会心の一撃   作:脱兎の如く

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ゴブリン、
人型だからこそ、その恐怖は計り知れない。
幾多の討伐隊がやられ、
人類を含めたあらゆるものを喰らう餓鬼である。


ゴブリン討伐へ

ゴブリン討伐へ

「刀」

 ゴブリン討伐を領主に名乗り出た。この間のいざこざが起こらないように、一度声をかけるという意味がある。もちろん、もう分かっているので領主アダルは「そいういう手続きは不要です」と言っていたが、この意図を説明した。それは街の人の自殺防止だ。

「ルビに聞いたのだが、勝手に平野に行って自殺をするものがいるそうだ。その抑止力になるだろ?」

 この言葉にルビが焦る。なぜだろう。ルビのおかげで勇気が湧いたというのに……

 ゴブリンは人型のモンスターで猿が巨大化したようなものだ。かと言って、ゴリラというわけではないらしい。聞けばガリガリの細い個体ばかりだという。昔聞いた「餓鬼」のようだ。

 領主の話のついでに鍛冶屋に寄り、ルビの説明していた「刀」について聞いてみることにする。もし、苦戦していたら俺からも助言しなければならない。

 ……いつぶりだろう、誰かに任せるのではなく、こんなに人のためになりたいと考えたのは……

「おじさーん、前に言ってた物できてる?」

 ルビが声をかける。店主はニカっと笑い……

「おう!ルビちゃん!こんな感じかな?」

 と、手渡してきた。どうやら鑑賞するために手元に置いておいたらしい……会心の出来なのかもしれない。

「お!使うのは導き手か!こりゃ自慢できるぜ!」

 俺が導き手ということは公衆浴場改修で知れ渡った。というか、ダンが言い回っている。「俺の攻撃が一度も当たらない達人」と言い回っているのだ。……運が良いだけとは言えないな……

 店主が俺の手にポンと置いた刀の握るところはショートソードみたいだったが、刀身が細く、振りやすい形になっている。うん、良い感じだ。俺が満足していると

「導き手さんよ、その武器に名前つけてくれよ」

 と、店主が言ってきた……ちょっと面倒だな……

「んー……店主さん、この刀の出来は?」

 一応聞いてみると、前のめりになって

「出来は最上よ!なんかこの刀のを打つ時だけ調子がめちゃくちゃ良かったんだわ!」

 さすが、やはりこういう時も運が良いらしい。

「なら最上(もがみ)なんてどうだ?」

 俺は最上級という意味を込めて名付けたのだが

「何の意味か分からんが……知らない言語で出来た名前ってのもいいな!」

 なぜか……おれの元の言葉は通用しなかった。今の今まで、通じてたのに……何でだろう。

 ……今は考えることではないと頭をふり、刀「最上」を手にした。

「ところで……お代は?」

「いいよ、いらん!その代わり導き手の武器は俺に作らせてくれよ!あんな感覚初めてなんだ!」

 これは願ってもない申し出だ。

「本当にいいのか?……なら遠慮なく!」

 そう言って店主と硬く握手交わした。人と多く繋がってきていることが、こんなに嬉しいのだと感慨深く思った。

 

「ゴブリンとの遭遇」

 討伐のために南の平原まで来た。今では門兵の顔に若干の余裕が感じられる。ギガトードはその数が多く、かなり手強い相手だったという……確かに俺は運が良かったが、なぜそんなに疲弊したのだろうか。その疑問にルビが答える。

「今まで、スキルや魔法の人たちが対応してたの、モンスターが、現れる前もそういう戦闘はその人たちがする。この間の公衆浴場だったり、生活の至る所に彼らが必要なところがあるの」

 もともと、魔法とスキルの溢れる世界だったらしい。それがいつしかその2つはなくなり……人々はそれまでしてこなかった技術などを活用しなければならなくなった。もちろん、できるわけがない。その結果……

「傷の治療、環境整備、自分の管理もできなくなりつつあるわ」

 え?なにそれ世紀末やん。勝手に人が絶滅する世界とか、何とも人間は脆いな……俺もだが……

「だから、ゴブリン討伐する俺に誰もついてこないのか」

 ゴブリンは通常8体前後で行動する。なので、討伐する時は最低8人以上必要となっている。しかし……導き手として俺は1人で向かうことになった。それに待ったをかけた人がいる。それが……

「お前ら、本当にこの3人で討伐するのか?」

 ダンである。あの後、強さの秘訣を俺に聞いて面倒だった。だが……「俺たちは誰かに頼り切っていきてきたんだ。だから、今度は俺が誰かのためになりたい」……という俺へのクリティカルヒットな言葉で俺が陥落。今では剣道と合気道を教えている。ゴツい男にマスターと呼ばれるのはちと恥ずかしい……

 「そうだよ。そして、できればやつらの倒し方をみんなに伝えるんだ、それが俺の役目だからな」

 俺なりの導き手としての在り方だ。そんな俺に……

「……」

 ルビはずっと見つめている。

「なあ、ルビちゃん、ユウがこう……気になるのはわかるんだが、見過ぎではないか?」

 その言葉にハッとしたルビは顔を赤くして下を向く……

「そうだ、ルビ……確認したいことがある」

 ルビの本心を聞かなきゃ……な……?

 そう考えて振り返ろうとしたら、目の前に20体ほどのゴブリンが死体に群がっていた……

 

「ゴブリンという餓鬼」

 それはあまり良い光景ではない。人型のモンスターが人間を喰らうところなど見たくはない物だ。幸運なのは人の原型がない事だ。いや、頭が転がっているから、それが人間と認識できるのだが、

 まだこちらに気が付いてないらしく、一度物陰に潜む。3人とも無言だ。討伐失敗した時の光景を見せられたのだから当たり前だな。

「ゴブリンは連携とかするのか?」

 おれはルビとダンに聞いてみる。

「いや……あいつらは各自で狩りをする感じではちゃめちゃに向かってくる。とても連携はとれてないな」

 ダンの言葉に少し考え込む。それなら、なんとかなるのかもしれない。

「ダン、俺ら2人で連携するぞ」

 その言葉にダンは震えながらも……

「よ、よし、やってやるぞ」

 と胸をはる。そして……おそらく今回最も重要な役割をルビに言う……

「ルビ、俺に命預けてくれ……」

 その言葉にルビは

「そんなの、いつもよ」

 さも当然のように答えた。

 

「ゴブリン討伐」

 討伐対象はゴブリン、みるからに噛みつきと引っ掻きが攻撃手段だ。そして、やつらは()()()()()のであれば知能はそんなに高くはないのだろう。

 この平野はカムの生産地、そして丘が連続している形だ。だから、あの丘の上で迎撃する作戦をとる。

「いいか、あいつらが食べ終わってバラツキ出したら一気に目の前を走り抜けて丘にのぼる。そうすればあちらも走ってくるだろう。そうすれば()()()()()()()()()()()()()()のみがついてくる。そうすれば20体を相手にしなくて良い。そして、迎撃している時はルビが様子を見て、追いつかれそうになったら別の丘へ移る。いいな?囲まれるなよ!」

 どこで見た兵法だが、うまくいくか……

 だが、俺にとって選択肢のある戦闘になれば負けることはない!

「準備はいいか?いくぞ!」

 俺たち3人は走り出した!




最上という相棒のため
バッシーという武器はダンが使っています。
ルビは今回は指揮官ポジションですね。
2回目の討伐を
運だけの一般人
元女神の一般人
ガタイのいい一般人
この3人は切り抜けれるのだろうか
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