導星の錬金術師   作:星見錬

8 / 22
今回は前後編で変則的な二話投稿という形にさせてください。
いや本当、自分でも驚くほどに筆が乗ってしまいまして……。

その分いつもより文字数も多めなので、楽しんでもらえると幸いです。


第6話『星は()る・後編』

「君はこんなことのために、錬金術を学んだわけではないだろう?」

 

「はい……」

 

「どんなことにも本気で挑めるのは君の美点だが、何事にも程々というものがあるはずだ」

 

「はい……」

 

「あとここまで大きな風を発生させる場合、土煙のせいで目にゴミが入ったり、吹き飛んだメンコで怪我をする可能性だってあるだろう。それについて考えたことはなかったのか?」

 

「いや本当、仰る通りです……」

 

 お説教なう。しわしわ電気ネズミの顔で頷きつつ、私は内心でこっそり呟いた。

 どうやらホーエンハイムさん──師匠(せんせい)は窓から見えた突風を竜巻と勘違いして、慌てて子供達の様子を見に来たらしい。

 しかし竜巻の正体は、弟子()が大人げなく披露した錬金術によるインチキだった。

 そりゃ説教も始まるわけである。

 

 と言っても、師匠(せんせい)の説教は頭ごなしに怒鳴りつけるようなものではない。

 淡々と道理を説き、自然と反省を促すものである。うーん、これは教育者の鑑。

 

 それでも説教であることに変わりはない。

 反省の意を態度で示しつつ落ち込んでいると、ふと師匠(せんせい)の空気が緩んだ。

 

「……だが、発想自体は良いものだと思う。成長したな、ステラ」

 

「……~~っ!」

 

 ああもうっ、突然そうやって褒めるのは反則でしょうが!

 

「あ、ありがとうございます!」

 

 嬉しさのあまり飛び上がりそうなのをどうにか抑え、力いっぱいのお辞儀をする。

 頑張って耐えないと、だらしない笑顔になってしまいそうだ。

 

 師匠(せんせい)は先程のように、注意するべき点やミスに関しては容赦なく指摘するタイプの人である。

 だけど同時に、些細な所からでも良い部分を見つけ、こうしてさらっと褒めてくれるのだ。

 つまり、鞭と飴を的確に使い分けられるのである。

 

 かーっ! 師匠(せんせい)うますぎますよホーエンハイムさん! やってたでしょ!?

 ……やってたな。奴隷時代から仲間達に色々教えてたし、錬丹術の基礎を作った西の賢者だし。

 マジで師匠SSR引いたかもしれん、私。

 

 と、それはともかく。

 

「あの、他にも色々と考えてきたので、見てもらってもいいですか?

 もちろん、さっきみたいに遊びで出すつもりはなくて、あくまでもさっきのメンコを作る最中に思い付いたから試作したものなんですけど。個人的にはこの──」

 

「うん。もちろん見るけど……その前に」

 

 成果物を見せるためにジャケットをまさぐっていると、師匠(せんせい)が私の背後を指差した。

「ん?」と振り向けば、そこには不満そうな顔をした子供達の姿が。……あっ、忘れてた。

 

「まだ遊んでいる途中なんだろう? まずはそちらを優先しなさい」

 

「は、はい!」

 

 師匠(せんせい)は少しだけ微笑むと、家の中へと戻っていった。

 それを見送ってから、私は改めて子供達に向き直る。

 

「……よーし。じゃあ、二人とも! 再戦しよっか!」

 

『うん!』

 

 メンコ勝負を再開させながら、私はホーエンハイムさんの変化について考える。

 

 原作の描写を参照するに、この時期の彼は書斎で研究にふけっていたはずだ。

 それを回想するエド曰く「親らしい事をしてもらった思い出は全くと言っていい程無い」と。

 ……その研究こそ、彼が親として──家族のことを思って始めたものであったはずなのに。

 きっと、エドとホーエンハイムさんの確執はその時から始まっていた。

 

 今も若干の片鱗はある。

 私が一切関わることを禁じられている彼の研究は、おそらく原作のそれと同じものだ。

 賢者の石となった己が、家族と共に老いて死ぬ方法。

 

 その研究は回り回って、彼に国土錬成陣の存在を気付かせることになる。

 そして彼は再び悲劇を起こさぬために、家族を置いて旅に出るのだろう。

 

 でも、原作とは違う部分もある。それは、『彼と子供達の距離がそう遠くない』ということだ。

 私と一緒におもちゃを錬成し続けるデスマーチを繰り広げたおかげか、彼もまたリゼンブールの子供達に──息子達に慕われるようになっている。

 トリシャさんにそれとなく聞いた所によると、エルリック兄弟からおもちゃの修理や改良のために頼られることも多々あるらしい。

 だからその点で言えば、原作よりも父親らしい振る舞いができていると言えるはずだ。

 

 ……これはきっと、良い兆候なのだろう。

 同時に、原作にいない存在(わたし)の介入で未来が変化することを示す、重要な事柄でもある。

 

 それでも、胸に巣食う不安や恐怖は消えなかった。むしろ次第に大きくなっている。

 

 もしも、変えられる未来が限定されていたら?

 

 例えば──原作の流れに影響するような誰かの死は回避できない、とか。

 

 そんなことになれば、私の目標は意味を失ってしまう。

 

 宝物であるはずの『鋼の錬金術師の記憶』が、絶望に満ちた未来の記憶になってしまう。

 

 それが、今の私には何よりも恐ろしかった。

 

 


 

 

 あれから数時間後。遊び倒したおかげか、子供達はすっかりお昼寝タイムに突入していた。

 たまに生意気に感じる時もあるけど、寝ている時は皆天使の寝顔だ。

 それを眺めるだけで、私も不安を払拭……とまではいかないけれど、元気を貰うことはできた。

 

「お疲れ様、ステラ」

 

 大きなタオルケットを持って、トリシャさんが部屋に入ってきた。

 「手伝いますよ」とタオルケットの端を持って、二人でタオルケットを広げる。

 そして子供達を風や感触で起こさないように、ふんわりとかけた。

 

 子供達がそのまま寝ているのを確認してから、私はトリシャさんに笑いかける。

 

「いえ。こんなの、全然疲れたうちに入りませんよ。楽しかったし、いい気分転換になりました。

 おかげで勉強も頑張れそうです」

 

 「むん」と力こぶを作るポーズをすると、トリシャさんもくすりと笑ってくれた。

 

「そう。今日も頑張ってね」

 

「ありがとうございます」

 

 軽く会釈をしてから書斎へと向かう。足取りはウキウキとしつつ、あくまでも静かに。

 書斎のドアの前に来たら、テンションを落ち着かせるためにちょっと深呼吸。

 最初はノックするのにも緊張していたけど、今は早く講座を受けたくてたまらない。

 

「……ふぅ、よし」

 

 ドアを数回ノックして、そっとドアを開ける。

 

師匠(せんせい)、お待たせしました。今日もよろしくお願いします」

 

「ああ。始めようか」

 

 師匠(せんせい)に促され、彼の隣にある椅子に座る。

 ──さあ、今日も楽しい錬金術講座の始まりだ!

 

 

「さて。早速だが、先程言っていた物を見せてくれ」

 

「分かりました、少々お待ちくださいね……えーと、確かここに……あった! どうぞ!」

 

 ジャケットの内ポケットから、数枚のカードを取り出して机の上へ。

 大きさはトランプくらい。表に描かれているのは、ステンドグラス風の幾何学模様だ。

 

「メンコとは形が違うんだな。あれは円形だっただろう?」

 

「想定している用途が違うので。こちらは持ち運びやすさを重視しました。

 この柄の中に錬成陣を仕込んでいて、地面や壁に接触させると発動する仕組みです」

 

 それぞれのカードを指差しながら、私は効果を説明する。

 

「さっきのメンコは突風ですね。そしてこれが分解、これが軟化で、こっちは壁」

 

「……これ全部、錬成できるものが違うのか?」

 

「はい、そうですね。

 ちょっと多いので残りをまとめて紹介すると──左から、柱・扉・棘・閃光・煙幕です。

 ……本当は、もっと作りたかったんですけどね。今はこの九種が限界でした」

 

 本音を言えば、炎や氷みたいな、もっと攻撃的な効果を持つカードも作りたかったんだよな。

 だけど、どんなに理論をこねくり回しても今は不可能だと断じるしかなかった。

 うーん……まだまだ原作の国家錬金術師達との差は大きいなあ……。足元にも及ばないや。

 

「なるほど。……では、このカードを作成した目的は?」

 

「錬金術師って、基本的にその場で錬成陣を書かないといけないじゃないですか。

 ですが、時と場合によっては錬成陣を書く余裕がない時もあるはずです。主に戦闘とか。

 このカードは、そういった事態に備える目的で作成しました」

 

「錬成物の選定基準は?」

 

「最初は攻撃手段のつもりだったんですが……威力重視にすると、カードの面積に収まらなくて。

 なのであくまでも離脱用と割り切って、相手の足止めや目眩し、その場からの脱出に使えそうなものでまとめてみました。……どうでしょうか?」

 

 ちなみにこのカードを思い付いたきっかけは、カードをキャプターする例の作品だったりする。

 いいよねアレ。特に衣装が可愛くてさ。女の子の憧れだよね。

 ……ハッ、今なら私も美少女パワーで着こなせてしまうのでは……!?

 なんてこった、恐ろしい可能性に気付いてしまったぜ。我ながらとんでもない発想力だ……。

 

 っとと、いけないいけない。まだ講座は始まったばかり。思考を逸らすにはまだ早い。

 

 さてさてさーて、この錬成陣カード、個人的には結構良い線行ってると思うんだけど……。

 肝心の師匠(せんせい)の反応はどうかな? ちらっ。

 

「ううむ……」

 

 ……なんか、困惑してる……? 眉間にしわ寄ってるし、考え込んじゃってるし。

 今の説明にどこか不備があったかな?

 

「そうだな……どこから指摘するべきか……」

 

 そんなに。えっ、な、何が駄目だったんだ……?

 幾何学模様に錬成陣を隠す意味が分からない? 錬成物の種類が少なすぎた?

 それとも、知らず知らずのうちに車輪の再発明になってたとか!?

 ……まあ、これくらい誰でも思い付くだろうしなあ……。ちょっと調子に乗りすぎたか……?

 

 またお説教コースだったらどうしようかとハラハラしつつ、師匠(せんせい)の言葉を待つ。

 

「……まず、発想は本当に悪くないんだ。もしもの事態に備え、予め錬成陣を用意しておく。

 その発想に至る錬金術師は多いし、実際に君と同じようなアプローチを試した者もいるだろう。

 だが、これを今の時点で自発的に思い付いた点は評価できる。よく頑張ったな。

 このカードに多少の改良を加えれば、十分に実用に値するはずだ。

 ──ただ、君の場合。このカードを作った前提が少し不可解に思える」

 

「……前提が、ですか?」

 

「ああ。……『錬成陣を書けない状況』で最初に想定するのは通常、戦闘ではなく災害のはずだ。

 錬金術は戦闘のために使うものじゃない。──軍に所属する国家錬金術師なら、話は別だが。

 それとも、君は国家錬金術師になりたいから『攻撃手段』としてこれを考案したのか?」

 

「……………………?」

 

 錬金術は、戦闘のために使うものじゃ、ない? …………???

 何を言ってるんだろう、この人。原作じゃ皆、戦闘で錬金術使ってたのに。

 むしろ貴方も使う側だったし。なんでそんな事を言うんだ?

 

 えーっと、もしかして私何か勘違いしてた? ちょっとFA版序盤のアレを思い出してみるか。

 

 『錬金術とは物質を、理解・分解・再構築する科学なり』

 

「あっ」

 

 そこで私は、ようやく自分の重大すぎる勘違いに気が付いた。

 

 

 錬金術って戦うために使うものじゃないじゃん!!

 

 

 やばいやばいやばいやばい! ついつい原作に思考が引っ張られてた!!

 うーわ、どうしようこれ……ここはどう答えたらいいんだ……!?

 

 国家錬金術師には……まあ……今もかなり憧れはある。銀時計と二つ名欲しいし。

 しかしその制度が人柱候補を選定するためのものだと分かっているし……そもそもの話。

 今の私の実力じゃ到底、国家錬金術師になれるはずがない。悲しい話だけどね。

 身の程はちゃんと理解しているつもりだ。

 

 だけども、今それを言った所で「ならば何故、戦闘を前提に?」と詰められるだけだろう。

 良い感じの言い訳なんかないかな~~~~……そうだ!

 

「い、いやいや! 国家錬金術師になりたいだなんて、そんな大それたことは考えてませんよ!

 ……ただ、その……最近ちょっと物騒じゃないですか。ほら、例の内乱とか。

 ラジオや新聞でそういう情報を見聞きする度に、『もしもリゼンブールが巻き込まれちゃったらどうしよう』って、かなり不安になっちゃって……。

 だから、それに備えるために今回のカードを作った次第です!!」

 

 ──ああ、今も苦しんでいるであろうイシュヴァールの人々よ。

 転生者であることを誤魔化すために、貴方達を口実に使ったことをお許しください。

 でも、これ以上にそれっぽい言い訳が思い付かなかったんだ……!!

 

 再びこっそりと師匠(せんせい)の様子を窺う。腕を組んで考えているようだ。

 どうか、この言い訳で納得してもらえますように……!

 そう祈りながら、待つこと数十秒。

 

「……君の意見は分かった。確かに、最近の情勢は不安定だ。不安になってしまうのも仕方ない。

 だとしても、君が目指していたものはそうじゃないだろう。

 『人を助けるために錬金術を使いたい』──師弟関係を結ぶ時、君はそう言ったはずだ。

 俺はその言葉で、君の師匠になると決めたんだ。どうか、それを忘れないでほしい」

 

「……っ、はい!」

 

 つい潤んできてしまった目を擦り、改めて決意を固くする。

 そうだ。私は、この先の未来で死んでしまう人々を救うために錬金術を学んでいるんだ。

 『未来を変えられるか分からない』なんて、うじうじしてる暇はない!

 

「いい返事だ。……では、改めてこのカードの利点と欠点、そして改善点を一緒に考えよう。

 もしもこれを戦闘からの逃亡ではなく、災害時の避難に使うとするのなら──」

 

 講座が再開する。私はそれに夢中になっていて、だからこそ気付かなかった。

 師匠(せんせい)が……ホーエンハイムさんが──

 

 私をずっと、観察していたことに。

 

 


 

 

 今日の講座を終え、帰路につく弟子を見送る。

 

 彼女の家庭教師となって二年、錬金術師として師弟関係を結んでから一年。

 永遠と見紛うような時の中では、どちらも一瞬の出来事であったはずだ。

 それでもやけに長く感じてしまうのは、おそらく勘違いなどではないだろう。

 

 ──とても充実した日々だった。思い出す度に、自然と頬が緩んでしまう程に。

 

 だからこそ、これ以上目を背け続けるべきではないのだろう。

 

 

 エステル・オルティーズという少女の、身体と精神の異常性について。

 

 

 まずは身体の方。二年前の初対面から今に至るまで、彼女の体型は微塵も変化していない。

 食事は人並みに摂取しているはずなのに、その病的なまでの痩身が改善する兆しはない。

 正確な年齢は不明だが、己の見立てによれば彼女の年齢は十六か十七歳。

 第二次性徴は既に終わっているかもしれないが、だとしてもここまで変化がないのは異常だ。

 

 ……己の身体も()()だからよく分かる。

 何らかの要因により、彼女の身体は()()()()()()()()()()()()()()()()()()()

 

 しかし、己のように賢者の石によってそれを可能にしているわけではない。

 シンの気の流れを読む力で視た彼女の気配は、そこに一人分の魂しかないことを示している。

 ……ただ、普通の人間と比べると、その気配はとても薄弱だ。

 

 まるで、体と魂が本当の意味で繋がっていないかのように。

 

 もしも、それを為した者がいるのなら。一番怪しいのは、彼女の同居人であるクリスチナだ。

 だが、真正面から尋ねた所で真実を告白することはないだろう。

 

 彼女が自身の身体の異常性に気付いている素振りは、今のところ見受けられない。

 かと言って、聡い彼女がそれに気付かないはずがない。

 おそらくは自覚した上で隠しているか──()()()()()()()()()()()()

 

 故に、慎重に対応する必要があるだろう。

 

 

 次に精神面。彼女は悪人ではない。()と繋がりがある可能性も零に等しい。

 その一方で、他の誰にも言えない重大な秘密(なにか)を抱えているようだ。

 

 身体についてもそうだが、一番隠したがっているのはおそらく知識と認識について。

 記憶喪失というのも完全なる虚偽か、あるいは過去の一部分についてだけなのだろう。

 

 彼女が語った過去から察するに、入院時の彼女が教育を受ける機会は全くなかったはずだ。

 万が一機会があったとしても、記憶喪失ならばそれすら忘却の彼方にあるだろう。

 ……にも関わらず、現在の彼女は高等教育を受けた形跡がある。

 

 家庭教師として課したテストの点数がその証拠。

 何故か地理と歴史だけあまりできていなかったが、それ以外はほぼ満点だった。

 

 今回のように、何故か『戦闘』に備えようとする点も気がかりだ。

 『災害』なら分かる。『戦争』ならまだ理解できる。しかし、彼女は『戦闘』と言っていた。

 つまりそれは、彼女が誰か──あるいは何かと戦わなければならないことを示している。

 戦いはいつ、どこで起きるのか。その時に、己ができることはないのだろうか。

 そしてそれはリゼンブールに……あるいはこの国にすら危害を与えかねないものなのか。

 手を差し伸べるためにも、いずれは解明する必要があるだろう。

 

 

 彼女の精神面にある異常はそれだけではない。

 

 特に顕著なのは、錬金術に対する『憧憬』と『諦観』だ。

 

 彼女は確かに、錬金術を心から愛している。錬金術を学ぶことを楽しみ、常に研鑽を怠らない。

 課題で生み出した独特な玩具や、今回のカードのように、積極的にアイデアを出すこともある。

 

 おそらく、彼女にとって錬金術師は天職だ。天才と言っても差し支えない。

 そもそも才能がなければ、たった一年で錬金術を発動できる域にまで達するはずがない。

 

 だがしかし、その点を指摘しても彼女は自らを天才だと頑なに認めない。

 『自分よりも遥か上の存在は無数にいる』と、強い思い込み──否、確信を持っている。

 

 ()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()

 

 無論、賢者の石を用いた錬成陣なしの錬成など一度も見せたことはない。

 他者から見た己は、凡庸な錬金術師に過ぎないはずだ。

 ……ならば、その確信の元はどこにある?

 

 不可解な点はもう一つ。

 そんな確信を持っていてなお、彼女が努力をやめないことだ。

 

 かつて、様々な人間が膝を折った『才能の差』という残酷な壁を前にしても。

 頂点に手が届くはずがないと()っていながら、少しでも届くようにと足掻いている。

 

 その姿は、まるで遠い夜空の星に手を伸ばすようだった。




次回から本格的に話を進める予定です。
  1. 目次
  2. 小説情報
  3. 縦書き
  4. しおりを挟む
  5. お気に入り登録
  6. 評価
  7. 感想
  8. ここすき
  9. 誤字
  10. よみあげ
  11. 閲覧設定

▲ページの一番上に飛ぶ
X(Twitter)で読了報告
感想を書く ※感想一覧
内容
0文字 10~5000文字
感想を書き込む前に 感想を投稿する際のガイドライン に違反していないか確認して下さい。
※展開予想はネタ潰しになるだけですので、感想欄ではご遠慮ください。