ハイスクールD×D×R~禁断の使徒が頑張るRe:ライフ~   作:ブラッキオ

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第97話 二条城、突撃

 

イッセーside

 

線路に沿って飛び、アンチモンスターを蹴散らしながら着いたのは二条城前駅のホーム。俺は九重を連れて外に出た。

 

二条城の東大手門へと行くと、他のメンバーが皆集まっていた。

 

「おげぇええ……」

 

……一人無事じゃなさそうな人がいるのはもう気にしないでおこう。

 

「わりぃ、待たせた」

 

「イッセー君。無事で何よりだよ」

 

「おぇえええ……」

 

そうだね、俺は無事だよ、うん……

 

皆を見るとケガもしてないようだ。皆無事で良かった。一応フェニックスの涙も俺と木場が一つずつ持ってはいる。が、数には限りがある以上、無駄遣いはしたくない。

 

俺達が合流すると、門が鈍い音を立てながら開いた。俺達は思わず苦笑した。

 

「随分な演出だな、舐めてんのか」

 

「あちらも随分待ってたんだよ、きっとね」

 

木場とそう言い合う。ったく、馬鹿にしやがって。ゲームのつもりなら家でやってろ。

 

俺達は二条城へと入っていった。木場が言うには、『刺客が、曹操は本丸御殿にいる、と言っていた』とのこと。正直、乗気はしないけど、それしか情報がない以上、それに乗るしかない。

 

櫓門を越えるとそこには古い日本家屋の立ち並ぶ場所。きれいに整備された庭園付きだ。

 

警戒する俺達に声がかけられた。

 

禁手(バランス・ブレイカー)使いの刺客を全滅、か。俺達の中でも下位だろうと中堅だろうと禁手使いには変わりない。だというのにこの始末。君達はまさしく脅威だ」

 

曹操の野郎が庭園にいた。建物の陰から英雄派の連中が出てきた。

 

「は、母上!」

 

九重がそう叫ぶ。彼女の視線の先には着物姿の美人がいた。狐耳と狐の尻尾もある。九尾の御大将と見て間違いないだろう。

 

だが、その御大将は九重の声を聴いても反応しない。無表情だ。

 

「おのれ、貴様ら……!母上に何をした……!」

 

九重が静かに吼えると曹操は笑顔で槍の石突を地面に叩く。すると、九尾の御大将が苦悶の絶叫を上げながら様子が激変していく。

 

「言ったでしょう?『実験に付き合ってもらう』ってね」

 

御大将の体が光り輝き、姿を変貌させ、デカくなっていく。

 

気が付けば、俺達の眼前に現れたのは、バカでかい九尾のバケモンだった。

 

デカい。フェンリルくらいはあるんじゃないかってくらいにデカい。何なら、尻尾もあってフェンリルよりデカく見える。これが、伝説の妖怪……!

 

「曹操、てめぇ何しようってんだ!」

 

俺がそう問い詰めると奴は答えた。

 

「京都はその存在自体が強力な気脈で包まれた大規模な術式発生装置。名所と呼ばれる場所は霊力、妖力、魔力に富んでいる。この都市を古き陰陽師がそうしたからな。それ故に様々なものを呼び寄せる結果になったのだが。この疑似空間は京都から限りなく近く、同時に遠い次元の狭間に存在し、気脈のパワーも流れ込んでいる。そして九尾の狐は龍王クラスの力を持つ大妖怪だ。だからこそ、意味があった」

 

「何を言ってやがる!」

 

「グレートレッドを呼び出すんだよ。本来なら複数の龍王を使う方が効率がいいんだが、龍王の拉致など神仏でも難儀する。だから、都市と九尾の力で代用したのさ」

 

……はぁ?グレートレッドぉ?

 

――「相棒、グレートレッドについては説明したはずだぞ?」

 

ああ、知ってる。覚えてるよ。だからこそ、こいつの考えが分からん。

 

「何だよ、お前もヴァーリと同じか?」

 

「いいや、違う。俺達のボスの望みだ」

 

そういや、アザゼル先生がオーフィスの狙いについてそんなことを言ってたな。

 

「それに、グレートレッドは元々情報が少ない。調査の意味もあっていいだろう?それに、『龍喰者』(ドラゴンイーター)がどれだけ通じるかも知っておきたいしな。まぁ、どちらにせよ、実験だよ」

 

ドライグさん、ドラゴンイーターってなんだ?

 

――「ドラゴンの天敵だ。長くなるから今はやめておけ」

 

オッケー。

 

「要するに、てめぇっつー馬鹿をぶっ飛ばせば全部解決ってことだろ?なんだ、思ったより単純じゃねぇか」

 

俺はいつでも倍加出来る構えを取る。ゼノヴィアも剣を抜いた。激しい音を立てながら、聖なるオーラを噴き出すデュランダル。

 

「それもそうだな。貴様たちの思想や大義が底知れないものだろうが、ここで屠るのが正解だろう」

 

「それもそうね」

 

イリナも光の剣を作る。

 

「ったく、グレモリー眷属に関わると碌なことにならないな。……それも、ダチと学園のためならしゃーない」

 

匙の腕に蛇が巻き付き、足元から大蛇も現れた。匙の傍らに大蛇が居座ると、匙の左目が赤くなる。

 

このプレッシャー、冥界で戦った時とは比べ物にならないな。お前も強くなったってわけだ。

 

「ヴリトラ、力を貸せ」

 

――「その前に一つ」

 

「え、何?」

 

ヴリトラと思しき低い声が匙の出鼻をくじく。

 

――「おい、ドライグ」

 

――「何だ、ヴリトラ」

 

――「我が分身の先輩にあたる岸波大地。あれがレッドゾーンとは本当か?あれだけこいつが呪いを送っていた奴がお前を屠った者なのか?」

 

ヴリトラがそう訊くとドライグがボソッと『そうだよ』と答える。すると、ヴリトラの様子がおかしくなっていった。

 

「お、おい、ヴリトラ?」

 

――「なるほどな。この世はげに恐ろしき、だ。まさか、近々我が分身が消えることになるとはな。折角自我を取り戻したというのに」

 

「え?何言って……」

 

――「いや、だってあんだけ呪っておきながら何もされないと思っているとか、流石の我もどうかと思うぞ?」

 

ヴリトラがそう言うと、匙が俺の肩を掴んで叫ぶ。

 

「兵藤!何かあったら一緒に死んでくれ!」

 

「やだよ!お前の責任に巻き込むな!」

 

――「お前も災難だな、ヴリトラ」

 

――「案ずるな。いくらインドラでも手を焼く貴様を瞬殺したレッドゾーンとて、我の魂までは消せん。……だよな?」

 

匙の不当な懇願に困っているとゼノヴィアがデュランダルのオーラを全開で噴き出していた。

 

ぶっといしデカい。15mはあるんじゃないかってくらいの刀身を生み出していた。

 

あれってアスカロンを渡した時のそれじゃないか?もしかして、単品でも出来るようになったとか?いや、そんなんじゃない。そんなのと比じゃない程にデカい。それに、攻撃的なオーラをまき散らしてもいない。制御が出来ているってことだ。

 

「初手だ、喰らっておけ」

 

ゼノヴィアがそう言い放つと英雄派の連中に向けてデュランダルを振り下ろした。

 

その一撃は本丸御殿の家屋を吹き飛ばしながら、オーラで前方の物を飲み込んでいく。

 

うーん、馬鹿!

 

「ふー」

 

ゼノヴィアさん、呑気に肩で息をして、額の汗を拭っているよ。デュランダルは鞘に戻っている。初手から随分飛ばしすぎだよ、ゼノヴィア。まぁ、周りを見渡すと英雄派の連中は吹き飛んだから結果オーライかもしれないけどさ……

 

「次は手加減しろよ、ゼノヴィア」

 

「いや、あれでも手加減したんだぞ?」

 

俺がゼノヴィアを諫めると衝撃の真実が飛び出した。ゼノヴィアによれば、『本気だとこの辺り一帯が吹き飛ぶ』とのこと。うん、馬鹿!もうやるな!

 

しかも、イリナも説明に加わった。何と新生デュランダルはエクスカリバーと合体したんだと。エクスカリバーがデュランダルの受け皿になり、同時に聖剣同士がお互いを高め合うことになったとか。だからあの威力なのか。

 

そんなデュランダルを『エクス・デュランダル』と名付けていた。まぁ、お前らがそれでいいならいいよ……

 

さて、と。

 

「おい、出てこいよ」

 

俺は英雄派の連中がいた方に声をかける。何もなくなった建物の跡地から英雄派が生えてくる。

 

だろうな。この程度でやられるとは思ってない。

 

「これはいい。実にいい」

 

曹操は顎に手をやりながら笑う。

 

「君達、上級悪魔の中でもトップクラスの連中の眷属と比べても謙遜がない。魔王の妹君は良い眷属をもったものだ。シャルバたちはよくこんな連中を馬鹿に出来たものだ」

 

曹操の言葉に隣にいたジークフリートも苦笑した。

 

「さて、皆ヒートアップしただろうし……さっさと実験を始めよう。ゲオルク!」

 

「了解」

 

曹操の一言に反応した青年が魔方陣を大量に展開する。勉強したとは言え、あんだけ混ぜ物されたらわかんない。

 

だが、分かることはある。ゲオルクと呼ばれた男が魔方陣を展開したら九尾の御大将が苦しみだしたこと。そして、こいつが霧でデュランダルの一撃を防いでいたことから霧使いの張本人だってこと。それくらい推察は出来る。

 

「曹操、自分は手が離せない。彼らを頼めるかい?」

 

そう言うと曹操は承諾したような様子だった。

 

「了解了解。さて、『魔獣造』(アナイアレイション・メーカー)のレオナルドと他の構成員は外の連合軍とバチバチだ。彼らだけでの時間稼ぎも限界がある。しかもその外には堕天使総督、魔王レヴィアタン。セラフのメンバーも来る予定とのこと。……ジャンヌ、ヘラクレス」

 

「はいはい」

 

「おう!」

 

相も変わらず口の軽いことだ。曹操はそう言うと金髪の女の子と筋肉ムキムキの男が出てくる。

 

「彼らはジャンヌ・ダルクとヘラクレスの魂を引き継いだ者達だ。ジークフリート、お前は誰とやる?」

 

曹操の問いにジークフリートは剣の切っ先を木場とゼノヴィアに向ける。

 

「じゃあ、私は天使ちゃんを」

 

「俺は銀髪の姉ちゃんだな。随分具合悪そうだがよ!」

 

どうやらおふざけも終わったようだな。

 

「それじゃあ、俺が赤龍帝か。そっちのヴリトラ君はどうする?」

 

曹操の言葉に匙は炎を強めて反応するが、俺はそれを制止する。

 

「兵藤?」

 

「お前は九尾の御大将を頼む。なんとかあそこから解放させてやってくれ」

 

「……ったく、大怪獣バトルかよ。そう言うのは岸波先輩の方が得意そうだが、まぁやってやるさ。……死ぬなよ、兵藤」

 

「お前もな」

 

そう言い合い、匙は巨大なドラゴンへと姿を変えて九尾の御大将と対峙した。

 

「アーシア、九重を頼んだ」

 

「はい!」

 

「九重、頼んだぞ」

 

「う、うむ……」

 

さて、後方は決まった。俺は九重にサムズアップをし、両翼を生やす。俺の相手は、最強の神滅具を持った男だ。

 

なーんで、俺がこんなことになるのかねぇ。

 

「考えても無駄か。おい、お前ってヴァーリより強いのか?」

 

「さぁ?でも弱くはない。よわっちぃ人間だけどね」

 

「じゃあ、レッドゾーンを超えるなんて妄言は胸の内にしまっておけ。お前らじゃ死んでも勝てない」

 

「ははっ、それを決めるのはこちらだ、グレートドラゴン」

 

こいつは今、二度も俺の逆鱗に触れた。『自分達を『人間』と信じてやまないこと』、『俺のことを『グレートドラゴン』という子供たちの夢の名前で呼んだこと』。もう許さんぞ!

 

静寂、そして匙と九尾の御大将の激突。

 

俺達の戦いが始まった。

 

 

イッセーside out

 

 

 

諸事情によりこの作品の全データが吹っ飛んで継続投稿のやる気も吹っ飛んだうp主です。HSD×Dから逃げるのも癪なせいか、リブートも本格的に視野に入って来た次第です。心機一転のリブートをするか、それともこの作品を意地でも続けるかアンケートと取りたいです。因みに、リブート後だと主人公の眷属は完全ハーレムでない方がやりやすそうなので、完全ハーレムでなくなります。とりあえず12章は意地でも書ききります。

  • 無理スンナ。リブートしたらしたで読むで
  • 逃げるな卑怯者(炭治郎並感)
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