレビで見たことがあるって程度だったから、その輝きに圧倒されている。
その後茶屋に入ったが、ゼノヴィアの目の輝きは失われることがなかった。お前、そんなに銀閣のことがショックだったのかよ……。
とりあえずのんびりしよう。そう思った時だった。周りの皆が、倒れこむように寝ている。いや、皆じゃない、裏に関係ある奴らだけは寝ていない。
周りの店員には獣の耳が生えている。なるほど、俺達を敵と誤解しているのかな?いやぁ、どうしよう。こういう時ってどうすればいいの?相手も相手で事情があるようだし、拳で語り合うにも心が痛む。何より、問題行動は起こしたくない。
そんな時に声がした。
「待ってください」
声のする方にいたのはロスヴァイセさんだった。
「皆さん。停戦です。九尾のご息女が皆に先日のことで謝りたいと言ってます」
九尾の娘……もしかして、昨日の?!
疑問に思っていると、獣耳のお姉さんがこちらに来て、深く頭を下げる。
「私は九尾の君に使える狐の妖。先日は急な訪問、申し訳ございませんでした。我らが姫君もあなた方に謝罪をしたいと申しております。どうか私達に着いてきてください」
「着いてきてって、どこに?」
そう訊くとお姉さんは答えた。
「我ら京の妖怪の住まう裏の都です。魔王様と堕天使総督殿も先にそちらにいらっしゃっております」
――
俺達はお姉さんに案内されて、古い家屋の立ち並ぶ場所を歩いていた。
金閣の人気のない所にあった鳥居をくぐるとそこは文字通りの異界。薄暗くて光源がぽつぽつとある灯くらいの場所。周りには昔図鑑で見た妖怪がいっぱいいる。
「こいつらが父さんを殴り飛ばしたって奴ら?」
提灯がお姉さんに語り掛ける。
「岸波殿の後輩にあたる人たちです」
「そう」
先輩、あんた妖怪にまで通じてたんだな……。いや、薄々そんな気はしてたよ。昨日の話を聞いて『もしかして』なんて思っていたけどさ。あー、何というか……マジかぁ……。
「頼光の後輩?」
「あの頼光の生まれ変わりのか?」
「ああ、恐ろしや」
「頼光の後輩が龍とはな」
先輩が何したのか大体想像がつくのが困る。この妖怪たち、本気で挑んで本気でぶん殴られたんだろうな。
「イッセー、さっきから妖怪たちの言う『ヨリミツ』というのは何者だ?」
ゼノヴィアが聞いてきた。そっか、その辺りは分かんないよな。
「1000年近く前にいた英雄で、妖怪を倒しまくった人。まぁ、お前的に分かりやすく言うなら、『日本史上最強の悪魔祓い兼侍』って感じだ」
「なるほどな。確かにそれなら岸波先輩がそう言われるのも納得だ」
納得するんかい!……いや、まぁ、気持ちは分かるけどさ?
それから道中はこの空間についての説明を受けた。どうやらここはレーティングゲームのそれと似たような技術で作られているんだとか。お姉さんたち妖怪は『裏街』『裏京都』なんて呼んでいるそうだ。
家屋の並びを超えて、林を超えるとそこには大きな鳥居が。奥には古さと威厳のある大きな屋敷がある。
鳥居の先にはアザゼル先生とレヴィアタン様がいた。
「お、ようやくお出ましだ」
「やっほー☆」
二人の間には昨日会った金髪の女の子がいる。この子が九尾の娘さんってことだよな?
昨日のような巫女装束ではなく、豪華な着物を着ている。まさにお姫様だ。
「九重さま、皆様をお連れしました」
狐のお姉さんはそれだけ言うとドロンと炎を出して消えてしまった。
お姫様は俺達の方に一歩出てきた。
「私は裏と表の京都に住む妖怪を束ねる九尾の者、八坂の娘である九重と申す」
自己紹介をすると深く頭を下げてきた。
「先日は急な押し掛け、申し訳なかった。お主たちにも事情があるだろうに。どうか許してほしい」
……どうしよ。俺は思わず教会トリオの顔を見る。皆も困っている様子。
「あー、ごめん。俺達さ、別に困っているわけじゃないから。だからさ、謝罪は大丈夫だよ?顔を上げて?」
「そうか。お主らの気遣い。痛み入る」
そう言うと、顔を上げる九重。昨日はよく分からなかったけど、今なら分かる。その顔は、少し疲れがあるようだった。
「端的に申す。この度だが、母上を取り戻すために力を貸してほしい」
それは、小さな女の子の悲痛な叫びであった。
――
話はこうだ。
先日、京都の妖怪のボスである『八坂』は須弥山の帝釈天の使者と会談するためにこの屋敷を数日前に出た。ところが、その会談の席に八坂さんは姿を現さなかった。
不審に思った妖怪サイドが調べると八坂さんを警護していた烏天狗の一人が瀕死の状態だった。彼のその死の間際、八坂さんが何者かに襲われて攫われたとのことを告げる。
京都の怪しい連中を探しまわったがどうしても見つからない。恥を忍んで外の人にも助けを求めても答えは芳しくない。
そんな時に、ふと頭によぎった男がいた。それは去年、自分達を簡単になぎ倒した化け物人間がいたことを。彼は底抜けに優しい。うまく頼めば力を貸してくれるかもしれない。利用するようで申し訳ない気持ちだったが、今の彼女達にはそれしか方法が無かった。
その男の名前は『岸波大地』。そう、あのマジモンの英雄だ。
そうしてあの人のことを探っているうちに、俺達が京都に襲来。制服から俺達があの人と関与する人物だと思い、昨日接触してきたとのこと。
その後はレヴィアタン様とアザゼル先生が交渉し、冥界側に関与がないことと手口から
「もしかして、ロキパターンっすか?」
俺が思ったことを言うと、アザゼル先生が黙って肯定した。今は屋敷に上がらせてもらっている。九重は上座に座っている。
先生は実に不機嫌そうだった。きっと腸は表情以上に煮えくり返っているだろう。
九重の両脇に先ほどの狐のお姉さんと山伏姿で鼻の長いおじいさん。おじいさんは天狗の長で、古くから九尾の一族と親交が深く、今回のことも八坂さんと九重の二人を心底心配している様子だ。
「総督殿、魔王殿。どうにか八坂姫を助けることはかなわんか?我らならいくらでも力を……」
天狗のじいさんがそう言うと九重が彼を止める。
「よい。それは私の言うことだ」
「し、しかし……」
「お兄様も言っていた。いつか母上がいなくなる時が来る。その時は私が御旗となって皆の前に立って導かねばならない、とな。今がその時じゃ」
「姫様……」
そう言う九重の目は強いものだった。
「その年にしては肝が据わっているな。将の何たるかを叩き込まれているんだな」
「ああ、お兄様には感謝しきれない」
九重がそう断じる。俺なんかよりよっぽどしっかりしているな。
「それにしても兄か。岸波もお前達に随分気に入られたんだな」
「そうじゃ。お兄様からは『意地の張り所』というものを教わった」
あの人、お兄様なんて言われてるのか。ちょっと羨ましい。
「なるほどな、あいつに聞かないといけないことが増えたな。……とにかくだ、今は八坂姫を探すことを専念だ。彼女は間違いなくまだ京都にいる」
アザゼル先生がそう言う。
「どうしてそう思うんすか?」
「京都全域の気が乱れていないからだ。詳細は省くが、八坂姫がいなくなるか、殺されると京都に異変が起こる。それがないんだよ。予兆すらない。ってことはまだ京都のどこかにいるってことだ」
そうか、なら希望は見える。
「セラフォルー、人員は?」
「出せる限りは出してるよ。ただ、それでも足りないくらい」
「だよなぁ……。マジであいつ呼ぶか?どうやら、この裏では英雄派連中がいそうだしよ」
あいつ。十中八九岸波先輩のことだろう。確かにそれで事が済むならそれがいい。でも、それじゃあダメだ。先輩に『俺達で頑張る』と言った手前でいきなり頼るのはいくら何でも恥知らずすぎる。
てか、英雄派か。マジで先輩の言う通りになってきたな。
「とにかくだ、お前らにも動いてもらうことになる。特にお前らは強者と戦い慣れているし、何よりテロリストの相手をした経験が違うからな。悪いが、最悪の事態を想定しておけ。木場とシトリー眷属には俺から伝える。それまでは旅行を満喫しろ。頼んだぞ」
『はい!』
返事をする俺達。俺はちょっと聞きたいことがあったのでこの際聞くことにする。
「九重、一ついいか?」
「なんじゃ?」
「俺達が岸波先輩に関係しているってのは、多分制服から分かったからだと思う。けど、そもそも何がどうして先輩とつながったの?」
そう言うと、彼女は語る先輩の武勇伝を嬉々として語った。
「岸波大地は、お兄様はまさに英雄じゃ」
はい、その人は間違いなく英雄です。
「去年じゃったな、私が母上と喧嘩して町を歩いていた時に女を侍らせていた男がいたのじゃ」
うーん、先輩。先輩っぽい。クラスメイトの女子と一緒にいるなんてな。うらやましいぜ。桐生?うん……色々あるよね?
「いつもなら気にも留めないのじゃが、その時は何故か男に、お兄様に惹かれたのじゃ。それから町を歩いている時に私が攫われていると勘違いした皆がお兄様に襲い掛かったのじゃが、皆コテンパンに返り討ちにされての!」
※世界を滅ぼせる二天龍を瞬殺した男です。
「あの時のお兄様は実にかっこよかった!何故だか胸の内が熱くなっての!」
先輩のたらしは、種族も年齢も超える。(標語)
「母上も大層お兄様のことを気に入っての!ただ、少々近すぎるというかあの目は獲物を狙うような目に思えたが……」
あの人、子持ちも射程圏内かよぉ!!
「母上とも仲直りさせてくれたお兄様はまさしく今を生きる英雄なのじゃ!しかも話を聞けばお兄様はレッドゾーンじゃと!だからこそ、我々だけではどうにもならないこの状況をどうにかするために、力を貸してほしかったのじゃ!なのじゃが……」
随分長い武勇伝語りを聞いていたが、最後の方になると、段々しょぼくれていく九音ちゃん。どうしたんだ?
そう思っているとアザゼル先生が答える。
「『あいつの力を借りるのは難しい』ってセラフォルーと俺から言われたんだ」
「先生?いくらなんでもそんな言い方はないじゃないんすか?」
俺がそう言うとアザゼル先生は呆れるように言う。
「考えても見ろ。話を聞けば、こいつは岸波の知人。つまり『守りたい者』の一人だ。しかも『女』で『子供』ときた。あいつがぶちぎれる姿は容易に想像できる。しかも相手は容赦のいらない『禍の団』連中。その上で聞く。お前はあいつの『本気の怒り』をこの京都に再臨させたいか?」
『本気の怒り』。つまり、アーシアの時のあれ。文字通りの神の裁き。火の七日間。……。
「ダメっすね」
「だろ?そう言うことだ。リアス達にも連絡はしてない。無用な混乱を起こすからな。……さて、ここまではさっき言ったことだ。狐のお嬢さん。ここからはおっさんの独り言だ」
「?」
アザゼル先生の言葉に九重が不思議そうな表情をする。
「もし、俺達が限界を迎えたとして助けが欲しくなった場合……いや、もしかしたらあいつ自身がこっちの危機を察知した場合だが……もしかしたらイレギュラーは起こるかもしれん」
「それはもしや!?」
「だから言ったろ。おっさんの独り言だって。所詮は世迷言だ。……ったく、本当に頼むから世迷言のままであってくれよ」
アザゼル先生が憎々し気に言う。
「すまない、皆。どうか……どうかお願いします……」
九重はそう言うと頭を下げる。
「どうか、母上を……母上を助けるのに力を貸してください……」
瞬間、俺の拳に力がこもる。何でだろう、いつにもなく怒りが俺の心に湧きあがる。
「……せねぇ……」
「イッセーさん?」
「許せねぇ……!こんな小さな子供を悲しませるなんて……!」
――「おい、相棒。キレるのはいいが、落ち着け」
ああ、すまん。俺としたことが、頭に血が上ってた。皆も驚いていた後に笑った。
見れば九重も少し驚いている。
「赤龍帝はまるでお兄様みたいじゃの」
「俺がぁ?」
最近よく聞くフレーズだ。まさか、ここでも聞くことになるとはな。
「いい線いってるぜ、九重。こいつは岸波に特段可愛がられている後輩だ。それに後ろの金髪のはあいつの御使い……つまり直属の部下だ。残りの二人もそうだが、それ以上にこの二人は岸波からは『正しい怒り』を叩き込まれている。安心しろ。絶対にどうにかなる」
やめて先生!ハードルをこれ以上上げられると困るんです!俺の胃に穴が開いちゃう!この歳で胃カメラを飲まなきゃいけなくなっちゃう!
「そうか……!ありがとう……!ありがとう……!」
そう言うと涙を流し出す九重。
先輩、俺、やりますよ。目の前で泣いている女の子の涙を止められなくて何がヒーローだ。
イッセーside out
自分で書いておいてなんですし、原作でも似たような感じですが、幼い子供にこれを言わせるような英雄派に慈悲はいらんでしょ(無慈悲)
諸事情によりこの作品の全データが吹っ飛んで継続投稿のやる気も吹っ飛んだうp主です。HSD×Dから逃げるのも癪なせいか、リブートも本格的に視野に入って来た次第です。心機一転のリブートをするか、それともこの作品を意地でも続けるかアンケートと取りたいです。因みに、リブート後だと主人公の眷属は完全ハーレムでない方がやりやすそうなので、完全ハーレムでなくなります。とりあえず12章は意地でも書ききります。
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無理スンナ。リブートしたらしたで読むで
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逃げるな卑怯者(炭治郎並感)