導き手の一撃を放ったユウ、
はたして、その後どうなったのでしょうか?
なにをまもるのか
「守りたいという気持ち」
俺は気がつくと寝かされていた。どうやら民宿「オクリガナ」の俺の部屋らしい。天井がやたら懐かしく思える……
たからなのか、今はすっきりしている。それよりも、俺の中に変化が起きている。
なぜだろう……今までの自分を許している
なぜだろう……認めなかった周りへの絶望感がない
なぜだろう……頑張ろうと思っている
俺は、この絶望した環境や社会に、また一歩踏み出そうと思っている。もう一度、誰かを
この民宿の女将に無断で使ったことを詫びなきゃな。一度降りよう……お金払わなきゃ……
木造の所々がギシギシ言う階段を降りていくと古びれたカウンターに老婆が座っていた。
「あの……すみません。先日誰もおらず03号室を使用しました。料金はいくらですか?」
その俺の言葉に老婆は首を振り……
「おまえさんはもう払っているさ、覚えてないだけだよ……」
そうだったのか、覚えてないだけでキチンと払ったのか、なら、レシートとかあるのかな?
「それよりも……おまえさん」
老婆が語りかけてきた、どうしたのだろう……覚えてないうちに粗相でもしたのかな?
そう思い、謝る気持ちを固めていると
「その出口をくぐるとおまえさんは帰れるねぇ、もう大丈夫だよ」
そう言ってきた。その言葉に意味がわからないと言う気持ちと共に
「おまえさんはこの世界の住民になれるさ……気持ちも、心も、気力も、戻ってくれた……必要はな人間さ」
その言葉に、意味がわからないが……安堵と涙が流れている。だが、老婆は「ただ……」と言い言葉を続けた。
「その出口をくぐれば、お前さんの世界になる。しかし、もう戻れないよ……きっとおまえさんはこれから上手くいく人生さ、多くの人を導き、多くの人に感謝される……もう、理不尽な、終わりを待つ所へ行かなくても良いんだ」
俺は理解はできてない。もちろん、意味もわからない。けど、感覚的だが
「暗く、誰もが他に頼りきってだがために、夢から覚めたばかりに荒廃した所と……誰もがお前さんを求めて、誰もが見直す世界……どちらを選ぶさね?」
そんなの、前者に決まっている。老婆に伝える。
「俺はまだやり残したことがある。また2階に上がるよ」
あれ?なんで俺はそんな事を言ってる?あれ?
その言葉に老婆は「ふふ……」と笑い。
「全く……もう戻れないかもしれないよ?いいのかい?」
その言葉に俺は、なにも考えてないのに言葉が出てきた
「誰かを守りたいと願った。誰かに認められるわけではなく……だから、もちろんこの世界に戻る事も正解だと思う。けど、おばあさん」
そうだ、俺は……
「まだ、
その解答に満足をした老婆は……
「そうだね……おまえさんみたいなまっすぐな若者が異物になる世界なんだ。わたしも
そう言って03号室の鍵を俺に返しながら……
「いいかい?おまえさんは今後、死んだらどこにも帰れない。それは覚えときなさい。あんたの選択だ。久しぶりにした、誰の意思でもないあんたの意思だ。行っておいで……」
老婆は笑顔で手を振った。なんだろう……あの人にいつも見守られてきたような気がした……
「導き手と未来」
ルビ視点
私は彼の……導き手の一撃を知っている。それは勇者たる所以。一度しか使えないと言われているものだ。それがなぜ使えたのか、どうやって使ったのかわからない。けど、その一撃は全てを葬る。元に、その一撃で周囲のモンスターは全て一掃していた。南の平原全てだ……だが、これは一時的だと思う。また出現するに違いない。
ダンさんと顔を見合わせて、丘だったところを見にいくと……
わかってはいた。導き手の一撃は、最期の一撃。放ったら勇者もいなくなる。言い伝えではそうなっている。
はるか昔、幾度と危機から人々を導いた勇者は何度か使えたそうだが……それはなぜかわからない。むしろ、ただの作り話に思える。
だから、ユウは消えたのだろう……
「……ぅ……ぅ……」
いつのまにか泣いていた。私に希望を見せてくれた。この世界を救う勇気をくれた勇者は……本当に守って消えてしまった……
私が泣いていたからか、ダンさんは優しく声をかけてきた……
「ルビちゃん……一度帰ろう。領主様におれから報告する。ルビちゃんはオクリガナに帰るといい」
ユウのおかげで平和になった南の平野を、ダンさんと歩く……こんなに平和な空気の平野は何年ぶりだろう……
しかし、そんな気分も次第になくなってくる。それは……ダンさんの一言からだ……
「いつのまにこんなに平和になったのかな?なんか散歩してた気分だ……なんでルビちゃんと一緒に散歩してたのだろう?」
……ダンさん?なにを言っているのかわからない……
「ダンさん?見たでしょ?ユウのあの攻撃のおかげじゃない?」
その言葉にダンさんはクビをひねり……
「ユウ?誰だそれ……」
その言葉に固まってしまう……そして気づいた……ユウとの会話の記憶が徐々になくなっている事を……
もしかして……
そんな……そんな嫌な予感が私は、走り出す。ダンさんの声も聞けないくらい全力で、……なぜこんなに疲れてるんだろう、なぜこんなに苦しいのだろう……南の平原でどうやってモンスターを倒したのだろう……これは、本当に……
オクリガナに戻った私は、彼の名前すら思い出せなくなっていた。ただ……無意識に03号室に入る。
この部屋は簡素ではあるが、掃除がしやすい部屋となっている。誰かが言っていた。その誰かが思い出せない。でも覚えている。
「私を守るって……約束したのに……」
部屋の中心で膝を抱える。この世界の管理者として、この世界の滅亡までの間、人々の苦しみや……絶望する声を聞きながら過ごさなければならない。だから、早く消滅したくなった。そんな私を救ってくれた人……
「守ってよぉ……お願い……」
1人で膝を抱えて、うずくまる。誰にも言っているのかわからないその言葉に、孤独感が襲う。もう……1人で消えるのを待つことが良いのだろうか。
……何時間そうしてたのだろうか……
ふと……暖かい気持ちが芽生える……
満たされたような……安心するような……
不思議に思っていると……誰かに包まれてることがわかった……誰もいないはずなのに
その私の感触は徐々に強くなっていき……
「ただいま」
その一言で思い出す。
私を守ると約束した人の声を……思い出す。
「守ると約束した、その約束を守りに来たよ」
いやー、一区切り!
ストック切れましたー(°▽°)
ちょこちょこ書き足していきますが、
更新遅くなるかもです、、、
長い目でお付き合い頂ければ幸いです(><)