「健吾、ケンイチ兄さんと連絡が取れない、見てきてくれないか?」
俺はケンジ兄さんからの電話を受け、ケンイチ兄さんが住んでいる郊外(辺鄙な?)の家へと車を走らせた。
「ケンイチ兄さん?」
俺はインターホンを何回か押し様子を観ていた。
「留守なのか?」
俺は家の周囲を見て回ることにした。
「居ないみたいだけど…ちょっと待った!」
俺はケンジ兄さんと電話をしながら家の中を覗いていたのだが…とある異変に気が付いた。
「鍋がコンロに掛けたまま…タブレットや調理中の野菜が床に…」
俺は直ぐに玄関に戻ると預かっていた鍵で鍵を開けたが玄関扉に内側にチェーンが掛けられていた。
「チェーン迄…おかしい」
俺は玄関扉の隙間に手をいれると何とかチェーンを外した。
「ケンイチ兄さん、居ないのか?」
俺は声を掛けながらキッチンへと向かった。
「何だ…この臭いは?」
何か腐ったような臭いが家中に籠もっていた。
「臭くて堪らん!」
俺は家の全ての窓を開けて換気をした。
「ケンイチ兄さん?」
ケンイチ兄さんの姿は家中の何処にも無かった、
「ケンジ兄さん…ケンイチ兄さん居ない、だけど不思議なことなんだけど調理中に居なくなったみたいでコンロに鍋が掛けてあって、床にも色々散乱していたんだ…ん?ガスコンロが点火側に?」
俺はケンジ兄さんに電話で状況を伝えた、
「今、警察に電話した…直ぐに行くそうだから待っていてくれ」
「わかった」
俺はケンジ兄さんが通報したと言っていたので警察が来るのを待つことにした…そう此処までは良かった。
「此処は?俺はケンイチ兄さんの家のキッチンにいた筈?」
いきなり眼前が真っ暗になり、明るくなるとなぜか見覚えのない森の中に1人立っていた。
「?何だこれ?」
目の前の空中にタブレット位の青い画面が開いていた。
「ステータス?シャングリ・ラ?ネットバンキング?」
俺はシャングリ・ラとネットバンキングを開いてみた。
「シャングリ・ラのチャージ金額とネットバンキングの口座残高はそのまま…」
俺はシャングリ・ラで約50万円で売られていた小型バギーを購入してみた。
「試しに買ってみるか…此処に配達されればラッキー…」
購入ボタンを押した瞬間にチャージ金額がバギーの価格分減り、眼の前にバギーが出現した。
「エンジンは掛かる…ガスの残りは…ほぼ空かよ…しまった…ガソリン買えるのか?」
等と考えているとバギーの燃料計がみるみる上がっていき満タンになった。
「ガソリンも買えるのか?」
俺は気になりネットバンキングの残高を確認した。
「行きつけのガソリンスタンド名で引き落としがされてるのか、なる程金で買えるものはいけるのか」
俺はシャングリ・ラを開くと、ドローンを購入した。
「取り敢えず、空から森の出口を探しとするか」
ドローンからの映像で出口を確認すると俺はバギーのエンジンをかけ、森から出ることにした。
「家?」
森を抜ける少し手前で一軒の家を俺は見つけた…そしてその家には大量のソーラーパネルが設置されていた…そして庭には………。
「ケンイチ兄さん!」
俺は思わず駆け寄った。
「えっ健吾なのか!?」
ケンイチ兄さんは驚きながらも俺を迎えてくれた。
「此処は…」
俺の疑問に、
「世に言う異世界というやつだな…」
俺は自分の使える状況を話した、
「なんだって、ネットバンキングが使える上にガソリンも買えるのか!」
ケンイチ兄さんは驚いていた。
「俺なんかシャングリ・ラだけだぞ…しかも手持ち金無いから、現地調達やシャングリ・ラで買った物をマロウ商会での買取で増やしてる有様だ」
ケンイチ兄さんの話を聞いていた…俺は。
「マロウ商会?」
俺の疑問にケンイチ兄さんが答えた。
「明日行くから紹介するよ、と…その前にギルドに登録しておかないとな」
ケンイチ兄さんがこの近くの街での生活について説明してくれた。
名前を間違えていました!!
ハマダ家の次男はケンジ、勇気はその息子の名前でした。