幼馴染のアーモンドアイが勝負を仕掛けて来た!! 作:グリザイユの牢獄
テイク1
お兄ちゃん「ミッドサマー観てるが序盤からこの彼氏キメェ…早く別れろよ…この彼氏死ぬよな?」
アイ「激情に任せて書かれたヤフー知恵袋みたいだ」
ラララ「ベストアンサー:1番見てて気持ち良い形で死にます」
テイク2
お兄ちゃん:子供の頃の自分からの手紙、確か「まだウマ娘好きでいますか?」みたいなこと書いてあった気がするけど多分おまえよりおれの方がウマ娘好きだしおれの方がウマ娘に詳しい。出直して来い。
テイク3
アイ「辛くないわ」
お兄ちゃん「辛くねェぞ」
ラララ「辛……くないな」
アイ「誰?嘘ついてるの」
お兄ちゃん「……もしかしておれのやつ辛いのか?」
ラララ「ちょっと貸してみぃ……うわ辛ぁ!!?!?」
書いてて思ったけどもしかして、エミュ難しいのラララ??
「なぁアイさん、ホンマに大丈夫なんか?」
「大丈夫よ!今お兄ちゃんは居ないのよ?」
「確かあの不思議さんは『学会発表』に参加しに行ったんやな」
ララ…ラッキーライラックはお兄ちゃんを不思議さんと呼んでいる。理由は単純、ララ曰くアイさんのトレーナーは不思議な所がありますからなぁらしい。
今日、お兄ちゃんはかなり知名度の高い研究者達による『学会発表』に発表者として参加する事になり早朝の練習と朝食作りを終え出かけていった。お兄ちゃんは研究者気質のトレーナーであるため論文をいくつも発表し新事実だけでなく色々な結果を残してるために若くして結構いい立ち位置にいるらしい。
朝ごはんを一緒に作ってる時に「あのジジイども素人質問よろしいでしょうか?とか平気で抜かしやがる…俺の方が30も年下なんだぞ?」と半ギレしていたのを覚えている。だけどその分面白い論文を持って帰って来てくれるからいいんだけど…やっぱりこの部屋で1人でいるのは寂しいわ、ララが居てくれてよかった。
「それにしても…凄い部屋やなぁ。トレーナー室をほぼ完全に自室として使ってトレーナー寮に全く帰ってないとはアイさんから聞いてはったけどここまでとは思わへんわ」
よーく見てみると私とお兄ちゃんが使ってるトレーナー室…思ったよりも色々私物が置いてあるわね。ゲーム機だったりフィギュアだったり…
「トレーニング系の本が全くないように見えるなぁ…代わりに不思議さんが今まで生きてきた中でまとめ上げたのを納めたファイルがあるけど」
「お兄ちゃんは本屋でトレーニング系の本を見ても『最新と言う割には見てくれだけの二番煎じ…百番煎じか』と言って戻しちゃうから。私も教本見てるとそこにあるファイルのまとめに記載されてる内容ばかりだし」
「ウチもアイさんのだーい好きなお兄ちゃんがまとめ上げたこのファイルを見てええ?これ気になってたんですわ」
「いいわよ!だけど汚さないでね。お兄ちゃん大事なファイルを汚すと流石に怒っちゃうからって大好きは…別に余計じゃないわよ」
ララがお兄ちゃんのファイルを見てる時に、魔が刺したというか…偶然にもベッドが近くにあったから私はゴソゴソと調べた。
「ない…やっぱりないわ」
「ん?なんやアイさん、何を探してるんや?」
「ないのよ!お兄ちゃんだって持ってるはずよ!エッチな本!」
「いや何してんねん」
(エッチ本なんて、んなもんこんなとこにあるわけないやろ!?!?)
(正直不思議さんは、性欲とか恐ろしいほど本気のかけらもなさそうな雰囲気してるんよ!?大体あの人はアイさん一途だから他の女にはどうあがいても靡かんわ!あったとしてもあの不思議さんの性格ならアイさん似だろうし絶対見つけられない場所に隠しとるで!?)
『ララの心の声が叫び続けるがアーモンドアイに聞こえてるはずはない』
うーん。やっぱりないわね…他の場所に隠してるのかしら?もしかしてここかしら?ないわね。
ならば…
「ララ!協力してちょうだい!今からこのトレーナー室を本格的に調査するわ!」
「…………えぇ」
「そこ!嫌がらないの!」
こうして私達は改めてこのトレーナー室をしっかりと調べる事にした。ララだって嫌がりながらも少しは気になってるじゃない。
「まずはこの書斎ね!」
私達がまず見るのはお兄ちゃんがデスクワークで普段使ってるデスク。ララもこの部屋に来る時はあるけどよく見てなかったからじっくり見てるわ。
「不思議やな、ウチのとこ以上に色々と機材が多めに見えるなぁ…まるで配信者やね」
「これが私とお兄ちゃん用の色違いのゲーミングチェアと…『赤いキーボード』…メインのパソコン用の2つの大きめのモニター、こっちが仕事用のサブのパソコンとモニターで今は持っていってるけどお兄ちゃんのノートパソコン用のデュアルモニターとしての役割もあるわ!」
「(なんか…このモデルのパソコンどこかで…)もしかして…アイさん達これでミーティングしてはるん?」
「そうよ!お兄ちゃん書くのめんどくさがるから、パワポのスライドを使ってやるべき事を分かりやすく具現化するのよ」
わたしはララに色々と教えながらパソコンのパスワードの『0310』のパスワードを入力してお兄ちゃんの使ってるサイトの購入履歴を調べていく。
「無いわね…」
「え?……ナチュラルにパスワードを入力してるのあかんやない?」
「お兄ちゃんって別に他人に見られる事そこまで考慮してないのよね。実際わたしがパスワードを入力してる見てても全く怒らないから」
「へぇ…変わってはるなぁ」
(いやそれ普通にやばいやろぉぉぉぉ!!特定の人物を信頼しすぎやし、呆れるほど人に興味なさすぎちゃうか!?プライバシーやぞ!?)
やっぱりないわね………パソコンにはそういうのはなさそう?でもお兄ちゃんならパソコンの中に……ないわ。
「ララ!次よ!」
「アイさん…あんた結構乗り気なんやね……」
「次はここ!」
「寝室か?あの不思議さん完全にトレーナー室を自室扱いしてはるなぁ…(噂で聞いてはったけど、ベッドにクローゼットに…完全にトレーナー室の一室を自室扱いしてるやないかい!なんならベッドにまくらもう一個あるんやが!?あれ絶対アイさんのやろ!!)」
ララは少しばかりなんとも言えない表情を浮かべてるわね…ベッドの下はないし、ベッドの間もそういう本はないわね…お兄ちゃんって性欲ないのかしら?
「ねぇ…お兄ちゃんって性欲あると思う?」
「アイさん、ウチが言うのもアレなんやけど女の子にそないうのはあかんと思いますわ、うちらとて花の乙女や。まぁ不思議さんは綺麗な女の子をチラチラ見る事もないというか-あれは明らかに人に興味を抱いておりません。あの人は人に教える時には具現化や表現力は確かに的確なんやが…本質的にアイさんにしか瞳が向いてへん」
「もしかして…お兄ちゃん、アイの大好きすぎない!?」
「当たり前やろ。アイさんに対して不思議さんは心かなり開いとる…そもそもあの人、アイさんくらいしかまともに異性と関わったことないって聞いたんや─がっ!?」
「ララッ!!」
ララが棚に背中を強くぶつけた事でいくつかの箱やある物がごっそりと床に落ちていく。箱が床に落ちた衝撃で開いてクラッカーの如く一気に地面に落ちたカードを見てわたし達慌てていた。
「わっ!?な…なんやこれ」
ララは思わず驚いてる…彼女が驚きながら手に取った。
「なんやこれ…カード?」
『ローダーに入った絶望神サガ』
「「ん!?」」
わたし達は思わずギョッとしてしまうのも無理はない。何故かウマ娘の界隈でも有名になってしまったお兄ちゃんが好むTCGと呼ばれる界隈の黒歴史。
当然レース界隈で『サガループ』が何故か認知された全ての元凶はお兄ちゃんです。
なんだろう……この、なんというか。
「ほら…カードゲームって。一般人ならトランプとかUNOが1番ポピュラーだし、有名どころもポケモ○カードゲームとかワン○カードじゃない?ウマチューバーのコレクターが多いしラウズさんも話をしてたし…」
「だけどこれは……これは……これは何?」
「アイさんの気持ちはよう分かりますわ…だからあのトレーナーは不思議さんなんですわ」
(なんでやねん!!そこはリーリエとかルフィとかブラマジガールとか悟空やろ!なんでサガやねん!なんで2枚揃えてループすればゲームに勝つというカードゲームを知らない人すらやばいと分かるバカが作ったカードをこんな大事に!?うせやろ????あの人もしかしてアイさんと同レベルにサガに脳焼かれてないやろうな!?)
「おかしいやろ…なんでサガループよりウチらの小学校で使った『さんすうせっと』の方が難しいんやアホか。対象年齢3歳の知育ゲームちゃうぞ…」
「ララ……??」
「……ハッ!?いやなんでもありまへん。…気にせんといてください」
ララもなーんかおかしくなってるわね。だけどわたしはお兄ちゃんのこういった変わった所も見てるから慣れてるけど…
「だけど他にもローダーに入ってるカードが落ちてるわ。放置してたらお兄ちゃんが怒るから戻すわよ」
「ウチがやらかしてもうたしな。…だけどアイさん、見てみ、明らかに高そうなカードが多そうに見えるやろ。これらを値段を見ながらしまってみるのもおもろそうやない?」
「確かに……」
わたし達の好奇心から片付けながらお兄ちゃんが集めてるカードの値段を調べている事にした。やっぱりGo○gleレンズやメルカ○は便利よね。
…だけどお兄ちゃんを甘く見過ぎていた。
『シクの悪夢神バロム・ナイトメア』『10万』
【ゼニストレジャー「祝」の頂ウェディング』
『16万』
【ルフィ 25thスーパーパラレル】『12万』
【万物創世龍】 『22万』
【アセロラ】 『70万』
「え………え???」
「あ……あぁ……」
絶句するしかない…買値がほとんど10万を超える物だらけ。これでもまだ序の口でしかないのが恐ろしい。
「どうやってこれらを手に入れてるのかしら…」
「ウチが分かるわけあらへんやろ……次はこれで─」
「何やってんだ?」
「「っ!!」」
わたし達の後ろから声がしたのでそこを見てみるとスーツ姿のお兄ちゃんが呆れた顔をしていた。
「お兄ちゃん!?今まだ昼だよ!?」
「どうにかして終わらせたんだよ…あのジジイどもこのまま飲みに行くぞとか言い出したから抜け出してきた。俺が未成年なのすっかり忘れてやがって…」
「そういやトレーナーさん未成年でありましたなぁ」
「酒は飲めねぇよ…ついでだがお前が持ってるカードは俺が大会でベスト16になって取ったウソップだ。ポケカとワンピカードは引退してるからもう覚えてねぇよ」
「トレーナーさん…少し前まで学生と聞いておりましたが???」
「自分の勉強はともかく学校の学業自体は結構ブッチしてたからな。別に学校の勉強はゆったりでもテストで1位くらい簡単だし問題なかったさ。その時に勉強休みで紙でちょくちょく遊んでたりウマ娘関連のバイト…仕事やらして金稼いだりしてた」
「流石にウチらも嫉妬したくなる思います」
「真面目に勉強してるわたし達が馬鹿馬鹿しくなってきた」
「要領が良いって言え。こっちも上手くやってたんだよ」
本当にお兄ちゃん見てると才能という概念に文句言いたくなるわ…カードゲームはしたことあるのにトランプやUNOは幼少期とトレセン内でわたしと遊ぶ時しかやったことないのに。
だけどわたしの勉強見てる時のお兄ちゃんの解説はとても分かりやすいから文句をあまり言えないのよね。
「まぁ…そこにある物より普通に高いのあるが」
「「は??」」
「パソコンだ、俺のパソコンは自作PCだから案外高けぇんだよ」
「何言うてはります?そういうのは普通10から20万が普通と聞いとりはりますが?」
お兄ちゃんは肝心のパソコンをわたし達に見せながら、スマホのとある画面を見つける。
『エヴァンゲリオンコラボPC アスカ2号機』
「何これ?」
「どうりで違和感あると思うたら…」
「コイツはASUSという会社がやってたエヴァとのコラボモデルの自作PCなんだが…1弾がお金足りなくて凹んだから金貯めて買った時はまぁ嬉しかったぞ。結構いい性能してるし、こっちもデュアルモニターだからこれでゲームしてる時が1番いい気分だ」
珍しくお兄ちゃんがパソコンの説明をしてる時、楽しそうな表情をしているようだ。確かにわたしもこのパソコンで一緒にゲームしたり、ゲーム機と繋げてモニター代わりに2人で遊んでるけど画面も見やすいしかなり高性能なのかな?いくらしたんだろう…
「お兄ちゃん…いくら?」
「軽く100万は超える」
「「………………100万?」
「そう。100万だ。アイもパソコンに100万はかけないだろ?俺の勝ちだ」
そんな事を言ってるお兄ちゃんは袋から机に取り出していくが…中身が『カメラ』や『キャプチャーボード』や『ビデオスイッチャー』を取り出していく。
まるでそう……これらは動画配信の機材に見えるがお兄ちゃんはだるそうな表情をしてわたしに言った。
「アイ…聞け。理事長命令で俺とアイでネット配信をする事になった」
「……………え?」
「………は?」
お兄ちゃんの発言にわたし達は開いた方が塞がらなかった。確かにお兄ちゃんがやれるのか?という心配もあるけど…
「ねぇ…お兄ちゃんそれもしかしてまた兼任するの?」
「ん?何言うてはるのアイさん?」
「だってお兄ちゃん…人類最後のマスターに監督生、レンタルビデオ店にプロデューサーにドクターもしてて、後はシャーレの先生?もやってデュエリストや旅人や開拓者もやって今度は動画配信者?」
「多い多い!アイさんのトレーナーさんゲーマーがすぎるわ!」
「お前ずっと思うが……しゃべり方なんJ民か?」
「やかましいわ!!!」
お兄ちゃん……わたしすごく心配よ?
余談だがお兄ちゃんが世界で1番大切にしてる物はサガでもパソコンでもなく、幼い頃にアーモンドアイから誕生日に貰った折り紙の金メダルです。実はパソコンの近くに飾られている。
何故? 生まれて初めて貰った身内以外からの誕生日だから。