「ケンイチ兄さん、こないだのゴヤ・ゴーヤ男爵襲撃事件みたいな事がまだ起きないとも限らないし、それに獣人の耳に頼りっきりと云うのもどうかと思う、其処で騎士団を編成してはどうだろう、勿論権力に溺れぬように世襲制を禁止として…まぁ今現在有力候補としてユーパトリウム子爵の所にいたアルトニア騎士爵とリリス義姉さんの知り合いで王城騎士団のミレットの2人だな」
俺とアキラさんで騎士団の必要性と候補を話した。
「そうだな…アマラはどう思う?」
ケンイチ兄さんがアマラ義姉さんに相談した。
「妾も必要と思うぞぇ…ゴーヤ元男爵の件もあるしのぅ…」
ケンイチ兄さんが俺の顔を見ると、
「わかった、人選は任せる…騎士団の教育にはアマラ頼めるか?」
「うむ、任せるが良い」
アマラ義姉さんが同意した。
「それじゃ先ずはアストランティアのアルトニア騎士爵だな」
俺はハンヴィーを出すとアストランティアの街へと向かった。
「ユーパトリウム子爵、在宅か?」
俺はユーパトリウム子爵邸の扉を叩いた。
「これはケンゴ殿…いかがなされました?」
「以前より相談のあった、騎士達の件で話があって来た」
俺は客間に通されると、話を始めたら
「先ずは騎士達だが、新設するハマダ辺境領騎士団に希望者を受け入れる、但し1代限りとし、その子達が希望すれば登用試験を受けてもらった後とする…それとメイド達だが確か8名が希望していたな、全員サンバクの厨房での採用とする」
俺は関係者と決めた事を伝えた。
「おぉ有難うございます」
「では子爵、希望者に伝え荷造りをさせてくれ」
「わかりました」
「それと、たまには遊びに来てくれ、ケンイチ辺境伯が何か話がしたいそうだ」
「そうですか、それでは近々お伺い致します」
俺はユーパトリウム子爵邸を後にすると、カローラ亭に顔を出した。
「これはハマダ伯爵様」
カローラ亭店長が出迎えてくれた。
「何か困った事や問題はないか?」
俺が確認すると、
「ソガラムの妨害が無くなったので何も」
「そうか…これは店員たちで食べなさい」
俺はお菓子の詰め合わせをシャングリ・ラで購入し店長に渡した、
「ハマダ伯爵様有難うございます!」
やっぱり女の子だ…お菓子に目がないな。
「次はマロウ商会か」
俺がマロウ商会アストランティア支店に顔を出すと、ちょうどマロウさんが来ていた。
「これはケンゴ様…本日は?」
「いや、近くまで来たから様子見がてら顔出しをな…」
「作用で」
俺はガーデニングテーブルとイスを取り出すとマロウさんとお茶をすることにした。
「実は先日…ツンベルギアの商人達からチーズが売れないのは⋯とか逆恨みで夜襲を受けたよ」
俺の話に、マロウさんが驚いた顔をした。
「本当ですか?!」
「あぁ…まぁ全員ふん縛ってツンベルギア子爵の下に送り返したけどな」
マロウさんが呆れ笑いをしていた。
「自分達の商売に対する努力が足りないのをケンイチ殿のせいにするとは…」
「俺も同じ事を言ってやったよ」
俺とマロウさんが笑いながら話していると、
「ケンゴ伯爵様…ユーパトリウム子爵様よりお迎えが来ております、何でも希望者の準備が出来たとか…」
思っていたよりも格段に早かった。
「わかった、知らせてくれてありがとう」
俺はマロウさんのところのメイドにチョコの詰め合わせを渡すと、ユーパトリウム子爵邸へと戻ることにした、背後でメイド達がチョコを受け取ってキャッキャッと嬉しそうな声が聞こえていた。
ユーパトリウム子爵邸に戻ると、直に移住組がやって来た。
「ユーパトリウム子爵済まないな」
「いえ、騎士が6名、メイドが2人増えて10名となりました」
俺は人数を確認すると、
「16名か…となるとやっぱり小型バスか…」
俺はシャングリ・ラで中古の小型バスを検索した。
「アルス達も乗る事が有るだろうから…それなりのバスだなぁ…」
俺はガーラHD-9 27人乗りサロン仕様のバスを購入した。
「それじゃ荷物はこの木の台の上に載せてくれ、俺のアイテムBOXに収納するから」
騎士やメイドがパレットの上に荷物を置いていった。
「これで全部か…それじゃ収納するぞ」
俺はパレットごとアイテムBOXに収納した、
「それじゃ乗ってくれ」
俺はバスのドアを開くと、乗るようにと合図した…うんやっぱりね、
「伯爵様…これ噛みつかないですよね」
メイド達が少し怯えていた…騎士は顔には出してないが腰が引けていた。
「大丈夫だ、こいつの餌は油だけだし、走る以外の能力は無いから安心しろ」
何とかおっかなびっくりと乗ってくれた。
「それじゃユーパトリウム子爵また後日」
「はい、後程伺います」
俺はユーパトリウム子爵と別れると、新たな住人達とサクラを目指した…うん、すぐ着くけどね。
「到着…それじゃ降りてくれ、荷物は此処に出すから」
俺は事前にシャングリ・ラで購入しておいたコンテナハウスを取り出すと、予め決めてあった場所に設置していった。
「今日からこれが君達騎士の家だ、メイド達は本宅の1画に部屋を用意してある、マイレン頼む」
「畏まりました、皆さん私に付いてきてください」
10名のメイド達がマイレンに連れられていった。
「さてと、次は王都に」
俺はガーラをアイテムBOXに収納すると、センチュリーSUVを取り出した。
「それじゃ行ってくる」
後部座席にアルスとアマラ義姉さんの2人を乗せて、俺は王都に向かった。
「此処の橋は…」
以前の大雨で流された橋は今だに仮設橋のままだった。
「渡れるのか?」
まぁ荷物満載の馬車が渡れるなら問題はないだろう。
「馬車の往来が途切れた時を見計らって一気に渡るから」
2人に伝えると、少し停車した。
「何か飲む?2人の背凭れの間に小物入れがあって、中に冷えた紅茶が入ってる」
アルスが、何々と蓋を開けた。
「中が冷たい!」
アルスが驚きながらも中のベットボトルを出して1本をアマラ義姉さんに渡した。
「これも魔法なのかぇ…?」
何と答えるべきか…うん嘘は良くない。
「正確には魔法じゃない…機械だな」
まぁ理解はしていないだろうカールドンなら理解できるな確実に。
「しかしこの椅子凄いのぅ…」
アマラ義姉さんがシートをフルフラットモードにしていた。
「今だな…それじゃ行くよ」
ちょうど途切れたので俺は橋を一気に走り抜けた。
「仮設橋でも強度は十分だな」
俺は後方に遠ざかってゆく橋をバックミラー越しに見た。
「開門!」
王城に到着するとアルスが窓を開け衛兵に開門を命じていた。
「そなた、ミレットを連れて参れ」
アルスが手近にいた騎士に命じた、暫くしてミレットがやってきた。
「アルストメリア様お呼びでしょうか」
畏まっていた、
「そなた…部署異動となったそうだな…どうだまたリリスや妾達にに仕えぬか?」
ミレットの顔が喜びが浮かんだ。
「真でしょうか!」
「うむ、行くならすぐに準備致せ」
「はいただちに」
それからアルスが王に会いにと言い出し行ってしまった。
「俺達は此処でのんびり待ちますか」
ガーデニングテーブルとイスを出すとお茶をする事にした。
「アマラ義姉さん、どうぞ」
俺は何時ものダージリンと本日のメニューはティラミスで御座いますと恭しくアマラ義姉さんの前に置いた。
「ほぅ…これは」
余程美味しかったのかおかわりを要求してくる食べっぷりだった。
「私が居ない間に…」
いつの間にか戻ってきたアルスが拗ねた…拗ねたアルス可愛い…。
「ちゃんとアルスの分も有るよ、此方でございます」
俺はアルスの前にダージリンとティラミスを置いた。
「ウ~ン、ケンゴの作る菓子は…堪らぬな」
2人がまったりお茶を楽しんでいると…
「お待たせしました…その、この子達も行きたいって⋯」
ミレットの後ろには女性騎士と多分騎士団所属の女魔導師の2人が同じ様に荷物を持ってついてきていた。
「確か…君はアネモネのファイヤーボールを防いだ娘だよね」
「はい!覚えていてくださり有難うございます」
どうやらこの2人もミレットの命令違反に協力したらしく降格させられたそうだ…それなら。
「わかった、今はまだ何も無いが…それでもよければ許可する」
「有難うございます!」
俺はやれやれと云う仕草をすると、
「センチュリー収納…ガーラ召喚!」
俺はあのサロン仕様のバスを召喚した。
「ほぅ、また違う召喚獣なのだな」
アルスが車内を覗き込んでいた。
「アルスとアマラ義姉さんは最後尾に」
「うむ…豪華な座席なのだな」
後2列はサロン仕様にしているためシートがコの字になっていた。
「何この椅子…凄い柔らくて座り心地最高なんだけど!」
ミレットが驚嘆の声をあげた。
「ハマダ領サクラ迄は2日で着く予定だ、君達はこの車内で寝泊まりしてくれ、俺は下の専用個室にいるから」
と説明すると…、
「その専用個室見せてたもれ」
アマラ義姉さんが専用個室に興味を示した。
「仕方ないな…1回外に」
俺は本来は床下トランクの扉を持ち上げた。
「此処が俺の個室…本来は荷物置き場なんだけどね」
俺とアマラ義姉さんは車内に戻ると、
「それじゃ出発するぞ」
扉を閉めると一路ハマダ領サクラを目指し出発しようとしたその時だった。
「ケンゴ殿、王より次回来る際には参内せよとのご命令が」
王恐らく族円卓会議のメンバーであろう貴族がやって来てそう俺に伝えてきた。