「あなた…相談があるの」
とある日の夕食後、メネシアが俺の部屋にそう言ってやって来た。
「相談?」
どうやら深刻な話の様だ、まさか離婚してくれじゃないよな!!
「アマランサス様の事なんだけど…」
「アマラ義姉さんの事?」
俺はお茶を淹れると話を聞くことにした、
「アマランサス様、しょっちゅうお義兄様の奴隷と言っているじゃないですか…」
どうやらアマラ義姉さんの奴隷発言に何かある様だった…。
「一応ハマダ家は王家派と言っていますが、元とはいえ王妃を奴隷となると反王家派から付け入られる口実をと思うのだけど、私がそうだったから」
成る程、
「確かにな…それは俺も感じていた、アマラ義姉さんをどうやって説得するかだな…わかったよ、頃合いを見て話してみる」
「お願いね…もうあんな事ヤダから」
メネシアがそれだけ言うと自室へと戻っていった。
「しかし…どうやって奴隷紋を消させるかだなぁ…」
悩みに悩んだ末、俺は婚姻届を一部変更して代用することにした。
「この文章に双方署名捺印してもらって奴隷紋に替わる契約にすればいいか…」
そして翌日。
「アマラ義姉さん…今いいかな」
俺は昼頃アマラ義姉さんの部屋を訪ねた。
「良いぞ、ケンゴどうかしたのかぇ」
俺はアマラ義姉さんの前に座ると、
「実はアマラ義姉さんに相談があって」
「なんぞ?」
「アマラ義姉さんとケンイチ兄さんの奴隷紋について相談が…」
「拒否するぞぇ」
「話だけでも聞いて欲しい」
俺は何とか頼み込んで話を聞いてもらう事が出来た。
「で…?」
「うん、首の奴隷紋だけを消す事できないの?」
「無理じゃな」
「アマラ義姉さんの事でケンイチ兄さんの立場が反王家派に利用されかねないと云う疑念があって、勿論王家派にしてもいい気分ではない、其処は理解してくれる?」
「うむ」
俺はアマラ義姉さんの顔色を伺いながら話を進めた、
「今のままだと、反王家派からケンイチ兄さんのあずかり知らないところで処で担ぎ上げられてメネシアのような事になりかねない…」
「…そう…じゃな」
俺はひと呼吸置くと、
「其処で奴隷紋に替わる物として、これを用意した」
俺は奴隷契約書と書かれた紙をテーブルの上に置いた。
「これは?」
アマラ義姉さんがその奴隷契約書を手に取った、
「ある種の契約書で、これに署名捺印したら奴隷紋と同じ意味をなす、まぁ奴隷紋みたいな反抗したら苦痛がってのは無いけど」
アマラ義姉さんがマジマジと書面をみていた。
「なる程の、そなたの言うようにケンイチの立場を危うくしていたのは妾も感じておった…?これは」
ヤバい、バレた!2枚目にカーボン紙とセットしていた婚姻届がずり落ちた。
「婚姻届?………ほぅこれは面白い、此処にサインすればよいのじゃな」
アマラ義姉さんは面白そうに、新婦の欄に署名するとサインをした。
「奴隷契約書よりこっちにサインする方が、妾的には望みじゃ」
小細工いらなかったか、アマラ義姉さんが素直にサインすると、奴隷化呪文を解呪した。
「これでよかろう?」
アマラ義姉さんの首から奴隷紋が綺麗に消えた。
「アマラ義姉さん、ありがとう」
その後ケンイチ兄さんにも話をすると、婚姻届の新郎の欄に署名捺印をしてもらった。
「愛の奴隷なんちて…」
後から話を聞いたアキラさんが茶化した…まぁある意味その通りなのだが。