幼馴染のアーモンドアイが勝負を仕掛けて来た!! 作:グリザイユの牢獄
あれは正義のカードなのに血も涙もねぇ!!
かっしーこと樫本理子の目の先で見ている端末でとある動画を見ていた。
「お前らが見れば分かるが、ウマ娘の肉体そのものはまだ分かってないし分かった所で謎が謎を呼ぶのが多すぎる事例が多すぎる。まずこのウマ娘が走ってる状態のことに関してだが」
彼女が見ている動画は冬夜が動かしてるチャンネルの珍しい真面目な内容の動画を見ている。
樫本理子は冬夜の事については何も知らない時は、鬼龍龍斗よりも若い18にも満たない年齢で東大レベルの難易度を誇るトレーナー試験に余裕で主席合格(どうやら面接で色々あったと聞いてはいる)であり、かなり優秀なトレーナーが来たのではとURAで出張していた時の理子は小耳に挟んでいたがこれが大間違い。
優秀さを上回る問題児っぷりを見せた。
理子も思わず「お?」と着目するほどの管理主義を見せたと思えば、同時に展開される黒沼トレーナーですらやらない、今の平成や令和とはかけ離れた昭和に近い乖離したような型破りで掟破りのトレーニング理論。
あまりにも近すぎる担当ウマ娘との距離感、そもそも冬夜も龍斗も互いに学園内で2人の喧嘩を引き起こし、休憩時間の他ウマ娘との無駄話の許可、トレーナー会議を「同じことの繰り返し」と言ってサボる冬夜、休憩時間にキスして抱き着いてるアーモンドアイ…そして寮で暮らさずトレーナー室で生活してる冬夜。
てかトレーナーとウマ娘で結婚するな…あぁタマモクロスが居たな。
そして問題児その2…鬼龍龍斗。あちらは冬夜以上に分かりやすい。
冬夜のチャンネルで一同がガチでドン引きするほどに、パチンカスでヤニカスでアル中、冬夜と同類であり、アグネスタキオンの問題行動が龍斗のせいで余計悪化したし、最近スティルインラブがスイーツ店のケーキを全て食い尽くすイカれぷりを見せた。
なんなら最近は根っからの巨人ファンである龍斗は阿部采配に怒り狂い、テレビどころかその余波で近くの廊下やトレーナー室すら粉々に破壊しかけとんでも無かった。
それを偶然見た理子ちゃんは、ウマ娘でも壊れない色々な物が 一発で破壊されてく光景に本気で恐怖して腰を抜かしてしまった。
リトルココンが「龍斗トレーナーの機嫌は巨人が決めている」と称するほどにあの後は機嫌が悪かったようだ。
これであの2人がウマ娘に虐待してるなら本気で処分してるが、むしろ逆の立場。
名家だからと驕り、トレーナーのトとすら名乗れない金と地位で威張り担当ウマ娘を虐げてた悪質トレーナーを2人が目撃すると、悪質トレーナーの発言にマジギレ、すぐさま制裁を与えた挙句、カチキレた冬夜と龍斗の豊富な知識による一族の情報網へのハッキングなどの裏回しで、その名家は圧力もかける力すら何もかも奪われ完全に破産し一家散乱すら可愛く見える末路だったという。
それどころか冬夜達の所属する研究所の館長の協力もあって悪質トレーナーがやらかした事やその一族の行方や末路が公的にならぬようになった事に彼らが本気で怒り狂った事を知ったようだ。
それはそれとして問題児である冬夜と龍斗ではあるが、それぞれ担当ウマ娘が…
全戦全勝、海外のGⅠ含めG1だけで15以上も勝ち取り、世界最強という前人未到の壁を破壊し尽くしてる女王…冬夜にも敬意を称して名付けられたその称号は"絶望神"アーモンドアイ
負けた回数はたった1度であれど、アーモンドアイに劣らずのGⅠ勝利数を誇り、日本のレースを1年間休もうが最前線で全てのレースを渇望のまま無茶苦茶に破壊し尽くすモンスター…"天災"スティルインラブ
かつては足がガラスの足だと言われてたはずだが…脚部不安が見る影もなくなり、逆にゴリラのようなムキムキすぎる太さの剛脚から成る王道の先行に
影は踏めるのにどうやっても追い付けないと現在進行形で絶望させ続けてる新進気鋭のウマ娘、アグネスタキオン
今の時代とは相反する…馬鹿と天才は紙一重を体現した、ハイセイコーやセントライトの時代の最適解を取り入れた古き新時代を現代的に踏襲した理論を掲げ、研究者としても結果を出しつつそしてウマ娘側もステータスの圧倒的な暴力という単純なマジレス性能とともに最前線で暴れる。
それはそれとして、トレーニングメニューは普通のウマ娘は異常な程厳しすぎるし、担当ウマ娘との距離感はめちゃくちゃ近いし、問題行動起こしすぎだし、何より…
「今日はシャドバで、オルオーンでパチンコして相手を馬鹿にしたいと思います」
↓
「やってられっかこんなもん!何回同じ事繰り返すんだあ"ぁ!?」
「久しぶりに、虐待されてた頃に育ったとこに来たが…相変わらず物騒な街だな。ほぼ監禁されてた状態だったけどたまに抜け出した時とかに色んなやつを見たんだが…警察を名乗る公式の泥棒とかさ」
今更だけどこのチャンネル子供に対してかなり教育に悪い動画が多すぎるし、やはり怪我を防ぎ子どもたちの未来を守るには管理が必要。
ならば正面から実力でケリをつけて………あれ?
今更だがあの2人の担当ウマ娘、アーモンドアイとスティルインラブとアグネスタキオン…え?強くない?
(変幻自在ゆえまともな駆け引きをしてくる事は一切なし、並ではすぐに足切られる単純なステータスの暴力、競る事すら許されない爆発的加速、長距離をハイペースで走り、レースでも疲れすら見せない意味不明なスタミナ、何よりトレーナーという存在があらゆる物すら上回る安定剤)
王者と呼ばれたあらゆるウマ娘以上に徹底して基礎ステータスの暴力から知略だの小賢しい策を否定し上から圧殺してくるため、やるなら真正面から来いという事。
真正面なら律儀にやらせてくれるように見えて1番タチが悪いな。
だがこちらだってチームファーストのメンバーたるリトルココンやビターグラッセ達がいるのだ、負けるつもりなどない。
出張中の理事長がアオハル杯を積極的に行ってるも、元々彼女は考え方もあって乗り気ではないし廃止しようとも思っていた。だが生徒達の様子を見ているとそれは悪手と判断…ならばどうすべきか。
(一度、アーモンドアイと冬夜トレーナーの様子を見て話をしましょう)
……………………………
「……………」
樫本理子は分からない…あの2人はトレーニング後に、2人で料理を作って食べていたし(いちゃつきすぎ)そもそも自主トレしてないし(その分トレーニングしてるし満足させてるから必要ない)ほぼずっと一緒に居るのだが、
何故かカードゲームしだすし(いやなんで?)、何故か野球をしだすし(だから何故?)、何故かトレーナー室で暮らしてるし(トレーナー寮は?)おまけに少しとんでもないこともあった。
トレセンが所有してる野球場で野球をしていた冬夜トレーナーと龍斗トレーナーやその担当ウマ娘や一部メンバーと野球していた(いや何故?)中で…
「龍斗、こんな動かねぇスポーツ何が面白れぇんだ?」
「巨人が負けた日は人間を1人殴るんだわ」
『動かない足、しかし出る手』とはこのことだろうか?
その後はお察しだ。しかしウマ娘でもないのに人間2人の喧嘩だけで下手すら野球場の地形が変形しかけるほどとはやはり管理主義を打ち立てるしか…
……………………………………
今日は私がアーモンドアイと沙条冬夜トレーナーを直々に呼び、話をすることに決めた。
しかし肝心の冬夜トレーナーが来てない。
「冬夜トレーナーは今何をしてるのですか?」
「今日のお兄ちゃんは…確か大手の会社に要請されてライターとして活動してほしいという話を聞くことになってるので…社長の人とも古い縁での知り合いですし、そこで契約を取るはずなのでもう少しかかると思います」
「なるほど…」
彼、思った以上に知り合いが多いのか?そう思いながら待っていると、珍しくスーツ姿のまま疲れたような顔をして部屋に入ってくる人が1人。
「はー…疲れた」
「お兄ちゃんどうだった?」
「ギラくんとは古い縁だし会話はかなり弾んだし個人契約も同意した。アイも一回配信チャンネルのスポンサー契約する時で顔合わせはしたはずだから人柄知ってるはずだろ?」
「でも良かったわ、無事に話がまとまって」
汗をタオルで拭きながらも、疲れが拭えない中で、首をゴキゴキ鳴らして話す。
「無駄なお喋りは後にしてください。こちらからの話の方が大事です」
「あ"?」
その瞬間、苛立った冬夜が初めて理子の方を見たのだが、その目つきと覇気は完全に彼女を敵として向けた。
「っ!!(何この威圧感…手に汗…!?シンボリルドルフとは違う、まるで怪物の殺気!)」
「突然連絡入れたと思ったらいきなり呼び出しやがって…こちとら用事あったってんのによ」
「お兄ちゃん、この人はURAの幹部職員さんだよ」
「つまらん足の引っ張り合いばかりしてる輩どもの1人がなんでここに居るんだ?」
(凄い……権力者とか名家出身が嫌いすぎてとんでもない罵倒してる)
「……噂に聞いてはいましたが、やはり名家出身の人……いや、もしかすると大人自体が…」
「あぁ、嫌いだね。昔から…自分で何も手に入れてないのに親の栄光を自分の力だと抜かす上級国民サマの集まりが。お前がそういう出身なのは知ってるよ」
理子は冬夜の過去の事をよく知ってる。冬夜は幼子の時虐待の受けていたのだが、虐待をした存在は親戚の家ではあるがよりにもよって地主としても名高い、いわゆる名家だった。
特に虐待を率先していたのは叔父とその弟とその子供なのだがその男は婿入り側…端的に言えば名家なのは叔母の方だった。幼い冬夜から見てもつくづく惨めに思えたのだろう。
その後は亡くなった両親の遺産を全て奪われ破壊されたりしたが最終的には、成長した冬夜がお礼参りという形でその一家を完全に破滅させ残酷な末路を与えたが、幼い中で様々な世界で多くの大人を見たためかその嫌悪感は心の中で増していた。
だからこそ、冬夜は一瞬にして彼女の評価を思い出して見極めた結果、信頼も信用もしなかった。
同時に理子も冬夜を見極めていた。
(沙条冬夜…文字通り幼い頃から実力のみであらゆる世界を支配してきた正真正銘の『生まれながらの怪物』…ダンスやピアノなど数多の世界において数年前まで多くのプロ候補、世界を獲る物と称された若き才能を彼の実力により狩り尽くされ絶望した人たちは数知れず。今でこそアーモンドアイの担当としてサポートに回るが本質的には魔王に等しい)
(そして中央トレーナー試験にも歴代最年少かつ龍斗トレーナーと並ぶ最高成績で合格。元々研究者なのもあり、多くのウマ娘に関する理論や考えを立ち上げていたが、トレーナーに成りたての頃に出した理論が研究者やトレーナーによる賛否両論を引き起こした)
その理論はまるで今のような理子の過去のトラウマすら想起させるもの。思わず猛反対し、一時期はなんなんだコイツはとすら感じたが。
冷静になって理論を見ると、よくよく考えればこれらの理論を全て見たら行く道ややり方は『管理主義』その物にもなる。身長体重肉体チェック、基礎代謝どころか、骨密度など全て測った上で、本人の性格や思考回路、そして食事量なども多くの事を計算した上でトレーニングと食事を行う。
これは正直言って他のトレーナーでは絶対真似できないからだ。単純だが…トレーナーですら専門外、ウマ娘の研究者でもかなり苦労する分野の必要性、それどころか常時変わる担当のデータを把握しながら細く調整しなければならない作業は純粋にきつい。
それを出来るのは冬夜や同じ性格かつライバルの龍斗しか居ないのもあり…結果アーモンドアイやスティルインラブ、そしてアグネスタキオンが誰も止められなくなった。
(間違いなく…トレーナーとして新時代の存在になる。彼を超えなければ私の考えは絶対実現しない)
彼女はそう思いながら2人にホッチキスで止めた冊子を渡して見せながら話した。
「なんだよこれ」
「いっぱい書かれてる?」
「─ぬるい」
「(何を言ってんだこいつ)は?」
「自主トレーニング、休憩時間でのウマ娘との無駄話の禁止… 練習外での移動・間食・スマートフォンの使用制限など、管理主義においてこれらは不必要な物」
「(無駄……ねぇ?)さらっと見たが、コイツは新しい教育システムってやつだろ?」
「ええ。任期中の学園の方針は一任されています」
「ふーん」
「あれ?お兄ちゃん全く興味なさそう」
「やよいちゃんがアメリカ行くのは知ってたし、1ヶ月後に論文の論争しに行く時にあの人見にくるからどうせ会うし」
「貴方達はともかく、多くのウマ娘とトレーナー間の間で生活状況が把握されてないのも事実」
「…んだこれ、外出先は申告?全教科で少テスト?トレーナー側も仕事…後は赤点取れば補修授業?…んだこれ社不にこれは無理だろ。ウマ娘の中でもゴルシとかタキオンとかオルフェーヴルとかもう想像するだけで察するわ」
「問題ありません。癖の強いウマ娘の皆さんは貴方や龍斗トレーナー、沖野トレーナーのような専門家に任せようと思います」
「ちゃっかし押し付ける気で兄貴が可哀想でやばい。俺と龍斗は兄貴に全部託すが」
「後は夜は就寝の管理のためテレビを禁止にしようと考えます」
「は?まじで言ってんのお前?」
「あの……それはやめた方がいいと思いますよ?」
「……??何を言ってるのです?」
「テレビ見れなくてやばくなるのは俺らじゃねぇ」
「龍斗トレーナーにその話をしたら絶対怒り狂いますよ??」
「…それはどういう事ですか?」
「あの野郎が巨カスなの知ってんだろ」
「……きょかす?」
「巨人ファンだよ巨人ファン!しかもあの馬鹿は狂信者の類だ!」
「……っ!!」
理子は思い出した。巨人の監督のダメな指示に怒り狂ってテレビを粉々に破壊した男の姿を。本来はここにはスティルとタキオン、そして龍斗も交えて6人で意見を取り合うつもりだったが、巨人が負けて絶対不機嫌中の龍斗は話をつけに来た理子に怒り狂った状態のまま問答無用で門前払いした。スティルは見つからずタキオンはすぐさま断られたため、あの3人にあっさりと拒否された時は理子といえど傷ついた。
だからこそこれを見かねてテレビの制限をしたが、それを聞いた冬夜は本気で焦った。
「馬鹿かお前!むしろ逆効果だ!龍斗を舐めるなよ!」
「な……それはどういうことです?」
「アイツは生の野球中継を生き甲斐にして美酒に酔ってる世間の親父みたいな奴だぞ。しかも仕事終わって夜の疲れた真っ只中!テレビを禁止されて、野球中継見れずに怒り爆発して半狂乱になるアイツの姿は想像するだけで頭抱えるんだよ。それを昔から止める俺の身になれ!巨人が負けた時や野球見れなかった時、理不尽にキレてぶん殴ってくる思想の恥みたいな男だぞ」
「…………え?」
「いや嘘ですよね?みたいな顔されても困るんだよ。例えアンタが、テレビ見れなくて野球中継見れずに怒りが爆破した龍斗に理不尽に殴られても、こっちは何も言わんぞ」
「確か鬼龍トレーナーは特異体質としてウマ娘と同レベルかそれ以上のパワーを持ってると…」
「ある意味ジェンティルドンナが適当な理不尽で殴ってくると思えばいいがアイツはアレが原因で親に迫害されて捨てられたからぶり返すと余計にキレるぞ」
真面目なのはいいが、介入すんなよという忠告を聞いた理子は、自分がもし彼に殴られたら死ぬんじゃ…と思い顔を真っ青にしながら想像する。
もしここに龍斗が居れば「は?ふざけんな●ねよ!」とマジギレするのが見えてる地雷でしかない。
「どうでしょうか、生徒の安全に十分配慮しつつ実力を発揮できるように考えているのですが」
「はぁ……この世界、ウマ娘はめちゃくちゃ居るのにトレーナーは少ねぇんだよなぁ」
冬夜がこの冊子を見た短い時間で考えた事は多くある。結局のところ一番良いのは全員が個人個人に合ったトレーニングを受けられることなんだけどそれをやれるほどトレーナーの数がウマ娘の数に対して多くないのが常。
恐らくこういうルールで参考にされてるのは軍隊やプロの選手。甲子園にも出てる強豪校の高校とかだろう。
だからこそ単純だ…これは二月の勝者*1にも書かれていた事ではあるが……
『12歳と18歳は違う』……にかなり近い。
トレセンというのは中学1年から高校3年までの中高一貫とも言える場所。
心理的にここらの精神差はかなり大きい。何故なら精神の成長というのは中学生や高校生で思春期もあってか大きく変わることが多いからだ。
シンボリルドルフやエアグルーヴ、シリウスシンボリら高校2.3年生ならワンチャン耐えれるかもしれないが、アイ、ラッキーライラック、ブラストのような中学1年から2年生の生徒からしてみればこんなの聞かされたらやってられないだろう。それ以前に目標立てて頑張ろうと入学した新入生が管理体制聞かされたら絶望でしかない。
実際、隣でアイが本気で嫌そうな顔をしてるのだからそうだ。プロのアスリートならともかく女子高生や女子中学生が食事から睡眠、トレーニングまで生活の全てを管理しますなどと言われたら大抵はキレる。
これがせめて野郎ならまだ……耐えられて
「一応ですが、トランプや貴方がた筆頭に取り組んでるカードゲーム等も制限をしています」
「あ?ざけんなテメェ」
「お兄ちゃん落ち着いて落ち着いて!!この人は悪い人じゃないから絶対!!」
なかった。今年で二十歳のこの男…好きな物を取られるとなればやはりキレる。
(つか……思春期の女子高生の思考的に変な方向に捻じ曲がんだろ)
管理主義というのは確かにケガをしない点ならば放任主義よりかはまだマシ…とは言えないが、客観的に見てもこれは女子中高生には毒だし、エンジョイ勢みたいなウマ娘もいるがそっちだとありがた迷惑になる。
そしてこうなれば待つのは冬夜にとっては1番嫌いな状況だ。
(こんな体制になったら……何の成長も進歩もしねぇ)
冬夜は元々の思考ゆえに、いい意味で自分の想定外の前人未到の記録というのを好む。
もし、担当であるアーモンドアイの叩き出した記録を突破した人が現れたなら称賛しつつも、なら次はアイや他の担当ウマ娘でまた新たな記録を出すという冬夜も自称するが「俺、思ったより呪術の羂索に近いのかもな」と言うくらいに。
もしこの管理主義が執行されてしまえば、冬夜が見たい世界は…常識を無視した怪物はいなくなるかもしれない。
あらゆる界隈で言えるが緩い鍛錬でガチ勢に勝つことなんてほぼないのだ。
(あの女の発言的に…何かしらのトラウマを持ってる。そうしなければならないという強い何かが見えるし、事故に繋がることを恐れてる。もしかするとトレーナー歴はあるみたいだし担当が事故ったか?……そして分かりやすかったが)
(樫本理子という女は…自分の事を信じれてない)
冬夜が話を聞くだけで速攻で感じた事だ。これらの冊子の思想があまりにも極端すぎてどう考えても自分が1から考えた物ではない…0から創造した物とは言えない。
後は話してる言葉の裏にウマ娘の「暴走」によるケガのリスクを抑制することを口実をしてるように感じたのもあったのだろう。
(面倒だな…)
どうやら元々廃止にしようと考えたアオハル杯であるが、一部ウマ娘の言動や話を聞いて確実に反対されるだろうと考え逆に利用することにしたようだ。
アオハル杯の廃止や自分の考えを撤回させる代わりに自分が用意したチームに勝てという餌を。彼女のチームが勝てば管理主義の力を知らしめてやれるし、負ければ自分達の力がそれだけだったというある意味…変なところで武士のような潔さを感じる。
「まっ、いっか」
そう言って冬夜は立つと欠伸を上げて隣のアイに行くぞと呼ぶ。
「どうしたの?」
「飽きた…出るぞ。お前、今回の聞かなかった事にしといてもいいよ」
「っ!!……止めないのですか?」
「俺が反対するの分かっててやったのかよ。………むしろ逆だろ。俺が反対してお前に意見出しても聞かねぇだろ。そうなりゃ後は不毛なだけだ。龍斗に同じ事をしてもいいがやめとけ。アイツは俺より喧嘩っ早いし結果は俺と同じだ」
もし、俺たちの邪魔をするならこっちもそれ相応の手段は執行するぞ?という瞳を向けた後、理子に視線を向けずにそのままドアに歩き出す。
「あの…失礼します!」
冬夜の思考を理解してるため、しょうがないと思いつつ目の前の理子はいい人だと理解して心配して、難しい表情をしながらも冬夜の後を追う。
「………………」
1人残された理子であるが冬夜はともかく、アイの様子を気にかけてルールを少し緩める事にしたのは言うまでもない。
「アオハル杯……ねぇ、チームの管理とか面倒だし、唐突に公式試合の予定出されると、そのためのアイのバイタルの管理と調整は面倒なんだよ。俺はパスだ」
元々冬夜はアオハル杯自体は面倒な様子で出るつもりはなさそう……
(まぁ、あのような様子の冬夜が、アイに人生を管理されてるのは言うまでもないし満更でもない)
『その後』
「なぁ冬夜、頼むからアオハル杯!チームスピカの助力として出てくれないか!!」
「……は?」
数日後、チームスピカの沖野の頼みという名の一声で出る事になったのである。
今は就活で忙しいのでちょくちょく遅れるかもです。
余談ですが、昨日のデュエマのCSでフミシュナ6枚目達成しました。
まぁ近くでほぼ1800円で買取してくれる店があるから全部売るんですけどね(初期が好きな人間)