幼馴染のアーモンドアイが勝負を仕掛けて来た!!   作:グリザイユの牢獄

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インタビューとバルピア死んだのになんで鳥が優勝してんだよ……


メジロドーベルは分からない。

メジロドーベルは大絶賛頭を抱えていた。

 

「あぁぁぁぁぁ!!!!」

「どうしたのですかドーベルさん!まだネームですよ!」

「もう新刊終わり終わり!平定よ!」

 

夏のコミケのために新刊を描いてる彼女であるが…全く進んでいなかったのだ。

 

「急がないとダメなのよ…あぁもう最初からやり直してももう遅いのに!」

「いったいどこで悩んでるんですか?」

 

隣であたふたしているデジタル…アグネスデジタルはどういった状況なのはゆっくり落ち着いてと諭しつつ話を引き出す。

 

 

「…………エミュが分からない」

「あぁ………」

 

 

エミュとは…キャラクターの考えや口調を真似することだ。

 

 

それについていったいどうしたのか?その答えは本当に簡単だった。

 

 

「この人の!エミュが!!難しいのよ!!」

 

 

ドーベルがデジタルに見せたのがあらかじめ作ってサンプルにしている表紙であり、そこにはウェディング姿で幸せな顔で抱きついてるアーモンドアイとタキシードのスーツを肩に羽織り、目を逸らして少し恥ずかしそうにしながらも恋人繋ぎをしてる沙条冬夜の表紙。

 

指を指していたもちろん…沙条冬夜だった。

 

 

 

「この人よ!!本当!本当意味分かんない!!」

(うわぁ…エミュ高難易度の人だ)

 

デジタルはドーベルが本当に嫌そうな顔をしているのだがそれはしょうがなかった。

 

「この人本当に意味分かんないの!ツンツンしてると思ったら少しデレるし!唐突に意味分かんない事言うと思ったら子供みたいな暴言吐き出すし!突然とち狂ってるような事を言い始めるし!発狂して暴走し始めたと思ったらシラフになって落ち着くし!」

 

「なんかもう意味分かんない!!」

「まぁそうですよね…」

 

ドーベルの言葉にデジタルも思わず、あぁ分かるわと言わんばかりの顔をする。デジタルは冬夜とアイのウマチューブの協力者として活動しており、切り抜き、カメラ、時にはゲストとしてデジタルのトレーナーと共に活躍しているが関わるたびに「あぁ…この人やばい」と思う事なんてほぼ毎回。

 

デジタルの頑張りに冬夜はバイト代を送っているのだがデジタルはそこに少し思うところはあった。

 

「デジタルってあの人と関わり多いんでしょ?あの人の情報何かないわけ?」

「そうですね。アイさんやラッキーライラックさん、スティルインラブさんなどを除けば関わりがあるのはわたしでしたね。実はあの人が運営してるチャンネルの協力者なんですが…」

 

デジタルはバックから何か箱らしき物を取り出して開けるとそこにはスリーブも三重で包まれたたくさんのカード。

 

「これは?」

「お金その物を渡すのは絵面が悪いからバイト代の代わりに貰うんです。金に困ったり要らなくなったら売れって」

「ふーん……ってアンタが持ってる絵のカード…もしかしてカラス○さんの絵じゃない!?」

「そういえばドーベルさんが手に持ってるそのカードのクリエイターさんウマ娘ちゃんの絵をたくさん描いてる人じゃないですか!」

「……ねぇ、ちょっと値段調べてみない?」

 

 

…………………………………………

「」

「」

 

2人は固まっていた………買取額を調べた瞬間ドン引きした。

 

 

「デジタル、それ全部売ったら10万とか20万軽く超えるわよ」

 

「ポンチョ被っただけのピカチュウのカードなのにめちゃくちゃ高いんですね。てか生配信の手伝いのお礼で渡されたこの絵のカード…今更気づいたんですけど描いてる人しぐれう○さんですよ!!あのしぐれ○いさん!?」

 

「あの人デジタルにとんでもない物渡してるの!?いや、ほんとに体の震えが止まらないわ…カードなのに大半普通に数万円するのおかしいって…あのトレーナーどういう感性してるわけ??」

 

 

デジタルにバイト代代わりに渡していた物が大概おかしかった。メジロドーベルは訳がわからなくなっていた。金銭感覚がバグってるのか…いや間違いない。あの人は服とかに全く興味ないだけで趣味にはめちゃくちゃお金を注ぎ込んでいることを思い出した。

 

 

こんな情報役に…………立つのか?

 

 

「そういえば……私少し前からあの人の事知ってたのよね」

「え?そうなのですか!?いったいどこで?」

「コミケよ」

「……え?コミケ?」

 

 

 

………………………………

 

 

「はい、それではありがとうございます」

「どぼめじろう先生…よければこちら連絡先なのです…」

『…………ゴゴゴゴ』(ジー!!!)

「!?……し……失礼しますぅ」

「……………むぅ」

「コラ」

「!…………ごめん」

「ふふっ」

 

ここはコミケ、数多のオタク…否!大勢の人々が集まる東京ビックサイトという聖域!そこでメジロドーベルとドーベルのトレーナーは壁で新刊を発売していた。メガネをかけて帽子を被り、ウィッグすら被っている少女…メジロドーベルが売り子でトレーナーが作家として挨拶する。

 

 

………のだがこれにはカラクリがあった。

 

 

実はメジロドーベルは表向きにはトレーナーをどぼめじろう先生としているが、本物のどぼめじろう先生はメジロドーベルなのは目の前のあなたたちは知ってるだろうが、何故かこっちの世界の人々は気づかない。売り子の女の子の方がどぼめじろう先生だろ!?と言われることがあるが全て嘘松扱いなのだから不思議だね。

 

 

そんな中である日のコミケ…メジロドーベルが売り子をしていた時だった。女性の相手をしていた後に見えた次のお客様は6人グループ。

 

少し髭がフサフサだがダンディという表現が似合う人、金髪だったり茶髪だったりアイドルオタク見え見えの服装だったりと個性的なメンバーの中に1人、緑髪と青い瞳をしてる変わった風貌の人がいた…それが後にトレセンにトレーナーとして現れる沙条冬夜の高校生時代の姿である。

 

(男の人達だ……)

 

ドーベルは男の人の前だと緊張してしまい、少々空回りしてしまう。特にコミケでは男性の割合が半端ない。2人組とかならトレーナーも率先して接客出来るが6人となると流石に大変だ。

 

「あなたがどぼめじろう先生!?ファンです!俺ファンなんです!」

「待てよ、俺もどぼ先生と話したいんだよ斉藤さん」

「なぁ!ここにサインくれないか?わかくんへって書いてほしい」

 

ニコニコしながら他3人とトレーナーは話しているためドーベルが対応しないといけない。

 

「お前…これ3つ………スリーブも2つ」

「え……あっ、す…スリーブ」

「スリーブ2個………早くしてくれ」

「スリーブって確か…えっと…」

「まぁまぁ落ち着いて冬夜。売り子さん慌ててるからね、俺がやるよ」

「じゃあそこで待ってるから。だんてくんに全部任せる」

 

その後は、隣に居た優しい笑みをしてる人がドーベルに気を使いながらゆっくりと対応してくれたおかげでなんとか上手くやれたのだが……

 

 

……………………………………

 

 

「その後がね……少し驚いたの」

「その後……」

 

 

 

『……メジロドーベル。モノホンか』

「あの人私を完全にメジロドーベルって見抜いてた」

 

「えぇ!?嘘ですよね!?ドーベルさんってバレないようにしっかりイメチェンしてるはず」

「してたのに見抜いたのよ!?何考えてるか分かんない顔だったのに普通に怖かったわ!!」

 

何故見抜いたのかは正直冬夜が怖くて聞けないため迷宮入りだが、僅かな間で一瞬でメジロドーベルを見抜き確信していた様子だった。

 

「って全然進展してないわ!」

「まぁ…ずっと喋ってばっかりでしたから」

「いっその事動画でエミュを覚えるしかないわね!!そういえば……あの人達、最近どんな配信をしてるのかしら」

 

ドーベルが冬夜とアイのチャンネルを検索してそのまま最新の動画や配信を見ていくと…

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

『ラプ様のお姉さんティア配信を見ながら雑談するだけ』

 

「「え!?」」

 

思わずウマ娘とは絶対関係ねぇだろと感じながらクリックするとそこにはリモートで世間的にいろんな業界の有名人と語り合いながらナニカやばい動画を見てる冬夜がいた。

 

だが見ている動画がちょっとお色気というか…癖の暴露というか、途中で鞭打ちの話題が出てきたり、

 

 

「あの人が見てる動画Vtuber…ってだいぶやばい動画じゃない!!変態よ変態!!」

 

『ネリッサ?…配信見てたが、あの人ドMじゃなかったか?いや俺もだいぶキモオタだって自覚はあるけど尾丸ポルカ…ぽるぽるほどではないと思いたい…いや大差ねぇわ。ラプ様のファンとしてリスナーのお前らにも話すけど俺はアイドルアニメとか結構見てるけどやっぱりアイドルが頑張ってる姿を見てると涙腺流れるんだわ。だってそうだろ?俺だってアイの担当してるから分かるけどアイが頑張ってると俺も人生って捨てたもんじゃねぇかとは思うんだわ。…ってドブで泳ぐ方が絵になるじゃねぇかツノガキ!』

 

『……ラプ様って思ったより気持ち悪いな。いや欲望に忠実な事は素直だが豚が様になってるじゃねぇかってなんでフワモコ巻き込んでんだこの人』

 

 

「これトレセン公認チャンネルよねぇ!?」

「いやまぁ…アイさんも冬夜トレーナーもマルチ系の人というか。結構ウマ娘ちゃん関係ない配信もするっていうか」

「これやばいわよ!?マックイーンとライアンが見たら絶対鼻血吹き出すような動画見てるし!なんで平然としてるの!?」

 

冬夜は生粋のオタク。ウマ娘中心なデジタルと違い冬夜の場合はVtuberだのゲームだの絵画だのあらゆる面で好みが多い。今回見ていた動画はホロライ○のラプ様もといラプ○ス・ダークネ○の配信を見ていたが、にじさ○じやアオギ○もかなり詳しかったりする。

 

余談だがお兄ちゃんのブイの最推しは加賀美ハヤトだと公言してる。

 

 

 

配信を早送りで見ていたドーベルは確信した。

 

「アイちゃんのトレーナーってだいぶやばい人なんじゃ…」

「はい、私が言うのもなんですがヤバいです」

 

アグネスのやべーやつを持ってして真顔でやばいと言わしめた男…お兄ちゃん。リスナーにはお兄ちゃんやアーモンドアイのビジュアル目的で見てる女性も多い中で、これだけグレーな内容でも視聴者が多いのは、トークが面白いからなのか?世間が思うようなイケメンの偏見からかけ離れてるのが面白いからなのか?

 

「トレセンでのアイちゃんって様子見る限り結構独占欲あるはずよね…この人推しとか大量に居るはずだけど大丈夫なの?」

 

「え?あの人の最推しでお嫁さんはアイさんですよ?」

「まぁそうよね……」

 

メジロドーベルが配信を見てて思ったのが「この人がモテない理由が分かった」というあまりにも失礼すぎる反応。実際自分含めて面識がほぼない他人相手だと明らかに強い警戒心を向けているのが見える。

 

だが同時に心を開いた人相手だとかなり寛容的であり、基本的には学生時代の怠惰な様子とは違いやるべき仕事は果たす仕事人のために、彼にとってくだらない事ではないなら協力や支援をしてくれる。

 

仕事の一環である『配信』という仕事も嫌と言う事なくやるだけでなく、ほぼ趣味の一環にもなってるのはハマり業でもあるのだろう。実際に動画や配信をそんなに見ないドーベルですら思わず目についてしまうだけでなくツッコミどころはあるにせよインパクトや面白さを見出せるのはもはや才能である。

 

 

 

「………配信ね」

 

ドーベルは思い出していた。そういえばイラストレーターが配信をしているというケースを知っている。しかも自分が推してる絵師の人が実は動画配信の時に絵を描きながら雑談していたのも配信サイトで見た事があった。

 

 

「………やってみようかしら」

 

 

そんな事を思いながら他にどんな動画を出してるのかカーソルを下にスクロールしていく。

 

 

「………………ん?ゲーム関係…雑談…vlog…アニメ議論、料理配信…歌ってみた…公式との討論…開封動画……」

 

 

「って!大半ウマ娘と関係ない動画ばっかじゃない!?」

 

…………………………………………………

 

『東京ビックサイト』

 

 

メジロドーベルは無事に新刊を書き上げた。大変苦労したが…ギリギリに無事完成しコミケに向かう事が出来た。

 

のだが……今現在なんとも言いづらい状況。

 

 

 

 

 

「新刊1つと缶バッチとスリーブを2つずつだ。メジロドーベル」

「あはは……よろしくお願いしますドーベル先輩」

「……………」

「……………」

 

 

売り子でコスプレもしてるメジロドーベルもドーベルのトレーナーも困惑していた。

 

目の前に何故かゴスロリメイド服を着ているアーモンドアイと沙条冬夜というとんでもねぇ絵面を見る事を除けば普通だったのに。

 

 

(この2人がコミケに居るのは別にいいのよ!?なんでゴスロリメイド!?なんでアイちゃんのトレーナーがメイクをして女装!?しかもめちゃくちゃ似合ってるし…肉体を見なければ完全に女性じゃない!?もう…訳わかんない!!!)

 

「……あぁ、本当コミケって魔境ね」

「何言ってんだコイツ」

 

 

ゴスロリメイドの冬夜が呆れた顔をして白目剥いてるメジロドーベルを見ていた。

 




・なんで2人がゴスロリメイド服?

お兄ちゃんの愉快な仲間達「俺たちが着せました」
お兄ちゃん「この服下がスースーすんだけど」
(罰ゲームで着ている)

アイ「すっごく可愛いわ!」
(逆にかなりノリノリで着ている)

お兄ちゃん「なんか………ナンパされるんだけど」
アイ「お兄ちゃん見た目かなり可愛いからね」
お兄ちゃん「尊厳isどこだよ」

尊厳が消えても絵面は面白いことにはなってますがね。
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