運だけのヘタレは一体何を考えているのでょうか。
勇者の証
「小林雄一」
俺はなぜそう言ったか分からないが、領主にそう言ってた「勇者の証を見せる」と、横ではルビが驚いた顔をしている。そりゃそうだ、運なんてどうやって分からせるんだ。想像してないんだろう。コイントスでもするか?そんなんで証になるわけないだろう……
だが、考えがないわけではない。
「そこの大きい人、木刀使える?」
領主の隣にいた屈強な男に啖呵を切る。それを聞いた大男がよほど気に食わないのか声を荒げる。
「あぁ?お前みたいなヒョロっこに木刀もいらねぇよ!」
そんなキレてる男をさらに煽る
「いや、使ってよ。後で言い訳されても嫌だし」
この言葉で完全に男はキレたらしい。
「やろぉ!今ここでやっちまうぞ!アトラスの手先が!」
そのまま立てかけてあった木刀を手に取り襲いかかってきた。……その瞬間、予想が確信に変わる。
……
…………
………………
応接間は乱闘騒ぎでボロボロになっている。いや、ボロボロにしたのは
「はあ、はあ、はあ、……」
目の前の木刀を握りしめている男である。
「なぜだ!なぜ一度も当たらん!くそ!」
それもそのはず、俺は全部
だが、だからと言って一通りなわけではない。大振りといえども縦か横といったふうに何通りか選択はある。だが、おれはルビから運を授かっている。と言うことは……全ての
だが、これは木刀だから成し得ること。もし、拳できたら予測できない、選択肢がない……そうなると無意味だと思う。
これを見ていた領主が……
「あれから、30分も避け続けてるのか?!なんてやつだ!これが導き手か!?」
驚愕の顔で見ていた、そしてルビは……
「……」
なぜか呆けて見ている。悲しそうな、期待をしているような……ともかく、ノってきた!
ルビ視点
彼はもともと、武道が好きな若者だった。腕前はそこそこ、達人というわけではない。しかし、弱い人を助けるという思いが続けさせていた。しかし、突然その思いは踏み躙られる。大人達に……
その後塞ぎ込んだ彼は、友人も知り合いも家族も拒絶し、
世界から拒絶される。
今の彼は元々の彼なのだろう。
もう少し何かきっかけがあれば、きっと元の世界で生きて行けたのだろう。人である限り、誰かといなければ生きていけない。そんなの本来の彼なら簡単な事のはずだ……
「小林雄一……」
彼はこの世界にどのように生きていくのだろう、最初は共に滅びるつもりで、ギガトードにやられるつもりで平野に行った……自殺と同じだったのに……
「運を授けただけの、一番与えてない人間ってなのに……」
最も強い
ユウ視点
目の前の男はへたり込んだ。汗が噴き出ており、その顔からは焦りと恐怖が滲み出る
「降参だ……それに、こんなに避けてて俺に一度も攻撃してない。しかも丸腰……おれのプライドズタズタだよ」
そりゃ、素人の木刀なんて予測しやすいからな。
「おれは証明をするといった。お前をボコすとなんて言ってないぞ?」
そう言って手を差し伸べる。
「くそ、おれの負けだな。領主さん!こいつのこと信じようぜ。あんたが必死に守りたいのもわかる!けどよ!ここまでやって俺たちを見逃すか!?アトラスわよぉ!」
その言葉に領主が頭を下げてくる……
「ユウ様、ルビ様……勘違いとはいえ……申し訳ない」
やっとか……
「いや、いいよ。あんたも守りたかったんだ。仕方ないよ……じゃあ、この部屋ボロボロだけど、カエルの倒し方言うぞ?……待てよ、どうせならレクチャーしながらがいいな!討伐隊のリーダーを集めてくれ!」
そう言って領主に残り10ほどになってる討伐隊リーダー達を集めた……
「導き手としてのユウ」
「おいおい、本当に1人で討伐してるよ」
10人いるリーダー達は唖然として城壁の上からルビと共に見ている。ギガトードを3体刈ったところで城壁に振り返り、
「人数を多少かければ安全なはずだー!!わかったかー!!」
その声に城壁から手を振る人が見える。わかったようだな……それにしても。
「カエルの表面、なんで粘膜ついてるだけなのに斬撃が効かないんだ?」
ひとすくい粘液を竹のような植物のコップにすくって持ち帰る事にした。何かに使えるかも……あれ、これ……
「油じゃん」
……
…………
………………
この世界は魔法使いやスキルを持つものは全て戦いに出てしまい。全て戦死したと言う。だからか、公衆浴場はその大きさに似合わない焚き火のようなものであっためている。そんなチョロチョロであったまるわけがない。風呂がぬるかったわけだ。
そこで、領主を呼んでレクチャーをする。油があるなら、火がつく!
「おお!魔法なしでこんな火力が……!」
領主は感動している。聞けば、風呂手を暖まることができないので、清潔感がなくなり、病気も流行しているらしい。まあ、そりゃそうなるだろうな。草だもんな。石鹸が……そんな事を考えていると……
「あなたは本当の導き手だったのですね!」
領主が握手してきた。最初はムカついたけど、誰かの役に立っているって……いいな。これくらいの楽な感じで感謝されるなら、この街にとどまって余生を過ごしたくなる。アトラス国って聞いてる限りやばい奴らだもん。
そんな俺を……
「………………」
ルビは相変わらず、悲しそうな目で見ていた。
選択肢があるなら、運が良ければ引き当てる、
コイントス、カードゲーム、
豪運なら、選択肢のある事なら戦えると言うわけです。