幼馴染のアーモンドアイが勝負を仕掛けて来た!! 作:グリザイユの牢獄
こんにちは……内なる紅と申します。
こんな真面目な形の挨拶はやめましょう。あの子はともかくワタシには似合わない。いえ、別に今日は愚痴を吐きにきた訳ではありません。
ただ……
「私は悪くないです!これはあの子が!あの子が続けろと!もっと食べろと言っているのです!!」
言ってねーよ…アナタ今エクレア20個目な気がするけど??ワタシの分もタキオンの分もトレーナーの分もなんで残さない訳!?
「はふっ!………美味しい。もう一個……あっ」
ほら言わんこっちゃない。アナタの手に取った物以外無くなった。思っていたよりかなり大食いよね……最近食べるようになったのは筋トレのおかげ?それとも自分を解放して余計に図々しくなったから??
「…………はふっ」
食うな!最後の2個を何の躊躇いなく食うな!!!!
これ誰のせいなのよ?絶対あのパチンカストレーナーのせいね。そうよね。この前スロットで儲かったから飲み屋に行ったぜぇ〜と楽しそうにベロベロに酔って同じく酔っていたスピカのトレーナーと帰ってきたの見てたんだから。
仕事は驚くくらい真面目にちゃんとしてるのに………
そんな事を思ってるとファイル片手にタキオンとトレーナーか来たわ。
「……………スティル」
「あー!!さっきまであったエクレアが!!紅茶と一緒に食べようと……スティル君、もしかして全部食べたとは言わないだろうねぇ??」
「んぇ?あふぁしぃふぁあふぇぇぇ(え!?私が食べたなんてそんな訳ないじゃないですか!!)」
「「食いながら言うな」」
くっちゃくっちゃと口に詰め込みながら喋らないの、今1番はしたないのはアナタよ全く……そんな事を言いながらあの子はトレーナーが机に置いたコーラをボトルを開けて口の中のエクレアを飲み干した。
(さりげなくあのトレーナーが口つけたボトルを飲むんじゃないわよ)
「それに、本能のワタシも喰らえと仰っていました。私は止める術がなく……仕方なく!仕方がなく!!このエクレアも!少し前まで出していたアップルパイを喰らっていたのです!!」
(言ってねーよ。あとアップルパイもアナタが進んで全部食べてたでしょう?)
「ほーん?」
あの子の言い分に対してトレーナーはじーっと見つめてる。
いやあの子見つめられて顔を真っ赤にしてるけど絶対違うわよ?どっちかというと腹よ腹。……あっ、腹をつねったわ。
「ひゃう!?……っ!もう!龍斗さんなら許しますが普通はセクハラです!!」
「この程度でセクハラなら今の時代パワハラモラハラが多発してねぇのよ…世知辛い世の中だぜ」
「君は何を言ってるんだい??」
「この腹でどう言い逃れしようとしてんだ?まぁ…こうした方が早いか」
「!?龍斗さんそれは卑怯です!!」
トレーナーが一瞬だけかっ!と目を開いた瞬間…『ワタシ自身』が引き寄せられる。まるで表に引き摺り出されるように。
「はぁ………『ワタシ』を無理矢理呼ぶとはいい度胸だと思いません?」
「は?全然?」
この調子だ。何故ワタシが引き摺り出されるのか?意味分からないけど簡単な話…あのトレーナーはワタシを引き摺り出すことが出来る…それだけだ。
「おい、コイツどんだけお菓子食ってた?」
「……20コ以上ムシャムシャと食べていましたよ」
『コラ!!はしたないですよワタシ!』
「それをしていたのは誰でして???」
右半分の口からあの子が、左半分の口からワタシ自身が喋りだすという摩訶不思議な光景に思わずタキオンさんも興味を持ってじっと見つめる。
((目が赤く点滅してるな……本当))
「おーおーそうか。そうなんだな。明日の朝に健康診断も兼ねて病院と歯医者の定期検診にも行く事になってるんだが?」
『っ!?聞いていませんけど!?歯医者は嫌だって何度も言ったはずです!!』
「言うわけねぇだろお菓子片手に逃げ出すからな。それに歯ってのはスポーツ選手にとっては重要な代物なんだから大事するのは当たり前だ」
「………だそうですよ私」
『…………仕方がありません。病院後に追加で緑茶とたくさんの和菓子を用意してくださるなら』
「あはっ♡節操のなさはそこまでにしておきなさい私!?」
その瞬間…あの子の反応が消える。つまり…肉体の深くに逃げ込んだという事だ。
(明後日になったら起こしてください)
「はぁ!?」
(探さないでください)
「ちょっとおばか!」
尚次の日…トレーナーによってあの子は簡単に引き摺り出されて大人しく歯医者に連行されたようです。
数日後
眷属の皆様こんにちは、最近はレースがなく退屈でした。
まぁ…そもそもワタシ達は一度レース活動を休止してます。
ワタシは純粋にレースの相手がだんだんと物足りなくなり、あの子も同調するようにレースへの情熱が減っていき、それを見かねたトレーナーが少し考えて、その頃はアグネスタキオンを仲間に引き入れなかったのもあってトレーナーが休暇も兼ねて世界というのはどういったものかを見るため少しの間海外にあちこち旅に向かっていましたので。
ふふっ♡楽しかったですよ?道場破りのごとく海外の有象無象をレースで蹴散らすあの感覚は。
そんなワタシは、体の中でゆっくりしているあの子が「甘いものが食べたい」などと言っています。だがそんなワタシもお腹は空いているのです。どこか某コメダ珈琲があれば……
「あ"ぁ……だるっ」
そんな事を思っていたら目の前にトレーナーが居ましたね。
余談ですが、ワタシとあの子の1番わかりやすい見分け方といえばあの子はトレーナーの事を『龍斗さん』と呼び、そしてワタシ自身は『トレーナー』と呼ぶ。
(あれ…龍斗さん)
「………いったい何を考えているのです?」
彼はメガネに白衣を着て仕事バッグを片手にあくびをしながらフラフラと歩いていた。朝練後にトレセンにはいなかったためおそらく研究所で仕事をしていたのだろう。
「………さて行くか」
トレーナーがパチンコ屋に入った。
「『おい』」
こんな真っ昼間からなんでパチンコ屋に行くのよ!?仕事してない時だいぶアレよねあの人は!!!最近タバコ臭いと思っていたら……
そう思いながら近くのスイーツショップに入っていったワタシ。あの子もあのトレーナーの影響で大量にお菓子やらスイーツやらを食べるようになったのよね…
はっきり言うわ、1番の常識人はワタシよ
愛はいらないなどどやかましいアドマイヤグルーヴに配信で『貴様のデュエマに愛はあるか!?』などと連呼させまくった冬夜という問題児のグルでもあるトレーナーと同じく問題児のアグネスタキオンと欲望だらけのあの子。
誰が1番常識人かお分かり???
そんな事を思ったら無理矢理あの子がワタシと入れ替わる。しかも…ワタシの要素を『ほんの少し』だけ残した状態で。
「お客様、今からスイーツバイキングになりますが大丈夫ですか?」
「はい、大丈夫です」
………分かっただろうか?
あの子は影が薄いと言われることが多い。だが…まるでそこにしっかり居たような反応をされている。それはワタシを要素…つまり別人格の要素をほんの少しだけ同調させる事で存在感をはっきりさせているようだ。
本当に…よく考えたわね。好きな時に人の目に留まらないようにステルスすると思えば突然をワタシの要素を出して存在感を表すなんて。
そんな彼女は果物に和菓子にクッキーと、歯医者で受けた痛みをすっかり忘れて一気に貪る。
「はしたない…はしたないわ!」
そんな事を言いながらムシャムシャと食べ続ける。矛盾という言葉は…こういう時のために使うのだろうか。ものすごい勢いで食べ物が消え去っていく。あの子は以前と違って食がかなり太くなった。
足も太く強固になって、以前とは見違えるほど筋肉がついた。
走るための肉体として本当に素晴らしくなった。それはそれとして欲望に忠実になったし、涼しい顔してトレーナーに率先してくっつくようになった。走りに関してはワタシに任せてるとはいえだいぶ卑しい女ね。
……………いい加減ワタシにもよこしなさいよ。
「おー?お前ら何してんだ?」
「あっ…龍斗さん!?いえ、これは…」
何と目の前にトレーナーが居た。先ほどまでにパチンコに行っていたはず……そういえば、1時間以上過ぎていたわね。
「ほらよ」
トレーナーがひょいと封筒を渡すとそこには軽ーく福沢諭吉…万札が数枚封筒の中に入っていた。
「『ん!?』」
「これ…お金????」
『……何枚あるのかしら』
「あぁこれ?ミリオンゴットで30万以上勝ったし臨時収入のおこづかいな。適当にコスメだのメイクだの買い物でもしてきな〜俺は先にトレセンに戻ってるぜ」
ふら〜っと現れては書類を片手に手を取りまたどこかへ仕事にむかう。
その姿はまさに自由人なのだが…あの人は仕事は真面目だし、粗暴に見えてきちんとしているから許すのがあの子とワタシ。アグネスタキオンもグルになりつつも姿勢はきちんと認めていますから。
「時間になり満足しました」
『あらぁ?もう満足ですか?』
「とりあえず、龍斗さんとタキオンさんのためにドーナツを買って帰りましょう。みなさんで一緒に食べるので20個くらい買いましょう」
『どうせ貴方が1番食べるはずでしょう?』
「大量に買うのですよ。はしたないと言われるくらいならそれを掻き消すくらい買えばいいのです。だからこそ、このお金がありますから」
ちゃっかし封筒を手にとってその中に入ったお金を見せつける。……強かですがなんだかんだ言ってあの子はトレーナーのこと好きなんですよね。
その日の夜……
「マーキュリースターフォージで攻撃する時、2ドローして、ヴァミリアとフミシュナをバウンスしてダイレクトアタック」
『はい…通ります。ありがとうございました。いやー冬夜さんその線通してくるの怖すぎますって!』
「そうしないと勝てないからな…ありがとうございました、また次も参加してください」
『ありがとうございました!!』
「おいおい俺の出番まで持ってこいよ!」
「うっせ、俺のサイバーが強いからしょうがねぇだろ」
「もう!アイが全部勝つの!」
「まぁまぁ…ドーナツを食べてゆっくりしててください。次の参加者は休憩中なのでもう少しお待ちください」
現在ワタシは、冬夜トレーナーとアーモンドアイによる配信企画にゲストとしていた。今はあの子が表に出ていて中でゆっくりしているが中からでも様子くらいはみえます。
今回はメンバーシップに登録している人のみが参加できる生配信の企画としているようです。
どうやら今回カードゲームのリモート参加型として自分達に4連勝出来たら合格というかなり高難易度の企画を行なっているようです。
アーモンドアイ→冬夜トレーナー→最後にワタシ達のトレーナーと戦い3連勝した人だけが3人の中から好きな人物を選んで裏ボスとして相手とするというこのチャンネル内の企画の中でかなり鬼畜難易度を誇る物。
今回はデュエマのようですが…視聴者視点戦う順番としてドリームメイト→水単サイバー→デアリバイクなどという曰くなかなかなクソゲーと評されるような物らしいです…ワタシは知りませんが。
遊戯王やデュエマ、シャドバなどのカードゲームだけでなく、スマブラなどの格ゲーでも行なっているようでこの企画はかなり人を選ぶように見えて生配信の中で数十万人以上来る視聴者やメンバーシップ入りの精鋭という名の多くの参加者が来てくれるため賑わっている。
「…………………」
ワタシやあの子は参加する事はなくても、天の声として視聴者を案内や誘導する役目がある。基本的にあの子が行なってくれるからワタシは表に出る事なくそのままゆっくりしているが。
「…………いいなぁ」
あの子はやっぱり気になっているようだ。生配信はしている人もいるがこのような形で視聴者とリモートで対話しながら現役トレーナーやウマ娘と色々な事を行う企画というだけで貴重だ。だからこそこの企画での本格的参加はほぼなく見守ることが多いあの子は少し羨ましそうな表情だ。
「えー次の参加者は…っ!?ちょっと??…は!?斉藤さん!?」
『お久しぶり〜これは僕も参加させてもらうよ!』
・斉藤さんや!
・アンタ、このチャンネルに選ばれたスパナ垢でありながらメンバーシップ入りしてたのか。
・これは面白い対戦相手来た。
・がんばー
・いけいけ!!負けるな!!
「…………………」
現在配信がかなり盛り上がっている中で、トレーナーがあの子の様子を見かねて隣に座った。
「お?どうしたスティル」
「あっ、いえ何でもないです」
「………お前、さっきから自分も参加したいって思ってる目をしてるぜ」
「っ!!」
よく見ていますねあの方。実際ゲームをしているのを見ていると自分も遊びたいって気持ちが強まると心理学で聞いています。それはあの子も例外ではありませんがワタシ達には欠点がある。
それはあらゆるゲームで遊んだ事がないという事。
あの子は元々かなり内気で人と交流し関わってきたとは言い難い毎日を過ごしており、ゲームなどを全くやったことがなかった。まぁ…ワタシも表に出てこようが人と喋った事などほぼないからそうなのだが。
だからこそ自分が参加しても足を引っ張ってしまうのではないかと思い参加する事はなく見守るスタンスを取っていたが、やはり自分も遊びたいのだろう。
「こんな近くで見てたんだろ?そりゃあ遊びたくなるだろうて…」
「でも、私では皆様の足を引っ張ってしまいますし…」
「関係ねぇ、誰だって最初は初心者なんだよ。格ゲーは練度積まないといけないがバラエティゲームならそこらへん関係ないからな」
「…………私も混ざってもよろしいのですか?」
「俺はいいぜ、おい冬夜!お前もそうだよな!」
「問題ねぇ、むしろアイの方が喜ぶだろうよ。チャット民もどうよ?」
・スティルちゃんも参戦!?
・囲め囲め!!
・囲め囲め!!
・やっとか…待ってたよ
・来たぁぁぁぁぁぁぁ!!!
・やったぁぁぁぁぁぁぁぁぁ!!
・俺もメンシに入るわ。
・推しが参加型に参戦してくれるだけでありがたい!
・初心者は大事にしろ!
・って事は5連勝になるのか?鬼畜になるけどそれはそれとして面白い事になるな。
「うっし……何か企画しよう」
「おい俺も混ぜろや」
冬夜トレーナーとトレーナーが2人になって色々と話し合い始める。それに対してあの子は少し嬉しそうな顔をしていた。
質問1 なんで遅れた?
CSに行ってたのと純粋に時間なかったしネタがなかった。
質問2 レースは?
あれやってると時間食うし大変なんだよ。むしろ日常をさらっと描くのが楽。
質問3 メンシやってるんやね
お兄ちゃん「やった方が良いんじゃないって話出たからやった。やったからには責任持ってきちんとするけどさ」
↓
お兄ちゃん「なんか増えすぎてるんだが??」
余談ですが上で挙げてた企画は
アイちゃん(ドリメ)
↓
お兄ちゃん(サイバー)
↓
龍斗(デアリバイク)に勝った上で
↓
裏ボスで
アイちゃん(殿堂ゼロ火水マジック)
お兄ちゃん(殿堂ゼロサガループ)
龍斗(殿堂ゼロバクオンソー)
のどれかを指定して勝てばクリアとかいう狂気の企画で現在全勝しているのはたった1人しかいません。
遊戯王だと
アイ(オトマトライゼオル)
お兄ちゃん(K9VS)
龍斗(ヤミー)
シャドバビヨンドだと
アイちゃん(テンポエルフ)
お兄ちゃん(スペルウィッチ)
龍斗(財宝ロイヤル)
に連勝しろという企画です。
普通に考えてもまぁまぁ大変ですが挑戦者は多いためメンバーシップに入った人だけが参加できる企画なのに結構人気企画になってる。
冬夜曰く
「なんだかんだでこういう企画は大事なんだよ。自分が配信者側になったからこそ視聴者側の声や反応をしっかり聞きたいしさ。後は純粋にやってみたかったしチャレンジしたことないことをやり尽くしたい」