「魔導師ケンイチには陛下の御前で試合をしてもらう」
いきなり案内してきた男がそう宣言した。
「はぁ~?おいこら聞いてないぞ!」
ケンイチ兄さんが切れていた。
「対するは…王都の綺羅びやかな新星メリッサ・ラナ・ナスタチウム様!」
どうやら見世物にされるようだ。
「タダのおっさんと子供…こんな所まで来て家族を巻き込んで⋯馬鹿な男…」
ケンイチ兄さんとメリッサが言い合いをしていた。
「我が願いに応えよ…」
メリッサが何かの召喚魔法を唱え出した。
「おお!」
それが姿を現すと周囲から驚きと感嘆の声が上がった。
「何だ…でっかいトカゲかよ…ケンイチ兄さん、俺に総て任せてくれ」
俺はメリッサに向かうと、
「メリッサとか言ったな…お前のそれ、ぶち殺すから覚悟しろよ」
「はぁ~、負け惜しみかしら?」
メリッサの挑発に、俺は指で首を切る仕草をして返した。
「来たか」
俺はアレを召喚した。
「ゴゥ…!」
鋭い咆哮と共に謁見の間の壁面が大きく崩れ落ち、それは姿を現した。
「なっ…なによあれ!!」
壁面の割れ目から巨大な顔が出てきた。
「ゴジラ、熱線放射!」
俺の声にゴジラが反応した。
「ゴゥ」
咆哮に続いて背びれを発光させるとゴジラが大きく口を開け熱線を放射した。
「きゃ!」
メリッサが頭を抱えてしゃがみ込んだ。
レッサードラゴンを見ると…胸から上が無くなっていた。
「ちょっと…嘘…そんな…私のレッサードラゴンが!」
召喚されたレッサードラゴンは火炎を吐く間も無く頭を消し飛ばされた。
メリッサはゴジラの圧倒的大きさに威圧され腰を抜かし、失禁していた。
「大口叩いてこれかよ…」
俺はメリッサの前に立つと
「これ、羽織っておけ」
毛布を召喚すると失禁した事が分からないように掛けてやった。
「なんなのよこれ…こんな大きさのドラゴン?なんてあり得ない!!」
メリッサが震えながらドラゴンと勘違いしながら聞いてきた、
「こいつ?俺の忠実な下僕『ゴジラ』だ。敵対するやつは熱線放射で消し炭にしてやる」
謁見の間にいた胸糞悪い貴族達はゴジラが壁を破壊して突入した際に瓦礫の下敷きとなって、大半が大怪我を負っていた⋯中にはお抱えの魔導師を役立たずとか責めていたが…プロテクションが使えても物理的なものは防げないみたいだな…
「踏み潰せ」
俺の命令にゴジラはゆっくりと身体の向きを変えると玉座に向かってゆっくりと動き出した。
「待つがよい!」
俺は声の方を向いた、
「これはリリス王女。何でしょうか、いまさら?」
リリス王女は震えを抑えながら言葉を続けた。
「そなたが怒るのはよく分かった、妾のもとに来れば総て不問と致すが?」
可愛い顔をしてやはり王族だった、身分を盾にこの場を納めてやるから自分の配下になれといい出してきた。
「寝言は寝てからにしてくれ、ゴジラ熱線放射!」
その瞬間、ゴジラは口を大きく開け背びれを明滅させはじめた。
王は…顔面蒼白となって動けずにいた…そして王妃は死神の様な殺気を放って此方を睨んでいた「ならば、妾は今日…誕生日じゃ、その何か贈り物をくれたら…父上に掛け合って無罪放免状を貰うことも出来るぞえ」
俺は少し考えると、
「だとさ…どうするケンイチ兄さん?」
俺はケンイチ兄さんに意見を求めた。