「おぉ、来てくれたかえ」
カナン様が嬉しそうにケンイチ兄さんに駆け寄っていった。
「カナン様時間が有りません、直ぐに普請の現地に向かいましょう」
ケンイチ兄さんがランクルを召喚するとカナン様以下を乗せ始めた。
「じゃあ俺はハンヴィー召喚っと」
眼の前にハンヴィーが現れた。
「某はケンゴ殿の隣に」
アルトニア騎士爵が乗り込んできた。
「君達は後ろに」
俺は同行するカナン様の専属メイド2人を後席に座らせた。
「あのぅ…この魔獣…私達に噛み付いたりしないですよね」
メイドが恐る恐る聞いてきた、
「大丈夫だ、これは俺の命令通りに走るしか出来ない、人に危害を与える事は無いから安心しろ」
俺はエンジンをかけると、ケンイチ兄さんのランクルの後について走り始めた。
現場に到着すると……。
「おいおい…聞いてないぞ、残りの部分は森の中とか!」
そう工事が進まない筈だ、残り総てが森の中を通る区間だった。
「恥ずかしい話、道具も足りておらぬ」
カナン様と話していると、現場監督と思われる男と商人達がやってきた。
「これはカナン様、ようこそお越しくださいました」
商人達とカナン様が話している場所から少し離れて、プリムラ義姉さんとケンイチ兄さんが話していた、
「ケンイチ…ごめんなさい」
プリムラ義姉さんがケンイチ兄さんに何か謝っていると、
「人生経験の違いだな…何とかのこうより年の功って云うしな」
ケンイチ兄さんがそんな事を話していると、
「誰が歳だ!」
カナン様が、歳の処にだけ反応した…地獄耳……。
どうやら聞こえていたようだ。
「カナン様、斧でしたらこの金額です」
商人がカナン様に見積もりを見せていた。
「高くありませんか?」
プリムラ義姉さんがリストをみて声をあげた。
「お嬢さん、此方も商売ですし此処まで運ぶ手間も掛かります…判りますよね?」
小太りの商人がにちゃにちゃとした笑顔を浮かべながら手振り身振りで話していた。
「ケンイチ…同じ物を同じ数用意できますか?」
「出来るぞ…そうだな銀貨2枚で」
ケンイチ兄さんの示した金額に商人達が憤怒の表情を浮かべながら、
「我々はソガラムの手配ですぞ」
商人達がソガラムの名前を出した。
「あぁプリムラ義姉さんの店を嫌がらせで妨害してきた奴らの親玉か」
俺にも理解できた。
「ケンイチ兄さん、やっちまっていいか?」
俺はどさくさに紛れてM113ACAVを召喚した。
「おま…其れって現役の装甲車じゃないか!」
ケンイチ兄さんが驚いていた。
「失せろ!」
俺は側面機銃の7.62mmM60機銃を商人達へと向けた。
「ひぃ~!」
商人達が慌てふためきながら逃げていった。
「健吾…それ…まさか」
ケンイチ兄さんがM60機関銃を指差した。
「うん」
俺は引き攣った笑顔で銃身を叩いた。
「これも召喚獣なのかえ?」
カナン様が興味津々という顔をしてやって来た。
「そうです」
俺は後部ハッチを開けると中をカナン様に見せた。
「狭いというか……」
カナン様が覗くと…やっぱりだった。
「なんじゃこの中は」
操縦席や後部兵員座席に座りながら周りを見回していた。
「カナン様、お気をつけください」
「きゃ!」
カナン様のドレスが車長席支柱に引っかかり…豊満なアレがこんにちはしてしまった。
「まぁドレスで乗るのは想定していおりませんでしたから…」
カナン様が露わになった胸を手で隠しながら涙目で睨んでいた。