幼馴染のアーモンドアイが勝負を仕掛けて来た!! 作:グリザイユの牢獄
龍斗のトレーナー室にて冬夜と龍斗がだらけながら話していた。
「なぁクソガキ」
「あ?」
「今更思ったけどよ」
「なんだよ」
「ちびまる子ちゃんで1番面白い話ってテメェはなんだと思ってんだ」
「唐突すぎんだろ」
この2人は唐突にふとした話題を出すといっせいので出そうぜという案に対して2人は言った。
「「永沢くんの家、火事になる」」
「やっぱりかよ」
「そらそうだろ」
2人は共感するようにケラケラと笑いながら話を続けた。
「俺は昔からさくらももこの本を見てたけどよぉ…つくづくアイツ才能あるなぁって思ってたからなぁ。文や話もロックだから好きだぜ俺」
「分かるわぁ…」
冬夜は共感するように話を続けた。
「火事の話も『結局は他人事』『下手な同情は余計なお世話』『可哀想な奴と嫌な奴は両立する』ってのを簡潔にまとめてるからな。当事者のリアリティ溢れてるから面白いし。それはそれとして内容はイカれてる」
「でもさ…なんか雰囲気おおらかじゃないか?」
「おおらかなのがおかしいんだよアホ」
「これをどうして少し前に公式がウマチューブで出したんだろうな。しっかりとリマスターでされてるのがオモロいし」
「丸尾が何故ちびまる子議論で常識枠に置かれないかの全てが詰まっててやばい。永沢くんを励ます会とかいう善意の押し付けでも最低最悪の奴」
「火事を利用して自分の株を上げようとする丸尾がサイコすぎるんだがどうなんだよ冬夜」
「それ以前にあの会は、小学校の先公や小学生どもがこういう事をやるのあるあるなんだけどよく考えると頭がおかしいという概念をこれでもかと表してるからな」
「そーか!今更ながら感じた事それか!冬夜テメェ言語化上手いじゃねぇか!」
「おまけに正月に火の用心と書いた凧を上げたら糸が切れて焚き火の中に墜落するというおまけ付きさ」
「人の心ないんか?」
「あるからこれだろ」
そう言いながら冬夜は手元のカードにスリーブを入れて、龍斗はタバコを取り出そうとする。
「おい龍斗、タバコ吸おうとすんな。こっちも含めてなんだけどさ、臭いんだよ。どんだけウマ娘達からお前の服の匂いについたタバコの苦情があると思ってんだ」
「あ"?こちとらストレス溜まるんだよ。もっかい吸わせろ」
「典型的ヤニカスだな。文字通り50ちょいで地獄に行っちまったさくらももこが目の前にいるようなもんだな」
「黙れよガキが」
しけた顔をした龍斗はタバコを机に投げ捨てるとつい先ほど感じた事を話し出した。
「今更感じたけどよぉ…外に出る時の行く時の服装についてお前にマジで言いたい事あんだよ」
「なんだよ」
「お前と格ゲー大会に行った時の、テメェのあの格好はよぉ!世間から見たら真面目に不審者なんだよ!180以上の髪が緑や青色の大男がどこぞの遊戯王のファラオ見たくあちこちにシルバーネックレスつけてロングコートのサングラスつけた黒マスクの野郎とか不審者なんだよ!テメェのファンと思わしき女すら10度見してたんぞ!?しかも結婚指輪つけといてシルバーアクセとか着けんな紛らわしい!」
「俺の趣味だ。いいだろう」
「そうか。それはすごーいセンスしてんのな。警察すらガチでドン引きした格好が」
龍斗がケラケラと中指を立てて煽り、冬夜は何も感じない表情のままだが……隣の部屋で。
「「「まずい……気になる内容が多すぎる」」」
「皆さんどうなさいました?」
隣の部屋で3人のウマ娘と1人のウマ娘がいた。
…………………………………
野郎2人が居る隣の部屋
そこにいたのはカレンチャン、ラヴズオンリーユー、クロノジェネシス、そしてスティルインラブの姿があった。
そこでは後に配信されるあの曲『めにしゅき♡ラッシュっしゅ!』の歌詞の大まかな作成や調整を行っていた。
「いや、ここの歌詞はこうした方が…」
「カレンさん、ここはこうしてみようかしら!」
「あの…ここはこうだと」
現在はパンドラはレースが近いため居らず、代わりにクロノジェネシスとスティルインラブが加わって話をしている中で、偶然にもスティルのトレーナー室の部屋が大きく、使えるスペースもあったため話し合いとしては最適だ。
尚隣の部屋で……
「っしゃ!!酒だ!酒!酒飲むぞ!!」
「テメェまだこんな時間に何酒飲んでんだよ!てか焼酎じゃねぇか!」
「「「何してるんだろうあの人達……」」」
「ふふっ、2人とも楽しそうですね」
(何言ってるのかしらアナタ)
「スティルさん!?」
隣の部屋の会話の内容や騒ぎっぷりに1人を除いて皆が気になってしまう中で、アホ2人が部屋から出てきた。
「しゃオラァ!!楽しんでるかお前らぁ!!」
「うるせえ野郎だ。耳が腐る…」
「あなた、どうなさいましたか?」
(((…………アナタ???)))
ベロベロに出来上がった龍斗と真面目にドン引きしてる冬夜、そして奥さんのようにアナタと龍斗に対して呼びかけてた様子に思わず二度見する他のメンバーというだいぶめちゃくちゃな中で龍斗が真面目にアホなことを言った。
「うし!飲酒デュエマか飲酒スマブラすんぞお前ら!」
「未成年何人いると思ってんだ」
奴は酔った勢いのままめちゃくちゃなこと言い出した。
「デュエマだったらシールドが割れた時、遊戯王だったらライフ!ゲームだったら負ければ俺とこいつは一杯!」
「お前が飲みたいだけだな」
「まぁ!面白そうです!代わりにスイーツで参加しても良いですか!?」
「あっ、同族がいた」
「あの……今も食べてますよね?」
まさかのスティルも参戦。ラヴズによって大福片手に何かを食べてる事を指摘されてるがスティルにとっては知ったことではない。
「つーか酒とかもうすぐ夜になるとて、飲みたくないんだが?」
「じゃあ酒の代わりに!人には言ってない恥ずかしい話でも言えよ!」
「はぁ?…………いいよ」
「「「いいの(ですか!?)!?」」」
「面倒くさいし。そもそも龍斗そういう奴だし。ノンデリマジレスカス野郎だし。こいつ大人気ないしかなりカスだし」
「りゅ……龍斗トレーナーが目の前に居るとはいえ、そこまでカスでは…」
「こいつルーラーシップ相手に麻雀や大富豪で毟り取りつくした上でルーラーシップが使ってる天門に対してサイバーとドリメで盾殴らずボコボコにしたカスだぞ?しかも便乗してスティルインラブがドリームメイトで死体蹴りしてたからあいつの反応良すぎて俺も笑ってた」
「2人ともいい性格しすぎだよね……」
ご愁傷様と合掌するラヴズとカレンの横で、スティルインラブは近くの机を見て無造作に置かれた多くのデッキとプレイマットを見てすぐさま冬夜を見つめては一戦しましょうと座らせる。
「なんで俺と…」
「この前、私は貴方に負けたのでリベンジです。大丈夫です…勝つ気しかないので」*1
「マジで言ってるのか…はいはい」
早く座れ、と言わんばかりの目つきで椅子に指を指すスティルに対して、ため息を吐いて冬夜も席に座る。あの様子のスティルを珍しさを感じたのか他のメンバーも気になって近くで見る。
「あぁデュエマね。……アドバイス用に新しく作ったおもちゃを使う機会だしまぁ、お手柔らかに」
「どうぞ」
カードゲーム歴数ヶ月のスティルインラブ視点からして見たら、冬夜という男は化け物だ。自分の多くの趣味で世界規模の大会に勝ち取って出場した数は数知れずだし、それ以前にトレーナーや研究者をめざした彼だがその気になれば他の分野のプロとして活躍出来た。
彼は本質的には内なる紅と変わらないのかも知れない。そう思いながら後手を取ってしまった事に腹を立てつつゲームを始めた。
『1ターン目』
「……デドダム埋めてターンどーぞ」
「なら…ドローした後、1マナでお目覚めメイ様召喚」
「お前まじふざけんなよなんでそれ持ってんだよいつも!」*2
「な…なんであの人は頭を抱えてるんですか?」
「スティルのやった行為が犯罪なんだよ」
「犯罪って…」
「お前ら風に言うなら、カードゲームプレイヤーからしたら女子更衣室にカメラを仕掛けられるレベルの犯罪だぞ1ターン目メイ様からのチェンジ森夢メイ様は」
「そ……そんなに…」
「まぁ見てろ」
2ターン目
「俺のターンか…『ヘブンズゲート』をチャージ」
「……え?」
「うわ…お前のデッキそれかよ。陰キャか!?」
「俺は盾は殴らないからな」
冬夜が作り上げたデッキがどのような物かを理解した龍斗だけは心底嫌そうな顔をする。
「2マナで大集合を出して…Disアイチョイス埋めて終わり」
「………どういうデッキなのです?」
「さぁな」
「あら?お兄ちゃん?それに他のみんな」
「「「アイさん!!!!」」」
「あら?お兄ちゃんとスティルさんの対戦?しかもドリームメイトと…何これ天門?どう言うデッキなの?」
「教えるわけないだろ?」
そんな中でアイが現れた。現在、スティルがお目覚めメイ様から森夢のイザナイメイ様に革命チェンジして一点ブレイク。その前に冬夜が出した『テンサイハート』が現れると2枚カードをドローしてあるカードを1枚捨てて処理終了。
「……盾はない」
「終了する時…『光臨』*3使います」
(アナタ…嫌な予感がするわ。どうするの?)
(手札にフィオナとPPPがいます。呪文のコストを多く出来るしコストメタも出来るのでなんとか出来るはずです。ワタシならどうします?)
(そもそもヘブンズゲートなら守りのデッキでしょう?でもデドダムというアナカラーのクリーチャーが見えるせいで明らかに碌でもないわ…アナタに任せるわよ)
「激烈元気モーニンジョーをデッキから出して、効果で8コストのプワソンに進化!プワソンの効果で1ドローして手札から光夢龍フィオナ・フォレストをバトルゾーンに!フィオナの効果で1ドローして手札からコスト3のピザスターのアンティハムトを出して、アンティハムトの効果で1ドローしてPPPを出して処理終了です!」
「うわぁ……」
「………キモすぎワロタ」
「え?」
「何が起きたのかしら?5体になったわよ??」
「森夢のイザナイメイ様が出た瞬間…こうなったわよね?アイさんあの盤面どういう事ですか?」
「まずフィオナフォレストの効果で自分以外のドリームメイトの数分呪文のコストが増えるから3コスト呪文のコストが増えて、次にプワソンの効果でドリームメイトが全員ブロッカーを得て、何故かPPPというクリーチャーがお兄ちゃんのマナよりコストが上のクリーチャーを出したら出す代わりにマナに送られる…つまり大型のクリーチャーを相手ターンも自分のターンも封じる召喚制限みたいなものよ」
「え…これ後手2ターン目の出来事ですよね?」
「大丈夫よ。アイはこの前これを『先攻』2ターン目に何度も行ったわ」
「これ…返せます?」
「ほぼ無理よ」
現代デュエルマスターズにおいて2ターン目にこんな事をされて返せるデッキは数えるほどだろう…ちなみに作者ならこんな盤面を作られたら心の声どころか舌打ちが漏れてた。
これが、つい最近発売された新弾でアホみたいな強化を受けたスティルインラブ愛用の『ドリームメイト』である。
冬夜でさえ、面倒くさそうにしているが絶望ではない。
「お兄ちゃん…大丈夫?」
「まっ……面倒くさいけど」
「返すか」
そう言ってぽいっと3枚カードを開示した。
「手札から『流星のガイアッシュカイザー』*4と『真気楼と誠偽感の決断』*5……これを2枚を宣言」
「ん???」
「え??」
「なにが?」
何も知らない3人娘は何が起こったのか唖然、スティルは思い出したかのような反応を取り、龍斗は思わずため息を吐く。
「つくづく嫌らしいデッキを組むな。アドバンスに現れたトリーヴァシャングリラを自分なりに改良した『45枚構築の4Cディスペクター天門』かよ」
「ふぅ…… 真気楼と誠偽感の決断……パーフェクトペテンシーを1枚の効果でドローと盾送り、2ドローして1枚捨ててPPPを盾に」
「あっ…」
「この次にPPPが消えた事でコストより高いクリーチャーを出す制限が解かれてガイアッシュカイザーを実行。バトルゾーンに、ガイアッシュの効果で2ドロー……次に2枚のペテンシーの効果。2回のトリガー実行」
「1回目…テンサイハートで捨てた『逆転の影 ガレック』を実行」
「2回目…ペテンシーで捨ててた『ヘブンズゲート』を実行」
「うわぁ‥冬夜の陰キャ戦法。これはきつい」
「ガレックの効果。6枚デッキから墓地に送って…このハンドなら…テンサイハートをバトルゾーンへ。テンサイハートの効果で2ドローと1枚捨てます。そしてヘブンズゲートを実行する。手札からこの2枚」
「刀志猫のプワソン」
「砕慄接続 グレイトフル・ベン」
「あら?」
「スティルさんのターンですよね?冬夜トレーナーずっと動いてません?」
「アイツはああいうの大好きだからな。ハメ殺してガッチリなぶり殺す戦法なんざあの野郎の大好物さ」
「グレイトフルベンのEXライフの後に効果。墓地のカードを全てマナゾーンへ。ペテンシー2枚とガレックの5枚、テンサイハートで落としたカード含めて馬鹿みたいにマナを増やします。これでマナは10枚以上。PPPはほぼ無意味な状態にした後に刀のプワソンの効果、一緒にベンが出てるためコスト8以下のサイキッククリーチャーを超次元ゾーンから…」
「『大感動!ディス・イズ・大横綱』を出します。横綱の効果で3枚マナブーストしてとりあえず、墓地にギガンディダノスとヘブンズゲートと喜望を墓地に。結局最初に出したテンサイハートはデッキ下に行くし処理終了。ターン終わらせな?」
「……ターン終了」
まさかの盤面が大逆転である
冬夜の盤面は
・ガイアッシュカイザー
・テンサイハート
・大横綱
・ガレック
・プワソン
・グレイトフルベン
・大集合!
一瞬にして盤面が増殖しマナも増える中で冬夜は冷静な顔をして動き出す。
「VTをチャージして2マナで…ガイアッシュ軽減とサイキックがいることで8引いて『フィオナシャングリラ』を召喚」
「ん???10が2になった???」
「フィオナの効果で2ブースト、プワソンの効果で超次元から『ラスト・GOLDEN・ドラゴン 』をバトルゾーンへ。ゴールデンドラゴンの効果で2ドローして2マナアンタップ。もう一回フィオナシャングリラを出して2体の効果が起動して4ブースト。まぁ…こんなものか。アンタップしなくていいな。スティルは100%詰んでるし」
「え?」
「あぁ…とりあえず腐るほど1マナで飛翔龍5000VT投げとくか」
「っ!!嫌なカードを…」
するのスティルの場にあったプワソン以外のパワー5000以下のクリーチャーが全て手札に戻る。
「え?1コストしか払ってないのになんなのそれ!」
「VTは場のクリーチャーの数だけコストを軽減してバトルゾーンに出す。そしてパワー5000以下の相手クリーチャーを全て手札に戻す」
「場のクリーチャー…ってほとんど自分で増やしてるじゃないですか!?」
「覚えておきなさい。これがお兄ちゃんのマッチポンプよ」
「なるほど…リッキー先輩のファンをやめますね!」
「まぁ、ごちゃごちゃした過程はもういいか。フシギバース…墓地のギガンディダノスを13を払うコストからガイアッシュの軽減ー4を加えて8コストのVTをマナに送り2マナでバトルゾーンに」
その瞬間…スティルインラブが持っていた手札がギガンディダノスの出た時効果で全てマナに送られ、ついでにマッハファイターのシャングリラでプワソンが処されてターンをエンドする。
「……何か返せる?」
「すいません。投了します」
「それはそう」
スティルは仕方がないと言わんばかりにカードを回収していき、冬夜もすぐさま片付ける。
ドリームメイトというデッキは…ドリームメイトを7体並べてお目覚めメイ様のアタックする時の効果で特殊勝利するのだが…ギガンディダノスは自分よりパワーより低いクリーチャーにアタックされない効果がある。
ギガンディダノスはパワー50000を超えてるため、当然ドリームメイト側にそんなクリーチャーは居ない上にギガンディダノスを除去して超えたとしても冬夜からして見たらまた出し直すだけでなく、除去される前に、サファイアミスティの特殊勝利効果を達成するために40枚場とマナに展開するため動いて勝ってるため全てが無駄なのだ。
そもそも冬夜はドリームメイトの戦い方を熟知してるため、対処法なんぞでへまをすることない。
「ふーん。悪くないな」
「おい冬夜、禁断は?」
「今回は入れなかった…まぁ感触は良かったよ。ベスト8になった時のトリーヴァシャングリラのデッキが使い心地気に入らなかったから、自分なりにブラッシュアップしただけさ」
デッキを横入れシャッフルしつつ回した中での考えを脳内でまとめ上げていく中でスティルは僅かながら不適な笑みを浮かべて言った。
「でも…私は忘れていませんよ。シールドを1枚ブレイクされた時に、人前に話した事ない恥ずかしい話や感動的な話を1つする約束」
「………あ」
思わず思い出したような反応をしてしまう冬夜。そもそもそのような反応をしなければまだマシだったが、「あ」と反応してしまえばそれは相手の思う壺。
「ほーん?……じゃあなんか言えよー、ひよったかぁ?」
「うふふ…ラヴな話なら大歓迎ですよ?」
「冬夜さんのそういった話は聞いてみたいです!」
「こいつら…」
周りのやれやれという圧力の中、偶然アイを見た冬夜はじっとこちらを見ていた。思わず目を逸らしてしまうも…一瞬ため息を吐いて龍斗が持ってた酒を無理やり奪い取り一杯飲み干す。
「ちょ!?何してんだテメェ!!」
「酔えば合法なんだよ…こういうのは酔えば。どんな話でも酔っ払ってしまったで解決できる。こうなったらやけだ」
絶対に血迷ったな…とドン引きされる中で話をする。
「この前地元で8年の期限が過ぎた駄菓子を食わされた話とか、俺の高校時代に龍斗が研究所で半生チャーシューの殺人ラーメンを作りかけた事とか、研究所仲間のアホが花火と称して八尺玉を持ち込んだ話とか色々あるが…あの時は一生忘れねぇよ」
「『アイを─貴方のお嫁さんにしてください』って言われた有マの夜。あの時俺は、肉体全身ぼろぼろだったけど、アイが泣いてからこっちも本気で泣いたし」
「ふぇ!?」
「ラヴ!?」
「わーお」
「あぁすまん…眠くなった。ちょっと寝る」
まさかの話を聞いたためか一同は驚愕。その話題に1番反応したラヴズやカレンが真っ赤になったアイに対してノリノリで問い詰める。真っ赤になったアイは彼女の膝枕で眠ってしまった冬夜をなんとか起こそうとするが起きることはない。
「お兄ちゃん!ちょっと起きてってば!」
「ねえアイさん、冬夜トレーナーってその時どんなこと言ってたの!?どんな感じだったのキスしたの!?」
「え!?い…いや、キス自体は元々小学生の時にアイがやってみたいってねだったらしてくれて…」
「え!?アイさんからねだったのですか!?」
「…………あっ//./お兄ちゃん!!」
「こいつねてるぞー」
…………………………
『とある場所』
「………そんな感じか」
少年が立っていた場所は14階建ての建物の屋上。スマホを片手に何か調べていると、写真を見ていた。
そこにはある赤ちゃんと彼と妹2人、そしてその後ろで嬉しそうに微笑む彼の母親と不器用な表情の笑顔を浮かべる父親の姿を見て思わず不適に笑みを浮かべる。
「ここが…約10年前の世界か。面白くなってリュー兄やんのを借りてここに来たけど思ったより都会だ」
面白そうにメモを取るとすぐさま笑って屋上から飛び降りる。
普通の人間ならそこから飛び降りたら間違いなく死ぬ。体がぐちゃぐちゃになってるかもしれない。
だが…奴は例外だった。
少年はそのままどこぞの刃牙の5点着地の応用で着地するも何事もなくあくびをする。
「え!?」
「な…なんだ!?」
「自殺が失敗したのか?」
周りの人々があたふたして混乱している様子を尻目に偶然目の前に居たのは、車道でボールを手に取った少年が車にはねられようとしてる所だった。
「○○!!避けてぇぇ!!!」
母親らしき人が泣いて叫び、このまま車と追突するというこの光景に思わず市民が目を背け叫ぼうとした途端。
「………は?」
周りの人々は唖然とした。先ほど高層建物から飛び降りて無傷のまま着地した少年が今度は車を片足で止めていた。その姿はどこぞの仮面ライダーの名護さんを彷彿とさせるが目の前で同じことをされたらビビるだろうか?
「はぁ…昔の時代って居眠り運転多いよなぁ…」
少年が見たのは眠りから覚めて唖然としてる運転手のおじさんであり、思わず事故に巻き込まれて危篤状態になった経験がある父を思い出してため息を吐いたまま…
「んー……じゃま」
なんのためらいもなく、近くのガードレールに寄せるように蹴り飛ばした。その後少年を抱き抱えて母親の元に引き渡すと気配を感じて疲れた顔をする。
「やれやれだな」
「ちょ…ちょっと君!?」
そこに警察が現れると少年は内心「おせぇなポリ公」と内心詰り飛ばす。
「なんだよお前」
「お…お前って……君小学生か中学生くらいだよね??」
「知るか。運転手が居眠り運転してたのは知ってんだろ。さっさと取り調べでもしたらどうだ?」
「た…確かにそうだけど、君もく、車を片足で止めるとかいう意味不明なことをしてたし少し話を…」
「あぁ、どうでもいいよ。そういう話はさ…」
「この時代のトレセン学園の『沙条冬夜』って人につけとけよ。いいな?」
「……………は?」
そう言うと少年は警察の静止を無視してすぐさま蹴り飛ばした車を踏み台にしてジャンプして建物の屋上を飛び歩いていく。
「な……なんなんだね彼」
「あんな身体能力…まるでウマ娘…もはやそれ以上…」
警察官すら唖然とする中で1人の若い人がポツリと呟いた。
「あの白銀の髪…星すら彷彿とする瞳に反する目つき、口調と雰囲気……まるで沙条冬夜とアーモンドアイちゃんを見てるみたいだった…」
「はい?」
少し場所を離れて、あの現場を立ち去り近くの空き家に着地した少年はそのまま部屋に侵入。椅子に座って夜の空を見上げていた。
「えーっと…府中が走ってこのくらいか。なら…明日の朝早くに行ってみようかな」
「昔の母さんに会ってみたいし」
冬夜
→外に出歩く姿が不審者
龍斗→かなり昔に研究所で半生チャーシューのラーメンを作りかけたやべーやつ。当然鶏肉に火を通した。それ以外にも花火として河川敷で八尺玉を持ち込む奴など研究所のメンツは個性豊か。
最後の謎の少年
→目つきは少し悪く、中学生くらいだが背は少し高い。だが地毛が白銀というえぐい属性。何故かウマ娘に負けず劣らずの身体能力があるようで…