星をヒロインとしてちょっとした小話とかがかければいいなと思い書き始めました。
ガールズラブは念のため。
よろしくお願いいたします。
シーン1 今日はゴミ箱漁りって、星ちゃんヤバいだろそれは!〜人の人生は否定しちゃダメじゃない?〜
「───行くよ、レン!! 新たなゴミ箱が私を待っている!」
「待ってない、待ってない! てか俺を巻き込むな!
星穹列車に訳あって乗り合わせているレンと星は何個かの惑星の危機を乗り越えてきた。
しかし、その反面、星は自由で好奇心旺盛な為、レンは振り回されてばかりだった。
様々な場所に出向き、繰り返す奇行。
銀色の跳ねた髪に、長い睫毛に黄金色の目。一目見た時には寡黙なクールビューティにも見える女性(その出生からは実年齢は幼稚園位かもしれないが)なのに、今はそれを感じさせないぐらいの行動力である。
そんな星にレンは呆れながらも付き合ってきた……。
「つーか、丹恒とか、なの、とかに頼めよ。アイツらなら一緒に来てくれるだろ。なんだかんだ言いながら」
「駄目! 2人にはツッコミ力が足りない! それにレンは将来、私の旦那様になるから! ちゃんと私の事を知ってもらわなきゃね、前になのかに聞いたら『アピールするといいかも!』って言ってた!」
「なるか!?! てかあいつ恋人いたことないだろ!? 聞くヤツ間違ってないか!? 参考にならないだろ!ヴェルトとかに聞けよ!」
星はレンがこの話をすると毎回こう答える。『将来結婚する』と。
だが、レンは全くもってその事を本気にしていなかった。幼稚園が先生に『将来、先生と結婚する!』と言うのと同じ感覚だろう。
やがてデカイ虫を持ってきて『見て〜』とか言いそうで怖い、とレンは思っていた。
「とにかく、私はレンと一緒に行きたいの! ほら行くよ!」
「あっ、おい! 引っ張んなって」
2人は列車から降りると、星はレンの手を引きながら駆けていく。その星に引っ張られながらレンは『また、振り回される』と思っていた。
「ねぇ! これ見て!」
「なんだ? って、ゴミ箱か」
とある惑星の街中の片隅で星が見つけたのはゴミを捨てる為のゴミ箱。しかし、それはとても大きく、人が入れそうな大きさだった。
「大きいね!」
誰が何のためにわざわざ作ったのか分からない様な代物だ。
近くにあるゴミ箱は普通のサイズなのに。
こんなものがあるからホイホイ星核ちゃんがつられてしまうのだ。
「……確かにデカいけど……」
「よし! 私は入る! レン!」
「えっ、マジ? ちょっと……おい!!」
レンが星を止めようとしたが時既に遅し。星がゴミ箱の蓋を開けてそこに入ってしまう。
その時の彼女の迷いは一切なかった。
「普通のゴミ箱より大きいよ! 凄い!」
『そういう問題じゃない!』と星に突っ込みたくなるのを我慢して、レンは話を聞くことにした。
「……で、わざわざここに来た理由は?」
「デカイゴミ箱があるって聞いて、本当かなって思って来てみたら本当にあった!」
「だからか……」
星は『デカイ』と聞くや否や、そのゴミ箱にすぐ飛びついた。好奇心旺盛な彼女らしいと言えばらしいのだが、レンは呆れていた。
「飛んで火に入る夏の虫かよ。で、満足したか? なら帰るぞ」
「まだ! この中はどうなってるのか気になる!」
星はゴミ箱の中でゴソゴソと動き始めた。その拍子に彼女の髪や服に埃に飛び出る。
『本当に子供みたいだな』とレンは思いながら、星を見ていた。
どうやら中にはゴミ自体は無かったらしい。幸いなのか違うのか。
「よし、中身は普通かぁ。残念……って、あれ? 抜けない……」
彼女はどうにか出ようとしているのだが、頭しか出ていないようでまるでモグラたたきのモグラみたいな状態になっていた。
「…………星、お前やっぱり馬鹿だろ。そんなんで抜けられるワケが……」
「レ〜ン!! 助けて〜!?」
「やっぱり馬鹿だ!! …………はぁ……」
レンは呆れた様子で星を眺めた。
養豚場のブタを見る様な冷めた目である。
『この馬鹿をどうにかしないと』と思ったレンは星を仕方なく助けてやる。
「ほら! 手!」
「……届かない。レン、助けて」
「…………ったく、しょうがないな」
『自業自得だろ』と心で呟きながらもレンは星に手を貸す事にする。なんでこんな目に会うんだと思いながら、彼女の手を取ると、ゴミ箱から引っ張り出してやる。
「ありがとう! レン!」
「……で、満足したのか?」
「うん。ゴミ箱の中は普通って分かったから満足」
「そうかよ……」
『この馬鹿の相手も大変だ』と思いながら、星を立ち上がらせるが、いつもよりボサボサになっていることに気付く。
「星、髪ボサボサだぞ」
「大丈夫だよ、後でお風呂入るし」
「……ならいいけど……。もうちょい身なりに気を付けろよ。お前……綺麗なんだからちゃんとすれば……」
「えっ?」
レンが星を褒めた。
その事に気付いた星は驚いたのか、目を丸くしながらレンを見る。『そんな目で見るなよ』とレンは思いながら、少し照れながら話を続ける。
「……だから! お前って見た目良いのにいつもあんな感じだろ? 勿体ないからちゃんとしろよ」
「わ……分かった!」
星の頬が赤く染まるのを見て『本当に分かってるのか?』とレンは思ったが、これ以上言っても仕方ないと思い、それ以上は言わなかった。
「じゃあ、帰るぞ」
「……ねぇ、レン」
「ん?」
『なんだ?』と思いながらレンが星を見ると彼女は少し頬を赤らめながらモジモジしていた。
「ん? 言いたいことあるなら早く……」
「……その、また一緒に来ようね!」
「はぁ? お前、またゴミ箱に入るつもりか?」
「違うよ! 今度は普通にデートしよ!」
「……お前の普通のデートってどんなんだ? またアイスとか沢山買わせてきたりとか、変なもの食べさせる気じゃないだろうな?」
星は『それは……その……』とモゴモゴしながら目を泳がす。
『図星か……』とレンは思いながら、星に言う。
「あのな? 大体は俺だから許しているとこもあるからな? 他の奴だったら嫌がられるぞ?」
「……分かった」
「ならいい。帰るぞ」
「うん!」
『本当に分かってんのか?』と心配になるレンだったが、星は嬉しそうにしていた。そんな星の様子を見て、まぁいいかと思い直す事にした。
「ねぇ! また行こうね! デート!」
「……気が向けばな」
「やったー!!」
2人はそのまま列車に戻っていった。その途中も星は楽しそうにしているのを見て、レンも悪い気はしなかった。
※※※
数日後。
今日も2人は星穹列車で過ごしていた。
だが、『なんで俺はまたこいつに付き合ってんだ?』とレンは思いながら、星の話を聞いていた。
「ねぇ! デートに行こうよ!」
「……なんでそうなった? 行かないからな」
「ほら! お出掛けしよう?」
そう言うと星は『早く』『今すぐ』と言いながらじっと見つめてくる。それを見たレンは本当に勘弁してくれ……と思いながら頭を抱えるしか無かった。
今日は部屋の掃除をしようと準備をしていたからだ。手に持つ掃除用具が目に入らないんだろうか。
「あのな? 今日は掃除するから無理だ」
「……デート……」
「だから行かないからな」
星は『むー!』と無表情で言いながらレンをジト目で見つめる。
『子供か』と思いながら、レンはため息を吐いた。
そんな2人の様子をたまたま見ていたのか、なのかがやってきた。
「あれ? 星とレンどうしたの? 今日レン、掃除するって言ってたよね?」
「あっ、なの。……いや、その」
「レンがデートしてくれない……」
『だからなんでそうなるんだよ!』とレンは心の中で叫んだ。
星は『私はこんなにお願いしているのに』という顔をしながら、なのかを見る。
それを見たなのかは『ああ、これは』と察する。そして、優しい彼女はレンを哀れみの目で見た後、助け舟を出すことにした。
「ねぇ、星……あのさ……」
「……レンがデートしてくれないんだよ? 酷くない?」
「いや、でもそう言うのって約束して、2人で決めた方がいいよ。レンも星とデートしたいけど、今日は掃除しなきゃいけないんだよ。だから……」
「えっ? そうなの?」
なのかの助け舟にレンは『流石だ。よく言った』と感心する。
だが同時になんで自分が星とデートしたいと言う言い方をするのか、と疑問に思う。
「だから今日はデートはまた今度にして、2人で掃除したら? レンもその方が嬉しいよ」
「……うん。分かった」
星はそう言うと、『でも』と話を続ける。
「デートはするから!」「いや! しねぇよ!!?」
2人の声が列車内に響く。その声を聞いたなのかがため息を吐く。
「はぁ……2人とも……」
※※※
その後、なのかは『痴話喧嘩は他所でやって』と言いながら去っていき、掃除する為に2人はレンの部屋に戻る。
レンは持っていた箒で掃く作業に入った。ベッドの上には星が座ってその様子を見ている。
「なんでお前まで俺の部屋にいるんだよ」
「……だって、私はデートしたいもん」
『だもん』って……子供かよと思いながらも、レンはそれを口に出すのを我慢した。言ったところで星には無駄だからだ。
「はぁ……」
「ねぇ、レン」
「ん?」
「デートどこに行く? 私は美味しいもの食べたい!」
「……お前本当……。まぁ、いいや。座ってないで暇なら手伝ってくれないか? 掃除」
「うん!」
レンは星に『デート』の話題を振られて、またため息を吐く。だが、それを言っても仕方ないと思い直し彼女の手伝いを頼む事にした。
「じゃあ、ちりとりでゴミを集めてくれ」
「うん、分かった!」
星は返事をすると箒を掃くレンの横でちりとりを手にしながらゴミを集める。そんな星の様子を見ながら『まぁ……たまにはいいか』と思い掃除を続けることにした。
※※※
2人はその後も部屋を片付けていると、色んなものが出て来た。
買ったまま忘れているものや、不要なものや貰い物。
『これは捨ててもいいな』とレンは思いながら、ゴミ袋にどんどん入れていった。
「レン、これ何?」
「ん? ああ、それは……」
2人が話しながら片付けをしていると星がある物を手にする。それを見たレンは顔を真っ赤にした。
「なんで猫耳があるの?」
「ちょっ!? 返せ!!」
レンは急いでその猫耳カチューシャを星の手から取り返そうとするが彼女はそれをさせまいと逃げる。
前にとある惑星で代わりに頼まれ事をした時に、押し付けられたものだ。
「猫耳ってなんか可愛いよね? ね、レン?」
「うるさい! 返せ!」
レンは星からそのカチューシャを取り返そうとするが中々難しい。星は逃げながら言う。
「これ付けてよ」
「誰が付けるか!」
「……レンが付けてくれないとやだ」
星は猫耳を抱き締めながら拗ねる。その様子を見たレンは『これは付けないと駄目なやつなのか?』と思い始めた。何を言ってもこいつには無駄だろう……。異性の部屋に呑気に来るくらいだし、と思いながら、肩を落とした。
「……はぁ、分かったよ。お前がそこまで言うなら……」
「うん! ありがとう!」
星は満面の笑みを浮かべながらその猫耳カチューシャをレンに手渡す。それを受け取ったレンはしぶしぶその猫耳を付けた。
「……ったく、これでいいだろ……」
「可愛い〜! レンは猫耳似合うね!」
「……嬉しくねぇよ。もう、これで終わりだ」
これ以上ここにいたくないと思い片付けようとすると星に止められる。
「待って! 写真撮っていい?」
「はぁ!? なんでだよ!?」
2人は少しの間言い合いをするが、結局猫耳を付けたまま写真を撮る事になった。パシャリとスマホのシャッター音が部屋に響く。
「うん! 可愛い!」
「……はぁ」
2人はその後、掃除を終わらせると、星は『またね!』と手を振って自分の部屋に帰っていった。
「なんだったんだ……あいつ……」
レンはその後ろ姿を見ながらそう呟いた。そして、猫耳カチューシャを外してゴミ袋に入れるとそれをゴミ袋に入れたのだった。
主人公 レン 漢字だと『練』
・ヴェルトとは違う世界の地球からやってきた
(他崩壊シリーズ関係なし/スタレなどはない世界)
・成人
・苦労人体質
・星曰く『ツンデレ』
・某実験の時に抜け出した中の一人