幼馴染のアーモンドアイが勝負を仕掛けて来た!! 作:グリザイユの牢獄
1.お兄ちゃんが好きな物は何?
A.普通じゃない物…ハルヒみたいな事言ってるけど普通じゃない物は普通に好き。あれ…どこかで既視感が………
そうです絶望神サガですね。他にはティアラメンツとかオーキスとかも好き。インフェルニティも大好き。
2. 冬夜の癖はありますか?
A.自信がない時…膝を抱え込んで体育座りする事がある。
3.カードゲームについて一言
お兄ちゃん「パラダイススマッシャーとかいうクソバカを消してくれたのは助かる。ウーサはファンデッカー殺しすぎだし看板のエースに対して中指立ててた奴だからぶっちゃけ邪魔だった。まぁ…マリスのニビルケアがしんどくなったのはアレだが」
お兄ちゃん「え?今1番嫌いなカードは?………ハッタールピアとかいうフグみたいな鳥」
あぁ…………俺はどうなっている?
死んだのか?それとも生きてるのか?
だけどこの感覚は……地獄か?
俺は……今……深海の果てに堕ちていく。だが…もう力が出ない。これは俺が死ぬという運命なのだろうか……神ってやつはいつの時代も身勝手だ。
ごめん……父さん……母さん……おばあちゃん……すぐにそっちに行く………いや…俺は地獄行きだろうな。
あぁ……本当に……僕は……なんだろう。
意識が深淵に堕ちていく……封じられたように閉じていた過去がだんだんと思い出していく
…………俺の人生ってなんだろう。
…………………………………………………………
俺の幼少期は……クソみたいな物だった。
きっかけは…両親が死んだ事から始まった。自暴自棄になっていた時に俺は偶然両親が生きていた頃のビデオを見ていたのを…愛してくれていたのを今になって思い出した。なんで忘れてたんだろうな。
俺は生まれた時…普通の日本人の赤ん坊とは違う所があった。
それは『髪色』と『目の瞳』だ。普通の日本人は基本的には黒髪で黒い瞳が多いが…俺は緑の髪色で瞳に至っては緑が混じったようなスカイブルーだと来た。突然変異が過ぎるとはよく言ったものだ。
だが……両親は僕を歓迎してくれたようだ。
「ありがとう!本当にありがとう!よく僕たちのところに来てくれたね!」
「冬夜……貴方に似て素敵な子供ね」
「母さん‥君も冬夜を産んでくれてありがとう。この子はきっと…冬の美しい夜空のように誰かを照らし導いてくれるよ」
2人は普通は不気味だといわれてもおかしくない俺を受け入れて愛してくれたんだと知った時は少し嬉しかったんだ。
だからこそ言いたい……
俺は……貴方達にちゃんと会いたかったよ。
正直に言って……俺は両親との思い出も記憶もない。物心ついた時には両親と初めて会ったのは遺影越しだった。その頃…僕は両親が居なくて1人だったから親戚の家に預けられて暮らしていた。だけどそこで俺は煙たがれ、たらい回しにされていた。
理由は単純……俺は普通じゃなかった。
「なんだその緑の髪!その瞳…お前は普通じゃない!化け物め!」
「子供ごときが口出しするなクソ物!」
「お前は邪魔な人間だと言うのを忘れるな!」
思い出すだけで殺したくなるような罵倒の数々…そして殴られ蹴られたりの暴力。
普通の子供らしくないだの…普通じゃないやら変わり者だの、向けられるのは異質な目で見る瞳、まるで怪物を見る目。今でもずっと思っていたことがある。普通ってなんだ?お前らが言う普通に合わせてるから俺に普通というのを教えてくれよ…なんで普通を教えてくれないんだ。
人間ってのは普通じゃない物を…少数を嫌い容赦なく排斥するくせになんで普通というのが曖昧なんだ?なんで普通という大雑把な境界線をきっちり付けてくれないんだ?
もう……本当に理解に苦しむよ…人って。
理不尽な暴力や罵声は幼少期に一生分は受けた。それでも体は普通の同年代よりは強かったから後遺症は残るようなことはなかったし、痛みも長引くことはそんなになかった。それでも痛い物は痛いし他人なんてクソだとは思っていたのは否定しない。
だがあいつらからは死ねと思われようとも俺は死ぬ理由はなかった。
なんで他人にあらゆる物を否定されて「うん」だの「スン」だの言わなけりゃならない?なんで大人しくしてなければならない?
簡単に屈したくなかった…大人だといえあんなカスみたいな奴らに否定されても俺は自分はいらない存在だと肯定する気はなかった。泥臭くても生きていれば…必ず道はどっかで開けるはずだからと…当時見てた深夜のアニメで言ってた。
は?クソガキがなんで深夜にアニメ見てるんだよ…だと?
まともな娯楽がこれくらいしかなかったんだよ悪いか?弱虫ペダルとか黒子のバスケとかデュラララ!!とか、好きだったんだぞ?
まぁ…これがどハマりして現在アイも使ってる金額に思わずひっくり返るレベルのオタクになってるんだから不思議なものだな。哀れみなんていらない…その頃から理不尽受けながらも俺はやりたい事をやってたさ。
そんな幼少期の中で……変化があった。
ある時…1人の老練の女性が家に現れた。その人は今でもこの世で唯一たった1人…俺がおばあちゃんと慕う人であり、母方の祖母である人だ。
その人は俺を抱えた後当時の家の主に怒りを込めて…同時に咳込みながら言った。
「私が病弱だから無理だと言われて諦めていましたが、もう我慢の限界よ…この子は私が育てます!!」
幼い俺でも分かった…コイツはかなり無理してる。ずっと咳き込んでて苦しそうだ。だけど当時の家主の暴言を無視して俺を解き放った。
家主は止める事は当然ない。単純に目障りな俺が消えて清々したんだろう…しかも俺を預けてた奴らは地主としてかなり有名な奴も居たし虐待の証拠も打ち消しやがってたから手は出せないと鷹を括ってたんだろ……後々きっちりお礼参りはしたがな。
おばあちゃんの家に移って暮らしてた俺だが…まぁ当然その頃には他人なんてまともに信じるなんで無理だ。
だけど…おばあちゃんは違った。理不尽な暴言も吐かない、殴りも蹴りもしない…色んな事を教えてくれるし、外へ連れ出して一緒に遊んでくれたり食べ物を一緒に食べてくれたりした。
そしてまともな意味で叱ってくれた。
「コラ!今は深夜よ!こんな時間にテレビだなんて体に悪いわ!」
「……は?fate見てただけ。前住んでた所じゃ暗黙の容認されてたし」
「……暗黙の容認?」
「アイツら俺の事を煩わしく思ってたの知ってた…だから俺が深夜にアニメ見てたのも無視してたし。それにここに来るまで外なんて出た事ないし娯楽なんて全く知らなかった」
「あの馬鹿どもがぁぁぁぁぁ!!!!」
あの時のおばあちゃんは俺ではなく元育て主にめちゃくちゃブチ切れてたのを覚えてる。その後真面目な顔をして録画機能の事を教えた上で昼に一緒に見ようと言ってくれた。
今思えば、普通の常識を教えられただけなんだよな。前の環境がどんだけカスだったのかその頃初めて理解したのは変な思い出だ。
こうして以前とは全く異なり色んな事を教えてくれるおばあちゃんに俺はふと質問してしまった。
「ねぇ…アンタは俺を捨てないの?」
「……いきなりどうしたんだい?」
「アンタは…どうして優しくしてくれる?俺の事を、瞳が気味が悪いとか髪が変だとか普通じゃないとか…散々言ってたのに、アンタはそれを言わない…なんでなんだ」
単的な疑問だった。だが……おばあちゃんは優しく抱きしめて答えてくれた。
「何を言ってるのよ。私は冬夜を変な子だなんて思った事ない。それに気味が悪い瞳に変な髪?あの2人に似て綺麗な髪とかっこいい瞳をしてるじゃない」
「…………は?」
何言ってんだコイツ……ふざけてんの?
生まれてきてからたった1度も……呪われたような目も髪も綺麗だのかっこいいだなんて言った奴は……1人も居ない!!アイツらも…外へ出た時に見た他人も怪訝な目で俺を見ていた!陰口を叩いてる馬鹿も居たのに!
それをかっこいいとか、どうなってんだよ……
「それに最初は…私が育てると立候補したのに病院通いで病弱だから無理だって落ち込んでたらこんな事になって……助けられなくてごめんね。もう大丈夫…冬夜を苦しめるものはどこにもな…ゴホッ!ゴホッ!!ガハッ!ゴホッ!」
「っ!?おい……無理すんな!」
「このくらい大丈夫よ…昔からなんだから。気にしないで」
「………アンタが俺に見えないとこでずっと咳き込んでるの知ってんだぞ」
「─!!………こんな老耄を気遣ってくれるなんて……あの2人に似て優しい子じゃない。貴方はもう1人じゃないから…冬夜を愛する人も理解してくれる人もわたし以外に絶対に現れるから…冬夜が見てる景色はまだ鳥籠の中…世界はもっと広いわ」
「………本当?」
「えぇ……もう亡くなったけど、私の夫も生きてる間に色んな景色を見せてくれたから」
それからというものの…おばあちゃんは行動であらゆる事を示してくれた。
2人で旅行にも行ったし…遊んだり…なんなら学校にも行かせてくれたし一緒に過ごして楽しい時間を過ごさせてくれた。
小学校が馴染めたかなんて聞かないでくれ…答えは沈黙だ。
だが俺は……そんな日常を暮らしてた時にふとある疑問があった。
ずっと気になっていた『両親が死んだ原因』だった。
両親は突如として2人同時に亡くなってる。同じ日に…幼少期の俺からして見てもあまりにも偶然すぎて気になっていた。だ
おばあちゃんに聞いても…悲痛な顔をして抱きしめて、時には謝っていた。多分……それを聞いたら後悔するのかもしれないと本能で感じた。
だからこそ…あの時の俺は馬鹿だった。頭の中で考えて…おそらく事故があったのではないかと推理して調べようとしなければもう少し捻くれなかったのかもしれない。
正直言って自分は同年代…下手すら上の世代の人よりも賢いという自信はあったからこそあらゆる事象を逆算してパソコンを使いすぐさま調べ尽くした。だが……ここで立ち止まるべきだった。
俺は調べてすぐにとある記事を見つけた。
それはとある夫妻が己の子供を庇って飲酒運転の車と衝突し死亡した事故の様子。それが両親の死亡日や昔に住んでいた場所の近くなど…あまりにもピースがカチッとハマっていく。
思わず悪寒も感じながら根掘り葉掘り調べて……確定した。
両親は事故死した事…母親の友達の取材で状況として両親は赤ん坊だった俺のために様々な道具を買いに行こうとしていた事。…飲酒運転の車を見つけた時、俺を庇って即死した事。
母の友達にもわざわざ会ってあらゆる事を聞いて…心がだんだんとボロボロになっていく俺を迎えようとしたおばあちゃんは俺の…ボロボロで無機質な顔を見て全てを察し、抱きしめて泣いて謝罪した。
この瞬間……全ての真実が確定したのだと理解しある事を考えた。
もし…自分が居なければ両親は今も幸せに暮らしていたのではないか?おばあちゃんも泣きながら抱きしめる事はなかったのではないか?
俺は……生まれてきても良かったのか?
その答えは分からぬまま……泣き叫ぶことなどなく、無の…虚無の涙を流し続けた。
だがこれで終わらない。
少し経って俺の隣で一緒に居てくれたおばあちゃんは病気が悪化して入院生活を送るようになった。あの日…俺を泣きながら抱きしめた次の日から…体の状態がみるみる酷くなっていった
……………………………………-……………
『集中治療室』
『手術は成功しましたが…危篤状態な事には変わりません。峠を越えるかは…患者様に託されてます』
テレビで何度も見る有名なお医者さんですら……最善の手を尽くしてもお兄ちゃんを目覚めさせる事はできなかった。いや、むしろお兄ちゃんの傷を治してくれただけでもまだ救いがあるのではないかとすら思う。
それほどまでにお兄ちゃんは酷い傷が全身にあった。
だけどお兄ちゃんは目覚めない…わたしにとっての絶望だった。
何度この部屋で泣いてるか…もう数えるのもやめた。
「お兄ちゃん…置いていかないで、死んじゃ嫌だよ…」
手を握っても目覚める事はない。朝からのニュースでは中山レース場付近で起きたあの事故の事ばかりが流れる今、わたしは有マの事なんか考えたくもなかった。
そんな中で……少しうるさい足音がする。
「ちょっとそこの貴方!廊下を走らないでください!患者様とぶつかったら危ないでしょう!?」
「すまない!だけど俺もあいつが死にかけてると聞いて大急ぎでここに来たんだ!先に行く!!」
「ちょっと貴方!?」
ドアの先で看護婦さんに怒られてる人が居るのか?と不思議に感じたその瞬間…とんでもない勢いでドアが開いた。
「冬夜!!冬夜!!」
「貴方は…スピカの沖野トレーナー…」
「おお…アーモンドアイ、やっぱりお前もそこにいたか。昨日騒ぎになってたぞ?外泊届なし、しかも連絡なしで電話の反応もなし、だから学園内もそれなりの騒ぎだったんだぞ?」
「………………ごめんなさい。誰とも話したくなかったから」
「まぁ気持ちはよく分かる。俺も一応トレーナー…大人という括りだから縁もあって嫌でも葬式とかに参加した事はあるし、東京という場所は事故も多いから事故現場とかも見た事はある。だけどな…やっぱり心に来ちまうんだよこういうの」
沖野トレーナーはお兄ちゃんを見るとだんだんと悲しげな表情になっていくと同時に行き場のない感情をぶつける。
「本当に理不尽だ。飲酒運転で冬夜は親を失ったのに…今度は交通事故でお前自身が死ぬのか?冗談はよせよ…ふざけすぎてんだろ神は!お前らに冬夜は何をしたんだ!?大事な肉親も奪って!クソみたいな状況叩きつけやがって!そんなにお前らは冬夜が嫌いなのか!?クソッ!」
だが…お兄ちゃんの反応はない。眠ったように動かない。死んではいないのにまるで死んでいるような様子だ。
そんなお兄ちゃんを見て沖野トレーナーは何かを思い出すように悲しそうに呟く。
「冬夜……」
『兄貴……俺は生まれてきても良かったのかな』
「そうだよな……お前はずっと苦しんでたんだよな。自分が居たから大事な両親も祖母も死んでしまったって思ってたんだよな…悪いな。あの時は俺も若くてまともな答えを出せなかったけどこれだけは言わせてくれ」
「お前が死ぬ事を望む奴なんて誰1人居るわけねぇよ馬鹿野郎。俺はお前に生きて欲しいんだ…見ろよ、起きてくれよ冬夜……目の前でアーモンドアイが泣き腫らしてんだぞ。起きて頭を撫でて安心させてくれよ……」
「沖野トレーナー………」
「なぁ、今から話す独り言を小耳に挟む感覚で聞いて欲しいんだよ。聞きたくないなら…耳を塞いでも構わない」
「……………………」
「俺が出会った頃、まだ小学生くらいだった冬夜は……死にたがっていた」
それは………冬夜の祖母の状態が悪くなり入院生活をし始めた時に遡る。
冬夜(幼少期の姿)
ウマ娘でもないのに突然変異でよくある日本人とはかけ離れた髪や瞳でめちゃくちゃ苦労してる。髪を染めるのもありなのだが髪が傷つくからやりたくない。
容姿だけじゃなくて他の部分も変わり者であったためか親戚からはかなり疎まれて虐待を受ける。関わり合いが少ない他人相手に言葉が強く表情筋が動かないのも幼少期の影響大。
それでもめちゃくちゃにグレなかった原因は、両親が自分を大事にしてくれた事を知ってる事と祖母が深く関わってくれた事、後は後々の出会いが大きい。その代わり…才能があったからこそ両親の死因を知った事が原因で自己肯定感が低くなったし心の壁が分厚くなった。
小学校1年生とかの頃なんて、性格決まってくる大事な時期だからそりゃ影響は大きい。
虐待されてた時期は無口でボロボロで相手の様子や顔を伺うが反骨ボーイ
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おばあちゃんと出会ってからは、上記のダメな部分が減って少し明るさを取り戻す
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だが両親の死因を知ってから今でも本質的な自己肯定感がないと3変化を遂げている。
アイちゃんから見たら表面上はつっけんどんだし不器用だけどかっこいいお兄ちゃん(そしてその側面も嘘でもない)からややこしいため、自己肯定感マイナスボーイなとこまでは見れなかったし実感がなかった。
アイちゃんが隣に居ても冬夜の根底の本質が変わらなかったのは…
アイにとっての冬夜はどこまでも「不器用ながらも頼りがいはあるし、色んな勝負してくれるし、理解もあって強くてかっこいい一緒に居て楽しいお兄ちゃん」だから、多分アイちゃんは冬夜の苦悩を、本当の意味では理解も実感もできなかったんじゃないかと考える。
(まぁ…普通は数多の苦労をした上で酷い虐待受けた経験があって、両親が死んだうえに自分が原因で両親は死んだと思う子供なんてそうそういない)
後はくっそ単純で、アイちゃんの前でかっこつけたかったのもあるし、自分の根底の悩みを妹分に言って考えさせたり、関係性が変わるのを恐れたのもある。