「魔導師ケンイチには陛下の御前で試合をしてもらう」
いきなり案内してきた男がそう宣言した。
「はぁ~?おいこら聞いてないぞ!」
ケンイチ兄さんが切れていた。
「対するは…王都の綺羅びやかな新星メリッサ・ラナ・ナスタチウム様!」
どうやら見世物にされるようだ。
「タダのおっさんと子供…こんな所まで来て家族巻き込んで馬鹿な男…」
ケンイチ兄さんとメリッサが言い合いをしていた。
「我が願いに応えよ…」
メリッサが何かの召喚魔法を唱え出した。
「おお!」
それが姿を現すと周囲から驚きと感嘆の声が上がった。
「何だ…でっかいトカゲかよ…ケンイチ兄さん、俺に総て任せてくれ」
俺はメリッサに向かうと、
「メリッサとか言ったな…お前のそれぶち殺すから覚悟しろよ」
「はぁ~、負け惜しみかしら?」
メリッサの挑発に俺指で首を切る仕草をして返した、
そしてこの世界に一緒に転送されてきた…あの乗り慣れた最強戦車を召喚した。
「来い!M1A2エイブラムス!」
俺はM1A2エイブラムス戦車を召喚した、
「ヒュィーーン」
独特のエンジン音を響かせてそれは具現化した。
「なっ…なっによあれ!!」
メリッサがM1A2エイブラムスをみて腰を抜かした。
「ミャレー、ニャメナ」
「わかったにゃ」
ニャメナとミャレーが装填手と操縦の各席に付いた。
「弾種、HEAT!」
俺の指示にニャメナが弾庫からHEAT弾取り出すと装填した。
「よし、いいぜ!」
俺は照準を合わせると車長席の主砲発射ボタンを押した、そして砲口から放たれた砲弾はレッサードラゴンの脚部に命中した、がその分厚い皮膚には効果が無く少し表皮を焦がしただけだった。
「装填、弾種、徹甲!」
俺はとある徹甲弾を装填させた、
「装填よし!」
ニャメナが声をあげた。
「これで終わりだ」
俺は発射ボタンを押した。
「ちょっと…嘘…そんな…私のレッサードラゴンが!」
召喚されたレッサードラゴンは火炎を吐く間も無く頭に劣化ウラン弾の直撃を受け口から上を総て吹き飛ばされていた、そしてメリッサその圧倒的な破壊力に腰を抜かし、失禁していた。
「大口叩いてこれかよ…」
俺はメリッサの前に立つと、
「これ羽織っておけ」
毛布を召喚すると失禁した事が分からないように掛けてやった。
「なんなのよこれ…こんな事は得ない!!」
メリッサが震えながら眼の前で起きている事を否定し続けた。
「これか、俺の忠実な下僕『M1A2エイブラムス』だ」
謁見の間にいた胸糞悪い貴族達はレッサードラゴンの頭を貫通し謁見の間の外壁を破壊、その際落下した瓦礫の下敷きとなって…大勢の死傷者を出していた、その中には騎士や魔導師も入っていた。
奇跡的に掠り傷程度の貴族がお抱えの魔導師を役立たずとか責めていたが…プロテクションが使えても物理的なものは防げないみたいだな…
「装填、弾種HEAT!」
俺は砲塔を玉座へと向けるとニャメナに装填の指示を出した。
「待つがよい!」
俺は声の方を向いた、
「これはリリス王女何でしょうか、いまさら?」
リリス王女は震えを抑えながら言葉を続けた。
「そなたが怒るのはよく分かった、妾のもとに来れば総て不問と致すが?」
可愛い顔をしてやはり王族だった、身分を盾にこの場を納めてやるから自分の配下になれといい出してきた。
「寝言は寝てからにしてくれ!」
120mm滑腔砲の砲口が国王を捉えた。
国王は…顔面蒼白となって動けずにいた…そして王妃は震えてはいたが死神の様な殺気を放って此方を睨んでいた。
リリス王女が新たな提案をしてきた、
「ならば、妾は今日…誕生日じゃ、その何か贈り物をくれたら…父上に掛け合って無罪放免状を貰うことも出来るぞえ」
俺は少し考えると、
「だとさ…どうするケンイチ兄さん?」
俺はM1A2エイブラムスの車長ハッチから顔を出すとケンイチ兄さんに意見を求めた。
今回のお話は…あくまでもお遊びですので本編には繋がりません。