ハイスクールD×D×R~禁断の使徒が頑張るRe:ライフ~ 作:ブラッキオ
と言うことで彼らが来ました。
イッセーside
ああ、
正直このタイミングで、とは予想してなかった。いや、九重が一人のこの状態だからこそ奴らは仕掛けたのだろうな。
周囲の確認をすると、俺とゼノヴィア、イリナとアーシア、九重、そして少し離れた所に木場がいた。いや俺達『だけ』がここにいた。周りにあんだけいた観光客がいないのだ。
俺達の足元には霧が立ち込めている。それを見て、アーシアが驚いた。
「これは……!?」
「知っているのか、アーシア?」
「はい、ゼノヴィア。この感じ、間違いありません。私がディオドラさんに捕まった時に、神殿の奥で私はこの霧に包まれたんです。そしてあの装置に囚われました」
つまり、あの野郎の時の主犯格がお出ましだっちってことか。
「
木場が俺達の方に近寄りながらそう言う。
「アザゼル先生が言うには、神滅具の一つだったはずだよ。ディオドラ・アスタロトもあれだけ堂々と言っていたんだ。おそらくだけど、これが……」
木場がしゃがみ、霧に触れる。神滅具。俺やヴァーリの持つ二天龍のものと同格のそれが今、ここで展開されている。
「お前ら、無事か?頭数は減ってないようだが」
空から声がする。見上げるとアザゼル先生がそこにはいた。俺達のいる所に降りてくる。
「俺達以外の存在、つまり裏のことを知らない連中は皆この周辺から消えている。俺達だけが別空間に強制転移させられたイメージだな。この様子だと渡月橋の辺りと同じ風景をトレースしたか?」
アザゼル先生が髭をさすりながらそう分析する。
「先生、ロスヴァイセさんは?」
俺がそう訊くとアザゼル先生が困ったようにした。
「あいつは店で酔いつぶれている。まぁ、あの状態で合流されてもお荷物だしな。強固な結界を張って、そこに閉じ込める形にしてある」
なるほどね。確かにあんな状態で来られても迷惑というか何と言うか。
「そういうことっすか。……先生、ここを形作っているのは、悪魔の作るゲームフィールドの空間のそれと同じですか?」
俺が質問するとアザゼル先生が答える。
「ああ、だろうな。三大勢力の技術は当の昔に外に流れている。これはゲームのものを応用したんだろうよ。で、霧の力で転移させたってわけだ。『絶霧』の霧は包み込んだものを他の場所に転移させる力を持つ。……ほとんどアクションも起こさずにお前らや俺を転移させたとはな。全く、面倒だ」
アザゼル先生が苛立ちながらそう言う。
「……亡くなった母上の護衛が死ぬ間際に言っていた。気づいた時には霧の中だった、と」
「……そうか。つらい思いをさせちまったな、九重」
「いいのじゃ。それに、こうなったということは、近くに下手人がおるということ」
強い。九重が余りに強すぎる。きっと怖いだろうし、悔しいだろう。色んな感情が混ざり合っているってのに、ぐっとこらえている。俺も見習わないといけないな。
「先生」
「ああ、まさかここまで『あいつ』の勘が当たるなんてな……。いるんだろ!」
俺達は渡月橋の方を向く。複数の気配が大きくなり、薄い霧の中から人影がいくつも出てきた。
「はじめまして、アザゼル総督。そして赤龍帝」
あいさつを寄こしたのは学生服を着た黒髪の男。上から漢服を羽織っている。手に持つ槍は、不気味なオーラを感じる。奴の周囲には似たような服装の男女が複数人いる。全員若い。俺と大して年齢が変わんないんじゃないか?
「一応聞いておく。お前が噂に名高い英雄派を仕切っているとかいう男か?」
先生がそう訊くと、男は答えた。
「曹操と名乗っている。三国志で有名な曹操の子孫。一応ね」
奴は自分達が英雄派であることを否定しなかった。つまり、だ……。
「おい、イッセー。『まだ』だ」
「分かってます」
間違いなく、俺と先生の思っていることは同じことだろう。だからこそ、『まだ』なんだ。
「……全員気をつけろ。奴の槍は最強の神滅具
先生の言葉に俺以外の皆がひどく狼狽した。特に教会トリオと木場は信じられないものを見ているようだ。
「あれが……セラフの方々が恐れている……!」
「イエスを貫いた槍。イエスの血で濡れた槍。まさかこんな所で見えることになるとはな……っ!」
イリナは口元を震わせ、ゼノヴィアは怒りを込めながら続けた。
「そんな……そんなことが……」
アーシアは悲しみに満ちた瞳をしていた。そうだろう。彼女の信じたものの頂点に立つ聖遺物。それが英雄派の手に渡っているのだから。
「三人は気をつけろ。あれは信心深い奴が見ていると心を持っていかれる」
アザゼル先生がそう警告する。そんな危険物が、あいつらの手に……!
そんな時、九重が憤怒に満ちた表情と声で曹操に叫んだ。
「貴様、一つ訊く!母上を攫ったのは、貴様らか!」
「左様で」
こいつ、クソムカつく……っ!九重がどれだけ悲しんでいると……っ!
「母上をどうするつもりじゃ!」
「我々の実験に付き合ってもらっているだけです」
「実験じゃと?貴様ら、何を考えている!」
「スポンサーの要望を叶えるのも楽じゃない、というのが表向きと言った所でしょうかな」
それを聞き、九重は激怒する。だが、必死に耐えている。自分の怒りに振り回されないように必死に耐えている。
こいつら、子供の思いも平気で踏みにじれるってわけか。腐れ外道どもめ……!
「スポンサー。オーフィスか。あいつあんだけ岸波に興味を持ったって言うのに……ったく。それにしたって随分急な来客だな。訪問販売は受け付けてないぞ」
「おや怖い。こちらもこちらで隠れる必要がなくなったので実験の前に挨拶にきたんですよ。それと共に、手合わせ願おうかと思ってね」
やっべー、我慢できない。こいつらの馬鹿さ加減が天も次元も突破してやがる!
そんな時だった。アザゼル先生が肩を震わせだした。
「アザゼル先生?」
「悪い、イッセー。俺が限界だ」
ああ、なるほどね。そう言うことでしたか。
「……それじゃあ『せーの』でいきましょう」
「いいだろう」
「「せーの」」
俺達は息を合わせる。そして……
「だーはっはっはっはっ!」
「ひーっ!ひーっ!」
大爆笑した。もうひたすらに笑った。それにつられてか俺達が笑う意味を理解したのかゼノヴィアと木場もクスクス笑い出した。イリナと九重はよく分かっていないようだし、アーシアは空気を読みすぎてあたふたしだした。
「……何がおかしいのですか、総督殿?」
おっ、ちょっとイラついていやがるな。でもね、お前らの馬鹿さ加減を見たら誰だって笑うよ。
「あー、面白れぇ。まさか『本物の英雄』の言っていたことがこんなにも完璧に当たるなんてな」
「ひーっ!ここまで間抜けか!」
いやね、ここまで的中しすぎていたらさ、困惑とかそう言うの超えてもう笑うしかないだろ。
「本物の英雄?……っ!?まさか!」
「ああ、言っておくがこっちは喋らねぇぞ?何でてめぇらにわざわざ話してやらにゃならんのだ」
アザゼル先生が過去最高に相手を馬鹿にした目で見下す。うんうん、いいぞもっとやれ!
「……まぁ、いいでしょう。レオナルド、悪魔用のアンチモンスターを頼む」
流石に背筋が凍るような感覚がしたので笑うのはここまで。
大量のモンスターがずらりと並ぶ。なるほど、神器の力か。
「
笑うのをやめた先生がぼそりと呟く。メーカー、つまり創造する。木場の
「ご明察。その子が持つ神器は『神滅具』の一つ。俺が持つ『黄昏の聖槍』とは別の意味で危険視され続けた、最悪の神器だ」
こ、こいつも神滅具!?なんだよ、それ。まるで神滅具のバーゲンセールじゃねぇか。
――「相棒、お前が言うな」
うっす、ドライグさん。
一応やっていたカウントも終わったのでサクッと禁手化。俺の全身を鎧が覆う。
「先生、俺、京都には神滅具の見本市に来たわけじゃないんすけど……?」
「そう言ってやるな。あっちもあっちで必死なんだよ」
「そうっすね」
「ああ、一応言っておくが、あれは文字通りどんな魔獣でも作れる。自分の想像力でどこまでも強いバケモンを生み出せるのさ。だから危険なんだ。しかもそんなバケモンを何百という規模で生み出せるんだからな。しっかし、上位クラスにして神器システムのバグとか言われてる神滅具連中を揃いに揃えやがって。そう言うのは嫌でも目立つから俺達が監視してたってのによ」
そういや、俺も『お前の神器、ヤバい。死ね』→『やっぱただのポンコツだったわ』→『これ、神滅具じゃねぇか!』って流れだったしな。そういうこともあるんだろう。
「先生、どうしますか?もう直接本体叩きます?小さい子供を叩くのは気が引けますけど」
俺がそう訊くと先生は答えてくれた。
「そうだな。本人が強いパターンもあるだろうが、神器の方ほどじゃない。それに、『魔獣造』の現所有者がまだ成長段階ってのもあるだろうな。もしフェンリル級にヤバいのを生み出せていたら、とっくの昔に冥界になり、天界になり送り込まれているだろうしな」
先生の言葉を聞いて苦笑いする曹操。勝手な考えかもしれないが、あいつ、相当混乱しているようだ。やっぱり『本物の英雄』ってのに全部見抜かれていたってのがかなり効いたんだろうな。ざまーないぜ!
「おやおや、何となくだが『魔獣造』を把握された感があるな。その通りですよ、堕天使総督殿。この子はまだ未熟。そこまでの生産力と想像力はない。ただ、一つの方面に非常に優れていましてね」
そう言うとモンスターの口からビームが発せられる。刹那、お店が爆発を起こし、ぶっ飛んだ。
「光の攻撃……!?こいつは、中級天使くらいか!」
「相手の弱点をつく魔物、アンチモンスターの生産に特化しているのですよ」
それを聞くと先生は叫んだ。
「曹操!てめぇ、各陣営の主要機関に刺客を送り込んだのは俺達のアンチモンスターを生み出すためのデータも揃えるためか!」
「半分は、ね。送り込んだ神器所有者と共に黒い兵隊もいただろう?あれはこの子が作った魔物だ。あれを通じて各陣営、悪魔、天使、堕天使、ドラゴン、各神話の神々の攻撃をあえて受け続けた。雑魚一層の為に強力すぎる攻撃も受けたが、おかげでこの子の神器にとって有意義なデータを集められたよ」
余裕綽々に答える曹操。待って、それじゃあこいつらは俺らへのガンメタであって……
旅行前にて
俺『メタ張られたらどうしようもなくないですか?』(KGM社長並感)
う、うわぁああああ!!どうしよう、先輩案件に体半分突っ込んじゃったじゃん!?
うわぁああああ!!
――「お、落ち着け相棒!まだ万策尽きたわけじゃないだろ!」
そ、そうだな。それもそうだ。ありがとう、ドライグさん。
「だが、神殺しだけは作れていないようだな」
俺が未曾有の危機にパニックを起こしていると、アザゼル先生がそう言う。え、神殺し?
「……理由を聞こうか」
「やれるならとっくにやっている。こうして俺達に差し向けてくるくらいにはな。各陣営を片っ端から攻撃したお前らがやらないわけがない。それに、各神話の神が死んだら世界に影響が出るだろう。……俺達のような存在への弱点特効モンスターは生み出せてもまだ神殺しは生み出せない。それだけでも収穫だ」
あ、なーるほどね。アンチ神モンスターはいないってことか。要するに量産されたフェンリルがいないってだけでも各陣営にある程度の戦力情報をもたらせるってわけだ。
曹操は若干苛立ったような顔をして槍の切っ先をこちらに向ける。
「『彼』が俺達のことを見抜いたところでここにいなければ問題ない。何より、来たところで返り討ちにするだけさ」
や、やめろぉ!世間ではそれをフラグって言うんだ!本当に来ちゃうだろうがよ!
よし、フラグをへし折るためにもこいつらは潰さないと!
「神はこの槍で充分さ。さ、戦闘だ。始めよう」
曹操がそう言うとモンスターたちが叫び出し、前進してきた。
「さて、いくぜ皆。イリナ、アーシアは一緒に後方で俺達の援護を頼む。俺達が前線を作る。ゼノヴィア、『こいつ』を渡すぜ!」
「ああ、ありがとう。木場、もう一本作ってくれるか?」
俺はゼノヴィアにアスカロンを渡す。どうやらゼノヴィアさんは欲張りなようで、もう一本所望らしい。木場もそれに応えて、剣を作って渡した。
さて、ここからが本番だ。
イッセーside out
諸事情によりこの作品の全データが吹っ飛んで継続投稿のやる気も吹っ飛んだうp主です。HSD×Dから逃げるのも癪なせいか、リブートも本格的に視野に入って来た次第です。心機一転のリブートをするか、それともこの作品を意地でも続けるかアンケートと取りたいです。因みに、リブート後だと主人公の眷属は完全ハーレムでない方がやりやすそうなので、完全ハーレムでなくなります。とりあえず12章は意地でも書ききります。
-
無理スンナ。リブートしたらしたで読むで
-
逃げるな卑怯者(炭治郎並感)