妹が微笑う理由を、僕はまだ知らない   作:吉月和玖

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今回も勉強合宿回です。

……とは言え、勉強だけで終わるはずもなく。

料理、雑談、女子会、男子トーク。
そして、少しずつ変わっていく距離感。

騒がしくて、でもどこか心地良い。
そんな“合宿の夜”を書いてみました。

少しでも楽しんで頂けたら嬉しいです。
それでは、どうぞ。



25.騒がしい合宿の夜

~中野家~

 

「はぁぁー……疲れたわぁぁーー……」

 

本日の勉強会も終わり、五つ子以外のメンバーが和喜の家へ向かった直後。

二乃は大きなため息と共にテーブルへ突っ伏した。

 

「だねぇ~……放課後からとは言え、ここまで勉強したの初めてなんじゃない?」

「確かに……」

 

一花や三玖も同じように疲れを見せている。

 

今日は学校が終わってから、そのまま始まった勉強合宿。

途中、料理や休憩を挟んだとはいえ、普段より遥かに長時間の勉強だった。

 

「でも、思ったより嫌じゃなかったかも」

 

ぽつりと、一花が呟く。

 

「え?」

 

四葉が顔を上げる。

 

「だってさ。もっと地獄みたいなの想像してたし?」

「それは分かる!」

 

四葉が勢いよく頷いた。

 

「もっとこう……上杉さんと聖奈さんに延々と問題解かされる感じかと……」

「実際、政樹君はほぼそれだったけどねぇ」

「……ご愁傷様」

 

三玖が静かに手を合わせた。

その光景を想像したのか、五つ子達から小さな笑いが零れる。

 

「でも」

 

五月が湯呑みを両手で持ちながら口を開く。

 

「皆で食事をしたり、休憩したり……そういう時間があったから、思っていたより気持ちが楽でした」

「……あー」

 

二乃も少し納得したように声を漏らした。

 

「確かに。ずっと勉強だけって感じじゃなかったわね」

 

むしろ。

騒がしくて、落ち着かなくて、でも妙に居心地が良かった。

そんな不思議な空気だった。

 

「カレー美味しかったよねぇ~」

 

一花がぽつりと呟く。

 

「うん……」

「うん!凄かった!」

 

三玖と四葉も頷いた。

 

「特にあのスパイスの香り……」

「五月ちゃん、途中から食レポみたいになってたよ?」

「そ、それは……!」

 

一花に指摘され、五月が少し頬を赤くする。

 

「でもアンタ、めちゃくちゃ食べてたわよね」

「必要な栄養補給です」

「三回おかわりしてたじゃない」

「…………」

 

否定はしないらしい。

 

「ふふっ」

 

そんな五月を見ながら、一花が楽しそうに笑った。

すると。

 

「……」

 

二乃が、ふと静かになる。

 

「二乃?」

 

一花が不思議そうに覗き込む。

 

「……別に」

 

そう返しながらも、どこか考え込んでいるような顔だった。

 

「何よ」

「いやぁ~?」

 

一花がにやっと笑う。

 

「食事中、随分楽しそうだったなぁって」

「──っ!?」

 

二乃の肩が跳ねた。

 

「なっ……!?」

「カズキ君とずーっと料理の話してたよねぇ?」

「べ、別に普通でしょ!?」

「ふーん?」

 

完全に面白がっている。

 

「アンタねぇ……!」

 

二乃が顔を赤くしながら睨み返す。

 

「だって意外だったんだもん。二乃があんな自然に話してるの」

「……それは」

 

言葉が詰まる。

 

「料理の話だったからよ」

 

少しだけ視線を逸らしながら続けた。

 

「ちゃんと料理分かる相手って、案外少ないし」

「へぇ~」

「何よその顔」

 

二乃が警戒する。

だが、一花は笑みを深くするだけだった。

 

「いや?なんか良いなぁって」

「……意味分かんない」

 

そう言いながらも、二乃は少しだけ照れ臭そうだった。

すると。

 

「……でも」

 

今度は三玖が静かに口を開いた。

 

「カズキ、楽しそうだった」

「え?」

「料理してる時」

 

三玖は小さく呟く。

 

「皆が美味しいって言った時……ちょっと嬉しそうだった」

 

その言葉に、場の空気が少しだけ静かになる。

 

「……あー」

 

一花が納得したように頷いた。

 

「分かるかも。ああいう時のカズキ君って、“誰かの為に何かする”の好きそうだよね」

「はい。勉強を教える時もそうです」

 

五月も静かに続けた。

 

「自分が理解することより、“相手が理解出来ること”を優先して考えているように見えます」

「……確かに」

 

二乃も否定はしなかった。

 

今日見たノート。

教え方。

料理。

全部。

 

“相手のことを考えている”

 

そんな感じがした。

 

「なんか……不思議よね」

 

二乃がぽつりと呟く。

 

「最初は、ただのお人好しかと思ってたのに」

「違った?」

「……お人好しなのは変わんないわよ」

 

即答だった。

だが。

 

「それだけじゃないっていうか……」

 

言葉を探すように視線を落とす。

 

「ちゃんと見てるのよね。人のこと」

 

その言葉に、一花が少しだけ目を細めた。

 

「……二乃ってさ」

「何よ」

「案外、そういうとこ見てるよね」

「はぁ?」

 

急な話題転換に二乃が眉をひそめる。

 

「いやぁ~?なんか最近、マサキ君のこともちゃんと見てるなぁって」

「────っ!!」

 

今度こそ、二乃が固まった。

 

「なっ!?」

「今日もホットケーキ渡す時めちゃくちゃ優しかったし」

「ち、違っ!?」

「“冷める前に食べなさいよ”」

「モノマネするなぁぁぁ!!」

 

顔を真っ赤にして叫ぶ二乃。

 

「ふふっ」

「二乃、分かりやすい」

 

三玖と一花に挟まれ、完全に玩具にされていた。

 

「うぅぅ~~!!」

 

二乃がクッションを抱きしめながら唸る。

すると。

 

「でも、福島さんも凄く嬉しそうだったよ?」

 

四葉がにこにこと笑いながら言った。

 

「え?」

「ホットケーキ貰った時だよ!顔が“わぁぁぁ!”ってなってた!」

「どんな顔よそれ!」

 

思わずツッコむ二乃。

 

「でも確かに、分かりやすかったかも」

 

一花が肩を揺らしながら笑う。

 

「マサキ君って感情全部顔に出るタイプだし」

「犬っぽい……」

「それは分かる」

「分かります」

 

三玖、四葉、五月が揃って頷いた。

 

「何でアンタ達そんな息ぴったりなのよ……」

 

二乃が呆れたように息を吐く。

だが、その口元は少しだけ笑っていた。

すると。

 

「……三玖も」

 

一花が不意に視線を向けた。

 

「今日はかなり自然にカズキ君の隣いたよねぇ?」

「──っ」

 

今度は三玖が止まる。

 

「ずっと隣だった」

「……だって、慣れてるから」

「へぇ~?」

「本当」

 

三玖は静かに言い返す。

 

「カズキ、教え方分かりやすいし」

「うんうん」

「……落ち着く」

 

ぽつりと漏れた言葉。

その瞬間。

 

「おぉ~?」

 

一花がニヤニヤし始める。

 

「三玖さん、“落ち着く”って言いました~」

「……うるさい」

「顔赤いよ?」

「赤くない」

 

赤い。

かなり赤い。

 

「……ふふっ」

 

二乃が今度は楽しそうに笑っていた。

 

「アンタも大概分かりやすいじゃない」

「二乃には言われたくない」

「なによそれ!」

 

姉妹同士のやり取りが続く。

そんな中。

 

「……でも」

 

五月が静かに口を開いた。

 

「今日、少し分かった気がします」

「?」

「和喜君達が、どうして毎回こういう勉強合宿をしているのか」

 

五月は湯呑みを見つめながら続ける。

 

「ただ勉強するだけではなくて……皆で過ごす時間そのものが、大切なのですね」

 

その言葉に、四人が少しだけ静かになった。

 

「……あー」

 

一花が、小さく笑う。

 

「それはあるかも」

「うん!」

 

四葉も嬉しそうに頷いた。

 

「今日ずっと楽しかった!」

「疲れたけどねぇ……」

「それは否定できない」

 

苦笑混じりの声が重なる。

けれど。

誰の表情も、どこか柔らかかった。

 

騒がしくて。

疲れて。

勉強も大変で。

 

でも。

不思議と、また明日も集まりたいと思ってしまう。

そんな夜だった。

 


 

~樋口家・客間~

 

「今日も疲れたぜぇ~……」

「ふっ……少しは日頃から勉強をするんだな」

 

客間に敷かれた布団へ転がり込みながら、政樹と清治はそんな会話を交わしていた。

 

ちなみに、風太郎はらいはが「和喜さんと一緒に寝る!」と言い出したことと、まだ自分の勉強を続けるという理由から、和喜の部屋で寝ることになっている。

 

現在この部屋にいるのは、政樹と清治の二人だけだ。

 

「つーかよぉ……」

 

天井を見上げながら、政樹がぽつりと呟く。

 

「マジで今回の合宿ヤバくね?」

「どの辺がだ」

「全部だよ全部!」

 

即答だった。

 

「勉強量もそうだし、(あね)さん怖ぇし、風太郎は容赦ねぇし……」

「お前が分からなすぎるだけでは?」

「うるせぇ!」

 

布団の上で暴れる政樹。

 

「でもまぁ……」

 

少しだけ声色が変わる。

 

「なんつーか、楽しいよな」

 

その言葉に、清治が静かに視線を向けた。

 

「……ほう?」

「いや、前も勉強合宿自体はやってたけどさ」

 

政樹は後頭部へ腕を回しながら続ける。

 

「こんな人数でワイワイやるの初めてじゃん?」

「確かにな」

 

清治も小さく頷いた。

 

騒がしい。

落ち着かない。

勉強にも集中しづらい。

 

それなのに、不思議と嫌ではない。

むしろ、妙に居心地が良かった。

 

「カレーも美味かったしなぁ~……」

 

政樹がしみじみと呟く。

 

「兄貴、マジで料理上手ぇよな」

「ああ。あれは普通に驚いた」

 

清治も珍しく素直に認めた。

 

「というか、和喜は妙に何でも出来すぎだ」

 

勉強。

運動。

料理。

気遣い。

 

どれも自然にこなしている。

 

「……だよなぁ」

 

政樹も同意する。

 

「しかも本人それを全然自覚してねぇし」

「そこが厄介だな」

「分かる」

 

二人の意見が珍しく一致した。

すると。

 

「……お前」

 

清治が不意に視線を向ける。

 

「二乃さんとは、随分距離が縮まったんじゃないか?」

「────ぶふっ!?」

 

政樹が盛大に咳き込んだ。

 

「な、ななな何言ってんだよ!?」

「図星か」

「違ぇし!?」

 

露骨に動揺している。

 

「ただ普通に話してるだけだろ!」

「普通、か」

 

清治が意味深に繰り返す。

 

「ホットケーキを貰って、あそこまで嬉しそうな顔をしていた男が?」

「うっ……」

 

刺さった。

 

「いやだって美味かったし!?」

「なるほど」

「なんだよその顔!」

 

完全に面白がられていた。

 

「つーか、お前だって(あね)さんに質問しまくってただろ!」

「勉強だ」

「絶対それだけじゃねぇだろ!」

 

政樹が半身を起こしてツッコむ。

 

「めちゃくちゃ自然に距離詰めてたじゃねぇか!」

「……そう見えたか?」

「見えるわ!」

 

むしろ見え見えである。

清治は少しだけ黙り込んだ。

そして。

 

「……聖奈さんは」

 

ぽつりと呟く。

 

「不思議な人だ」

「へ?」

「冷静で、厳しくて、隙が無いように見える。だが……」

 

少しだけ視線を伏せる。

 

「時折、妙に柔らかい表情をする」

 

その言葉に、政樹が目を瞬かせた。

 

「お前、結構見てんなぁ」

「……まあな」

 

否定はしなかった。

 

「でも、兄貴といる時が一番自然だよな」

 

政樹がぽつりと続ける。

 

「兄貴のこと、めちゃくちゃ信頼してる感じするし」

「ああ」

 

それは清治も感じていた。

 

聖奈が見せる柔らかな表情。

自然な距離感。

時折見せる、年相応の少女らしい空気。

あれはきっと、和喜の前だからこそ出るものなのだろう。

 

「……つーか」

 

政樹が再び天井を見る。

 

「兄貴の周り、最近マジで恋愛相関図ヤバくね?」

「……否定は出来んな」

 

五つ子。

聖奈。

風太郎。

自分達。

 

少し前までは、ただの勉強仲間だったはずなのに。

今はもう、それだけではない気がする。

 

「まあでも」

 

政樹が小さく笑った。

 

「今の感じ、嫌いじゃねぇんだよな」

「……ああ」

 

清治も静かに頷く。

 

騒がしくて。

面倒で。

勉強も大変で。

 

それでも。

こうして皆で過ごす時間が、少しずつ特別になっている気がした。

 

その頃。

別室では、まだ灯りが消えていなかった。

 


 

僕の部屋では、まだ灯りが消えていなかった。

 

「…………」

 

静かな部屋に、シャーペンの走る音だけが響いている。

 

机へ向かっているのは風太郎だ。

 

「……まだやるの?」

 

ベッドへ腰掛けながら、僕は苦笑混じりに声をかけた。

 

「当たり前だ」

 

即答。

 

「お前と違って、俺は効率だけでどうにかなるほど器用じゃねぇ」

「いや、十分器用側だと思うけど」

「どこがだ」

 

不満そうに返される。

すると。

 

「ふわぁ……」

 

隣から小さな欠伸が聞こえた。

 

「らいは、眠いなら寝てていいぞ?」

「うん……でも、お兄ちゃん達といる……」

 

そう言いながら、らいはちゃんは僕のベッドへころんと転がった。

完全に眠そうだ。

 

「今日はいっぱい頑張ったもんな」

「えへへ……」

 

頭を撫でると、らいはちゃんが嬉しそうに笑う。

すると。

 

「……お前」

 

風太郎が呆れたような目を向けてきた。

 

「完全に懐かれてるな」

「まあ、可愛いからね」

「和喜さぁ~ん……」

 

らいはちゃんがベッドの上から手を伸ばしてくる。

 

「ん?」

「今日のカレー、美味しかった!」

「ありがと」

 

その言葉に自然と笑みが零れた。

 

「また作って?」

「機会があればね」

 

すると。

 

「……ふん」

 

風太郎が小さく鼻を鳴らした。

 

「なんだよ」

「いや」

 

ノートへ視線を戻しながら続ける。

 

「お前、案外ちゃんと“兄貴”してるんだなと思ってな」

「は?」

 

予想外の言葉だった。

 

「らいはの扱いも自然だし、料理もそうだが……」

 

風太郎が少しだけ言葉を区切る。

 

「今日、お前ずっと周り見てただろ」

「……まあ、一応合宿の主催側みたいなもんだし?」

 

そう返すと、風太郎は首を横に振った。

 

「そういう話じゃねぇ」

 

真面目な声だった。

 

「誰が疲れてるか。誰が集中切れてるか。誰が理解出来てないか」

 

淡々と並べられる。

 

「全部、お前先に気付いてただろ」

 

その言葉に、少しだけ言葉が詰まった。

 

「……見てれば分かるよ」

「普通はそこまで見ねぇよ」

 

風太郎が即座に返す。

 

「しかも、それを押し付けない」

「……」

「だから多分、あいつらも自然に集まるんだろ」

 

その“あいつら”に誰が含まれているのかは、聞かなくても分かった。

 

「……珍しいな」

 

僕は少し笑う。

 

「風太郎がそんな素直に褒めるなんて」

「別に褒めてねぇ」

 

だが、否定も弱かった。

すると。

 

「ふふっ……」

 

らいはちゃんが布団へ潜りながら笑った。

 

「お兄ちゃん、和喜さんのこと好きだもんね」

「ぶっ!?」

 

風太郎が盛大に吹き出した。

 

「らいは!?」

「仲良しだよねぇ~」

「違ぇよ!!」

 

珍しく全力で否定している。

 

「はいはい」

 

思わず笑ってしまう。

 

「つーか、風太郎も大概変わったよね」

「何がだ」

「最初の頃なら、こんな合宿絶対来なかっただろ」

 

その瞬間。

風太郎の動きが少しだけ止まった。

 

「……まあ」

 

小さく息を吐く。

 

「否定は出来ねぇな」

 

ぽつりと漏れた本音。

 

「前までは、“無駄”だと思ってた」

「無駄?」

「ああ。勉強以外の時間とか、人付き合いとか……そういうの全部だ」

 

風太郎らしい考え方だった。

 

「でも」

 

そこで視線を上げる。

 

「今日みたいなのは……悪くない」

 

その言葉に、僕は少しだけ目を丸くした。

風太郎が自分からそんなことを言うなんて、少し前までは考えられなかったからだ。

 

「……そっか」

 

それだけ返す。

すると。

 

「お前こそ」

 

今度は風太郎がこちらを見る。

 

「最近どうなんだよ」

「何が?」

「恋愛相関図」

「ぶふっ!?」

 

今度は僕が吹き出した。

 

「やっぱ自覚あるじゃねぇか」

「ないわ!」

 

即否定する。

だが。

 

「一花。三玖。五月。聖奈」

 

風太郎が淡々と名前を並べ始めた。

 

「おい待て」

「二乃も最近怪しい」

「待てって」

 

完全に面白がっている。

 

「……お前さぁ」

 

僕は呆れ半分でため息を吐いた。

 

「そういうの、もっと興味ないタイプだと思ってた」

「勉強の邪魔になるなら興味ねぇ」

 

風太郎は即答する。

 

「でも、今のあいつら見てると分かる」

「何が」

「空気」

 

その一言が妙に鋭かった。

 

「……お前、結構見てるよな」

「見たくなくても見える」

 

疲れたように返す風太郎。

 

「特に四葉とか」

「……」

 

その名前に、少しだけ空気が止まった。

だが。

 

「ま、今はいいか」

 

風太郎はそれ以上言わなかった。

代わりに。

 

「ほら、お前も寝ろ」

 

ノートを閉じながら言う。

 

「明日も朝から勉強だろ」

「そうだった……」

 

一気に現実へ引き戻された。

 

「うへぇ……」

「今さら嫌がるな」

 

風太郎が呆れたように笑う。

すると。

 

「すぅ……すぅ……」

 

気づけば、らいはちゃんは完全に寝息を立てていた。

 

「……寝たか」

「ああ」

 

静かな寝顔。

今日一日、いっぱい笑って、いっぱい騒いで、いっぱい疲れたのだろう。

 

「……ほんと」

 

僕は小さく呟く。

 

「騒がしい合宿だなぁ」

「違いねぇ」

 

風太郎も苦笑する。

窓の外では、秋の夜風が静かに揺れていた。

 

賑やかで。

騒がしくて。

だけど、どこか心地良い。

 

そんな夜は、まだ終わりそうになかった。

 

 




最後まで読んでいただき、ありがとうございました!

今回は「騒がしいけど温かい時間」をテーマに、合宿の夜を中心に書いてみました。

勉強だけではなく、皆でご飯を食べたり、恋愛を茶化したり、疲れて雑談したり。

そんな“青春の空気感”を感じてもらえていたら嬉しいです。

また今回は、
女子側・男子側・和樹&風太郎側で、それぞれ違う空気になるよう意識していました。

少しずつ変わっていく関係性や距離感も、今後さらに描いていければと思っています。

そして……恋愛相関図は、まだまだ騒がしくなりそうです。

もし少しでも
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と思っていただけましたら、感想や評価、ブックマークなどで応援して頂けると励みになります!

それでは、また次回もよろしくお願いします!

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