妹が微笑う理由を、僕はまだ知らない   作:吉月和玖

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いつもお読みいただきありがとうございます。

吹雪による予定変更。
まさかの旅館宿泊。

本来ならただのハプニングで終わるはずの出来事でしたが、少しずつ変わり始めた彼女達の心は、静かな雪景色の中でも確かに動き始めていました。

まだ誰も気付いていない。
けれど確かに芽吹き始めた想い。

そんな林間学校一日目の夜をお楽しみいただければ幸いです。




35.白銀の夜に芽吹くもの

サービスエリアを出発してからしばらく。

車内は先程までの賑やかさを取り戻していた。

 

眠り始める者。

友人と話し続ける者。

景色を眺める者。

過ごし方は様々だった。

 

しかし。

窓の外だけは違った。

 

「……」

 

三玖が外を見ている。

白い雪。

先程より明らかに量が増えていた。

 

「結構降ってきたね」

 

僕も窓の外へ視線を向ける。

 

「そうだね」

 

三玖が小さく頷く。

山道は徐々に白く染まり始めていた。

 


 

~二組バス~

 

「うわぁ」

 

一花が窓に顔を近付ける。

 

「凄いね」

「そうだな」

 

清治も珍しく外を見ていた。

すると。

前方の教師達が慌ただしく動き始める。

 

「……?」

 

一花は首を傾げた。

その時だった。

 

キィィィッ――

 

バスが大きく減速した。

 

「きゃっ!」

 

車内から悲鳴が上がる。

一花の身体も大きく揺れた。

 

「危ない」

 

咄嗟に清治が肩を支える。

 

「あ、ありがと」

 

一花が礼を言う。

しかし、二人の視線は自然と前方へ向いていた。

何かがおかしい。

 


 

数分後。

鷺浦先生のアナウンスが流れる。

 

『生徒の皆さん、落ち着いて聞いてください』

 

その声だけで。

車内が静かになる。

 

『現在、吹雪の影響で道路状況が悪化しています』

 

ざわり。

 

空気が揺れた。

 

『この先へ進むことが困難と判断されました』

 

さらにざわつく生徒達。

そして。

 

『本日は近隣の旅館へ緊急宿泊します』

 

一瞬の沈黙。

次の瞬間。

 

「えぇぇぇぇぇぇ!?」

 

全車両から歓声が響いた。

 


 

~旅館前~

 

「でっか……」

 

政樹が思わず呟く。

目の前に現れたのは巨大な旅館だった。

雪景色の中に建つ和風建築。

歴史を感じさせる立派な門。

そして広大な敷地。

 

「凄いですね……」

 

五月も感心していた。

 

「こういう旅館とか初めてかも」

 

四葉も目を輝かせる。

 

「いやぁ」

 

一花は笑う。

 

「これはテンション上がるね♪」

 

・・・・・

 

大広間に全校生徒が集められる。

先生達の表情は真剣だった。

 

「まずは聞いてくれ」

 

学年主任が前へ出る。

 

「本来宿泊予定だった施設ではない」

 

生徒達も静かになる。

 

「急遽受け入れて頂いた旅館だ」

 

頷く教師達。

 

「そのため部屋数に余裕が無い」

 

嫌な予感。

 

「よって」

 

先生が続ける。

 

「クラス混合で部屋割りを行う」

 

ざわり。

 

大広間が騒がしくなる。

 

「えー!」

「マジか!」

「クラスバラバラ!?」

 

当然の反応だった。

だが、先生達も苦笑するしかない。

 

「非常事態だ。協力してくれ」

 

その説明に。

生徒達も納得するしかなかった。

 

そして部屋割りが発表される。

 

男子四人部屋

 

樋口和喜

上杉風太郎

加藤清治

福島政樹

 

「おぉぉぉ!」

 

政樹が真っ先に歓声を上げた。

 

「兄貴達と同じ部屋っす!」

「騒がしくなりそうだな」

 

清治が即座に言う。

 

「ひどくないか!?」

「否定出来るか?」

「……出来ねぇな」

 

即答だった。

 


 

~女子五人部屋~

 

中野一花

中野二乃

中野三玖

中野四葉

中野五月

 

「結局私達一緒なのね」

 

二乃が肩を竦める。

 

「安心します」

 

五月が微笑む。

 

「私も!」

 

四葉も元気よく手を挙げた。

三玖も小さく頷く。

そして一花だけは少し楽しそうだった。

 

「どうしたの?」

 

三玖が聞く。

 

「んー?」

 

一花は意味深に笑う。

 

「何か面白いこと起きそうだなって♪」

 

嫌な予感しかしなかった。

さらに。

 

「露天風呂だって!」

 

四葉が館内案内図を見ながら叫ぶ。

 

「本当です!」

 

五月も目を丸くする。

 

案内図にはしっかりと書かれていた。

 

『大浴場』

『露天風呂』

 

「やったー!」

 

四葉は飛び跳ねる。

 

「温泉だよ温泉!」

「はしゃぎ過ぎよ」

 

そう言う二乃も少し嬉しそうだった。

 


 

一方。

男子側。

 

「露天風呂あるらしいぞ」

 

政樹が言う。

 

「へぇ」

 

僕が頷く。

 

「温泉旅館だからな」

 

風太郎も答える。

すると。

 

「全員で入るか」

 

清治が言った。

 

「賛成だぜ!」

 

政樹即答。

 

「いや、まだ荷物置いてないだろ」

 

僕が呆れる。

 

「先に部屋行くぞ」

「ちぇー」

 

不満そうな政樹。

しかし誰の顔にも笑みがあった。

突然のトラブル。

本来なら困るはずだった。

だが学生達にとっては、それすらも特別な思い出になる。

そして誰もまだ知らない。

この旅館で過ごす一夜が。

それぞれの関係を少しずつ変えていくことになることを──

 

・・・・・

 

男子部屋──

 

「おぉぉぉぉ!」

 

部屋へ入った瞬間。

政樹が歓声を上げた。

 

「広っ!」

 

和室だった。

 

畳。

大きな窓。

整然と並べられた座布団。

そして四人分の布団。

 

「旅館って感じっすね!」

「旅館だからね」

 

僕が即座に返す。

 

「風情があるな」

 

風太郎も部屋を見回していた。

すると。

 

「まず荷物を置け」

 

清治が言う。

 

「温泉は逃げん」

「はーい」

 

返事だけは良かった。

荷物を整理していると、不意に政樹が思い出したように口を開く。

 

「そういや兄貴」

 

嫌な予感。

 

「何だ」

「一花さんと踊るんすよね?」

 

沈黙。

風太郎が顔を上げる。

清治も見る。

 

「……」

 

僕は無言。

 

「聞いたっすよ」

 

政樹は笑う。

 

「二組で大騒ぎらしいじゃないですか」

「前田が広めたらしいね」

「やるなー前田!」

 

やらなくていい。

 

「それで?」

 

政樹が続ける。

 

「どんな気分なんすか?」

「何が」

「好きな女の子と踊る気分っす」

「違う」

 

即答だった。

 

「違うんすか?」

「違う」

「本当に?」

「本当に」

 

政樹は疑いの目。

すると。

 

「政樹」

 

清治が口を開いた。

 

「何だよ?」

「お前は二乃さんと踊るのか」

「ぶっ!」

 

今度は政樹が吹き出した。

 

「な、何言ってるんだよ!」

 

見事な反応だった。

 

「なるほど」

 

清治が頷く。

 

「図星か」

「違う!」

 

部屋に笑いが広がる。

 


 

~五つ子部屋~

 

一歩その頃。

 

「わぁぁ~!」

 

四葉が部屋を走り回っていた。

 

「広ーーい!」

「転ぶわよ」

 

二乃が呆れる。

しかし、その顔はどこか楽しそうだった。

すると。

 

「ねぇねぇ」

 

一花が笑う。

嫌な予感しかしない声だった。

 

「何よ」

 

二乃が聞く。

 

「せっかくだし恋バナしない?」

 

沈黙。

三玖が固まる。

五月も固まる。

 

「何でよ」

 

二乃が言う。

 

「林間学校だから♪」

 

理由になっていない。

しかし一花は気にしない。

 

「そういえばさ」

 

そして爆弾を落とす。

 

「カズキ君と踊る話、二組で凄いことになってたよ♪」

「……」

 

三玖の肩が僅かに動いた。

 

「そうなんだ」

 

四葉が言う。

 

「人気者ですね」

 

五月も頷く。

 

「でしょー?」

 

一花は笑う。

 

「前田君なんて完全に広報担当だったもん」

「本人の許可取ってないでしょ」

 

二乃が呆れる。

 

「取ってない♪」

 

胸を張ることではない。

 

「でも」

 

一花は窓の外を見る。

そして少しだけ優しい顔で笑った。

 

「楽しみだな」

 

その一言に。

何故か三玖の胸が少しだけざわついた。

 

──楽しみ。

 

その言葉が頭に残る。

一花は楽しみにしている。

 

キャンプファイヤー。

ダンス。

和喜との時間。

 

「……」

 

三玖は窓の外を見る。

雪はまだ降り続いていた。

理由は分からない。

だが、胸の奥が少しだけ落ち着かなかった。

すると。

 

「三玖?」

 

四葉が声を掛ける。

 

「どうかした?」

「ううん」

 

慌てて首を振る。

 

「何でもない」

 

そう答える。

だが、本当に何でもないのか。

三玖自身にも分からなかった。

 


 

その頃。

男子部屋では。

 

「さて」

 

清治が立ち上がる。

 

「露天風呂へ行くか」

「待ってました!」

 

政樹が飛び上がる。

 

「温泉っす!」

「騒ぐな」

「無理っす!」

 

こうして。

旅館での最初のイベント。

露天風呂へ向かうことになるのだった。

 

・・・・・

 

「うおぉぉぉぉ!」

 

政樹の声が響く。

 

「広っ!」

 

旅館自慢の露天風呂は想像以上だった。

 

湯気。

雪景色。

岩造りの浴槽。

そして山々を見渡せる絶景。

 

「温泉最高ぉぉ!」

「静かにしろ」

 

清治が即座に言う。

 

「無理!」

「だろうね」

 

僕は苦笑した。

すると。

 

「しかし」

 

風太郎が湯船に浸かりながら呟く。

 

「本当に予定外だな」

「だね」

 

僕も頷く。

本来なら今頃は予定通り施設へ到着していたはずだ。

 

「まあ」

 

僕は空を見上げる。

 

「これはこれで思い出になるんじゃないかな」

「そうっすね」

 

政樹も笑う。

 

「林間学校で旅館なんて普通無ぇからな」

「確かにな」

 

すると。

 

「そういや兄貴」

 

また嫌な予感。

 

「何だ」

「一花さん」

 

やっぱりそれだった。

 

「楽しみにしてるらしいっすよ」

「何を」

「ダンス」

 

即答だった。

 

「……」

 

僕は無言。

 

「人気者は大変っすね」

「別に人気者じゃない」

「いや」

 

今度は風太郎が口を開く。

 

「お前普通にモテてるだろ」

「どこが」

「昨日だけで何人誘われた」

「……八人」

「十分だ」

 

即答だった。

すると。

 

「兄貴」

 

政樹がニヤニヤしている。

 

「一花さん以外にも居るんじゃないっすか?」

「居ない」

「本当に?」

「本当に」

 

そのやり取りに。

清治が静かに湯船へ浸かりながら言う。

 

「和喜は気付かないからな」

「何が」

「全部だ」

 

意味が分からなかった。

 


 

~女子露天風呂~

 

一方その頃。

 

「はぁぁぁ~~……」

 

四葉が気持ち良さそうに声を漏らす。

 

「生き返ります~」

「大袈裟ね」

 

二乃が笑う。

しかし。

その顔もどこか柔らかい。

 

「雪見風呂なんて初めてです」

 

五月も景色を見上げる。

 

「綺麗……」

 

三玖もぽつりと呟いた。

静かな時間。

湯気の向こうでは雪が降っている。

すると。

 

「ねぇ」

 

一花が笑う。

嫌な予感しかしない。

 

「何よ」

 

二乃が即座に反応する。

 

「ダンスの話」

「またぁ?」

「また♪」

 

一花は悪びれない。

そして。

 

「二乃はマサキ君と踊らないの?」

「ぶっ!」

 

二乃が盛大に吹き出した。

 

「何言ってんのよ!」

 

顔が真っ赤だった。

 

「違うの?」

「違うわよ!」

「ふーん」

 

全然信じていない顔だった。

 

「アンタねぇ……」

 

二乃が頭を抱える。

すると今度は一花が視線を動かした。

 

「三玖は?」

「え?」

 

突然だった。

 

「誰かと踊りたい?」

 

三玖は少し考える。

そして。

 

「分からない」

 

正直に答えた。

 

「そう?」

「うん」

 

好きな人。

付き合う意味。

独占したい気持ち。

最近そんな事ばかり考えている。

だけど答えはまだ見つからない。

すると。

 

「五月ちゃんは?」

 

一花が聞く。

 

「わ、私ですか!?」

 

五月が慌てる。

 

「そう」

「私は……」

 

そこまで言って。

不意にある人物の顔が浮かんだ。

 

「……」

 

和喜。

何故だろう。

真っ先に思い浮かんだのは彼だった。

 

「五月ちゃん?」

「な、何でもありません!」

 

慌てて首を振る。

すると、一花が意味深に笑った。

 

「ふーん」

 

全部見透かされている気がした。

 

そして誰も気付いていない。

この旅館での一夜が少しずつ。それぞれの心を動かし始めていることに。

 


 

露天風呂から戻った僕達は、部屋で寛いでいた。

 

「いやぁ~」

 

政樹が畳へ大の字になる。

 

「温泉最高~~」

「まだ一日目だぞ」

 

清治が呆れる。

 

「もう満足したのか」

「そんな訳ないだろ」

 

政樹は即答した。

 

「明日の朝も入るぜ!」

 

元気である。

すると、隣で荷物を整理していた風太郎がふと手を止めた。

 

「……?」

 

何かを見つけたらしい。

手に取ったのは小さな袋だった。

 

「何それ」

 

僕が聞く。

 

「らいはだ」

 

短い返事。

袋を開く。

中から出てきたのは手作りのミサンガだった。

少し不揃いな編み目。

けれど丁寧に作られている。

一緒に小さなメモも入っていた。

 

『お兄ちゃんへ』

『林間学校楽しんできてね!』

『らいはより』

 

「……」

 

風太郎はしばらく黙っていた。

そして静かにミサンガを見つめる。

 

「良かったな」

 

僕が言う。

すると。

 

「当たり前だ」

 

ぶっきらぼうな返事。

だが、少しだけ嬉しそうだった。

 

「らいはちゃんらしいな」

 

政樹が笑う。

 

「風太郎」

 

清治も言った。

 

「大切にしろ」

「言われなくてもそうする」

 

風太郎はそう言いながらミサンガを腕へ結んだ。

 

コンコン…

 

その時、襖が叩かれる。

 

「夕食の時間だぞー!」

 

先生の声だった。

 

「十分後に大広間へ集合!」

「了解!」

 

政樹が元気良く返事をする。

そして、僕達は夕食会場へ向かった。

 

大広間。

 

「うわぁ……」

 

四葉が目を輝かせた。

長机の上には豪華な料理が並んでいる。

 

刺身。

天ぷら。

鍋。

焼き魚。

茶碗蒸し。

 

旅館らしい豪華な夕食だった。

 

「凄いですね……」

 

五月も感心する。

 

「ここの旅館ってこんな感じなんだ」

 

三玖も興味深そうに見ていた。

 

「これは当たりね」

 

二乃も満足そうだった。

 

「旅館イベントって感じだね~♪」

 

一花は上機嫌である。

そして。

当然のように、五つ子達の近くには僕達も居た。

 

「豪華だぜ!」

 

政樹は既にテンションが高い。

 

「食べ過ぎるなよ」

「無理っす!」

 

即答だった。

 

食事が始まってしばらく。

満腹になり始めた頃先生が立ち上がる。

 

「静かに聞いてくれ」

 

自然と会場が静まった。

 

「明日の予定だが」

 

先生は資料を確認する。

 

「天候次第ではあるが、飯盒炊飯は予定通り実施する」

 

おおーっ。

 

という歓声が上がる。

 

「なお」

 

先生は続ける。

 

「飯盒炊飯はクラスごとに行う」

 

その言葉に。

各クラスでざわめきが起きる。

 

「班分けは事前に決めてある」

 


 

~五つ子side~

 

そして一覧表が配られ始めた。

 

「どれどれ」

 

四葉が覗き込む。

 

「私は……あった!」

 

楽しそうに探している。

五月も自分の班を確認する。

すると、三玖が小さく声を漏らした。

 

「……あ」

「どうしたの?」

 

一花が聞く。

三玖は紙を見る。

そこには。

 

『樋口和喜』

 

という名前があった。

同じ班だった。

 

「へぇ」

 

一花が笑う。

 

「カズキ君と一緒なんだ」

「うん……」

 

三玖は小さく頷く。

 

「良かったじゃん」

「何が?」

「料理上手な人がいる」

 

確かにそうだった。

和喜は料理が出来る。

コロッケの時だってそうだった。

だから助かる。

そのはずなのに。

何故か少しだけ嬉しかった。

 

「……そうかも」

 

三玖は小さく呟く。

 

一方。

五月も班表を見ていた。

そこには和喜の名前は無い。

当たり前だった。

クラスが違うのだから。

 

「……」

 

少しだけ。

本当に少しだけ。

残念な気持ちになる。

だがその理由は自分でも分からない。

 

「五月?」

 

四葉が聞く。

 

「どうしたの?」

「な、何でもありません!」

 

慌てて首を振った。

 

そして。

二乃も班表を見ていた。

当然。

政樹の名前は無い。

クラスが違うのだから当たり前だ。

 

「……」

 

ほんの少しだけ肩を落とす。

すると。

 

「どうしました?」

 

隣の聖奈が聞いた。

 

「別に」

 

即答だった。

 

「政樹さんなら三組ですよ」

「だから何で政樹君が出てくるのよ!」

 

二乃が真っ赤になる。

 

「違うのですか?」

「違うわよ!」

「そうですか」

 

全く信じていない顔だった。

 

「アンタねぇ……」

 

二乃は頭を抱えた。

その様子を見ながら。

一花は小さく笑う。

 

三玖。

五月。

二乃。

 

それぞれ少しずつ変わってきている。

そして自分自身も。

 

キャンプファイヤー。

ダンス。

和喜との約束。

 

思い出すだけで少しだけ胸が高鳴る。

 

「……」

 

窓の外を見る。

雪はまだ降り続いていた。

明日。

何が起きるのだろう。

そんな期待を抱きながら、林間学校一日目の夜はゆっくりと更けていくのだった──

 

 




最後までお読みいただきありがとうございました。

今回の旅館回では、それぞれの心の変化を少しずつ描いてみました。

三玖。
五月。
二乃。

本人達はまだ自覚していませんが、少しずつ和喜と政樹という存在が特別になり始めています。

そして一花もまた、キャンプファイヤーでの約束を楽しみにしている様子。

一方で当の和喜は相変わらずの鈍感ぶりです。

さて、次回はいよいよ飯盒炊飯。
料理上手な者もいれば、不安しかない者もいて……?

果たして無事にカレーは完成するのか。
そして三玖の恋心はどこへ向かうのか。

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