「今日は胡瓜とナスがいい塩梅に収穫出来たな」
俺は家庭菜園で育てている野菜を収穫していた。
「ケンゴさん、この野菜売れませんか?」
手伝ってくれていたプリムラ義姉さんが販売を提案してきた
「販売となると作付けを増やさないとならないか…今は家庭菜園レベルだから難しいかな」
この時はこれで話は終わった。
数日後。
「居酒屋『サクラ』の改築に必要な物件を見にダリアに行ってくる」
俺はアザレアだけを連れてダリアの街へと向かった。
「一旦マロウ商会に顔を出す」
俺はアザレアにそう云うとデルタをマロウ商会へ向けて走らせた。
「マロウは居るか?」
俺が商会に顔を出すと直にマロウがやってきた。
「これはケンゴ伯爵ようこそ」
俺とアザレアは応接室へと案内された。
「マロウ、街で廃業して売りに出ている宿屋は無いか?」
俺は売り物件を尋ねた
「宿屋の売り物件ですか…確か数件程あったかと、少しお待ちください」
そう言うとマロウは部屋から出ていった。
「お待たせ致しました、こちらになります」
マロウが4軒の売り物件が書かれた紙を持ってきた。
「最近看板娘が辞めたせいで客足が途絶えて廃業した宿屋と、後は高齢により後継者がない為に廃業した宿屋です」
其処に書かれたていたのは…以前アザレアが勤めていた宿屋だった。
「お前、看板娘だったのか」
「うん…そうだったみたい」
アザレアと話していると
「ケンゴ様、実は御相談がありまして…よろしいでしょうか」
マロウが相談事を話した。
「以前娘と一緒にシャガ討伐時に救い出した娘達が11名ほど職を求めて来ているのですが…」
俺は少し考えると
「面談してみるか…どれくらいで集められる?」
「全員近くの宿屋に居ますから今からでも可能です」
「それなら頼む」
マロウがメイドに指示を出していた。
「村娘なら農作業はできそうだな…」
俺はアザレアにそんな事を話した、
「昨日プリムラさんと話していた事?」
「そうだね」
等と話していると
「お待たせしました」
マロウのメイドが俺を呼びに来た。
「わかった」
俺とアザレアはメイドに案内されて村娘達がいる部屋へと案内された。
「ケンゴの旦那!」
俺を見ると全員が振り向いた。
「久しぶりだね」
全員が間違いなくあの時助け出した村娘達だった。
「実は…あの後…村人達から好奇の目や卑猥な言葉を掛けられて…その耐えきれなくなって」
ほとんどの娘達が下を向いた。
「そうか…わかった、全員の移住を認めよう」
俺の返事に全員が色めきだった。
「君達は農作業若しくは調理の経験は有るのか?」
「はい、大丈夫です」
どうやら全員農作業や調理は問題ないようだった。
「君達には領主館敷地内の実験農場での農作業になる」
俺は仕事内容と待遇を説明し全員が了承してくれた。
「今から君達が住むことになる住居の確保に行ってくるから、この部屋で待っていてくれ」
俺はそう云うとマロウを呼んで売り物件の宿屋の確保に向かうことにした。