護衛の騎士との間に…
家の扱いは原作にはないオリジナル展開となります
猫人と騎士にオリジナルキャラあり
俺が湖畔にPBR31Mk2用の桟橋と引き上げ用のスロープを作っていると、1台の馬車がこちらに向かってきているのが見えた。
「ケンイチ兄さん誰か来る」
俺はトランシーバーで伝えた。
「ああ、こっちからも見えてる」
どうやらケンイチ兄さんも双眼鏡で見ていたようだ。
「ユーパトリウム子爵正室、カナン・ル・ユーパトリウムである。よしなに」
豪華なドレスを纏った30半ばの女性が名乗った。
「此処の長をしている商人のケンイチで、此方は弟の健吾で御座います」
ケンイチ兄さんが恭しく挨拶をした。
「うむ、よしなに」
そしてケンイチ兄さんが野外にテーブルを召喚した。
「我が家は狭いものですので、庭先にて失礼します」
そう言うと案内した、
「奥様…あれを」
多分魔導師と思われる、目のやり場に困る服装の若い女性が屋根の上のソーラーパネルを目で指し示した。
「そなた、商人だと申すがアレは?」
夫人が指差した。
「魔道具につきましてご説明は致しかねます」
ケンイチ兄さんの答えに護衛と思しき騎士が殺気立った。
「貴様答えぬか!」
騎士が腰の剣に手をかけていた。
「よい」
夫人が手で騎士を制した。
「はっ」
俺も日本刀を召喚し抜刀姿勢を取っていた、
「健吾、大丈夫」
俺は柄から手を離した、だがその後も事ある事に騎士が剣に手を掛けた。
「あれ?」
家の裏手に設置したままの単管足場に夫人が気が付くとケンイチ兄さんに説明を求めた。
「裏手の崖を登るためにある足場に御座います」
ケンイチ兄さんの説明に夫人が手を差し出した、案内しろと言わんばかりに。
「貴様無礼にも程がある!」
遂に護衛の騎士が抜剣した…が当然俺も抜刀し騎士の剣を一刀のもとに切断していた。
「なっ…なっ…」
騎士が根本から切断された己の剣を驚愕の表情を浮かべて見ていた。
「カナン様…」
お付の魔導師も固まっていた。
「なんという…そなたは何を考えておるか!これからの話し合いを台無しにするつもりなのかえ…もうよいお前は下がっておれ」
騎士が夫人に叱責され下がらされた。
「済まぬ、此方の不手際で許してたもれ」
夫人が驚いた事に俺達に頭を下げて謝罪した。
「ケンイチ兄さん、この夫人…」
どうやらケンイチ兄さんも同じ事を考えていたようだ。
「カナン様、頭を上げてください」
お付の魔導師や騎士が慌てていた。
「ケンイチ殿に頼みがある、王国の国益事業で水路の普請があって…何としても今月中にあと3リーグ(約5キロ)作らねばならぬ…頼むケンイチ殿力を貸してたもれ…報酬なら望み何なりと…その私の体でもよいぞ」
カナン様とんでもない事を口にしながらが再度頭を下げた。
「ケンイチ兄さん…この夫人は信用しても良いかと思う、下げるべき時を知っている…それに自らの身を差し出してもなんて言葉は傲慢な貴族の口からは絶対にでないしね」
ケンイチ兄さんが頷くと、
「失礼ですが子爵様は何処に?」
最もな疑問をぶつけた。
「王都に呼び出されてな…多分期限内に水路が完成せぬと思われたのだろうな…」
俺は先程下がらされた騎士と少し離れた場所で話をする事にした。
「あんた、やるな…初見で俺の太刀筋を見切って受け止めるとは」
俺は騎士の腕を褒めた。
「それ程でも」
騎士が照れていた。
「あんたにこれを…互いの友情に」
俺は友好の証として一振りの日本刀を騎士に贈った、
「これは、かたじけない」
俺と騎士は、
「俺は健吾…ハマダ 健吾だ」
「私はアルトニア・ド・タナティウム騎士爵だ」
互いに名乗ると握手を交わした。
「これは見事な剣だ…この刀身にある紋様がなんとも美しい」
流石に騎士だ、鞘から抜くと陽の光のもと刀身に見入っていた。
「此処だけの話なのだがな…実は、隣の領主ツンベルギア子爵が領地以外にもカナン様を狙っていて…あのスケベ子爵」
俺は騎士から色々聞くと、ケンイチ兄さんの処へと戻った。
「ケンイチ兄さん、騎士から聞いたが隣のツンベルギア子爵が領地とカナン様を狙っているそうだ…人妻に手を出そうとは…とんでもない助平貴族だな」
俺とケンイチ兄さんは少し話をすると、
「カナン様、このお話お受けいたします」
ケンイチ兄さんの答えにカナン様が、
「まことか、望みなら私の…」
俺は呆れながら、
「それは結構です、流石に貴族相手に不貞行為は…」
「お屋敷で使わない家具や調度品を頂きたい、それを代金として頂きます」
ケンイチ兄さんが子爵家の負担を考えての提案をした。
「それでよいのか?私の体じゃ足りぬか?」
カナン様が何故か自らの体に固執していた。
まぁ美人でスタイルもよいからのプライドからだろうが…ケンイチ兄さんはあっさりと拒否した。
「結構です」
カナン様が固まっていたが直ぐに気を取り直すと、
「そなた魔導師なら魔導書に興味があるだろう?」
「どの様な?」
「至高の障壁だ」
ケンイチ兄さんはそれを貰うことで水路普請を手伝う事を決めた。
「畏まりました、そのご依頼お受けいたします」
カナン様の表情が明るくなった。
「助かるケンイチ殿にケンゴ殿」
俺は直ぐに街に行くとギルドに獣人の人員を3名募集した。
[急募 住み込み 期間一ヶ月 猫人限定 食事は当方負担]
そしてそれは貼り出すと…
「何をする仕事にゃ?」
手先と耳が白い猫人が聞きに来た。
「子爵依頼の仕事で一ヶ月留守にするから家の番をしてもらう仕事だ」
猫人が少し考えると、
「あたいには妹が2人いるにゃ…」
「姉妹か…別に構わない」
「それと…あたいには娘が」
猫人が少し言いにくそうにした。
「子供が居ても問題無い」
俺はギルドの受付に依頼完了を話し、張り紙を剥がした。
「待たせたにゃ」
3人がギルドの入り口にやってきた。
「あたいはニャメ、こっちがニャー、一番下の妹でニャニャ…そして娘のニャンだ」
ヤバい…モフモフしたくなるほど可愛い!
俺はギルドの外に出ると、
「ハンヴィー召喚」
車をアイテムBOXから取り出した。
「みんな乗ってくれ、中で仕事について詳しく話す」
ニャメ達が恐る恐る乗り込んだ、
「噛み付かないよな?」
ニャニャがビクつきながら聞いてきた。
「この召喚獣は人は襲わないから安心しろ」
何とか乗り込むと、
「仕事内容だが、一ヶ月留守にする家の番をしてもらう仕事だ…報酬は1人金貨5枚…食事は此方で支給する」
ニャメ達は頷き了承した。
「ちょっと待つにゃ…旦那から森猫様の匂いがする…」
ニャーが俺に顔を近づけると匂いを嗅いでいた。
「ああ…それか、家に森猫なら住み着いているぞ」
ニャン以外の三人が固まっていた。
「森猫様が只人に?嘘にゃ」
「健吾決まったのか」
窓の外からケンイチ兄さんが声を掛けてきた。
「ニャー」
「ベルも一緒か」
俺はベルの喉を撫でた。
「森猫様が…只人に懐いてる!」
「お前たちが番をする家は彼女の家でも有るからな」
3人は頭を下げると、
「森猫様の巣を守る仕事やり遂げてみせますにゃ」
俺は湖畔の屋敷に連れて行くと、玄関前にケンイチ兄さんが使っていたログハウスを出してもらった。
「この小屋で寝泊まりしてくれ、食事は…」
ミャレーとベルが食べていた猫缶が欲しいとせがまれたので、24缶入りの段ボールを10箱程買うと、開けたかの説明をした。
「じゃあ頼むな」
「任せてほしいにゃ!」
俺達は留守番の猫人達に見送られユーパトリウム子爵邸へと向かうことにした。