書き切ったらそのまま投稿する形なので、そのうち編集するかもしれません。
皆様はふとしたことに違和感感じたことありませんか?
初見なのに見覚えがある
覚えたはずの文字が思い出せない
はじめて歩くのに懐かしい道
それが、何か別の所へ行くきっかけになるかもしれませんね。
「異物のあるべき場所」
無人の民宿のカウンターの前にたった俺は、目の前の鍵「03番……赤」という鍵を取り、部屋に向かう。なぜその鍵かはわからないが、その鍵が俺のものだという確証があった。なので、勝手に入ったとか、無断使用とかではなく、おれの所有物という認識だ。とりあえず部屋に行って休もう。そして、テレビでも見て、俺の混乱を取り除こう。今は人が話している音が聞きたい。
それから何時間テレビを見ただろう。03号室の中はその名前から感じられないほどの和室だった。畳の匂い、障子の優しい白……だが、その中で古臭いブラウン管テレビから流れてきた情報は、わからない記号……おそらく文字が流れてくるだけだった。俺は頭の中で目の前の線の記号を反復する。そうしているうちに、見覚えがあるはずのものなのに、見覚えがなくなっている。そして、その読むべきものが読めなくなっている。
そして、テレビから流れてくるであろう「音」を聞き取ろうと集中するが、相変わらずできない。これまでも覚えてあるはずの文字が読めなくなる事はたくさんあった。その度に辞書で調べて、別の意味も見つけて満足していたものだ……しかし、その辞書もなんの辞書かわからなくなっている。
テレビから情報を、いや、文字を聞き取ろうとする事と共に読み取ろうとする事も諦めた俺は、民宿の部屋の中を物色する。ガイドや、情報誌があればいいのだが……
そして、見つけてしまった……
読めるものが……
「アクセルタウン?」
今現在、俺はアクセルタウンにいるらしい。それは、見覚えのない文字のはずなのに、なぜか懐かしい文字に見えた。
「今日はもう寝よう……」
契約者のいないスマホでもアラーム機能は使えるはずだ。一応セットしておこうとまたブルーライトを浴びる。現在夜の11時半過ぎ……
夕陽が白いのだから、朝日は何色なのだろうか……そう考えているとふと頭の中に
「朝日は白」
という常識を思い出す。それはそうと、夕陽の白さになぜ俺は疑問をもったのだろうか?最初から白いではないか。……なぜ悩んでいたのか忘れてしまった。
就活のスーツを脱ぎ、下着のみになった自分は布団を敷いて寝る事にした。朝陽など白に決まっている。それよりも睡眠を長く取ろう……
「異世界にきた異物」
鳩が豆鉄砲を喰らったら、きっと俺みたいな顔をするのだと思う。
十分な睡眠をとった俺は、陽の光を浴びようと窓を開ける。新鮮な空気と共に、知らぬ喧騒が流れ込んでくる。
それは久しぶりの人の声だった。正確には、昨日の面接に来た人事の方の声以来かもしれない。けど……
「今日は何かのお祭りなのか?」
目の前にはコスプレをした人が多くいる。しかもどれも違和感なく完成度が高い。例えば、耳に関して言えば「犬」「猫」「やたら長い」など多彩であり、ほか言えばどうやっているのかわからないが大きい身長のものや小さい身長のもの。もはや人ではなくトカゲ人的な人もいる。
明らかな異様な光景を目の前にした俺は、それを
「そういえば、民宿の方にお詫びしないと……」
昨日は混乱していたからか、所有物のように使ってしまった事に後悔した。とりあえず、身支度して降りる事にした。
「弾かれた者」
民宿のカウンターに降りた俺は、目の前の受付の人に面食らっている。いや、勝手な想像で申し訳ないが、老夫婦が経営しているような民宿に若い女性がいるのだ。従業員かな?バイトかな?
「すみません……勝手に使用してしまいました。いくらですか?」
昨日の事、特に混乱の原因とかは伏せておいて謝罪をし、現金を払おうとする。多分、ボロボロだし、そんなに高くはないだろう……
「いえ、お代はいりません」
そうきっぱり言い切った受付は、お辞儀をする。
「ようこそいらっしゃいました。あなたは3番目の来訪者です」
受付は確かにそう言った。俺は
「あなたは、先ほどまでの世界から切り離されたのです。そこで、その弾かれた者の素質を見て、こちらの世界にいらっしゃっています」
そんな感じの事を受付は話す。……世界から弾かれた者?どういう事だろう、と考えていると続けて受付が話し出した。
人とのつながりの消失
音の消失
存在の消失
常識の消失
これらが順に起きて、その空いた空間に新しい世界のものが入り込む。人との繋がりはこれから頑張るしかないが、そのほかは充填できる。それができるのが、この民宿なのだという事だ。……怒涛の情報に頭がパンクしそうになるが、持ち堪えた。
「そして……私が案内人のルビと言います」
受付の人は案内人ということだ。……受付ではなかったのか。改めてルビと名乗った女性を見る。肩くらいのショートで黒髪。身長は俺より低いから……多分155くらいかな。顔立ちも良い美人だった。そこまで確認して、恥ずかしくなりルビの奥の棚を見ながら話をする。これは、人と目を合わせることができない俺の技である。
「それで……世界の弾かれ者の俺は、別の世界で生きなければならないのですか?」
できれば帰りたい、元に戻りたいと願う。多分、無理なのだろうが……というより、前の世界?の何もかもが消失した今は何の未練もないのだが……
そこまで言うとルビは目を真っ直ぐ見て……
「この世界を救ってもらえませんか?」
無理難題を押し付けてきた。
登場人物がこれから増えていくかと思います、
また、各名前は好きなアニメや漫画のオマージュが多いです。
だって好きなんだもん。
よろしくお願いします
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