SAOP最新刊を読んだというのが正直なところですが…
強制転移された先は第1層主街区のはじまりの街。それも初ログイン時に一斉に湧く大きな広場のところだった。
周囲を見ると、やはり自分と同じように状況を把握できていない者が大半のようで、戸惑っている雰囲気がこの場を支配している。
その時、空が赤く染まり警告メッセージが広場を覆った。何事かとざわめきが起こるが、警告メッセージの隙間から滴り落ち溜まる赤い液体に大半が口籠ってしまった。
やがて液体は人のような、というかGMが着ている服になるとゆらりと立ち上がった。
この時中身なしのローブが放った言葉は、呑気な僕を、いやこの場にいる1万人のプレイヤーに地獄を示したと言えるだろう。
「プレイヤーの諸君、私の世界へようこそ」
「私の名前は茅場晶彦。今やこの世界をコントロールできる唯一の人間だ」
次の言葉には耳を疑った。ログアウトボタンがない=ログアウト出来ない
瞬間、周囲のざわめきが強まった。あまりの荒唐無稽さから現実だと思っていない者が大半だったからだろう。中にはこの事態の深刻さに気づいた者がいたのも事実だが。
「本来の、仕様…?」
呆然とする僕に茅場晶彦の言葉が降りかかる。
ゲーム内で死ねば現実でも脳が茹で上がって死んでしまうこと、現実でナーヴギアを無理矢理外しても同じことになるということ、
1万人弱のプレイヤーから怒りの声が上がる。ここから出せと、何を考えているんだ、と。
そんな疑問に答えたのか、或いは無視したのか。茅場晶彦は片手を挙げて言い放つ。
「それでは、最後に、諸君にとってこの世界が唯一の現実であるという証拠を見せよう。諸君のアイテムストレージに、私からのプレゼントが用意してある。確認してくれ給え」
そう言われては確認したくなるもの。実際にストレージを開くとそこには…
「手鏡?なにこれ…ってうわっ!?」
シンプルな手鏡を覗きこんだり掲げたりしていたら変な光に包み込まれ、一瞬何かの罠かと驚いたがなんともなかった。はて?と思い周りを見てみると明らかに顔ぶれが違う。それと同時に視点の位置がだいぶ下───というか現実の身長とほぼ同じ───になっていることに気がつき、まさかと思って手鏡を覗いた。
「はっ…はあああっ!?えっ!?なんでっ、現実の僕が…」
周りも似たようなもので、誰だお前はとか、男だったのかよとか。年齢詐称みたいな声も聞こえてきた。
僕は茅場晶彦というこの世界の創造者は、本当に何を考えているんだろうかと思ってしまった。そんなことを考えるより大事なことが起きているというのに。
だが茅場晶彦は意外にも応えてくれた。
「諸君は、今、なぜ、と思っているだろう。なぜ私はーSAO及びナーヴギア開発者の茅場晶彦はこんなことをしたのか?これは大規模なテロなのか?あるいは身代金目的の誘拐事件なのか?と」
「私の目的は、そのどちらでもない。それどころか、今の私は、すでに一切の目的も、理由も持たない。なぜなら......この状況こそが、私にとっての最終的な目的だからだ。この世界を創り出し、観賞するためにのみ私はナーヴギアを、SAOを造った。そして今、全ては達成せしめられた」
「...以上で《ソードアート・オンライン》正式サービスのチュートリアルを終了する。プレイヤー諸君の検討を祈る」
誰かが手鏡を落とし、パーティクル化させたのだろう破砕音とともに泣き叫ぶ。それに感染したかのように混乱が広まった。
「やばい、死なないとはいえ群衆雪崩はごめんだっ…!」
いくら圏内コードがあるとはいえ身動きが取れない+圧死の恐怖感なんてたまったもんじゃない。慌てて北門に走る。
ひたすらに平原を走り、
頭の中には<死んだら終わり>というルールが響き続けている。やるしかないのだ。泣きたいし、はじまりの街から動きたくないという思いはあった。
でも誰かに任せっぱなしというのはなんとなく嫌だし、何より
「トールバーナ…早めに行くしかない、よね」
なんか忘れてる気がするけど。
次メダイの村あたり寄ってアルゴと面識持たせさせたいなぁと
第1層ボス戦まで行けるかな