「ケンゴ伯爵、国王陛下よりの召還で御座います」
今俺の前に恭しく書状を差し出す一団がいた。
「何が書かれているのやら…」
俺はロウでされた封印を取ると、内容を確認した。
「先ずは…リリス義姉さんへ偶に顔を出すようにと取り次いで欲しい…イカクンとスモークサーモンを…」
どうやら…淋しいだけらしい。
「相わかった、近日中に参内するとお伝え下さい」
俺の返事に王都からの使者は歓び勇んで帰路についた、勿論俺からの書状を携えて。
「カールドンの所に行ってくる」
俺はメイドに告げるとカールドンの研究室へと向かった。
「カールドンは居るか?」
「はい、ケンゴ殿どうされました?」
俺は以前より考えていた魔導冷蔵庫の研究開発について話した、
「成る程…確かにそのような物が有れば」
「氷以外で物を冷たくしたり凍らせたりする物はないのか?」
カールドンは暫くの間考えると、
「無くはないですが…やはり魔石が必要ですね、ケンイチ殿がスライムから魔石を取り出す研究をされていたかと」
「あれか…魔石があれば可能と?」
「はい」
「俺が作りたいのは、物が凍る温度と冷たい凍るまでいかない温度の2種類だが」
カールドンが少し考えると、
「恐らくは可能かと…こちらへ」
俺はカールドンの研究室の奥へと案内された。
「ケンイチ殿から以前依頼されていたので、試作品は作ってあるのですが、如何せん大きすぎて」
俺はどう見ても業務用冷蔵庫にしか見えない巨大な物を見せられた。
「重さは?」
「はい見た目ほどでは無くて、馬車の荷と同じ位には…」
「それならば、これに車輪を付けて馬車の荷台とすれば冷凍冷蔵で輸送が可能となるな」
カールドンは、はっ!という顔をした。
「確かに、それは思いつきませんでした」
「カールドン、試作とテストを」
「ケンゴ殿かしこまりました」
俺はカールドンの研究室を出ると、ケンイチ兄さんの部屋へと向かった。
「ケンイチ兄さん入るよ」
「ケンゴどうかした?」
俺は先程カールドンと話した事を伝えた。
「成る程…低音輸送が出来れば王都やダリアの街…更にはオダマキまで行けそうだな」
勿論プリムラ義姉さんが隣で目を輝かせていた…父親のマロウ商会を抜く売り上げを出しそうだ。
「今の所は冷凍と冷蔵を分けて馬車にしてと考えている」
「それは思いつかなかったなぁ…俺は家庭用サイズでしか考えてなかったから」
「それともう一つ考えがあって、以前ケンイチ兄さんが洗濯機を作っただろ…あれを使ってコインランドリーを営業してはどうだろうか、一般家庭では流石に魔石なんてそうそう買えないだろうし」
俺が提案をすると、
「確かにな…先ずはサクラの街で実証実験で営業してみるか」
結果から云うと、それは大繁盛だった、勿論管理はマロウ商会に丸投げしたが。