幼馴染のアーモンドアイが勝負を仕掛けて来た!!   作:グリザイユの牢獄

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デュエプレがめちゃくちゃ楽しいことに気づいた
(それはそれとしてドルマゲドンとメタリカやばすぎね?)


沖野と冬夜

有馬記念の日まで残り数週間前の夜

 

 

場所はトレセンではなく学生に大人気の某サイゼ。そこに2人の男が食事を取っていた。

 

「兄貴…アンタ金欠すぎんか?」

「そりゃあ大人の付き合いがあるんだよ。仕方ないさ」

「いやそもそもバーで酒飲みすぎなんだよ」

「うっ…きついマジレスだぜこれは」

 

 

そこにはミラノ風なドリアを食べてる冬夜とワインをぐいっと飲んでいる沖野の姿だ。元々冬夜は未成年というのがあり、バーや飲み屋には連れて行くことはできないが、その代わり彼自身が食事を自ら取る事には関心がそこまでないため別にサイゼでいいよという発言のままサイゼに行く事になった。

 

「こんだけ食ってもまだ3000も行ってないんだなぁ」

「兄貴…どんだけ酒に金使ってんの?」

「最近は金欠すぎてなぁ…バーや飲み屋に行けてねぇんだよ」

 

 

「いやいやこの前スペシャルウィーク達を飯に連れて行って泣きそうな顔して帰ってきたのどこの誰?」

「……あれは反省してるから…」

「あんな大喰らいを外食に連れてくとか悪手だろ。自炊しまくって満足させろよ兄貴」

「お前みたいにバンバン料理作れる奴はそんなに居ないんだよ…おハナさんすらお前の料理見て『嘘……私より女子力ある』って崩れ落ちてたぞ」

「………しらねぇよ」

 

沖野が少し思い出すように笑いながら話してると冬夜も思わず呆れたような反応を取り2枚目のピザを食べる。

 

 

「まぁ…お前の場合は仕方ないってとこもあったからな」

「おばあちゃんも最期の数年辺りは肉体的にボロボロだったから俺が全部やるしかなかった。治療するためのお金をしっかり稼いだ時に亡くなってしまったし」

 

「…………やっぱりやりきれねぇな。桜か咲き誇る直前だった…よな」

「あぁ、そうだな」

 

今の冬夜は血が繋がった関係者は誰も居ない。幼い頃に両親や祖父は亡くなり、親戚の大半は冬夜を騙し金を奪い取りたらい回しにするなどの所業もあり冬夜自らが縁を切り、唯一関係があった祖母も桜が咲く前に息を引き取って完全な天涯孤独の身になっている。

 

小学生だった時の冬夜は葬式のやり方や頼み方など知るわけがなく、アイの両親や弟分の祖母の訃報を聞いて帰ってきた沖野のサポートがあって火葬に努めることが出来た。

 

「大変だったんじゃないの?あの時兄貴が大学生の時じゃん。住んでたとこからかなり離れたとこの大学に通ってたし」

「そうでもねぇよ。新幹線がありゃパーっとな。それに…お前の婆ちゃんすげぇ優しかったからな」

 

2人は思い出すようにしんみりとする。冬夜にとって…恩人は複数人居る。

 

 

最初の恩人は彼の祖母。

 

祖母は病弱で病気がちであり幼い冬夜の面倒を見るのが困難だとされていたが、冬夜が人の悪意に酷く触れてしまいあらゆる物を奪い取られた事に怒りを覚えた祖母はその体に鞭を払い、全てとはいかずとも取り返したった1人で彼の面倒を死ぬまで見ていた。

 

祖母が居なければ冬夜は完全に人間不信になっていただろう。何せあらゆる界隈の大会で勝ちまくり賞金を獲得するというある種の偉業の背景は祖母の病気の治療代も含まれてるからだ。

 

 

 

次に恩人として挙げられるのはアイやアーモンドアイの両親だろう。

 

彼らは祖母の家の近くに住んでいたのもあり、その縁などもあって幼い頃から繋がりは物凄く強かった。冬夜からしても祖母の死後は親代わりになってくれた人だし、色々とお世話になったし満たされた。

 

 

 

そして次に恩人として挙げるなら沖野だろう。

 

 

冬夜にとっての沖野は端的に言うなら…ゴルシだ。

 

 

沖野のチームがかつて一斉に脱退した時、支えであるゴルシが居なければ下手すら燻っていただろう沖野。そして幼少期…きっかけ故に少々義務感で様々な事をしていて本質的に全く満たされず今後が見えずに居た冬夜の元に沖野が現れて、ウマ娘というその時に考えてなかった新たな道を記してくれた。

 

それに冬夜がかなり気難しい性格であるが、沖野はそれを考慮しつつかなり良好な関係を築いている。

 

2人は良くも悪くも似ているので波長も合うのだろう。ある意味で色が消えかけた人生に光を灯してくれた人が居るという事。互いに恩があるのだ。

 

 

 

「お前…今思い出したけど、きっちり言うと言うか結構言動きつかったよなぁって」

「ん?なんかやったっけ?」

「忘れすぎだ…お前が高校時代の時、電話で相談してただろ?」

 

 

 

『………あぁ、テイオーの事か』

『そうだ。テイオーの骨折の時だ』

 

実は沖野はテイオーが骨折した時、様々な書物を読みあさってどうにかしようとしただけでなく、高校時代の冬夜に相談していた。

 

現在の冬夜.そして高校時代からウマ娘の研究所に在籍しておりウマ娘の肉体に関しては誰よりも詳しいと沖野は考えて長い間相談してもらっていたが答えは彼からあっけなく出された。

 

「お前こう言ってたな。『これくっそ単純じゃん。走り方に問題ありすぎ。なんでこんな走り方させてんの?馬鹿なの?いや兄貴のポリシーと思想ならやりそうだけどさ。そりゃどう考えても足壊れるわ…』これ俺じゃねぇなら大半はキレるぞあのノンデリ発言!?!?」

 

「いや……本当の事だし」

「お前の性格は知ってたからこう言われるのはなんとなく察してはいたけどよぉ…でもお前の言ってたことはあまりにも的確なんだよな」

 

 

『冷静に考えてアレは身体の負担を度外視した走り方だ。トウカイテイオーの走りはあまりにも我流すぎて独特過ぎて分かりにくいんだろうな。軽々と走ってるが踏み込みの時、足にかなり力を込めてるのが分かる。あの走り方を見ると加速する時、尋常じゃないくらいの力を足に込めてるのが更に致命的なんだよ』

 

『最適解は走り方をそもそも変えさせる例えそれがテイオーの個性を無理矢理潰すとしても…もしくはメイクデビューを無理矢理遅らせてでも肉体を作らなければならなかった。まぁ…後者は期間もあるし骨折して肉体的に弱くなって無理なんだけど』

 

『聞くけどトウカイテイオーの走りは兄貴が教えた?……は?自前なの?そりゃそうか。トレーナーもいない彼女達なら当然ながら自分が考えた形が最善と思うのは自然の流れだし普通あんな足をぶっ壊す走りを強要するアホンダラは居ないだろうし』

 

『やっぱり、トウカイテイオーは本能と野性みたいなもんだなと考えていたが正解か。マスコミに天才だと言われてたらしいし…自らの走りの本質に気づかずに肉体が走りに追いつく強化をしてなかったか』

 

 

変に癖がついてしまうのが我流の駄目な点だとその時の沖野は嫌と言うほど再認識させられた。テイオーの場合、それが対価を伴うが圧倒的な速さを得ることになったと解釈しろと冬夜の発言から取れた。

 

沖野に対しては的確に説明しつつも当時の冬夜視点で話したことないテイオーをどこか突き放すような言い方はまさに冬夜という男らしさの塊のような所があるが、当時の沖野はテイオーの走りを見ただけでここまで考えた冬夜の瞳に思わず驚いたほどだ。

 

(まぁ…高校時代に自ら世間の常識とは異なるウマ娘のトレーニング理論を構築してプロセスを整え続けてる奴ならここまで気づくのか?いやマジで分からねぇ…俺も冬夜を理解してるつもりだったが何を考えてるのか時々分からないんだよなぁ)

 

「世間はいろんな奴を天才って呼ぶが…コイツ以上の天才は見たことねぇな本当」

「……ん?なんだ兄貴??」

「お前よく食うなぁ」

 

グラスワインを飲みながらムシャムシャとソーセージピザを食べる冬夜を見る。

 

 

「才能…か」

「兄貴?」

「あぁいや、テイオーの骨折をあの時お前に相談してた時にお前が言ってたことを思い出してな?」

 

『才能ってなんだと思う?才能の差?恵まれてる?才能とは一般的に、『遺伝的に決まる先天的な能力』を言うが俺からしたら全然違うぞ』

 

『そんな物はあくまで自らが持ってる『原石』だ。知能が高い奴だろうと自らの本能その物に最適解な努力をしないと高得点は取れねぇ。遺伝的な能力は、それ自体を磨く鍛錬を積み、他者に証明しなければ意味がない』

 

『己の持つ長所を完全に理解し…それをどうやって世界に証明するか?証明するためにどのような事をするのか?才能のは『証明する力』だ」

 

 

「能力ってのは難しいんだよなぁ…」

「人間ってのは自分を理解する…それだけでもかなり難しいのに己を学習して進化する過程を作り出す事なんてもっと難しい。だからこそ天才なんて物はそうそう世界に現れねぇよ。俺にとっての天才はエジソンとかそこら辺だ」

 

あらゆる界隈で優勝を総なめし多額の賞金を奪取してきた冬夜にとっては天才という言葉をあまり口にしたくはないのだろうか。だがそんな冬夜でさえ、一時期は異端やら常識はずれだと…変人だの奇人だの…散々な言われようを受けていた。

 

 

だがそんな彼をウマ娘の界隈で爆発的に知名度を上げ、世界に知らしめた

存在は間違いなく彼女の存在があったからこそだと沖野は言う。

 

 

 

それは単純…アーモンドアイの存在である。

 

 

この世で最も冬夜の存在の価値を知りつつ、その影響を間近で受けてる彼女は冬夜も思わずあらゆる部門でぶっ倒しても立ち向かう圧倒的!超が何個あっても足りない負けず嫌い。

 

様々な界隈に突如現れては優勝を掻っ攫うだけでなく、本気で燃えてる時は己の全霊を持ってめちゃくちゃにぶっ潰す破壊獣の男相手に、凄まじい学習能力を持ってして対抗するアーモンドアイは間違いなく勇者だ。

 

この2人の長所と短所が補われ、上下関係すら超えたもはや相対関係はまるで『ヒンメルならそうした』と『ライオスやらやりかねない』みたいな物。

 

沖野からしても「あぁ…これ手がつけられないわ」といった顔だ圧勝していたジャパンCをこの前見ていたのである。

 

 

そんな中…沖野は本気で言いたいことがあるんだが?と言わんばかりの顔をする。

 

 

 

 

 

 

「いや………あのさ、おまえらさ?」

 

 

 

 

「色々と熱々なんだよ!!!!」

 

 

それは少し前の夜……沖野が飯が欲しいとの事でスピカ一同で冬夜とアイのトレーナー室でご馳走になった時の事

 

 

………………………………………………………

 

 

「なぁトレーナー!アイのトレーナーの料理ってめちゃくちゃ美味いんだろ!?」

「あぁ…多分トレセンにいる人の誰よりも美味いぞ。おう冬夜!お邪魔するぞー!!」

 

 

そこで見たのは……互いにパジャマを着てアイの髪や尻尾をドライヤーで乾かしてる冬夜の姿だった。

 

「「「「「ん?????」」」」」

「パジャマ???」

 

思わずスピカの一同は全員驚く。男が女性の髪を乾かすというだけでだいぶ不思議な絵面だが服装も面白い事になっていた。

 

 

「1番??」

「え……叡智の結晶??」

「な…ナンカダサイネ」

 

思わずトウカイテイオーもダサいと思う服装だがそこではない。字が違うとはいえ同じ服のペアルックだ。

 

「おいおいありゃペアルックじゃねぇか」

「ペ…ペアルック??」

「スペ先輩知らないんですか?ペアルックは2人でお揃いの服を着ることですよ」

「な………なして?」

 

 

「おい…1人居ない気がするんだが?誰だったか?」

「キタサンのこと?そういえば居ないわね…」

「あぁすまない冬夜。キタサンはさっきトイレ行きたそうだったから場所教えた」

「あぁそう、俺のトレーナー室のトイレは、俺がウォシュレット設置したからな」

「ウォシュレットって設置出来るのですの!?」

「え?余裕じゃね?」

「気にするなよマックイーン、コイツは昔から機械いじりしてたから全てできるぞ。この前は俺のiPhoneの修理もしてたからな」

「スマホって業者に頼む物じゃないんですか!?」

「す…すげぇ」

 

思わずスペシャルウィークやウォッカも驚く中でキタサンブラックが少し顔を赤くして驚いた表情だった。

 

 

「あ?なんだお前…ウォシュレットが良かったのか?」

「んぇ!?!?」

「お兄ちゃんそれは少し下品よ!?」

「いえ!そうじゃないんですが……」

「………なんだ?」

 

 

「あのぉ………お揃いの歯ブラシでした。2本とも緑の歯ブラシでした!」

「え!?歯ブラシもお揃いなの!?」

「…………………で?」

 

 

「「「「「え??」」」」」」

「お揃いの歯ブラシってそんなに気にする?」

「全然?わたしとお兄ちゃんってお揃いだけど昔から似たような感じだったし気にしてないわよね」

「「「あれ????」」」

 

「そういえば冬夜、お前アーモンドアイの髪を乾かしてるがなんかしてたのか?」

「あ?アイが今日外泊届け出してるからさっき風呂入ってたんだよ」

「ふ……風呂?」

「すごい!アイちゃんの髪凄くサラサラしてます!」

「ふふん、どうですかスペ先輩!お兄ちゃんにいつもドライヤーで髪と尻尾の手入れをしてもらってますけどかなり気持ちいいですよ!」

「マジでそろそろ自分でやれよ…」

「えーやだ!」

 

「……………へ?」

 

キタサンも思わず驚いていたしスピカだけでなく沖野も思わず驚いていた。

 

いつも髪や尻尾をドライヤーで乾かしてもらってる?ペアルックしててお揃いの歯ブラシで…お風呂も使ってて……あれ?

 

一同は思った…なんか仲良しすぎないかと??それは冬夜とアイが料理を作ってる時にもっと濃くなっていた。

 

2人に言われてスピカ一同はソファやゲーミングチェア、クッションに腰をかけてテレビを見ていて…隣で2人が台所でテキパキとご飯を作っていたのだが…

 

 

「アイ、そこの調味料取って」

「はいこれ!お兄ちゃんもあれ取って!」

「これか」

 

「はい味見」

「あーん!……ねぇお兄ちゃんこれもう少し濃くしない?」

「りょーかい。石狩鍋ってもう少し味濃くすべきか?」

 

「「「「…………」」」」」

 

スピカ一同は正直テレビの中身が頭に入ってこない。あのゴルシでさえ邪魔しようとする気が完全に失せた顔をしている。「あれ」、「そこの」としか指示がないのに正確に指定の物を手に取っていく2人。

 

味見のために小皿に移したスープをわざわざアイに飲ませる冬夜。

 

(ま…マックイーン!あれ完全に夫婦だよね!?)

(下手な恋愛ドラマよりすごいですわ…)

(ちょっと見てみたいよ……)

(ゴルシちゃん、あれは邪魔できねぇな)

 

「き…きっとあの2人は強い信頼関係があるんですよ!」

「そうですよ!勝手な妄想しちゃダメです!」

「キタサン…それはお前は妄想してることになんぞ?」

「ふぇ!?」

 

すると2人の会話が再開したようだ。

 

 

「ねぇお兄ちゃん、ほおにスープがついてる」

「ん?…マジか」

「ここよ……ちゅ」

 

((((何!?何事!?!?))))

 

 

突如として軽いリップ音が聞こえて一同は『ブオン』という音が聞こえるレベル速度で振り向く。特に女性陣は顔真っ赤である。

 

「あ?ここ?」

 

((軽くない!?))

 

「お兄ちゃんって変な所でドジだよね」

「え?アイが言うのか?」

「ふふん、わたしはお兄ちゃんと違ってドジはしないわよ!」

「いや…実際マジでそうなんだよな。学習能力高すぎて料理の腕ワンチャン負けそうなんだが」

「じゃあわたしがお兄ちゃんのご飯を毎日作ってあげるわ。でもわたしはお兄ちゃんの料理が1番美味しいと思ってるけど」

 

「………じゃあ頑張る」

「ふふっ、手を繋ご!」

「…………………ん」

「エヘヘ〜」

 

スピカ一同(その発言なんなんだよ!プロポーズか!?本当にこれで付き合ってないのか!?!?)

 

(え……て、手の繋ぎ方がさりげなく恋人繋ぎだぁぁぁ!!)

(ア…アイさん大胆!!)

 

その様子をチラッと見ていたウオッカは鼻血を出して真っ赤になっていたが2人は食事を整えたようだ。

 

 

「お前ら待たせたな。力士くらいめちゃくちゃ多い石狩鍋と炊き込みご飯、唐揚げ、とり天、ウィンナーポテトの揚げ物3連コンボ、長芋のとろろ焼きとポテトサラダだ。スペシャルウィーク居るから消し飛ぶだろ?」

 

「「「色々熱々すぎんだろ!(すぎるよ!)(ですわ!)」」」

 

 

「あ?」

「え?」

 

………………………………………

 

「俺はどんな顔すりゃいいんだよ!」

「知らねえ」

「お前その後にアーモンドアイの爆弾発言を忘れてねぇからな!?『お兄ちゃんを尻尾で優しく巻きつけて抱きつくとベッドが効率よくあったまるんですよ!』っておい!さりげなく一緒に寝てんじゃねぇ!」

「アイが寝たいって言うから仕方ねぇだろ」

 

 

 

「……………」

「兄貴?」

 

 

「お前…アーモンドアイを見逃したら絶対結婚出来ねぇぞ」

「余計なお世話だ」




余談ですが食事はスペちゃんがカービィのように食い尽くしました。
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